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第一章『人外×幻想の魔物使い』
第31話:ホームラは懲りない
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「――え? 今なんて?」
ガチャコンッという重々しい音を立てて、僕は硬いギルドの床に落とされた。「ぐえっ!?」という悲鳴から察して欲しいが、受け身も取れず背中から衝撃がモロにきた、割と痛い。
「はぁ……俺は反対なんだがな。リオラが行かせてやれってうるせぇんだ。だから二度までしか言わないぞ、いいかエルウェよく聞け――、」
帰路にて。
あまりにしつこくいじける僕に諦念の溜息を吐いたエルウェが、太股ではなくその豊満な胸に抱いてくれていたわけだが……先の「迷宮にいってもいいぞ」という言葉がかかった途端これである。ひどい。慰めるきゼロである。
紫紺の瞳を明滅させてよろよろと起き上がる僕を完全に置いてけぼりに、引き締まった巨漢の男、ギルドマスターのヨキさんがエルウェに言う。
「――明日から『迷宮』に潜ることを許可する」
「ええっ!! ほんと!? いいの、本当にいいのおじさんっ!? やったぁ!」
「ああ、気持ちはわかるがそんなに服を引っ張るな」
ヨキさんに詰め寄り、両手で服を引っ張りながら跳ねるエルウェの喜びようは凄い。
冒険者ギルドの受付と酒場の中間、二階へ続く階段の麓でのやり取りであったため、彼女は多くの視線を呼び寄せていた。普段ギルド内ではクールなエルウェの、年相応に喜ぶ姿は誰の目にも珍しく映ったようだ。
エルウェほどの美少女であればナンパの一つや二つ日常茶飯事のように思われるが、ギルド内では常にヨキさんの圧力がかかっている。結果として物珍しい新種の魔物である僕にちょっかいを出してくるような輩もいないわけだけど……
「へぇ! テューミア支部で俺に継ぐ期待の新星と名高いエルウェちゃんも、ついに迷宮デビューかい!?」
目に痛い金髪をツンツンと尖らせているこの男――ホームラに限っては例外だ。
それは男爵ゆえの権力者だからではない。ヨキさんに限って貴族の権力にへこへこするなど有り得ないし、今回の話は単純にこのホームらの胆力によるものだ。つまり何度追っ払われても諦めないど根性を持っているわけである。普通にすごい。
「でもねでもねぇ、エルウェちゃん! 迷宮ってのは危険がいっぱいなんだ。だからこそ、そんなちっぽけで役に立たなそうな、騎士ごっこをしているだけの鎧の魔物より、この俺【炎槍】のホームラを君の騎士として、いやこの際将来のパートナーとして――、」
む、言うじゃないか――と、言われっぱなしは我慢ならない僕が遠慮なく反論しようと思い面甲を開くも、
「顔も性格も諸々、非情に気持ち悪いです。金輪際私に近寄らないで下さい」
「なぁッ!?」
一転、温度のない冷めた目つきでホームラを睨めつけたエルウェ。これで手足の指の数では足りない程の絡みだというのに、酷く距離を感じさせる物言いだ。
「ホームラよ……お前も懲りんヤツだな。そのあくなき胆力でC級冒険者まで登り詰めたのは偏に称賛に値するが……あんまりしつこいようだと、テューミア支部から追い出すぞ? ああ? それともこの前のように半殺しがいいか? ああ?」
加えてヨキさんのガン飛ばし。あまりの迫力に顔を引きつらせたホームラが一歩後退った。
うんうん、そこまでは通常通りの対応だ。
しかし今回は僕のことを貶されたのが癪に障ったのか、床に尻餅をついたような格好であった僕を抱き上げるエルウェ。そのまま僕の顔をむぎゅっと胸におしつける。むぎゅっと、押しつける。むはっ。
「それに、この子は小さいけれどちゃんと私の騎士をしてくれているんです。あなたより何倍も強いですし、何十倍も頼りになりますから。気取った偽騎士様は、門衛にでもなって民の役に立てばいいのではないですか?」
「ぬ、ぬぐぐ……ッ!」
「…………ッ」
悔しがるように拳を握るホームラ。
僕はと言えば、ただ驚いていた。
僕を褒めたためしがないエルウェの語る予想だにしていなかった言葉に、彼女の顔を見上げ瞠目する。
「……エルウェ」
「な、何よ」
谷間から覗く僕から、エルウェは目を逸らす。
けれどほんのりと赤らめた頬は、勢いで言ってしまった感が見て取れた。
「照れるなら言わなきゃ良いのに」
「珍しく褒めてあげてるんだからそこは素直に感謝しなさいよっ!?」
そう言って目を剥き、ぎぎぎ――と胸元から引き離そうとするエルウェ。
ぼくは服を掴んで離さない。いっそ服の下の下着さえ掴む必死ぶりだ。さっきは気を抜いていたため落ちてしまったが、このポジションは滅多に居座ることの出来ない男の楽園なのだから!
それに、さっきの言葉。
けっこう嬉しかったしね。
控えめに言って嫁にしたい。結婚したい。ああ、離れたくないよエルウェ。大好き。
「俺はまだ諦めたわけじゃないからな!? いいか、俺を選ばなかったことを後悔――この【炎槍】のホームラを無視するなぁああ!?」
「エルウェの半径三メートル以内に入ったな? ――殺す」
「――ぐべぇらッ!?」
僕とエルウェがいちゃいちゃしている間に、ホームラはヨキさんの鉄拳をくらい酒場の方に吹っ飛んでいった。結果、酒と机と椅子と、そして人が飛散する人間爆発が起こるのだが、僕の知ったことではない。
それより明日からは迷宮に潜るらしい。
そろそろ僕の真の力を見せるときがきたのかもしれないね――
きっとエルウェは期待通りの僕の騎士っぷりに、「見直したわ、大好き!」と言って惚れ直してくれるに違いない。ああ、僕の中ではもう惚れられていると思ってるのは秘密なのだった。
ふ、ふふふ。ふふふふふふ。
ガチャコンッという重々しい音を立てて、僕は硬いギルドの床に落とされた。「ぐえっ!?」という悲鳴から察して欲しいが、受け身も取れず背中から衝撃がモロにきた、割と痛い。
「はぁ……俺は反対なんだがな。リオラが行かせてやれってうるせぇんだ。だから二度までしか言わないぞ、いいかエルウェよく聞け――、」
帰路にて。
あまりにしつこくいじける僕に諦念の溜息を吐いたエルウェが、太股ではなくその豊満な胸に抱いてくれていたわけだが……先の「迷宮にいってもいいぞ」という言葉がかかった途端これである。ひどい。慰めるきゼロである。
紫紺の瞳を明滅させてよろよろと起き上がる僕を完全に置いてけぼりに、引き締まった巨漢の男、ギルドマスターのヨキさんがエルウェに言う。
「――明日から『迷宮』に潜ることを許可する」
「ええっ!! ほんと!? いいの、本当にいいのおじさんっ!? やったぁ!」
「ああ、気持ちはわかるがそんなに服を引っ張るな」
ヨキさんに詰め寄り、両手で服を引っ張りながら跳ねるエルウェの喜びようは凄い。
冒険者ギルドの受付と酒場の中間、二階へ続く階段の麓でのやり取りであったため、彼女は多くの視線を呼び寄せていた。普段ギルド内ではクールなエルウェの、年相応に喜ぶ姿は誰の目にも珍しく映ったようだ。
エルウェほどの美少女であればナンパの一つや二つ日常茶飯事のように思われるが、ギルド内では常にヨキさんの圧力がかかっている。結果として物珍しい新種の魔物である僕にちょっかいを出してくるような輩もいないわけだけど……
「へぇ! テューミア支部で俺に継ぐ期待の新星と名高いエルウェちゃんも、ついに迷宮デビューかい!?」
目に痛い金髪をツンツンと尖らせているこの男――ホームラに限っては例外だ。
それは男爵ゆえの権力者だからではない。ヨキさんに限って貴族の権力にへこへこするなど有り得ないし、今回の話は単純にこのホームらの胆力によるものだ。つまり何度追っ払われても諦めないど根性を持っているわけである。普通にすごい。
「でもねでもねぇ、エルウェちゃん! 迷宮ってのは危険がいっぱいなんだ。だからこそ、そんなちっぽけで役に立たなそうな、騎士ごっこをしているだけの鎧の魔物より、この俺【炎槍】のホームラを君の騎士として、いやこの際将来のパートナーとして――、」
む、言うじゃないか――と、言われっぱなしは我慢ならない僕が遠慮なく反論しようと思い面甲を開くも、
「顔も性格も諸々、非情に気持ち悪いです。金輪際私に近寄らないで下さい」
「なぁッ!?」
一転、温度のない冷めた目つきでホームラを睨めつけたエルウェ。これで手足の指の数では足りない程の絡みだというのに、酷く距離を感じさせる物言いだ。
「ホームラよ……お前も懲りんヤツだな。そのあくなき胆力でC級冒険者まで登り詰めたのは偏に称賛に値するが……あんまりしつこいようだと、テューミア支部から追い出すぞ? ああ? それともこの前のように半殺しがいいか? ああ?」
加えてヨキさんのガン飛ばし。あまりの迫力に顔を引きつらせたホームラが一歩後退った。
うんうん、そこまでは通常通りの対応だ。
しかし今回は僕のことを貶されたのが癪に障ったのか、床に尻餅をついたような格好であった僕を抱き上げるエルウェ。そのまま僕の顔をむぎゅっと胸におしつける。むぎゅっと、押しつける。むはっ。
「それに、この子は小さいけれどちゃんと私の騎士をしてくれているんです。あなたより何倍も強いですし、何十倍も頼りになりますから。気取った偽騎士様は、門衛にでもなって民の役に立てばいいのではないですか?」
「ぬ、ぬぐぐ……ッ!」
「…………ッ」
悔しがるように拳を握るホームラ。
僕はと言えば、ただ驚いていた。
僕を褒めたためしがないエルウェの語る予想だにしていなかった言葉に、彼女の顔を見上げ瞠目する。
「……エルウェ」
「な、何よ」
谷間から覗く僕から、エルウェは目を逸らす。
けれどほんのりと赤らめた頬は、勢いで言ってしまった感が見て取れた。
「照れるなら言わなきゃ良いのに」
「珍しく褒めてあげてるんだからそこは素直に感謝しなさいよっ!?」
そう言って目を剥き、ぎぎぎ――と胸元から引き離そうとするエルウェ。
ぼくは服を掴んで離さない。いっそ服の下の下着さえ掴む必死ぶりだ。さっきは気を抜いていたため落ちてしまったが、このポジションは滅多に居座ることの出来ない男の楽園なのだから!
それに、さっきの言葉。
けっこう嬉しかったしね。
控えめに言って嫁にしたい。結婚したい。ああ、離れたくないよエルウェ。大好き。
「俺はまだ諦めたわけじゃないからな!? いいか、俺を選ばなかったことを後悔――この【炎槍】のホームラを無視するなぁああ!?」
「エルウェの半径三メートル以内に入ったな? ――殺す」
「――ぐべぇらッ!?」
僕とエルウェがいちゃいちゃしている間に、ホームラはヨキさんの鉄拳をくらい酒場の方に吹っ飛んでいった。結果、酒と机と椅子と、そして人が飛散する人間爆発が起こるのだが、僕の知ったことではない。
それより明日からは迷宮に潜るらしい。
そろそろ僕の真の力を見せるときがきたのかもしれないね――
きっとエルウェは期待通りの僕の騎士っぷりに、「見直したわ、大好き!」と言って惚れ直してくれるに違いない。ああ、僕の中ではもう惚れられていると思ってるのは秘密なのだった。
ふ、ふふふ。ふふふふふふ。
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