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250話 その後(坂北) 11
しおりを挟む「クッ、すごいな。ナカがビクビク痙攣して、吸い付いてくる。もってかれそうだ。」
欲情に掠れた声でそう言う南原さんの色気にクラクラする。すぐに律動を始めた南原さんに、更なる快楽を与えられ、俺は焦った。
「あっ、だめ、動かないで...! んぅっ、あぁっ、も、やだ...意地悪っ...! 」
容赦のない南原さんの責めに泣きながらいやいやと首を振るけれど、ナカを掻き回す動きは止まらなくて。
「バ、カっ...ドSっ! 」
心の中の暴言がついに口をついて出てしまった。こんなことを言ったら余計に意地悪されるのに。
「でも、好きなんだろう? 」
「っ...! ぁ...」
なんだよ、それ。ズルい。
答えなんて分かりきってるくせに、このタイミングで聞いてくるなんて。
「好き、ですけどっ...」
「ふっ、これはまたバカ正直に答えてくれて。お前がそんなだから俺がつけあがるんだよ。」
「そんなっ...あっ...! 」
からかうように目を細めた南原さんに、文句を言ってやりたいのに、強すぎる快楽と、優しさが滲む漆黒の瞳に何も言えなくなる。
「これだから、俺はお前を...」
愛してやまない。
そう耳元で囁かれ、更に激しさを増す行為に、俺はもう訳が分からなくされてしまって。
それから俺は、気を失うまで何度も何度も南原さんに優しく意地悪されるのだった。
* * * * * * * * * *
「ん...うぅ~ん...」
「あぁ、おはよう、透。水、飲むか? 」
散々喘がされたせいで枯れた声を唸らせながら、怠い体をなんとか起こすと、コップを持った南原さんが目の前にいた。
カーテンから差し込む日光が眩しくて、軽く目を擦る。
「あ、はい...。ありがとうございます。あの、今何時ですか? 南原さん。」
「10時半だ。」
渡されたコップを傾け、渇いた喉を潤しながら南原さんの声を聞いていた俺は、その言葉に驚いてゴフッとむせてしまった。
「やばっ、学校っ...うわっ! 」
慌てて飛び起きた俺は、ベッドから降りようとして、上手く力が入らずによろけてしまう。
「っと...急に動くな。まだ体辛いだろう? 学校は今日は休みだ。」
落ちると思った瞬間、南原さんが抱き止めてくれて、事なきを得た。
「あ、そっか...すみません...」
「それより、透。呼び方が戻っている。お仕置きをご所望かな? 」
「えっ...あ! 」
俺は、意地悪な顔になった南原さんに、寝起きでぼーっとしていた頭が瞬時に冴えるのを感じた。
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