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174話 嫉妬 3
しおりを挟む不安げな顔の高橋をそのまま屋上に残して、俺が南原さんに連れてこられたのは生徒会室だった。
俺は、生徒会室イコールエッチなことをされる場所というイメージが植え付けられているため、ガチャリとドアの鍵が閉められれば、途端に体が強張った。
お仕置きって...何されるのかな。
ドSな南原さんのことだ。恋人になったからといって、変態鬼畜生徒会長は健在で、俺に意地悪してくるのは間違いない。
怖いっ...!
でも...。
「み、南原さん...? あ、あの...んんっ...!?」
謝罪も弁明もする間も無く、深く貪るようなキスをされ、体から力が抜けていく。
なにこれ、ヤバい。
俺のちょっとした反応も決して見逃さず、的確に口内を愛撫する舌に翻弄され、息が上がる。
腰が砕けたようにふにゃりと崩れる俺の体を支える南原さんの腕。
「も、だめ、んんっ、力...入らないぃぃ...」
立っていられなくなった俺は、南原さんのシャツにぎゅっとしがみついた。
恋人のキス...破壊力強すぎ...。
「ふっ、こんなものでは済まさないよ。俺以外の奴を優先したらどうなるか、その体にたっぷり教えてやる。」
「っ...! 」
意地悪な顔。と同時に、その目は俺をいとおしそうに見つめていてくれて。
どうしよう。
お仕置きなんて、怖いのに。
昨日消耗した体力はまだ完全には回復していないのに。
触れて欲しい。
期待で胸がトクトクと高鳴っているのがわかる。
俺、変だ。
「...南原さん...」
少し掠れた、甘ったるい声が口から零れる。
蕩けた思考が悪魔の囁きのように、もう身を委ねてしまえと俺を誘った。
「ふ、そんな潤んだ目をして。期待しているのか? この淫乱。」
「っ...!ちが...」
違う。いや、違くない。
違くないけど、その事実を認めてしまうのは、どうしても恥ずかしくて。かあぁ、と熱くなった顔を隠すように俯いた。
「ククッ、今日はどう苛めてやろうか。」
愉しそうに目を細める南原さん。
その顔が、昨日と違って心から愉しそうにしてるから。
南原さんが喜ぶなら、まぁ、いいか。
怖いくせに、そんな風に思った俺は、大分毒されてる。
「い、痛くは...しないでください...」
「さぁ? それはどうかな。」
怯えながら、でも期待しながら、俺は南原さんの背中にそっと腕を回した。
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