11 / 18
その11.
しおりを挟む
カンカンカン
突然、鐘が鳴り響く、ミリアとリリィが席を立つのと同時にドアが開き「ユニコーン様が出ただー!」と男が飛び込んでくる「ロイの奴ば襲われただー!」「なんじゃとー!!」その声を背中で聞きつつミリアとリリィは外へ出る、村の人々は西の門から中に入ってくる「西門よ!」ミリアが言うとリリィは頷いてついて来る。
門をくぐり麦畑のあぜ道を走り森の入り口まで来たとき、惨劇を目撃する、大きな獣に人が食われている。
額に一本の角を持ち、短い体毛は黄色を帯びており、頭から尻尾までオレンジ色のたてがみが生え、前脚に鋭い爪を持った魔物が、大きな牙で肉を咀嚼していた。
「サンダーライオン!」ミリアがそう叫ぶと魔物がギロリと二人を睨む、ミリアは後ずさるが、
リリィは踏みとどまった、サンダーライオンはクルリと森の中に消えていく、後には無残な食い残しの死体が残った「な、なにがユニコーンよ!サンダーライオンていうのよあれは!!」ミリアはそう言うと「リリィ二人じゃ手が足りない、応援を呼ばなきゃ」「だめ!」ミリアの提案にリリィが即答する「でも…」ミリアが何か言おうとするとリリィはこう言ってきた。
「ミリアちゃんぼーけん者ととうぞくの違いしってる?」「え…」「とうぞくも、ぼーけん者もぶそーしてるけど、けってー的な違いがある、それは契約を守るとこ」「ぼーけん者はなにが在っても契約は守る、たとえ死ぬことになっても」「…」
「ミリアちゃん、あたいバカだから、この村忘れてた、ゴブリンをたいじしに二十人できた、でもゴブリン多すぎて五人殺されて、五人逃げた、だからのこりの九人でゴブリンを退治するために、森に入ることに決めた」「…え?」「あたいまだ若いから、十人目にえらばれなかった」
「リーダーは言った」「おまえはまだ若い、だが、おぼえておけ、ぼーけん者は依頼を守る、なにがあってもだ」「リーダーは笑いながら、森に入った、のこり八人も笑いながらついてった」「そのあと何があったか知らない、でもゴブリンはすがたを消した」「九人も帰らなかった」
「リーダーは、あたいのにーちゃんだった」
ミリアは俯いて聞いていた、ミリアの右手が無意識に左肩から腰までを撫でていた。
肩には盾にもなるマントを付けている、体には特注のブリガンダイン、腰には青銅製のショートソード、立派すぎる装備だった、ミリアは空を見上げる、空は厚い雲に覆われている、ミリアは一言呟いたが風が強くて聞き取れない「…そうよね、冒険者は弱い人を守らないとね」
ミリアはそう言ってリリィの顔を見る、リリィは白い歯を見せて笑った。
「そうだ」とミリアは言う「ついでにこれからのことを考えましょう」「これからー?」「そうこれからもっともっと強くなって、いつか、動物の王様を二人で倒しに行きましょう?」
「それってー物凄く強いんじゃーなーい?」
「当然よ、だって、百獣の王って呼ばれているくらいだもの!!」
「おおー!!」
突然、鐘が鳴り響く、ミリアとリリィが席を立つのと同時にドアが開き「ユニコーン様が出ただー!」と男が飛び込んでくる「ロイの奴ば襲われただー!」「なんじゃとー!!」その声を背中で聞きつつミリアとリリィは外へ出る、村の人々は西の門から中に入ってくる「西門よ!」ミリアが言うとリリィは頷いてついて来る。
門をくぐり麦畑のあぜ道を走り森の入り口まで来たとき、惨劇を目撃する、大きな獣に人が食われている。
額に一本の角を持ち、短い体毛は黄色を帯びており、頭から尻尾までオレンジ色のたてがみが生え、前脚に鋭い爪を持った魔物が、大きな牙で肉を咀嚼していた。
「サンダーライオン!」ミリアがそう叫ぶと魔物がギロリと二人を睨む、ミリアは後ずさるが、
リリィは踏みとどまった、サンダーライオンはクルリと森の中に消えていく、後には無残な食い残しの死体が残った「な、なにがユニコーンよ!サンダーライオンていうのよあれは!!」ミリアはそう言うと「リリィ二人じゃ手が足りない、応援を呼ばなきゃ」「だめ!」ミリアの提案にリリィが即答する「でも…」ミリアが何か言おうとするとリリィはこう言ってきた。
「ミリアちゃんぼーけん者ととうぞくの違いしってる?」「え…」「とうぞくも、ぼーけん者もぶそーしてるけど、けってー的な違いがある、それは契約を守るとこ」「ぼーけん者はなにが在っても契約は守る、たとえ死ぬことになっても」「…」
「ミリアちゃん、あたいバカだから、この村忘れてた、ゴブリンをたいじしに二十人できた、でもゴブリン多すぎて五人殺されて、五人逃げた、だからのこりの九人でゴブリンを退治するために、森に入ることに決めた」「…え?」「あたいまだ若いから、十人目にえらばれなかった」
「リーダーは言った」「おまえはまだ若い、だが、おぼえておけ、ぼーけん者は依頼を守る、なにがあってもだ」「リーダーは笑いながら、森に入った、のこり八人も笑いながらついてった」「そのあと何があったか知らない、でもゴブリンはすがたを消した」「九人も帰らなかった」
「リーダーは、あたいのにーちゃんだった」
ミリアは俯いて聞いていた、ミリアの右手が無意識に左肩から腰までを撫でていた。
肩には盾にもなるマントを付けている、体には特注のブリガンダイン、腰には青銅製のショートソード、立派すぎる装備だった、ミリアは空を見上げる、空は厚い雲に覆われている、ミリアは一言呟いたが風が強くて聞き取れない「…そうよね、冒険者は弱い人を守らないとね」
ミリアはそう言ってリリィの顔を見る、リリィは白い歯を見せて笑った。
「そうだ」とミリアは言う「ついでにこれからのことを考えましょう」「これからー?」「そうこれからもっともっと強くなって、いつか、動物の王様を二人で倒しに行きましょう?」
「それってー物凄く強いんじゃーなーい?」
「当然よ、だって、百獣の王って呼ばれているくらいだもの!!」
「おおー!!」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
婚約者に見捨てられた悪役令嬢は世界の終わりにお茶を飲む
めぐめぐ
ファンタジー
魔王によって、世界が終わりを迎えるこの日。
彼女はお茶を飲みながら、青年に語る。
婚約者である王子、異世界の聖女、聖騎士とともに、魔王を倒すために旅立った魔法使いたる彼女が、悪役令嬢となるまでの物語を――
※終わりは読者の想像にお任せする形です
※頭からっぽで
人ならざるはオムファタル
坂本雅
ファンタジー
冒険者としてキャリアを重ねてきた魔女アシャ。
30歳の誕生日を迎えた途端、パーティからの解雇を言い渡される。
救いの手を差し伸べたのはヒーラーの聖職者ルネ。
だが彼女は色欲に従う破戒僧であり、仕事一辺倒で浮いた話ひとつないアシャにも欲望の解放を勧めるのであった。
女性用異種族風俗店に行きつつ異種族恋愛を目指す話。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる