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「亜麻色の髪の村娘(前編)」
しおりを挟む一面の、辺り一面に花畑。
「うん、今日も!!」
村外れの、あたしのお気に入りの、この美しい場所。
「今日も、いい天気!!」
そして。
サァ……
明るい太陽の光をいっぱいに浴びて、咲き誇る、色とりどりの花。
「今日も、お花が沢山咲いてるなー!!」
この、村の近くにある大きな花畑は、本当にあたしのお気に入りの場所だ。
「さて、花を摘むのを先にしようかなぁ?」
あたしは、今日は本当に、ここには花を摘みに来ただけ。
「それとも、この前に買った種を蒔く?」
お母さんや、姉さんが密かに持っている、勝手に盗んで持ってくる事の多いアレ、その恥ずかしい品も、今日はバスケットにはない。
「……まっ、こんな良い天気の日に、あんな事をしては、バチが当たるか」
あたしはこの前、街に出たときに、教会のシスター様に、あの「悩み」を打ち解けたら、少しは気分が楽になった。
「青い花、赤い花に……」
そして、いずれはあたしは、アイツに告白してもいい勇気を、シスター様からもらった。
「そういや、明日で12歳かあ……」
その後、もう少し年月が経ったら、あたしは結婚して。
――はい、健やかなる時も、病める時も――
そして、奥さんになって、子供に囲まれ、幸せな家庭をつくるのだ。
「……まあ、その為には、アレの事について」
もちろん、アレとは時おり、あたしが友達と話している、そう大人びた言い方をすれば。
――アイツラのアレ、こうやって口で、舐め上げてやると、良いみたいよ!!――
――あたしは、後ろを向いて、女がお尻を突きだすと、あのバカ達が喜ぶって聴いた!!――
――えー、マジで!?――
そう、猥談。
「ちゃんと、知らなきゃ、ね……」
しかし、いくら耳年増でも、実際には、あたしはお母さんとお父さんの、その、あれも。
「……友達が言うには、気持ちいい事らしい、けど」
みたことは、ない。
「あっ、あの花が咲いている!!」
まあ、取りあえず今日は、花を詰みに来たのだ、それを楽しもう。
スゥア……
いそいそと、白色の花弁を見せている、その花の群生に、あたしが足を向けた。
「フンフンーン……」
その時。
ムゥ、ア……
「……?」
ズゥ、ウ……
何か、突然としてあたしに吹きかかって来た、生暖かい、風。
「……何?」
その風と共に、何処からともなく、生臭い匂いが。
「……まさか、野性の獣?」
その、汚物を思わせる悪臭が漂って来た時、あたしは花畑の真ん中で、不安げに辺りを見渡す。
「……」
サァ……
空から、青天からサンサンと照りつける暖かい太陽の光。幾筋の雲が行き交う、青い大空。
「気の、せい……?」
かも、知れない。少なくとも、あの悪臭、腐ったミルクだか排泄物だかの様な、何とも言えない匂いは、すでにあたしの鼻に届かない。
「……万が一の為に、もう帰ろうかしら?」
その時。
スゥ、ムゥ……
「……?」
あたしの、日の光による影が、何かの物影と重なる。
――……!?――
いつの間にか、あたしの前には、大きな人が立っていた。
――……エッ?――
いや、人、ではない。
――エッ、誰、ですか……?――
人間がこのような、あたしが首を反らして、思いっきり頭を上げないと見れないほど、その頭頂部は、遥か高く。
――何、デスカ……?――
ゆうに、あたしの背の三倍、いやもっとある、その黒ずんだ肉体。
――ア、アナタハ、ナニ?――
人間が、そんな山のような体躯を持つはずがない。
――羊、そうヒツジ、サン?――
そう、まるで黒山羊のような頭部、腰から下の、これまた山羊を思わせる脚部。
――いや蝙蝠、コウモリ、サン?――
そして、その筋骨隆々たる肉体の背には、大きな翼、しかし。
――……!?――
あたしの視線は。
――ア、アレ、ハ?――
ちょうどあたしの頭、その視線と同じ位の高さにある、その化け物の、下腹部。
――アレ、は――
何か、よくわからない、妙な異物へと、注がれている。
――長くて、ナガくて――
だが、なにやらその「異物」は、そう何か。
――太くて、赤黒いスジが、入っていて――
見ては、いけないもの。
――真っ黒い、跳ねている、ピョンピョンの、棒――
ハズカシイ、モノ、のような気がする。
――恐い……!!――
そして、次の瞬間に。
――えっ?――
その怪物は。
――えっ!!――
なぜか。
――えっ!?――
いきなりあたしの後ろへ現れて、そして。
ガ、ウィ!!
――えっ、何を、するの!?――
あたしの、か細い身体を漆黒の、毛むくじゃらの太い、もろ手で掴み、引き上げ。
――は、離して!!――
そして、あたしの掴まれた身体は、そのまま「彼」の腹部の辺りに、物凄い力で後ろから、抱き締められ。
――お願い、離して!!――
ムゥ、ニ……!!
あたしの、スカートに覆われたお尻が、化け物のお腹にくっつくような、感じとなる。
――やめて、早く、離……!!――
そして、その化け物に抱えられたまま、手足を激しく動かし、どうにか「彼」の剛力から逃れようとする、あたしの視界に飛び込んだ。
――……!!――
ズゥウ……!!
先程に見た、真っ黒の「棒」
――あっ、これは、多分、アノ、例のそう――
そう、これは陰茎、まさしくそれ。その位はようやく、あたしにも解った。
――大きい、こんなに大きいモノだったの?――
あたしが知っている、一緒にお風呂に入った時に洗ってあげた、弟の物はミミズみたいな物だっただけに、最初は解らなかったのだ。
――私の父さんのチ○コ、こんな形だったよー!!――
――えー、そんな物なのー?――
――き、気持ち悪いわ、あたし……!!――
友達との話でも、まさかこんな、男のモノが、こんな不気味かつ。
ピク、ビィクウ……!!
断末魔の昆虫みたいに、ピクリピクリと、微動する品、だとは思わなかった。
「……離せ!!」
その、あたしが自分でも驚く位に大きな声、大声で叫んだ、その時。
――え?――
その間、本当に僅かとしか言い様がない、刹那の時。
――あれ?――
恐怖も、威圧感も感じる間もなく。
――なく、なった?――
その「男な棒」はあたしの下着の隙間から、目にも止まらぬ早さで、目の前から消えて。
――えっ?――
まるで、鳥の肉に串を刺すように、
――あたしのおへその、下の辺りで、短くなっている?――
でもそこ、あたしが、おしっこを、する所。
――いや、刺さって、イル?――
確かに、そこに男のヤツを入れたら、子供が出来るとは、聴いては、いるけど。
ズゥウ、ム……!!
――あれ、何かが、入ってクル?――
あたしの、お腹の中で、何かが蠢いた時、軽い疼痛と共に。
プゥツ……
何かが、千切られたような破裂音が、大きく、耳の内側から聴こえた。
――何、今の音?――
ズゥ……
その一瞬の後、本当に僅かな後に、脳天が揺さぶられるような。
キィ!!
下腹部からの、激痛。
――……!!――
えっ、えーと?
――いたい、何で痛いの?――
ハカ、そう破瓜を、された?
――お股が、痛い、それは、つまり――
えっ、これ、しょじょまく、というヤツ、破れたの?
――と、いうことは、まさか――
えっ、つまり、あたしは犯されているの?
――この、化け物に?――
そうだと思う、お腹が、股間部からおへその辺りの体内、そこが、震動する、その。
ドゥ!!
上下。
ドゥ、ウ!!
痛い、上下。
ズゥウ、ドゥ!!
熱い、上下。
――ナニガ、あたしの、中で、上下しているの?――
ドゥウ、ズゥア!!
――何が、お腹で、ピストンされて、いるの?――
その、連続する不快な感覚を、それの意味を理解する暇すらなく、そのまま。
――ゲェア……!!――
――あっ、この化け物の、声、なの?――
初めて、出会った時から、全くの無言のままである化け物であったが。
――ゲェ、ハァア!!――
――……話せるんだ、コイツ――
と言う声、いや雄叫びと共に、涙すら出ない、ショックが頭に追い付かない、あたしの顔目がけて、ソイツは生臭い吐息を吐きかけつつ。
ヌゥ、ザァア!!
下腹部、そこの中に受けた、強い、打ち水のような、打撃によって。
――あたしの、おなかの、なかに、何が、ナニガ?――
あたしは、そのまま。
――お腹が、股が、あたしの、下半身の全てが、ピリピリ痙攣して、いる?――
この怪物と、初めて出会って五分もしない、その内にあたしは。
――何が、あったノ?――
理解が、追い付かないまま。
――何が、入った、ノ?――
意識を、失った。
――――――
……クシュ、ン!!
「……あれ?」
肌寒い、昼と夕の間くらいの、時間だと思う。
「……あたし、こんな所で、寝ていたの?」
靄が掛かかっている頭、そのぼんやりとした視界に拡がる花畑は、何か重く、息苦しい空気に包まれているように感じる。
「……あれは、あの事は」
夢、単なるうたた寝の悪夢だとしか思えない。あの、不気味な品があたしの。
「!!」
そう、あの余りにも、現実感のある「悪夢」の光景が断続的に脳裏へと浮かんだあたしは、あたしはあたしは、慌てて。
スゥ!!
即座に、その場から立ち上がり、そして。
ガバゥ!!
スカートを、実にはしたなく、前から思いっきり、めくり上げる。
「た、確かここに!!」
グゥ……!!
慌てて、身を屈めて見る、あたしが上げたお気に入りのワンピースの、それのスカート部分の裏側。
「そう、ここが、アレに!!」
裏側の、あたしの腰を覆う淡い黄色をした下着の前部分を、スカートから外に晒し、確かめたその場所には、何も問題はなく。
「……だったら、ここは!!」
そして、一つ息を吐いてから、意を決して膝の辺りまで。
スゥ……!!
勢いよく下ろしたパンツ。粗末な麻のその下着の内側と。
「……どこも、汚れて、ない」
その、さらにあたしの下半身の「内側」にも、素肌にも何の異常はない。
「……寒い、わね」
スゥ、スゥ、スゥウゥ……
肌寒い、冷たい外気が吹き付ける、あたしの小さな陰部。ほとんど、毛もない、固い恥肉に挟まれた、あたしの軽いピンク色がかかった「筋」
「……痛くも、痒くも、何も、ないね?」
そして、その「夢」の中で貫かれた、あたしのその、股間から腹部への道中、そこにも、痛みや違和感はない。
「……だけど」
ゴクゥ……
昔から、あたしは両親や兄弟姉妹から、とことんやるタイプの性格だとは言われた事がある。
「……うん!!」
フ、スゥラ……
お気に入りのワンピース、それのボタンを上から外して、下のつぎはぎだらけの肌着も、地面に捨てて、そして。
「……ね、念のため、念のためだ」
フゥス……
下半身のスカートも、ストンと下ろし。
スゥ、トゥ……
そしてさっき、ふくらはぎの辺りまで下げた、下着も全部、全て地面に放った末の、あたしの全裸。
「……」
サァア……
冷たい風に吹かれる剥き出しの、あたしの素肌、もちろんそれは12歳にすらならない、あたしの身体では「女の人」とは呼べないかもしれない、小さい肉体。
「……うん」
お花畑の真ん中で一糸纏わぬ姿になったあたしが、真っ先に確かめた、調べたのは。
プルゥ、リ……
お尻の、部分。
「……大丈夫、大丈夫だよきっと」
未だに青白いあたしのお尻、姉さんの持つ、丸くて柔らかく、綺麗なそれとは全く違う、あたしの硬いお尻。
クゥ……
少し、あたしは小さくそのお尻の肉を親指でへこませた後に、続けて。
「……」
ス、スゥウ……
そのまま、寒さに全裸の身を震わせながら、お尻の全体を撫で回し、最後にそっと、真ん中の「割れ目」に向けて。
「……次は、この」
右手の指先をピンと揃え、手のひらを真っ直ぐにし、そしてその手を「くの字」にしてから、お尻の合間に先を食い込ませ、上から。
「ン……!!」
ツゥウ……
上の割れ目から、下の最後の辺り、あたしの下半身正面にある「割れ目」ギリギリまで、滑らせたが。
「……うん、大丈夫」
特に問題が無い事が解ると、そのまま尻を撫で下ろした手を、今度は逆に背中へ、次に前の腹部、そしてその次は。
「ここまで普通、だったら、ここも大丈夫だよ……」
最後の胸の部分、まだ、あたしはその胸を包む布、上等な言葉で言えば「ブラジャー」は、身に着けていない。
「……ウン」
ムゥ、ニュ……
「ここも……」
自分でも、10歳頃から膨らみが出てきたなとは思ったけれど、未だにそれほどの大きさのおっぱいでは、まだない。
「……ここを、両方とも押しても」
スゥ、ム……
母さんや姉さんと一緒にお風呂に入る時に解る、子供と「女性」の違い。妹達からすれば、たまに。
――お姉ちゃんのここ、柔らかーい!!――
――こら、止めなさい!!――
褒めてくれる、それだけの「女」の部分だ。
「……指で押しても、普通」
時おり、姉さんがすでに着けているその、ブラジャーを洗濯してあげているとき、遊び半分に自分の胸に押し当てた事があったが、ブカブカ。
「……全部、大丈夫みたいだね」
一応、両胸の尖端、小さいあたしの乳首も、軽く摘まんでみたが。
クゥ、ムィ……
特に、痛みや違和感とかは、ない。
「……フゥ」
別に、あたしの身体には、傷がまるでない事が解り、そして、脱ぎ捨てた衣服にも汚れはなく、最初から乱れてもおらず。
「……大丈夫、やっぱり、夢よね」
こんな、初体験が果たしてあるのだろうか。いや、いくらなんでも。
「そう、夢、嫌な夢……」
いや、ないだろう。あってたまるもんですか。
スゥア、ア……
冷たい、冷たい風、花畑に吹くその風が、あたしの全裸を嬲り、特に股間とふとももの隙間、股の付け根の合間を潜り、撫でた風が。
「……寒い」
スゥ……
その冷たい空気が、あたしの股をすり抜けた時。その寒さで、あたしのお尻の肉が。
キュ、ウ……!!
音を立てて縮み、その二つの小さい尻肉、それの割れ目の奥で、お尻の穴が、小さくモゾリと動いた後、お尻が縮こまる動きに合わせて。
ス、キュ……
軽く、すぼむ。
「……帰ろう」
冷たい風の中、そのままあたしは衣服を着直し、そしてバスケットに摘んだままの花に、ちらりと、視線を向けてから。
「……嫌な、極め付きに嫌な夢だった」
と、呟きつつ、僅かに自分の顔を強ばせつつも。
「……そして」
ドゥ、ロゥ……
「嫌な空気……」
何故か、重っ苦しくて、澱んだ空気が漂うお花畑から、バスケットを抱え、足早に。
「……お腹、空いた」
冷たい風の中、帰路に、つく。
チィ……
ただ、あたしは。
チィ、ピ……
さっき下ろした黄色い下着、そのパンツに付いていた、赤い、僅かに茶色の掛かった、己の血潮。
「……帰って、ご飯を食べて、寝よう」
それを、あたしは、自分の目に入れなかった。
「今日は食事当番じゃないから、よかった……」
そう、無視した。
――だって――
ありえないから。
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