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第51話 古巣に戻ってみたら。
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国王陛下との謁見が終わって、ロザリエールさんと合流。
『麻夜ね、そのうち遊びに行くからね』
『できたら、昼休みあたりにお願い』
『おっけ』
麻夜ちゃんたちと『またね』を交わし、そのまま王城の馬車で、ギルドまで送ってもらった。
一時期歩いて通ったこの道。懐かしいけど、嫌な思い出もなきにしもあらず。
『あぁ、この先で、背中とおなか、斬られたんだよね……』
俺はそう、小声でぼやいた。ただ、それがあったから。
『けれど初めて、ロザリエールさんと出会えたんだよな』
「あの」
「ん?」
「ご主人様のお力になれたあの日ですが、お目にかかったのは、実は初めてではありません。……もう、お忘れですか?」
「え?」
俺が二人組に襲われて、背後から、正面から斬られて、湖に落ちたあの日。あんなことまでして、助けてくれた。あのとき初めて、ロザリエールさんと出会ったはずなんだけど? 治療に来てたとしたら、あのとき指に黒ずみはなかっただろうし。え? どこかで会ってた?
「一度その、町中で抱き留められるように、その、ぶつかってしまって」
「あれ?」
「あたくしの不注意だったのに、謝ってくださいまして、怪我の心配までしていただいたのですが……」
そういえば、俺より少し背の低い、黒い外套を羽織った女性が、……あれ? 確かに、言葉使いもぶっきらぼうで、最初に出会ったころのロザリエールさんに似てた? 確かに、俺が謝ったあとに怪我の心配したのって……、あ、そうか。
「あ、あぁ思い出した。あのときの黒い外套。あれがロザリエールさんだったんだ?」
「思いだしていただけたなら、もう、いいです」
ロザリエールさん、拗ねたような表情で横向いちゃった。仕方ないって、俺、リア充じゃなかったんだから。そういうところ、鈍くさいんだよ。
「あのときはほら、女性と話をするのもあまり慣れていなくて。なんていうかその、……ごめんなさい」
「大丈夫です。もう、気にしていませんからね」
その、駄目な子を見るような、年上の大人の女性の目。そりゃそうか、俺、ロザリエールさんの半分しか、生きてないんだから。31歳の差は、来年も再来年も、埋まらないんだよね。仕方ないけど。
曲がり角を左に曲がって、すぐに馬車が止まった。俺が降りようとすると手で制して、先にロザリエールさんが降りたんだ。いかにも付き添いの従者という感じに、俺を待ってる。
馬車のタラップを降りると、懐かしい赤煉瓦のモザイク壁。あっちと同じなんだよね。看板はなくとも、どの国、どの町に行っても、すぐにギルドだってわかるようにしたって、プライヴィアさんから聞いたんだ。
馬車の御者席にいる男性に手を振る。すると馬車はそのまま発進。王城の馬車だから、戻っていったんだろうね。御者も事務官さんだったから。
「じゃ、行こうか」
「はい」
ギルドの中へ入ると、それなりに賑わっていた。
「――はい、いらっしゃいませっ」
うんうん。聞き覚えのある声。あれ? もう一人の人、知らない人がいるっぽいけど。新しい受付の女性かな? 受付カウンターにも冒険者の列ができていて、どうしようか悩んだけれど並ぶことにした。
「よろしいのですか?」
「久しぶりだから、慌てなくてもいいでしょう?」
「ご主人様がよろしければ、あたくしはかまいませんが」
あと二人、あと一人、やっと俺の番。
「いらっしゃいま――タ、タツマさんっ?」
うんうん、元気そうだね、ジュリエーヌさん。懐かしい、彼女のその声で、職員全員が振り返った。
「タ゛、タ゛ツ゛マ゛さ゛ぁん」
あぁあああ。ぼろぼろに涙流して、化粧落ちちゃうんじゃないのってくらい。俺はインベントリから新しいタオルを出して、ジュリエーヌさんに手渡した。あれ? 手袋してるよ。制服、こんな感じだったっけか? まるでエレベーターガールさんだよね。
「はいはい、泣くのはあとで。リズレイアさんに会えるかな?」
「は゛い゛、い゛ま゛す゛ぐ」
ずるずると鼻をすすり、タオルでぐしぐしと顔を拭いながら。きっと、支部長室へ行ったんだろうな。本部から『俺は生きてますよ』って、『文飛鳥』で連絡は入れてたはずなんだけどねぇ。
少しして、二人分の足音が聞こえてきた。
「おや? これまた懐かしい顔がいるじゃないかい?」
「お久しぶりです。リズレイアさん」
ジュリエーヌさんが連れて戻った人はもちろん、ダイオラーデン支部の支配人、リズレイアさんだった。
「タツマ殿とお連れの女性は奥へどうぞ。ジュリエーヌくん、しばらくの間、誰も通さないでくれるかい?」
「ふぁ、ふぁい。かしこまりましたっ」
ジュリエーヌさんとすれ違う瞬間、ロザリエールさんが彼女の耳元で何かを言ってた。するとジュリエーヌさんはロザリエールさんに、二度ほど大きく会釈したと思ったら、慌ててどこかへ行っちゃったんだよ。
「何言ったの?」
「ご主人様のような男性には、関係のないことす。女性だけにしかわかりませんので、お気になさらずに」
「そうなんだ?」
何だったんだろうね? 不思議に思いながらも、俺とロザリエールさんは、支配人室へ通される。
「座ってくれるかい?」
「はい」
ロザリエールさんは、俺のすぐ左後ろに立ったまま。
「こちらの女性は、どなたかな?」
「俺、あっちで色々あって、ある種族の小さな集落を面倒見ることになったんです」
「ほほぅ」
「それで彼女はその集落の元族長さんで、今は俺の」
「奥さんかい?」
後ろからむせるような音が聞こえる。ロザリエールさん、大丈夫?
「いやいやいや、そうじゃなくて。俺の従者というか、侍女さん兼、執事さんみたいなことをしてもらってるんです」
「なるほどねぇ。しかしできたらでかまわないんだがね。そちらの彼女にも座っていただけると、私としてもありがたいんだけどね」
「ロザリエールさん、お願い」
「はい、かしこまりました」
綺麗な仕草で音もたてず、俺の隣に座るロザリエールさん。
『麻夜ね、そのうち遊びに行くからね』
『できたら、昼休みあたりにお願い』
『おっけ』
麻夜ちゃんたちと『またね』を交わし、そのまま王城の馬車で、ギルドまで送ってもらった。
一時期歩いて通ったこの道。懐かしいけど、嫌な思い出もなきにしもあらず。
『あぁ、この先で、背中とおなか、斬られたんだよね……』
俺はそう、小声でぼやいた。ただ、それがあったから。
『けれど初めて、ロザリエールさんと出会えたんだよな』
「あの」
「ん?」
「ご主人様のお力になれたあの日ですが、お目にかかったのは、実は初めてではありません。……もう、お忘れですか?」
「え?」
俺が二人組に襲われて、背後から、正面から斬られて、湖に落ちたあの日。あんなことまでして、助けてくれた。あのとき初めて、ロザリエールさんと出会ったはずなんだけど? 治療に来てたとしたら、あのとき指に黒ずみはなかっただろうし。え? どこかで会ってた?
「一度その、町中で抱き留められるように、その、ぶつかってしまって」
「あれ?」
「あたくしの不注意だったのに、謝ってくださいまして、怪我の心配までしていただいたのですが……」
そういえば、俺より少し背の低い、黒い外套を羽織った女性が、……あれ? 確かに、言葉使いもぶっきらぼうで、最初に出会ったころのロザリエールさんに似てた? 確かに、俺が謝ったあとに怪我の心配したのって……、あ、そうか。
「あ、あぁ思い出した。あのときの黒い外套。あれがロザリエールさんだったんだ?」
「思いだしていただけたなら、もう、いいです」
ロザリエールさん、拗ねたような表情で横向いちゃった。仕方ないって、俺、リア充じゃなかったんだから。そういうところ、鈍くさいんだよ。
「あのときはほら、女性と話をするのもあまり慣れていなくて。なんていうかその、……ごめんなさい」
「大丈夫です。もう、気にしていませんからね」
その、駄目な子を見るような、年上の大人の女性の目。そりゃそうか、俺、ロザリエールさんの半分しか、生きてないんだから。31歳の差は、来年も再来年も、埋まらないんだよね。仕方ないけど。
曲がり角を左に曲がって、すぐに馬車が止まった。俺が降りようとすると手で制して、先にロザリエールさんが降りたんだ。いかにも付き添いの従者という感じに、俺を待ってる。
馬車のタラップを降りると、懐かしい赤煉瓦のモザイク壁。あっちと同じなんだよね。看板はなくとも、どの国、どの町に行っても、すぐにギルドだってわかるようにしたって、プライヴィアさんから聞いたんだ。
馬車の御者席にいる男性に手を振る。すると馬車はそのまま発進。王城の馬車だから、戻っていったんだろうね。御者も事務官さんだったから。
「じゃ、行こうか」
「はい」
ギルドの中へ入ると、それなりに賑わっていた。
「――はい、いらっしゃいませっ」
うんうん。聞き覚えのある声。あれ? もう一人の人、知らない人がいるっぽいけど。新しい受付の女性かな? 受付カウンターにも冒険者の列ができていて、どうしようか悩んだけれど並ぶことにした。
「よろしいのですか?」
「久しぶりだから、慌てなくてもいいでしょう?」
「ご主人様がよろしければ、あたくしはかまいませんが」
あと二人、あと一人、やっと俺の番。
「いらっしゃいま――タ、タツマさんっ?」
うんうん、元気そうだね、ジュリエーヌさん。懐かしい、彼女のその声で、職員全員が振り返った。
「タ゛、タ゛ツ゛マ゛さ゛ぁん」
あぁあああ。ぼろぼろに涙流して、化粧落ちちゃうんじゃないのってくらい。俺はインベントリから新しいタオルを出して、ジュリエーヌさんに手渡した。あれ? 手袋してるよ。制服、こんな感じだったっけか? まるでエレベーターガールさんだよね。
「はいはい、泣くのはあとで。リズレイアさんに会えるかな?」
「は゛い゛、い゛ま゛す゛ぐ」
ずるずると鼻をすすり、タオルでぐしぐしと顔を拭いながら。きっと、支部長室へ行ったんだろうな。本部から『俺は生きてますよ』って、『文飛鳥』で連絡は入れてたはずなんだけどねぇ。
少しして、二人分の足音が聞こえてきた。
「おや? これまた懐かしい顔がいるじゃないかい?」
「お久しぶりです。リズレイアさん」
ジュリエーヌさんが連れて戻った人はもちろん、ダイオラーデン支部の支配人、リズレイアさんだった。
「タツマ殿とお連れの女性は奥へどうぞ。ジュリエーヌくん、しばらくの間、誰も通さないでくれるかい?」
「ふぁ、ふぁい。かしこまりましたっ」
ジュリエーヌさんとすれ違う瞬間、ロザリエールさんが彼女の耳元で何かを言ってた。するとジュリエーヌさんはロザリエールさんに、二度ほど大きく会釈したと思ったら、慌ててどこかへ行っちゃったんだよ。
「何言ったの?」
「ご主人様のような男性には、関係のないことす。女性だけにしかわかりませんので、お気になさらずに」
「そうなんだ?」
何だったんだろうね? 不思議に思いながらも、俺とロザリエールさんは、支配人室へ通される。
「座ってくれるかい?」
「はい」
ロザリエールさんは、俺のすぐ左後ろに立ったまま。
「こちらの女性は、どなたかな?」
「俺、あっちで色々あって、ある種族の小さな集落を面倒見ることになったんです」
「ほほぅ」
「それで彼女はその集落の元族長さんで、今は俺の」
「奥さんかい?」
後ろからむせるような音が聞こえる。ロザリエールさん、大丈夫?
「いやいやいや、そうじゃなくて。俺の従者というか、侍女さん兼、執事さんみたいなことをしてもらってるんです」
「なるほどねぇ。しかしできたらでかまわないんだがね。そちらの彼女にも座っていただけると、私としてもありがたいんだけどね」
「ロザリエールさん、お願い」
「はい、かしこまりました」
綺麗な仕草で音もたてず、俺の隣に座るロザリエールさん。
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