28 / 28
エピローグ 現実に現れたご当地ヒーロー、ヒロイン。
しおりを挟む
俺は義理の父、クレイさんから魔法を教わった。
俺とティナでは魔法の質が違うようだった。
ティナはアリエスさんと同じように、内側から外への放出系。
俺はクレイさんと同質の、外側の事象を操る系統が使えるようだった。
同じ王配という、力を与えられた立場だったからだろうか。
ティナが強大な魔法を使えることで、俺もかなり強い魔法を使えるみたいだった。
クレイさんも驚いていたっけ。
クレイさんは自分の身体を少しでも大きく見せるため。
王配として舐められないようにするために、偽装というものが得意らしい。
他人が触ってもそれを感じられるような。
例えば、魔法で腕を覆い、二倍以上の太さにしてしまうような感じ。
これを俺は、オタクイメージを重ねることで改良を重ねることができた。
そう。
一瞬で俺じゃない存在に変身するような偽装をできるようになったんだ。
俺はアリエスさんとクレイさんに定期的に戻ることを約束して、ティナと一緒に沖縄に戻ってきた。
戻ったときには大晦日。
俺はあることを実行に移すことをティナに相談した。
ティナは面白そうだと、協力してくれると言ってくれた。
▼
これから熱にうなされた少年少女が暴走族となり、初日の出暴走が始まることだろう。
それを検挙するつもりないのに、機動隊が集まっていた。
検挙するつもりがないというのは、下手に無理やり止めたりしたら事故になり、非難の的になってしまうからだろう。
俺は店を終わらせてから、機動隊たちが集まる場所に向かった。
もちろん、ティナと一緒にチャリでな。
地球ロック(標識やガードレールに自転車を固定して盗まれないようにする方法)をしてから、ティナと歩いてその場所へ。
誰も見ていないところで偽装の魔法を使う。
実はね、一緒にいるティナの姿を隠すくらいのことも出来たりするんだ。
もっと他のこともね。
もちろん、キーワードが必要になる。
よりイメージを高めるためには、これが一番しっくりきたんだ。
『変身』
俺の腰によくある変身ベルトをアレンジしたものが出現する。
その中央の風車が回りだすと、サイケデリックな効果を発しながら俺の身体を包んでいく。
光りが収まると、そこに現れた俺の姿は、往年のマスク・ド・ライダーを彷彿とさせるような。
俺とティナの皮膚の色。
褐色をイメージした、超かっこいいスーツアクターのような出立。
「武士、かっこいいっ」
「だろう?」
「あたしはあたしは?」
家から着替えてきたティナの姿は。
『魔法少女ラジカルくれは』のそれだ。
目元をプロレスのマスクのようなもので覆っている。
ぱっと見、ティナだとはわからないだろう。
ティナの隠ぺいの魔法を使ってここまで来たから、目立ってはいないんだけどな。
「ティナ、その格好で暴れたら。下着、見えちゃわないか? 俺は見せたくないぞ。それは俺のだ」
「大丈夫ほらっ」
するするとスカートをたくし上げやがった。
「おいっ」
そこにあったのは、あのときのレーパン。
くるっと回ったティナのお尻は、引き締まっていて、それでいて可愛らしい丸みを帯びている。
「ほら、レーパン穿いてるから。可愛いでしょ?」
「うん。可愛いから、オールオッケー」
うん。
やっぱりティナは世界一可愛い。
機動隊員が集まり、これから間もなく出発するような感じだった。
そこに颯爽と現れた変身した俺。
ティナだけ隠ぺいを使ってもらい、俺は姿を現した。
『とうっ』
機動隊の建物の屋上kら飛び降りて、照明に照らされながら、空中で一回転。
辺りはざわめき始めていた。
というよりあっけに取られていたかもしれないな。
そりゃそうだろう。
ただ現れただけなら、愉快犯みたいなものだ。
それが屋上から飛び降りて、宙返りして着地したんだから。
「……君は一体?」
隊列の前に立っていた機動隊長と思われる男性が、俺に問う。
『暴走族を検挙するんですよね? ならば俺が手伝いますよ。少年少女たちを傷ひとつつけずに検挙させてみます。まぁ、任せてください』
「そんなことができるわけないだろう。それに君は誰だ?」
『俺の名は『マスク・ド・ドワーヴン』』
▼
その夜、テレビで放映された報道特番。
本当に現れたご当地ヒーロー。
生放送の暴走族特集に現れた武士とティナの姿。
録画じゃないから、もう放送は取り消せない。
「ヒーローです。本当のヒーローが現れた模様です。これは特撮じゃありません。私たちだって驚いているんです。何ですか? ディレクターさん。えっ? 『マスク・ド・ライダー』? 知りませんって。ディレクターみたいな、おじさんの世代じゃないんですから。あ、あの魔法少女は何でしょう?」
これは俺が、亡くなった父さん母さん、おじさんへの弔い合戦だ。
ティナも協力してくれる。
俺とティナは任務を遂行して、ビルの屋上を走りながら消えていく。
そんなとき、スマホが鳴った。
「……はい」
「──こらっ、武士っ!」
「は、はい」
「このテレビに映ってたの、あんたでしょう?」
「あー、バレてますよね」
「ちょっと変わって、母さん。武士。かっこよかった」
「ありがとう。志狼兄さん」
「ティナちゃんも可愛いな。あれ、『魔法少女リリカルくれは』だろ?」
「志狼、代わりなさい。武士、思ったようにやりなさい。麗華コーポレーションが大々的に宣伝してあげる。化け狸たちを震え上がらせてあげなさい」
「はい。麗華さん」
結局バレてるな。
立花さんたちも焦ってるんだろうな。
でも俺は、やめるつもりはない。
父さんとおじさんができなかった、母さんが信じた。
正義を行うために、帰ってきたんだからな。
「ティナ、愛してる」
「武士、あたいも」
ティナをお姫様だっこしながら、俺はロードバイクの元へ戻る。
やっぱりティナ、可愛いわ……。
俺とティナでは魔法の質が違うようだった。
ティナはアリエスさんと同じように、内側から外への放出系。
俺はクレイさんと同質の、外側の事象を操る系統が使えるようだった。
同じ王配という、力を与えられた立場だったからだろうか。
ティナが強大な魔法を使えることで、俺もかなり強い魔法を使えるみたいだった。
クレイさんも驚いていたっけ。
クレイさんは自分の身体を少しでも大きく見せるため。
王配として舐められないようにするために、偽装というものが得意らしい。
他人が触ってもそれを感じられるような。
例えば、魔法で腕を覆い、二倍以上の太さにしてしまうような感じ。
これを俺は、オタクイメージを重ねることで改良を重ねることができた。
そう。
一瞬で俺じゃない存在に変身するような偽装をできるようになったんだ。
俺はアリエスさんとクレイさんに定期的に戻ることを約束して、ティナと一緒に沖縄に戻ってきた。
戻ったときには大晦日。
俺はあることを実行に移すことをティナに相談した。
ティナは面白そうだと、協力してくれると言ってくれた。
▼
これから熱にうなされた少年少女が暴走族となり、初日の出暴走が始まることだろう。
それを検挙するつもりないのに、機動隊が集まっていた。
検挙するつもりがないというのは、下手に無理やり止めたりしたら事故になり、非難の的になってしまうからだろう。
俺は店を終わらせてから、機動隊たちが集まる場所に向かった。
もちろん、ティナと一緒にチャリでな。
地球ロック(標識やガードレールに自転車を固定して盗まれないようにする方法)をしてから、ティナと歩いてその場所へ。
誰も見ていないところで偽装の魔法を使う。
実はね、一緒にいるティナの姿を隠すくらいのことも出来たりするんだ。
もっと他のこともね。
もちろん、キーワードが必要になる。
よりイメージを高めるためには、これが一番しっくりきたんだ。
『変身』
俺の腰によくある変身ベルトをアレンジしたものが出現する。
その中央の風車が回りだすと、サイケデリックな効果を発しながら俺の身体を包んでいく。
光りが収まると、そこに現れた俺の姿は、往年のマスク・ド・ライダーを彷彿とさせるような。
俺とティナの皮膚の色。
褐色をイメージした、超かっこいいスーツアクターのような出立。
「武士、かっこいいっ」
「だろう?」
「あたしはあたしは?」
家から着替えてきたティナの姿は。
『魔法少女ラジカルくれは』のそれだ。
目元をプロレスのマスクのようなもので覆っている。
ぱっと見、ティナだとはわからないだろう。
ティナの隠ぺいの魔法を使ってここまで来たから、目立ってはいないんだけどな。
「ティナ、その格好で暴れたら。下着、見えちゃわないか? 俺は見せたくないぞ。それは俺のだ」
「大丈夫ほらっ」
するするとスカートをたくし上げやがった。
「おいっ」
そこにあったのは、あのときのレーパン。
くるっと回ったティナのお尻は、引き締まっていて、それでいて可愛らしい丸みを帯びている。
「ほら、レーパン穿いてるから。可愛いでしょ?」
「うん。可愛いから、オールオッケー」
うん。
やっぱりティナは世界一可愛い。
機動隊員が集まり、これから間もなく出発するような感じだった。
そこに颯爽と現れた変身した俺。
ティナだけ隠ぺいを使ってもらい、俺は姿を現した。
『とうっ』
機動隊の建物の屋上kら飛び降りて、照明に照らされながら、空中で一回転。
辺りはざわめき始めていた。
というよりあっけに取られていたかもしれないな。
そりゃそうだろう。
ただ現れただけなら、愉快犯みたいなものだ。
それが屋上から飛び降りて、宙返りして着地したんだから。
「……君は一体?」
隊列の前に立っていた機動隊長と思われる男性が、俺に問う。
『暴走族を検挙するんですよね? ならば俺が手伝いますよ。少年少女たちを傷ひとつつけずに検挙させてみます。まぁ、任せてください』
「そんなことができるわけないだろう。それに君は誰だ?」
『俺の名は『マスク・ド・ドワーヴン』』
▼
その夜、テレビで放映された報道特番。
本当に現れたご当地ヒーロー。
生放送の暴走族特集に現れた武士とティナの姿。
録画じゃないから、もう放送は取り消せない。
「ヒーローです。本当のヒーローが現れた模様です。これは特撮じゃありません。私たちだって驚いているんです。何ですか? ディレクターさん。えっ? 『マスク・ド・ライダー』? 知りませんって。ディレクターみたいな、おじさんの世代じゃないんですから。あ、あの魔法少女は何でしょう?」
これは俺が、亡くなった父さん母さん、おじさんへの弔い合戦だ。
ティナも協力してくれる。
俺とティナは任務を遂行して、ビルの屋上を走りながら消えていく。
そんなとき、スマホが鳴った。
「……はい」
「──こらっ、武士っ!」
「は、はい」
「このテレビに映ってたの、あんたでしょう?」
「あー、バレてますよね」
「ちょっと変わって、母さん。武士。かっこよかった」
「ありがとう。志狼兄さん」
「ティナちゃんも可愛いな。あれ、『魔法少女リリカルくれは』だろ?」
「志狼、代わりなさい。武士、思ったようにやりなさい。麗華コーポレーションが大々的に宣伝してあげる。化け狸たちを震え上がらせてあげなさい」
「はい。麗華さん」
結局バレてるな。
立花さんたちも焦ってるんだろうな。
でも俺は、やめるつもりはない。
父さんとおじさんができなかった、母さんが信じた。
正義を行うために、帰ってきたんだからな。
「ティナ、愛してる」
「武士、あたいも」
ティナをお姫様だっこしながら、俺はロードバイクの元へ戻る。
やっぱりティナ、可愛いわ……。
0
お気に入りに追加
30
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
亡国の系譜と神の婚約者
仁藤欣太郎
ファンタジー
二十年前に起こった世界戦争の傷跡も癒え、世界はかつてない平和を享受していた。
最果ての島イールに暮らす漁師の息子ジャンは、外の世界への好奇心から幼馴染のニコラ、シェリーを巻き込んで自分探しの旅に出る。
ジャンは旅の中で多くの出会いを経て大人へと成長していく。そして渦巻く陰謀、社会の暗部、知られざる両親の過去……。彼は自らの意思と無関係に大きな運命に巻き込まれていく。
☆本作は小説家になろう、マグネットでも公開しています。
☆挿絵はみずきさん(ツイッター: @Mizuki_hana93)にお願いしています。
☆ノベルアッププラスで最新の改稿版の投稿をはじめました。間違いの修正なども多かったので、気になる方はノベプラ版をご覧ください。こちらもプロの挿絵付き。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
異世界居酒屋「陽羽南」~異世界から人外が迷い込んできました~
八百十三
ファンタジー
東京都新宿区、歌舞伎町。
世界有数の繁華街に新しくオープンした居酒屋「陽羽南(ひばな)」の店員は、エルフ、獣人、竜人!?
異世界から迷い込んできた冒険者パーティーを率いる犬獣人の魔法使い・マウロは、何の因果か出会った青年実業家に丸め込まれて居酒屋で店員として働くことに。
仲間と共に働くにつれてこちらの世界にも馴染んできたところで、彼は「故郷の世界が直面する危機」を知る――
●コンテスト・小説大賞選考結果記録
第10回ネット小説大賞一次選考通過
※小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+、エブリスタにも並行して投稿しています
https://ncode.syosetu.com/n5744eu/
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886816699
https://novelup.plus/story/630860754
https://estar.jp/novels/25628712
ヒルクライム・ラバーズ ~初心者トシヤとクライマーの少女~
すて
恋愛
ロードバイクを手に入れた少年とロードバイク乗りの少女の青春学園ストーリーです。
手に汗握るハイスピードバトルが繰り広げられたりはしません。
ABChanneler-戦うWanTuber-
綾久庵
SF
かつて特撮ヒーローだった男は今や落ちぶれ事務所からもついに見放された。さらに悪の組織の一員となっていた脚本家に酒の席で整形手術と騙され改造手術を施されてしまう。
変な音の出るベルトと共に路上に捨てられた男は一人のAV女優に拾われ動画配信者WanTuberとして悪のゾンビと戦い、生計を立てる決意をしたのであった…
※小説家になろう、カクヨムにも投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる