180 / 255
第八章 予期せぬ戦いと状況変化
第174話 尋問①
しおりを挟む
「それで、その生け捕りにした兵士は今は領軍詰所に?」
「はい。とりあえず詰所の牢屋で拘束してます。本人もランセル王国の軍人だと認めてるそうです」
ベゼル大森林の奥で所属不明の兵士と遭遇してこれを捕らえたと報告を受けたノエインは、マチルダと、報せを持ってきたペンスと共に屋敷を出た。ペンスに状況の詳細を説明されながら、徒歩で領軍詰所に向かう。
「……まったく、こういうことだったんだね」
「オーク頻出の謎がようやく解けましたね」
ベゼル大森林の奥からランセル王国の兵士がやって来た時点で、ノエインもペンスも大体の察しはついている。にわかには信じ難いことだが、ランセル王国がベゼル大森林を越えるという冗談のようなルートで侵攻をかけようとしているのだ。
こうなれば、滅多に出ないはずのオークが数年で二度も出現した理由も予想がつく。おそらくランセル王国側からベゼル大森林の中に侵攻ルートを切り開くにあたって、途中で遭遇した魔物を追い払い、それがまた別の魔物のテリトリーに入り込み、その流れに押し出された個体がアールクヴィスト領のあたりまで出てきてしまったのだろう。
「にしても、普通はここまでしないって……そりゃあ費用も損失も度外視で森を切り開けばできるかもしれないけど……常識的に考えて選ぶ手段じゃないよ」
ベゼル大森林の奥深くにはオークをはじめ危険な魔物がひしめく。そんなところに道を作って森を抜けるとなれば、精鋭の兵士や強力な魔法使いを惜しみなく投入しなければならない。犠牲も多く出るだろう。
理屈の上ではできるというだけであって、まともに考える頭があればそれを実行はしない。兵士、魔法使い、それを指揮する将官、森を切り開いて道を作る人夫、それらの人員を維持する費用、必要な物資の費用……本気でベゼル大森林の中に侵攻ルートを作ろうとすれば、人的資源や金をどれほど消費するか分かったものではない。国が傾く。
だからこそロードベルク王国も、これまでベゼル大森林にはほとんど手を出さなかったのだ。
「じゃあ、ランセル王国のカドネ国王でしたっけ? そいつは普通じゃなかったってことですか」
「だね。一国の王が強権を発動しなきゃできない荒業を本当に実行するなんて……よくもそこまで無茶できたもんだよ。ばっかじゃないの……それに従うあっちの軍閥貴族も大概だよ」
ぶつくさと文句を言っているうちに領軍詰所にたどり着き、ノエインは急いで詰所の牢屋に向かった。
・・・・・
「……彼か」
「はっ。魔力探知の魔道具で調べたところ火魔法の才を少しばかり持っているようですが、せいぜい種火を作れる程度かと。鉄製の鎖で拘束していますので、暴れる心配はありません」
領軍詰所の牢屋の中。従士長ユーリの言葉通り鉄の鎖で縛り上げられた男をノエインは見下ろす。
「僕はこのアールクヴィスト準男爵領の領主ノエイン・アールクヴィストだ。君はランセル王国軍の兵士で間違いないね?」
あまり貴族家当主らしくない小柄な若者が出てきたためか、男は一瞬驚いた表情を浮かべる。
「……はい。ジェレミーと申します、閣下」
ジェレミーと名乗った男の年齢はせいぜい二十代半ば。暗いブロンドの髪は長めで、体つきはそれなりに鍛えられているようだが、表情にあまり力がなく、目の下には隈があった。
「そうか、よろしくジェレミー……まず、君の部下たちは抵抗しようとしたから殺さざるを得なかった。理解してほしい」
「いえ、私たちは兵士ですので仕方ないことかと……それに、あの2人は偵察を命じられて急きょつけられた部下だったので。今朝まで名前も知りませんでした」
部下の死をさほど気にした様子もなくジェレミーは答える。
「それならよかった……とりあえず、君に聞きたいことが山ほどある。どうか本当のことを言ってほしい。素直に言わなかったり、嘘を言ったことが分かったりしたら、こちらもそれなりの対応で返さないといけない。分かるね?」
「はっ。理解しています」
場合によっては残虐な扱いをすることをほのめかされると、ジェレミーは思いのほか素直に頷いた。悪態をつくでもなく意地を張るでもないその態度にノエインは少々拍子抜けする。
「……ユーリ」
「はっ」
ノエインが声をかけると、ユーリが応えてジェレミーたちの前に出る。軍事に関わることなので、具体的な尋問をするならノエインよりユーリの方が適任だ。
「まず、お前はベゼル大森林の中を越えて侵攻しようとしているランセル王国軍の偵察兵ということで間違いないな?」
「……はい、間違いありません。よくお分かりになりましたね」
「状況を見れば大体察しがつく。質問への答え以外は喋るな。次に余計な口を聞いたら殴る」
ユーリが凄みを聞かせて言うと、ジェレミーは目に見えて怯んだ。まだ若い兵士だ。百戦錬磨のユーリに本気で睨まれればさぞ怖いだろう。
「本格的な侵攻開始の予定時期はいつだ? 侵攻部隊の規模は?」
「……三日後から五日後です。私が拘束された地点よりも少し奥にランセル王国側から切り開いた侵攻路が、そのさらに奥に少し開けた野営地があり、そこに本隊が集結して準備が整い次第、侵攻を開始する予定です。規模は王宮魔導士や王家の親衛隊も含めておよそ3000人と聞いています」
「待て、王家の親衛隊と言ったか? その侵攻部隊の総指揮官は?」
「……総指揮官はカドネ陛下です」
ジェレミーの言葉を聞いて、ユーリが強張った表情でノエインを振り返る。ジェレミーの監視についている領軍兵士たちも、ペンスも、普段は表情を動かさないマチルダも、この場にいる誰もが硬い表情を見せた。
そしてノエインは――とてもだるそうな顔でため息をついた。
「よりにもよって親征か……」
親征、すなわち君主が自ら軍を率いて敵に攻め入る行為だ。そんなことをするからには、カドネ国王はこの侵攻によほど気合を入れているのだろう。相手をさせられる側としては面倒なことこの上ない。
「その情報に嘘はないな?」
「はい、アルバランの神々に……いえ、自分の妻と娘に誓って本当です」
ランセル王国側で信仰されている神の名を口にしたジェレミーは、ロードベルク王国の国教は違うことを思い出したのか気まずそうな顔で言い直した。
ノエインたちはそれほど信心深い質ではないし、今はそれどころではないので誰も気にしていない。
「……ペンス、とりあえず領軍を招集して事態説明と各種装備の用意を。キルデにも伝令を送って防衛準備をさせて。開拓村の領民は一度領都に避難させよう。あと、コンラートに『遠話』でレトヴィクと連絡をとらせて援軍を要請して……ユーリは尋問を続けて」
ノエインはジェレミーに聞かれないように少し距離を置いてペンスに耳打ちした後、ユーリに尋問の続きを促す。領主の指示を受けてペンスが牢屋から出ていき、ユーリはまたジェレミーに向き直る。
「侵攻部隊の数がやや少ないようだが、何故だ?」
「私は教えられていません。我々は第一陣で、少し遅れて第二陣や第三陣も続くとだけ聞いています……ほ、本当です」
ジェレミーは少し震えながら、しかりユーリから目を逸らさずに言った。
嘘はついていないように見える。偵察隊の指揮をとっていたとはいえ、所詮は彼もただの下級士官ということか。あまり深い作戦内容は聞いていないらしい。
「……ユーリ、予想はつく?」
「……おそらく、ロードベルク王国側に侵攻準備を察知されないように、あえて第一陣の人数を絞ったのではないかと」
「そっか、言われてみれば確かにそうだろうね」
ロードベルク王国はランセル王国内に間諜を入りこませている。いくら国境から遠いベゼル大森林の北端とはいえ、万単位の軍勢を一度に集めたりすればロードベルク王国側も何かしらの動きを察知できるはずだ。
第一陣の奇襲部隊として秘密裏に集結させられる、ぎりぎりの規模が3000人だったということか。
それでも無警戒なところにそれだけの敵がなだれ込めば北西部は大混乱に陥り、いくつもの貴族領が陥落するだろう。そこへさらに敵の第二陣、第三陣が侵入すれば、北西部どころかロードベルク王国が本当に敗北する可能性も十分にある。
「ベゼル大森林を抜けた先に、ここアールクヴィスト領があることはランセル王国は知っていたか?」
「……知っていました。ベゼル大森林を開拓して新たに作られた領地があると。私が聞いていた話では士爵領の小さな村で、このような立派な都市があるとは知りませんでしたが……3000の精鋭であれば造作もなく落とせる小領なので、そこを最初に壊滅させてロードベルク王国侵攻の前線基地とする、という計画でした」
その話にノエインは眉をひそめ、ユーリも苦虫を噛み潰したような表情を作る。自分たちの暮らす領を都合のいい前線基地呼ばわりされていい気はしない。
その反応を見てジェレミーが少し怯える。
「……うちの本当の強さまでは知られてないみたいだね」
「ノエイン様の陞爵の話も伝わっていないようですし、敵もそこまで北西部の情勢を掴んでいるわけではない、ということでしょうな」
ロードベルク王国もランセル王国も互いに間諜を送り合っているが、そこから得られる情報は決して豊富ではない。大攻勢の予兆などは分かるが、相手国内部の細かな情報を知るには限界がある。
平原で国境を接する紛争地帯ならともかく、戦場から遠い北西部の奥の奥にある下級貴族領の詳しい内情までは分かっていなかったようだ。同じ理由で、ロードベルク王国側もランセル王国によるベゼル大森林からの侵攻を察知できなかったのだろうが。
その後もユーリによる尋問は続く。
「はい。とりあえず詰所の牢屋で拘束してます。本人もランセル王国の軍人だと認めてるそうです」
ベゼル大森林の奥で所属不明の兵士と遭遇してこれを捕らえたと報告を受けたノエインは、マチルダと、報せを持ってきたペンスと共に屋敷を出た。ペンスに状況の詳細を説明されながら、徒歩で領軍詰所に向かう。
「……まったく、こういうことだったんだね」
「オーク頻出の謎がようやく解けましたね」
ベゼル大森林の奥からランセル王国の兵士がやって来た時点で、ノエインもペンスも大体の察しはついている。にわかには信じ難いことだが、ランセル王国がベゼル大森林を越えるという冗談のようなルートで侵攻をかけようとしているのだ。
こうなれば、滅多に出ないはずのオークが数年で二度も出現した理由も予想がつく。おそらくランセル王国側からベゼル大森林の中に侵攻ルートを切り開くにあたって、途中で遭遇した魔物を追い払い、それがまた別の魔物のテリトリーに入り込み、その流れに押し出された個体がアールクヴィスト領のあたりまで出てきてしまったのだろう。
「にしても、普通はここまでしないって……そりゃあ費用も損失も度外視で森を切り開けばできるかもしれないけど……常識的に考えて選ぶ手段じゃないよ」
ベゼル大森林の奥深くにはオークをはじめ危険な魔物がひしめく。そんなところに道を作って森を抜けるとなれば、精鋭の兵士や強力な魔法使いを惜しみなく投入しなければならない。犠牲も多く出るだろう。
理屈の上ではできるというだけであって、まともに考える頭があればそれを実行はしない。兵士、魔法使い、それを指揮する将官、森を切り開いて道を作る人夫、それらの人員を維持する費用、必要な物資の費用……本気でベゼル大森林の中に侵攻ルートを作ろうとすれば、人的資源や金をどれほど消費するか分かったものではない。国が傾く。
だからこそロードベルク王国も、これまでベゼル大森林にはほとんど手を出さなかったのだ。
「じゃあ、ランセル王国のカドネ国王でしたっけ? そいつは普通じゃなかったってことですか」
「だね。一国の王が強権を発動しなきゃできない荒業を本当に実行するなんて……よくもそこまで無茶できたもんだよ。ばっかじゃないの……それに従うあっちの軍閥貴族も大概だよ」
ぶつくさと文句を言っているうちに領軍詰所にたどり着き、ノエインは急いで詰所の牢屋に向かった。
・・・・・
「……彼か」
「はっ。魔力探知の魔道具で調べたところ火魔法の才を少しばかり持っているようですが、せいぜい種火を作れる程度かと。鉄製の鎖で拘束していますので、暴れる心配はありません」
領軍詰所の牢屋の中。従士長ユーリの言葉通り鉄の鎖で縛り上げられた男をノエインは見下ろす。
「僕はこのアールクヴィスト準男爵領の領主ノエイン・アールクヴィストだ。君はランセル王国軍の兵士で間違いないね?」
あまり貴族家当主らしくない小柄な若者が出てきたためか、男は一瞬驚いた表情を浮かべる。
「……はい。ジェレミーと申します、閣下」
ジェレミーと名乗った男の年齢はせいぜい二十代半ば。暗いブロンドの髪は長めで、体つきはそれなりに鍛えられているようだが、表情にあまり力がなく、目の下には隈があった。
「そうか、よろしくジェレミー……まず、君の部下たちは抵抗しようとしたから殺さざるを得なかった。理解してほしい」
「いえ、私たちは兵士ですので仕方ないことかと……それに、あの2人は偵察を命じられて急きょつけられた部下だったので。今朝まで名前も知りませんでした」
部下の死をさほど気にした様子もなくジェレミーは答える。
「それならよかった……とりあえず、君に聞きたいことが山ほどある。どうか本当のことを言ってほしい。素直に言わなかったり、嘘を言ったことが分かったりしたら、こちらもそれなりの対応で返さないといけない。分かるね?」
「はっ。理解しています」
場合によっては残虐な扱いをすることをほのめかされると、ジェレミーは思いのほか素直に頷いた。悪態をつくでもなく意地を張るでもないその態度にノエインは少々拍子抜けする。
「……ユーリ」
「はっ」
ノエインが声をかけると、ユーリが応えてジェレミーたちの前に出る。軍事に関わることなので、具体的な尋問をするならノエインよりユーリの方が適任だ。
「まず、お前はベゼル大森林の中を越えて侵攻しようとしているランセル王国軍の偵察兵ということで間違いないな?」
「……はい、間違いありません。よくお分かりになりましたね」
「状況を見れば大体察しがつく。質問への答え以外は喋るな。次に余計な口を聞いたら殴る」
ユーリが凄みを聞かせて言うと、ジェレミーは目に見えて怯んだ。まだ若い兵士だ。百戦錬磨のユーリに本気で睨まれればさぞ怖いだろう。
「本格的な侵攻開始の予定時期はいつだ? 侵攻部隊の規模は?」
「……三日後から五日後です。私が拘束された地点よりも少し奥にランセル王国側から切り開いた侵攻路が、そのさらに奥に少し開けた野営地があり、そこに本隊が集結して準備が整い次第、侵攻を開始する予定です。規模は王宮魔導士や王家の親衛隊も含めておよそ3000人と聞いています」
「待て、王家の親衛隊と言ったか? その侵攻部隊の総指揮官は?」
「……総指揮官はカドネ陛下です」
ジェレミーの言葉を聞いて、ユーリが強張った表情でノエインを振り返る。ジェレミーの監視についている領軍兵士たちも、ペンスも、普段は表情を動かさないマチルダも、この場にいる誰もが硬い表情を見せた。
そしてノエインは――とてもだるそうな顔でため息をついた。
「よりにもよって親征か……」
親征、すなわち君主が自ら軍を率いて敵に攻め入る行為だ。そんなことをするからには、カドネ国王はこの侵攻によほど気合を入れているのだろう。相手をさせられる側としては面倒なことこの上ない。
「その情報に嘘はないな?」
「はい、アルバランの神々に……いえ、自分の妻と娘に誓って本当です」
ランセル王国側で信仰されている神の名を口にしたジェレミーは、ロードベルク王国の国教は違うことを思い出したのか気まずそうな顔で言い直した。
ノエインたちはそれほど信心深い質ではないし、今はそれどころではないので誰も気にしていない。
「……ペンス、とりあえず領軍を招集して事態説明と各種装備の用意を。キルデにも伝令を送って防衛準備をさせて。開拓村の領民は一度領都に避難させよう。あと、コンラートに『遠話』でレトヴィクと連絡をとらせて援軍を要請して……ユーリは尋問を続けて」
ノエインはジェレミーに聞かれないように少し距離を置いてペンスに耳打ちした後、ユーリに尋問の続きを促す。領主の指示を受けてペンスが牢屋から出ていき、ユーリはまたジェレミーに向き直る。
「侵攻部隊の数がやや少ないようだが、何故だ?」
「私は教えられていません。我々は第一陣で、少し遅れて第二陣や第三陣も続くとだけ聞いています……ほ、本当です」
ジェレミーは少し震えながら、しかりユーリから目を逸らさずに言った。
嘘はついていないように見える。偵察隊の指揮をとっていたとはいえ、所詮は彼もただの下級士官ということか。あまり深い作戦内容は聞いていないらしい。
「……ユーリ、予想はつく?」
「……おそらく、ロードベルク王国側に侵攻準備を察知されないように、あえて第一陣の人数を絞ったのではないかと」
「そっか、言われてみれば確かにそうだろうね」
ロードベルク王国はランセル王国内に間諜を入りこませている。いくら国境から遠いベゼル大森林の北端とはいえ、万単位の軍勢を一度に集めたりすればロードベルク王国側も何かしらの動きを察知できるはずだ。
第一陣の奇襲部隊として秘密裏に集結させられる、ぎりぎりの規模が3000人だったということか。
それでも無警戒なところにそれだけの敵がなだれ込めば北西部は大混乱に陥り、いくつもの貴族領が陥落するだろう。そこへさらに敵の第二陣、第三陣が侵入すれば、北西部どころかロードベルク王国が本当に敗北する可能性も十分にある。
「ベゼル大森林を抜けた先に、ここアールクヴィスト領があることはランセル王国は知っていたか?」
「……知っていました。ベゼル大森林を開拓して新たに作られた領地があると。私が聞いていた話では士爵領の小さな村で、このような立派な都市があるとは知りませんでしたが……3000の精鋭であれば造作もなく落とせる小領なので、そこを最初に壊滅させてロードベルク王国侵攻の前線基地とする、という計画でした」
その話にノエインは眉をひそめ、ユーリも苦虫を噛み潰したような表情を作る。自分たちの暮らす領を都合のいい前線基地呼ばわりされていい気はしない。
その反応を見てジェレミーが少し怯える。
「……うちの本当の強さまでは知られてないみたいだね」
「ノエイン様の陞爵の話も伝わっていないようですし、敵もそこまで北西部の情勢を掴んでいるわけではない、ということでしょうな」
ロードベルク王国もランセル王国も互いに間諜を送り合っているが、そこから得られる情報は決して豊富ではない。大攻勢の予兆などは分かるが、相手国内部の細かな情報を知るには限界がある。
平原で国境を接する紛争地帯ならともかく、戦場から遠い北西部の奥の奥にある下級貴族領の詳しい内情までは分かっていなかったようだ。同じ理由で、ロードベルク王国側もランセル王国によるベゼル大森林からの侵攻を察知できなかったのだろうが。
その後もユーリによる尋問は続く。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,106
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる