13 / 23
八岐大蛇
2
しおりを挟む
「着いた。ここだよ。」
俺は、ルーのその口調が戻った言葉を聞き、その背から降りた。すると、直ぐに鬱蒼とした森と、その手前に立つ巨大な鳥居が目に入る。デカイな…大体高さ八メートルってとこか?…そもそも、ここ何処だ?少なくとも人里からは離れている様だな。気配が無い。
「ここの奥に居るはずだよ。ただ、ここからは歩きでね。よっと。」
「こっからはその人間形態で行くのか。…ところで、ここは何処だ?少なくとも俺の知識には無い場所だが。」
「まぁ、逆に人間の知識に此処があるとまずいよ。人を寄せ付けない結界があるのは、人目に入れない為だし。…えっと、此処は何処か、だったよね?レン、素戔嗚尊って知ってる?」
「ああ。日本の神話に出てくる人だろ?確か、八岐大蛇を倒した。」
「…それは一部間違っている。素戔嗚尊は八岐大蛇を“封印”したんだよ。此処はその封印されている場所で、我…私の友達は、その封印が解けないように監視するのと封印の強化をする役割を担っているんだよ。と言うより、あの化け物をたった一柱の神が倒せるわけがないんだよ。アレは、正真正銘の厄災の化け物だからね。出来るならなるべく手を出さない方がいいんだよ。私達、神獣でもかなり手こずるだろうね。もし本当に私たちが戦ったら、300年くらいの睡眠は確定事項だろうしね。」
「なるほどな。八岐大蛇か。聞くだけでも相当厄介なんだろうと思えるのだが。…絶対戦いたくはないなぁ。」
陰陽師、【楽園】の次は八岐大蛇か。その次は何が出るんだろ。…そういえば、楽園の方は最近これと言ったことはなかったな。ま、そっちの方が面倒ごとが少なくて助かるが。でも、いつかはそっちも対処していかないといけないんだろうな。
「っと。話してる間についたね。此処が我友の居る神宮だ。」
「っ。…これまた立派な神社だな。」
鳥居の奥にあったのは、巨大な神社だった。柱は赤く塗られており、周囲には、手入れの行き通った芝生が広がっている。右の方には、池があり、鯉の様な気配がある。そして、左には、手水舎がある。その奥には、湧水が流れ出ており、手水舎の水も湧水の様だ。アレで手を洗うのは、気持ちよさそうだな。
周りには、そこそこ深い森が広がっているが、雰囲気を暗くはしない程度に光が差し込んでいる。神社の壁は白磁の様に綺麗だし、屋根には、一匹の巨大な龍の装飾が厳かにこちらを見下ろしていた。アレも、リアルで今にも動き出しそうな力強さと威圧感がある。そして、無視できないのが、一歩も動かない二つの巨大な気配である。一つは、もう一方寄りも小さいが、ルーとほぼ同じくらいである。恐らく、こちらがルーの友達の神獣だろう。だとすると、もう一方の大きい気配は八岐大蛇だろう。神獣の1.5倍くらいのサイズの気配がある。これは、確かに他の神獣もルーと同じくらいの力だとすると、一人での対処は難しそうだ。それに、少なくない被害を被るのは確実だろうな。
俺達は、そのまま神社の中に入り、神獣のいるであろう部屋に向かった。
俺は、ルーのその口調が戻った言葉を聞き、その背から降りた。すると、直ぐに鬱蒼とした森と、その手前に立つ巨大な鳥居が目に入る。デカイな…大体高さ八メートルってとこか?…そもそも、ここ何処だ?少なくとも人里からは離れている様だな。気配が無い。
「ここの奥に居るはずだよ。ただ、ここからは歩きでね。よっと。」
「こっからはその人間形態で行くのか。…ところで、ここは何処だ?少なくとも俺の知識には無い場所だが。」
「まぁ、逆に人間の知識に此処があるとまずいよ。人を寄せ付けない結界があるのは、人目に入れない為だし。…えっと、此処は何処か、だったよね?レン、素戔嗚尊って知ってる?」
「ああ。日本の神話に出てくる人だろ?確か、八岐大蛇を倒した。」
「…それは一部間違っている。素戔嗚尊は八岐大蛇を“封印”したんだよ。此処はその封印されている場所で、我…私の友達は、その封印が解けないように監視するのと封印の強化をする役割を担っているんだよ。と言うより、あの化け物をたった一柱の神が倒せるわけがないんだよ。アレは、正真正銘の厄災の化け物だからね。出来るならなるべく手を出さない方がいいんだよ。私達、神獣でもかなり手こずるだろうね。もし本当に私たちが戦ったら、300年くらいの睡眠は確定事項だろうしね。」
「なるほどな。八岐大蛇か。聞くだけでも相当厄介なんだろうと思えるのだが。…絶対戦いたくはないなぁ。」
陰陽師、【楽園】の次は八岐大蛇か。その次は何が出るんだろ。…そういえば、楽園の方は最近これと言ったことはなかったな。ま、そっちの方が面倒ごとが少なくて助かるが。でも、いつかはそっちも対処していかないといけないんだろうな。
「っと。話してる間についたね。此処が我友の居る神宮だ。」
「っ。…これまた立派な神社だな。」
鳥居の奥にあったのは、巨大な神社だった。柱は赤く塗られており、周囲には、手入れの行き通った芝生が広がっている。右の方には、池があり、鯉の様な気配がある。そして、左には、手水舎がある。その奥には、湧水が流れ出ており、手水舎の水も湧水の様だ。アレで手を洗うのは、気持ちよさそうだな。
周りには、そこそこ深い森が広がっているが、雰囲気を暗くはしない程度に光が差し込んでいる。神社の壁は白磁の様に綺麗だし、屋根には、一匹の巨大な龍の装飾が厳かにこちらを見下ろしていた。アレも、リアルで今にも動き出しそうな力強さと威圧感がある。そして、無視できないのが、一歩も動かない二つの巨大な気配である。一つは、もう一方寄りも小さいが、ルーとほぼ同じくらいである。恐らく、こちらがルーの友達の神獣だろう。だとすると、もう一方の大きい気配は八岐大蛇だろう。神獣の1.5倍くらいのサイズの気配がある。これは、確かに他の神獣もルーと同じくらいの力だとすると、一人での対処は難しそうだ。それに、少なくない被害を被るのは確実だろうな。
俺達は、そのまま神社の中に入り、神獣のいるであろう部屋に向かった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
弾丸より速く動ける高校生たちの切っ先~荒神と人のどちらが怖いのか?~
初雪空
ファンタジー
氷室駿矢は、いよいよ高校生になった。
許嫁の天賀原香奈葉、幼馴染の西園寺睦実とのラブコメ。
と言いたいが!
この世界の日本は、刀を使う能力者による荒神退治が日常。
トップスピードでは弾丸を上回り、各々が契約した刀でぶった切るのが一番早いのだ。
東京の名門高校に入学するも、各地の伝承の謎を解き明かしつつ、同じ防人とも戦っていくことに……。
各地に残る伝承や、それにともなう荒神たち。
さらに、同じ防人との戦いで、駿矢に休む暇なし!?
この物語はフィクションであり、実在する人物、団体等とは一切関係ないことをご承知おきください。
また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※ 小説家になろう、ハーメルン、カクヨムにも連載中
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる