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八岐大蛇
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「さて、今日は何をしようか。学校は明後日からだしなぁ。ルー、どこか行きたいところはあるか?」
「そうだなぁ……じゃ、久しぶり旧友の顔を見に行くとしよう。あやつはいつも暇しておるし、酒の相手になって貰うかな。」
「そうか。…ついて行ってもいいか?俺、今日は特にすることがないし…………学校は明後日からだしな。」
「二度言わんくてもいい。勿論だ。」
ところで…俺は、ルーの姿を見ながら思う。なんか…
「どうしたのだ?我そんなに見て…。何か気になることでもあったか?」
「いや…お前がその口調をその姿で使っていると、ギャップが凄くてな…………どうしても違和感が拭えない。」
「そうか。…ならば、少し変えてみるか。えーっと…これでいい。どうかな?違和感は消えた?」
「…まぁ、そうだな。どうやってやったのかよく分からんが……………とにかく違和感はない。」
ルーの口調と姿について口に出すと、ルーは空中で手を動かし、何かを弄った後の声が、高い年相応の声になり、同時に口調になった。…神獣の謎技術。いや、ルーだけかもしれんがな。流石に、全部の神獣がこんな妙な力を持ってる訳じゃないだろ。
「そういえば、今から会いに行くお前の旧友って、神獣か?」
「勿論そうだよ。…だが、奴の役割は少々特殊でね。なかなか住処から動くことができないから、我らがこうしてたまに会いに行っているの。奴にも配下はいるけど、その中にもなかなか対等に話せる者が居なくてね。いつも少し、寂しそうにしているんだ。」
「そうか。」
なんかまた、可哀想な感じだな。仕事の副作用でボッチって…ま、仲良くなれそうだったら話し相手くらいにはなれるかもな。ルーの話は、とりあえず覚えておこうか。それと、一応家に防御結界を作っておこうか。
「【第三級完全魔法・絶対防御結界・三層展開】。…よし、これでいい。ルー、ここからどうやっていくんだ?飛ぶか?」
「そうだね。前使ってたあの偽装の力を使ってくれると嬉しいんだけど。」
「わかった。だが…そうだな。どうせなら完璧なものを使っておくか。【第五級完全魔法・神隠し・二層展開】。これでいいか?」
「十分だよ。乗って。」
言われた通りに、巨大な鳥になったルーに乗ると、ルーは翼を羽ばたかせ、空中に離陸した。…下の人たちは、今自分の上空に巨大な鳥が飛んでるなんて絶対考えつかないだろうな。ちなみに、飛翔時に起こる風圧は全て魔法で対処済みである。酸素に関しても同様に対処した。…俺が普通の高校生だった時は、こんなあの某冒険譚に出てくる巨大な鳥の様な鳥に乗り、この空を飛び回るなんて一切思っていなかったんだがな。と言うより、それを本気で思っていたのなら精神病院を紹介されるだろうな。
そんな事をルーの胴体をしっかり掴みながら考えていると、急に速度が減速した。空中には留まれているが、あまり前進しなくなった。
「何かあったか?ルー。って…うおっ。…すげえな。」
「そうだろう。」
いつの間にか、俺たちは大海原の上にいた。下は太陽の光が明るく反射していて、所々に小さな島もある様だ。目を凝らすと、漁をしている漁船も何隻か見えている。…こんな景色を見ていると、自分がぶっ壊れた性能を持った人からこの星で生きる一つの小さな命だと言うことを考えれる。最近、色々あったことで俺は知らないうちに少し、心が荒んでいた様だ。景色が俺の心を平安に戻していく。
「…なぁ、ルー。今ある面倒ごとがひと段落したら……他の国に旅行しにいかないか?いろんな絶景を見に。」
「…それもいいね…いや、いいな。なんなら、世界中にあるあらゆる絶景を見に行こうじゃないか。盛大な贅沢だ。」
「ははっ…そうだな。それは面白そうだ。」
その後、何分かその景色を目に焼き付けると、また目的地に進み始めた。二人とも、一つの感情を抱きながら。
『ありがとう』と。
「そうだなぁ……じゃ、久しぶり旧友の顔を見に行くとしよう。あやつはいつも暇しておるし、酒の相手になって貰うかな。」
「そうか。…ついて行ってもいいか?俺、今日は特にすることがないし…………学校は明後日からだしな。」
「二度言わんくてもいい。勿論だ。」
ところで…俺は、ルーの姿を見ながら思う。なんか…
「どうしたのだ?我そんなに見て…。何か気になることでもあったか?」
「いや…お前がその口調をその姿で使っていると、ギャップが凄くてな…………どうしても違和感が拭えない。」
「そうか。…ならば、少し変えてみるか。えーっと…これでいい。どうかな?違和感は消えた?」
「…まぁ、そうだな。どうやってやったのかよく分からんが……………とにかく違和感はない。」
ルーの口調と姿について口に出すと、ルーは空中で手を動かし、何かを弄った後の声が、高い年相応の声になり、同時に口調になった。…神獣の謎技術。いや、ルーだけかもしれんがな。流石に、全部の神獣がこんな妙な力を持ってる訳じゃないだろ。
「そういえば、今から会いに行くお前の旧友って、神獣か?」
「勿論そうだよ。…だが、奴の役割は少々特殊でね。なかなか住処から動くことができないから、我らがこうしてたまに会いに行っているの。奴にも配下はいるけど、その中にもなかなか対等に話せる者が居なくてね。いつも少し、寂しそうにしているんだ。」
「そうか。」
なんかまた、可哀想な感じだな。仕事の副作用でボッチって…ま、仲良くなれそうだったら話し相手くらいにはなれるかもな。ルーの話は、とりあえず覚えておこうか。それと、一応家に防御結界を作っておこうか。
「【第三級完全魔法・絶対防御結界・三層展開】。…よし、これでいい。ルー、ここからどうやっていくんだ?飛ぶか?」
「そうだね。前使ってたあの偽装の力を使ってくれると嬉しいんだけど。」
「わかった。だが…そうだな。どうせなら完璧なものを使っておくか。【第五級完全魔法・神隠し・二層展開】。これでいいか?」
「十分だよ。乗って。」
言われた通りに、巨大な鳥になったルーに乗ると、ルーは翼を羽ばたかせ、空中に離陸した。…下の人たちは、今自分の上空に巨大な鳥が飛んでるなんて絶対考えつかないだろうな。ちなみに、飛翔時に起こる風圧は全て魔法で対処済みである。酸素に関しても同様に対処した。…俺が普通の高校生だった時は、こんなあの某冒険譚に出てくる巨大な鳥の様な鳥に乗り、この空を飛び回るなんて一切思っていなかったんだがな。と言うより、それを本気で思っていたのなら精神病院を紹介されるだろうな。
そんな事をルーの胴体をしっかり掴みながら考えていると、急に速度が減速した。空中には留まれているが、あまり前進しなくなった。
「何かあったか?ルー。って…うおっ。…すげえな。」
「そうだろう。」
いつの間にか、俺たちは大海原の上にいた。下は太陽の光が明るく反射していて、所々に小さな島もある様だ。目を凝らすと、漁をしている漁船も何隻か見えている。…こんな景色を見ていると、自分がぶっ壊れた性能を持った人からこの星で生きる一つの小さな命だと言うことを考えれる。最近、色々あったことで俺は知らないうちに少し、心が荒んでいた様だ。景色が俺の心を平安に戻していく。
「…なぁ、ルー。今ある面倒ごとがひと段落したら……他の国に旅行しにいかないか?いろんな絶景を見に。」
「…それもいいね…いや、いいな。なんなら、世界中にあるあらゆる絶景を見に行こうじゃないか。盛大な贅沢だ。」
「ははっ…そうだな。それは面白そうだ。」
その後、何分かその景色を目に焼き付けると、また目的地に進み始めた。二人とも、一つの感情を抱きながら。
『ありがとう』と。
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