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「番外編」皆の日常

2、フォルテーム編

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 私はフォルテーム。とある国のギルドのギルマスになりました……今月のしかも今週。先月あたりまではおっとのガイアスがその仕事についていたのですが、彼が「あの方」に心酔して、暴走を始めたので私に回ってきたと言うわけです。

 はぁ、全くなんで私が…あの野郎…今日もしっかりと〆てやる……。

 おっと、つい本音が出てしましました。で、なんの話でしたっけ?…あぁ、「あの方」ですね。彼は…本当によくわからない人です。彼の名前は、シン。ここら辺では珍しい黒髪黒目の男の子です。私や国が持つ彼についての情報は、かなり少ないです。あぁ、国の情報は、私の本家が公爵家にあたるので、情報の中抜きなんて、昼飯前なのです。

 っと、話がそれましたね。彼、シンについての情報は、年齢、性別、仲間…くらいしかわかりません。年齢が約十歳(本当の年齢を言うのは失礼ですよね)。性別は男の子。仲間は…これまた凄くて、勇者、自称元魔王、銀煌龍帝、聖霊etc…。伝説の勇者のパーティーを軽く凌駕している面々です。…しかもそんな中にいて、実はシンが一番強いリーダーなんて、彼の強さを知らない人たちには誰も思わないでしょうね。と言うか、私も自分の目で見ていないのでしたら、そんな話は信じないでしょうし。

 彼の出自はわかっています。とある公爵家の出来損ない。……あの、本当のアレで出来損ないなら、その公爵家ってなんかもう、とんでもない家みたいですが、もちろんそんなことありません。と言うか、あの公爵家はもう失脚していますし。……ちなみに、この失脚の理由は詳しくは知りません。あまり表に出ないように、裏で処理されたそうです。……そして、その失脚の裏に、シンの家で働く、とあるメイドさんがちらりちらりと関与しているような形跡があるのですが…私もまだ命は惜しいです。それに、あの公爵家の政治はお世辞にも良いとは言えませんでしたし。

 まぁ、こうして散々シン様を貶してきたわけですが、私…いえ、私たちにとっては救世主です。通常時は親の権力を使ってでも断る今の職業をおとなしくこなしている、と言うほどにものすごく感謝しています。彼の出自や力の源は、気にはなりますが、少なくても彼はこの国に害を与えるような存在でもなく、性格も良好。最近は吟遊詩人が、あの戦いを取り上げて歌うようにまでなってきました。……あぁ、ちなみにそれを利用してこっそり、彼の異名を流そうかなぁ…と言ういたずら心はありますよ、当然。

 まぁ、それはそうとして、本当にありがとうございました、シン様。


 



 ………………全力で感謝しますから、できれば、某勇者と某自称元魔王さんに、魔物の素材の持ち込みを減らさせていただけると、ものすごく助かります。…と言うか、拝めます。だから、どうか…私に残業のない日をください!
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