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コーパス視点

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キョーカがいつも使っていたナイフが、俺の子供の時のナイフだと知らなかったが。

ナイフを見せてもらい懐かしく思った。

大切に使ってくれているならと、素材がたまたまあったのでそれを渡して活用してもらうことにした。

特に思い入れがあるわけではないが何となく懐かしい…

親父にいろいろ注文をした後のことだ。
キラキラとした純粋な目で見つめられ言われた。

「コーパス、いつもありがとう。何かお礼をしたいのだけど何か欲しいものとか、やって欲しいこととかある?」

愛おしく思い、抱きしめてしまいたい気持ちになる…
が、何か?何だろうか?と思い付いてはならない気持ちがよぎってしまいそれをかき消し。
「考えさせてくれ」と答えた。ニコニコしている顔がとても可愛いい。キョーカを見ていると、視線を感じるすぐそばを見るとジェイがこちらを見ていた…

苦笑いしつつジェイに手を差し出すとすりすりと寄ってきてくれ、頭を撫でた。

そのあと、キョーカは真剣に見ているようだったので気が向くままに眺めていた。
ナイフができるのはまだ先だと思っていたが、完成し試しに使ってみる。

できることに対しての、鈍臭さが面白い。
吸収するのが早いが応用が苦手な感じが、真面目で騙されやすそうな感じがして守ってやらなきゃなと思ってしまう…

その帰りに感謝の言葉をまっすぐ伝えられ、それに釣られ口をついて出た「良いんだ、楽しかった」

そう言ったものの目が合い、気恥ずかしくなる。

明日からは、また俺は隣町までの復旧の護衛に出なければならないから1人置いていくのが心配だが、連れていくのもまだ危ない気がしている…

朝ギルドでクエストを受けに行き、ギルマスに声をかけた。

「次の王都行き、キョーカも連れて行きたいんだがどうだろうか?」

「まだ来て半年だしなー見てる限り真面目にやってるけど、お前肩入れしすぎだろ?」

とギルマスに言われてしまった…急成長していると思っていたが、色眼鏡で見ているのだろうか?と思いながらも、復旧に向かったのであった。

5日目の昼前に帰ってきて、ギルドに行くとギルマスに呼ばれた…
「あれはすごい、正真正銘の大銀ランクだ、次のクエストのパーティーの許可をする」

そういわれ、自分が褒められたような気持ちになり浮かれ気分で、水牛亭に帰り昼食と共に飲み始めた。
5杯目くらいだろうか声をかけられた。

「コーパスもうのんでるの?」

キョーカの声だった、狩りに行ってるはずのキョーカに声をかけられたもんだから驚きつつも、話を聞くとそれでギルマスの反応があれだったのかと納得する。

浮かれ気分でいると、鎧を頼んだと聞き。
ジェイにも作ってやろうと思いつき、話をしながら10杯目を飲み干し少し酔っている感はありつつも、ジェイを連れ出した。

「ちょっと酔すぎじゃないの?」とジェイに言われたが、
「どこで鎧作るんだよ?連れてけー」と言いながら、行くと俺と同じ場所だったので俺の持ってる素材を追加して、鎧の形を聞いた。一般的な、ガッチリ系を作ろうとしていたようだが、俺寄りに動きやすくしてくれと頼んで、ジェイにも、動きやすくて頑丈なのを作ってくれるように頼んだ。
「従魔に鎧着せんのか?変わりもんだなお前」と言われたが、「大事な人の大事な従魔なんでな」と笑った…

酔っ払っているなと自覚はしていたが気分がよかった…

そして、次の日試着して出てくると、本当に似合っていて動いている姿が見たくてたまらなくなった。

キョーカの鈍臭い割に無駄のない的確な戦いが好きだったりするのだ。

ちまちまと魔物が出てくるダンジョンに行くことにした。

虫系が苦手なようだったが、的確に倒しどんどん進んでいく。2日ほどかかるダンジョンを1日で攻略してしまった。
探索はしていないからその分の時間短縮ではあるが、ここ数日だけでもキョーカのスキルが上がっている事を体感する。1発即死がほぼ100%になっている。
爽快に仕留め50ほどの魔獣をギルドに持ち帰った。次の日に備えて、早めにそれぞれの部屋に帰ったが明日からキョーカと旅ができるかと思うとワクワクしてしまってなかなか寝れない。
朝も早く起きてしまい、コーヒーでも飲みながら考えようと思っていると。

視界にジェイを捉えた、すぐに
「コーパス!」
と、キョーカの声が聞こえ顔が緩んでしまう。それと同時にジェイが「おっはよ~早いね?」とこちらに向かっていったので、楽しみで…とは言えず。
「計画を立てようと早く起きたんだ」と答えたが、本当のところ計画なんてたいしてない。ほぼいきあたりばったりである。

しばらくしてから、出発し。
実家で食事も終わりという頃、事件は起きた…
キョーカが、渡した包みを渡すと母が激怒し、あれもこれも返せと言い出し…その行動に呆れてしまう…ひとこと二言発し、キョーカを見るとキョーカの目に涙がたまっている。
途端に何で連れてきてしまったんだと怒りを感じるキョーカを連れて隣の部屋行き。
「こんなところに来る必要なかったんだ」

そう言って「だからもう行こう」と続けるつもりだったが、キョーカの首を振った。

「違うょ、とても暖かいよお金を受け取って…どうも、って関係じゃなくてこれからも関係を大切にしてくれようとしてるんだよ」その言葉に胸がギュッと掴まれ抱きしめ、頭を撫でた。

「ありがとう」そう言われて戻っていくのをボーッと見送った。

そこに父さんが来て、「女心は分からんねー」と言いながら現れた。

「ああ…」と呟きながらキョーカの見えなくなった扉の先を見つめていると。
「さて、あちらも長くなるだろうから、釣りにでも行こうか夕飯は魚だ」

と、ガタガタと釣り道具を持って出ていく父について川に行くと。

キョーカを見つけた時の話をしてくれ。
女の子を街に1人残して来た事をずっとそれで良かったのか?と母はずっと気にしていたのだという。

何度も街に行き、困っていたら助けてあげようと様子を伺っては、元気そうにしていることに喜び、俺といる事に驚きながらも安心してしばらく見に来ていなかったという。

「で?お前はどう思ってるんだ?」と父さんに聞かれ…
「どう?と考えた事はないが、あいつは見ていると飽きない…危なっかしく、強い」

そう言いながら、なかなか好きなのかもしれないと思う…



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