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おまけエピソード 「初めてじゃないことを、初めての彼氏と。」 ② ※
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「――里桜、サンキューな! 手作りなんてすげぇ嬉しい♪ オレ、初めてもらったわー」
大智はすごく喜んでくれたけれど、一人で食べるのは惜しいと言った。
「里桜、おいで。一緒に食お」
彼はあたしを膝の上に乗せ、あたしにもチョコを食べさせてくれた。指先についたココアパウダーまで舐めて。このシチュエーション、なんてエロティック……。
あたしは何より、お尻に彼の股間が当たっていてドキドキしていた。
ちょっと怖い……けど、大智とだったら大丈夫かな……。あたし自身、大智とならエッチしてもいいかな……と自然と思えてきて、何だか不思議だった。
「……なぁ、里桜。チョコのお返しなんだけどさ」
「ん? あたしは何でもいいよ」
「じゃあさ……、オレとしてみる? お前もそろそろ……って思ってただろ?」
「え……? えっと」
確かに彼とならしてみたいな……とは思ったし、そろそろ彼にガマンさせるのもやめようかなとも思っていたけれど。
「あ……初めてなんだっけ? イヤならイヤでいいけど。無理強いはしねぇから――」
「は……っ、初めてじゃないの、あたし」
「…………え?」
急に話を遮られた大智が目を見開いた。勢いに任せてつい言ってしまった。
「里桜、初めて……じゃねえの? え? でも、オレが初めての彼氏だって言ってなかったっけ?」
「それはウソじゃないよ。でも、男の人とそういうことするのは……、実は初めてじゃなくて……」
そう弁解するあたしの声は震えた。
大智はあたしに騙されたと思ったかな……。せっかく、この人となら大丈夫だと思ったのに。この恋は終わってしまうかも……、そう思った。
……けど。
「何か理由ありっぽいから、『何で?』とは訊かねえけど。オレは別に気にしねぇから、そんなこと」
「えっ、訊かないの? っていうか気にならないの? 何があったか」
気にならないのは、あたしへの関心が薄くなったから? あたしの事情なんか関係なく、ただヤれたらいいから?
他の男なら多分そうだっただろう。でも、大智は違っていた。
「お前が話したくないだろう事情は、ムリに訊かなくていいかなって思ってるだけだ。人の事情に土足で踏み込むような趣味、オレにはねえし。里桜の意思を大事にしたいからさ」
「……そっか。ならよかった。あたし、大智があたしへの気持ち、冷めちゃったらどうしようって……思っ……、痛っ!」
「バカタレ。んなワケあるかい」
ホッとして呟くあたしに、彼はデコピンを食らわせてから爽やかに笑った。
……ああ、あたしやっぱりこの人が好きだ。そう思った。
「じゃあ、今日この後……とか、どう?」
大智が、いつがいいのかと問うてきた。
あたしたちはその時、大学の帰りにドライブデートをしていて、彼のクルマの中でチョコを渡していたのだけれど……。
「それはちょっと……。学校帰りだし、お泊まりの準備とかアリバイとか何もしてないし。あと、まだ心の準備が」
泊まりになるとは限らないけれど、両親に帰りが遅くなるという連絡くらいはしなきゃならない。その理由だって考えないと。
「そっか……。女の子は色々と大変だな。じゃあ明日、オレの部屋で……どうかな?」
「うん、明日なら大丈夫。親には何かうまく言っとくから」
翌日は土曜日で大学はお休みだった。両親には「友だちと出かける」とでも言って出てくればいい。――ただ、あたしに彼氏ができたことに、母だけは気づいていたみたいだけれど。
「じゃあ明日の昼十二時、駅前で待ち合わせな。クルマで迎えに行くから。二人で昼メシ食って、どっか遊びに行って、その流れでオレのアパートに行くってことで」
「うん。あの……ちょっとオシャレして行くね」
――こうして、あたしの大智との〝初めて〟は(本当の初体験は事故みたいなものだから、あえてカウントしないことにした)、バレンタインデーの翌日のデートの後に決まった。
* * * *
――翌日は〈東京ソラマチ〉でランチをして、すみだ水族館やスカイツリーでデートして、大智の住む月島のアパートに着いたのが夕方四時過ぎ。
まだ外は明るいし、時間も早かったけれど、家に帰るのが遅くなったらマズいので、あたしにためらっている時間はなかった。
とりあえず汗はかいていなかったのでシャワータイムは割愛して、彼はワンルームの窓際に置かれたシングルベッドの上にあたしを優しく横たえた。
そこで、あたしは初めて〝大人のキス〟というものを知った。――大智ってあたしと同い年のはずなのに、どこで覚えたんだろう? っていうか、経験あったんだ……。
「……ん……っ、んん……っ」
いきなり口の中に舌を入れられた時はビックリしたけれど、あたしも初めてなりに応じた。お互いの舌が絡まるうちに、体の芯の部分に熱がこもり、秘部が濡れるのを感じた。
「……里桜、服脱がせていい? お前の体、ちゃんと見たいな」
「うん」
彼はあたしを生まれたままの姿にして、自分も上半身裸になった。
「――ね、大智。あたし、目閉じてていい? なんか……怖くて」
いよいよ彼に触れられるという時になって、あたしは急に恐怖心に駆られた。彼となら大丈夫だと思ってはいても、トラウマというものは無条件で甦ってくるものらしい。
こんなことを言ったら、さすがの大智もい萎えるかな……と思ったけれど、彼は「いいよ」と言った。
「いいよ。怖いなら目つむってな。でもオレ、お前が怖いって思うようなことはしねえから大丈夫。体の力抜いて、オレに身を任せてくれてればいい」
そう言って笑ってくれた彼のことなら信用して大丈夫、とあたしは自然と思えた。
「うん……、怖いけど、やっぱりちょっと頑張って目をつむらないでみる」
「分かった。怖くなったらすぐに『やめて』って言えよ?」
「うん」
大智はもう一度あたしにキスをすると、胸を優しく触り始めた。
「里桜って胸デカいな。何カップ?」
「ん……、Dカップ……」
乳房をモニュモニュと揉まれ、親指の腹で乳首をスリスリとさすられると、怖さが少し治まってきて、自然と声が漏れた。
「……ん……っ、ぁあ……っ♡」
「里桜の声、可愛いな……。もっと聞きたい」
大智はあたしの胸へ愛撫を続けた。
処女を奪われた時、あの先生にも同じようにされたけれど、大智のにはあんな乱暴さは少しも感じられない。
「……あっ、ぁあっ♡」
彼は手で揉むだけじゃなく、舌で乳首をチロチロと舐め始めた。初めて得た快感に、あたしの腰も声も跳ねた。
「……もしかして、これ気持ちいい? じゃあ左だけじゃなくて右もしてやろうな」
「ん……」
あたしは大智にされるがままになって、与えられる快感に身を任せていた。
女性の体って、相手がどんな男性でも無条件に感じてしまうものらしい。でも、素直に「気持ちいい」と快感を受け入れられるのは、相手が好きな人だからだと思う。
気づいたら、あたしの秘部は蜜でぐっしょり濡れていた。
「……下の方、もうグショグショみたいだな。触っていい? 脚開いて?」
「うん、いいよ」
あたしが脚を開くと、大智からはあたしの秘められた部分が丸見えになった。
「……大智、何か恥ずかしいからあんまりジロジロ見ないで」
恐怖心はもうなかったものの、羞恥心が働いて手でソコを隠そうとすると、大智に「ダーメ!」と手を掴まれた。
あたしがビックリして目を見開くと、彼は慌ててパッと手を離した。
「……ゴメン。けどさ、見ないでって言ってるわりに、ココもうすげぇ濡れてるけど。見られんのホントにイヤ?」
「……分かんない。初めての時は、イヤとか考えてるヒマも余裕もなかったもん」
さすがに、それがどういう状況だったかまでは彼に打ち明ける勇気がなかった。
代わりに、彼の女性経験を訊ねてみた。
「大智はこういうことするの、初めてじゃないの?」
もしチェリーボーイならちょっとイヤだったけれど、もう他の女の子としたことがあったんだとしたら、それはそれでちょっとイヤだという複雑な心境だった。
「……うん、そりゃまあそれなりには? 高校の頃には彼女もいたしな」
「そう……だよね」
彼の答えに、あたしは何故かガッカリした。というか、本当はどう答えてほしかったんだろう?
「でも、その時の彼女と里桜は別だから。今日は里桜に気持ちよくなってもらうことだけ考えてるから」
「……そっか」
大智はあたしのことだけを考えてくれているんだから、あたしもあの時のことは忘れて彼のことだけに意識を集中しよう。彼に身を任せていよう。そう思った。
「じゃあ、触っていい? マジでイヤだったらストップかけろよ」
「うん、大丈夫。いいよ」
あたしのオーケーをもって、彼の手がたっぷりの蜜で潤んだ割れ目の間に滑り込んできた。指先が肉芽の先に触れ、あたしの腰がビクンと跳ねた。
「……んぁっ!」
「里桜、ビックリした? 怖いか?」
「ううん。大丈夫だから続けてほしい」
彼はあたしの反応を見ながら花芯の先端を指先で軽く引っかいたり、指の腹でクニクニと押し潰したりした。
「あっ……ぁあん♡ あん……っ、あぁっ♡」
「……スゲぇ、奥がうねり出してる。そんなに気持ちよかった?」
「あぁ……っ、ん……、気持ちいい……のっ。ね……大智、指……挿れてほし……っ」
「分かった。じゃあ挿れてやるからな。痛かったら言って」
「ん……っ、ああ……っ♡ あ……、挿入った……」
クプ……と音を立てながら、大智の長くてしなやかだけれど骨ばった指が蜜口から挿入された。
「里桜の気持ちいいところはどこかな……。ココか?」
「んん……っ、あ……っ、ソコ……っ! ソコ……何か気持ちいい……っ」
彼の指が入り口近くのポイントをグッと押してきたら、電流が走ったような快感があたしの脳に伝わってきた。
「そっか、里桜はココが感じやすいんだな。じゃあもっとしよっか」
「あっ、あ……んっ♡ あぁっ♡」
多分、あの先生にも同じポイントを刺激されたから感じてしまったんだろう。与えられる快感の波に任せて、あたしの腰が揺れた。
あんなことがあってから、あたしはオナニーすらできなくなっていたから、どこが快感を得られるポイントかなんて分からずにこの日まで来ていたのだ。
「……もうちょっと奥の方も攻めて大丈夫?」
「あ……っ、ん……。大智にだったら……何されても大丈夫……っ」
「それ、なんかスゲぇ殺し文句だな……。じゃあいくぞ」
彼は苦笑いしてから、指を奥の方までグッと進めた。
そこで感じた圧迫感は彼の指の太さからなのか、内壁のうねりの激しさからなのか。
「……んんっ、はぁ……っ。キツ……っ! ああ……」
ほとんど初めてのようだった痛みに近い感覚に、あたしは軽く顔をしかめた。
大智はすごく喜んでくれたけれど、一人で食べるのは惜しいと言った。
「里桜、おいで。一緒に食お」
彼はあたしを膝の上に乗せ、あたしにもチョコを食べさせてくれた。指先についたココアパウダーまで舐めて。このシチュエーション、なんてエロティック……。
あたしは何より、お尻に彼の股間が当たっていてドキドキしていた。
ちょっと怖い……けど、大智とだったら大丈夫かな……。あたし自身、大智とならエッチしてもいいかな……と自然と思えてきて、何だか不思議だった。
「……なぁ、里桜。チョコのお返しなんだけどさ」
「ん? あたしは何でもいいよ」
「じゃあさ……、オレとしてみる? お前もそろそろ……って思ってただろ?」
「え……? えっと」
確かに彼とならしてみたいな……とは思ったし、そろそろ彼にガマンさせるのもやめようかなとも思っていたけれど。
「あ……初めてなんだっけ? イヤならイヤでいいけど。無理強いはしねぇから――」
「は……っ、初めてじゃないの、あたし」
「…………え?」
急に話を遮られた大智が目を見開いた。勢いに任せてつい言ってしまった。
「里桜、初めて……じゃねえの? え? でも、オレが初めての彼氏だって言ってなかったっけ?」
「それはウソじゃないよ。でも、男の人とそういうことするのは……、実は初めてじゃなくて……」
そう弁解するあたしの声は震えた。
大智はあたしに騙されたと思ったかな……。せっかく、この人となら大丈夫だと思ったのに。この恋は終わってしまうかも……、そう思った。
……けど。
「何か理由ありっぽいから、『何で?』とは訊かねえけど。オレは別に気にしねぇから、そんなこと」
「えっ、訊かないの? っていうか気にならないの? 何があったか」
気にならないのは、あたしへの関心が薄くなったから? あたしの事情なんか関係なく、ただヤれたらいいから?
他の男なら多分そうだっただろう。でも、大智は違っていた。
「お前が話したくないだろう事情は、ムリに訊かなくていいかなって思ってるだけだ。人の事情に土足で踏み込むような趣味、オレにはねえし。里桜の意思を大事にしたいからさ」
「……そっか。ならよかった。あたし、大智があたしへの気持ち、冷めちゃったらどうしようって……思っ……、痛っ!」
「バカタレ。んなワケあるかい」
ホッとして呟くあたしに、彼はデコピンを食らわせてから爽やかに笑った。
……ああ、あたしやっぱりこの人が好きだ。そう思った。
「じゃあ、今日この後……とか、どう?」
大智が、いつがいいのかと問うてきた。
あたしたちはその時、大学の帰りにドライブデートをしていて、彼のクルマの中でチョコを渡していたのだけれど……。
「それはちょっと……。学校帰りだし、お泊まりの準備とかアリバイとか何もしてないし。あと、まだ心の準備が」
泊まりになるとは限らないけれど、両親に帰りが遅くなるという連絡くらいはしなきゃならない。その理由だって考えないと。
「そっか……。女の子は色々と大変だな。じゃあ明日、オレの部屋で……どうかな?」
「うん、明日なら大丈夫。親には何かうまく言っとくから」
翌日は土曜日で大学はお休みだった。両親には「友だちと出かける」とでも言って出てくればいい。――ただ、あたしに彼氏ができたことに、母だけは気づいていたみたいだけれど。
「じゃあ明日の昼十二時、駅前で待ち合わせな。クルマで迎えに行くから。二人で昼メシ食って、どっか遊びに行って、その流れでオレのアパートに行くってことで」
「うん。あの……ちょっとオシャレして行くね」
――こうして、あたしの大智との〝初めて〟は(本当の初体験は事故みたいなものだから、あえてカウントしないことにした)、バレンタインデーの翌日のデートの後に決まった。
* * * *
――翌日は〈東京ソラマチ〉でランチをして、すみだ水族館やスカイツリーでデートして、大智の住む月島のアパートに着いたのが夕方四時過ぎ。
まだ外は明るいし、時間も早かったけれど、家に帰るのが遅くなったらマズいので、あたしにためらっている時間はなかった。
とりあえず汗はかいていなかったのでシャワータイムは割愛して、彼はワンルームの窓際に置かれたシングルベッドの上にあたしを優しく横たえた。
そこで、あたしは初めて〝大人のキス〟というものを知った。――大智ってあたしと同い年のはずなのに、どこで覚えたんだろう? っていうか、経験あったんだ……。
「……ん……っ、んん……っ」
いきなり口の中に舌を入れられた時はビックリしたけれど、あたしも初めてなりに応じた。お互いの舌が絡まるうちに、体の芯の部分に熱がこもり、秘部が濡れるのを感じた。
「……里桜、服脱がせていい? お前の体、ちゃんと見たいな」
「うん」
彼はあたしを生まれたままの姿にして、自分も上半身裸になった。
「――ね、大智。あたし、目閉じてていい? なんか……怖くて」
いよいよ彼に触れられるという時になって、あたしは急に恐怖心に駆られた。彼となら大丈夫だと思ってはいても、トラウマというものは無条件で甦ってくるものらしい。
こんなことを言ったら、さすがの大智もい萎えるかな……と思ったけれど、彼は「いいよ」と言った。
「いいよ。怖いなら目つむってな。でもオレ、お前が怖いって思うようなことはしねえから大丈夫。体の力抜いて、オレに身を任せてくれてればいい」
そう言って笑ってくれた彼のことなら信用して大丈夫、とあたしは自然と思えた。
「うん……、怖いけど、やっぱりちょっと頑張って目をつむらないでみる」
「分かった。怖くなったらすぐに『やめて』って言えよ?」
「うん」
大智はもう一度あたしにキスをすると、胸を優しく触り始めた。
「里桜って胸デカいな。何カップ?」
「ん……、Dカップ……」
乳房をモニュモニュと揉まれ、親指の腹で乳首をスリスリとさすられると、怖さが少し治まってきて、自然と声が漏れた。
「……ん……っ、ぁあ……っ♡」
「里桜の声、可愛いな……。もっと聞きたい」
大智はあたしの胸へ愛撫を続けた。
処女を奪われた時、あの先生にも同じようにされたけれど、大智のにはあんな乱暴さは少しも感じられない。
「……あっ、ぁあっ♡」
彼は手で揉むだけじゃなく、舌で乳首をチロチロと舐め始めた。初めて得た快感に、あたしの腰も声も跳ねた。
「……もしかして、これ気持ちいい? じゃあ左だけじゃなくて右もしてやろうな」
「ん……」
あたしは大智にされるがままになって、与えられる快感に身を任せていた。
女性の体って、相手がどんな男性でも無条件に感じてしまうものらしい。でも、素直に「気持ちいい」と快感を受け入れられるのは、相手が好きな人だからだと思う。
気づいたら、あたしの秘部は蜜でぐっしょり濡れていた。
「……下の方、もうグショグショみたいだな。触っていい? 脚開いて?」
「うん、いいよ」
あたしが脚を開くと、大智からはあたしの秘められた部分が丸見えになった。
「……大智、何か恥ずかしいからあんまりジロジロ見ないで」
恐怖心はもうなかったものの、羞恥心が働いて手でソコを隠そうとすると、大智に「ダーメ!」と手を掴まれた。
あたしがビックリして目を見開くと、彼は慌ててパッと手を離した。
「……ゴメン。けどさ、見ないでって言ってるわりに、ココもうすげぇ濡れてるけど。見られんのホントにイヤ?」
「……分かんない。初めての時は、イヤとか考えてるヒマも余裕もなかったもん」
さすがに、それがどういう状況だったかまでは彼に打ち明ける勇気がなかった。
代わりに、彼の女性経験を訊ねてみた。
「大智はこういうことするの、初めてじゃないの?」
もしチェリーボーイならちょっとイヤだったけれど、もう他の女の子としたことがあったんだとしたら、それはそれでちょっとイヤだという複雑な心境だった。
「……うん、そりゃまあそれなりには? 高校の頃には彼女もいたしな」
「そう……だよね」
彼の答えに、あたしは何故かガッカリした。というか、本当はどう答えてほしかったんだろう?
「でも、その時の彼女と里桜は別だから。今日は里桜に気持ちよくなってもらうことだけ考えてるから」
「……そっか」
大智はあたしのことだけを考えてくれているんだから、あたしもあの時のことは忘れて彼のことだけに意識を集中しよう。彼に身を任せていよう。そう思った。
「じゃあ、触っていい? マジでイヤだったらストップかけろよ」
「うん、大丈夫。いいよ」
あたしのオーケーをもって、彼の手がたっぷりの蜜で潤んだ割れ目の間に滑り込んできた。指先が肉芽の先に触れ、あたしの腰がビクンと跳ねた。
「……んぁっ!」
「里桜、ビックリした? 怖いか?」
「ううん。大丈夫だから続けてほしい」
彼はあたしの反応を見ながら花芯の先端を指先で軽く引っかいたり、指の腹でクニクニと押し潰したりした。
「あっ……ぁあん♡ あん……っ、あぁっ♡」
「……スゲぇ、奥がうねり出してる。そんなに気持ちよかった?」
「あぁ……っ、ん……、気持ちいい……のっ。ね……大智、指……挿れてほし……っ」
「分かった。じゃあ挿れてやるからな。痛かったら言って」
「ん……っ、ああ……っ♡ あ……、挿入った……」
クプ……と音を立てながら、大智の長くてしなやかだけれど骨ばった指が蜜口から挿入された。
「里桜の気持ちいいところはどこかな……。ココか?」
「んん……っ、あ……っ、ソコ……っ! ソコ……何か気持ちいい……っ」
彼の指が入り口近くのポイントをグッと押してきたら、電流が走ったような快感があたしの脳に伝わってきた。
「そっか、里桜はココが感じやすいんだな。じゃあもっとしよっか」
「あっ、あ……んっ♡ あぁっ♡」
多分、あの先生にも同じポイントを刺激されたから感じてしまったんだろう。与えられる快感の波に任せて、あたしの腰が揺れた。
あんなことがあってから、あたしはオナニーすらできなくなっていたから、どこが快感を得られるポイントかなんて分からずにこの日まで来ていたのだ。
「……もうちょっと奥の方も攻めて大丈夫?」
「あ……っ、ん……。大智にだったら……何されても大丈夫……っ」
「それ、なんかスゲぇ殺し文句だな……。じゃあいくぞ」
彼は苦笑いしてから、指を奥の方までグッと進めた。
そこで感じた圧迫感は彼の指の太さからなのか、内壁のうねりの激しさからなのか。
「……んんっ、はぁ……っ。キツ……っ! ああ……」
ほとんど初めてのようだった痛みに近い感覚に、あたしは軽く顔をしかめた。
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