異世界転移って?とりあえず設定を教えて下さい

ゆみ

文字の大きさ
上 下
36 / 45
5

友達以上

しおりを挟む
週末

クライスの妹の婚約披露パーティーへ車で向かう。

「クライスの妹って何歳?」

「14歳?だっけ?」

王子の誕生日パーティーで2人が踊っているのを見たっきり。クライスと似てる金髪の綺麗な女の子だった。



「名前は?」

何も知らないな。ルイスは笑いながらえーと?

「アメリア?だな。」

と答えた。

バートリー家の家の少し手前で車を止めて貰う。結構、玄関前は人が多く出席者が多いのが解る。

・・・と思っていたら原因は会長だった。



「そういや玄関前で待ち合わせてたな。」

握手会の様に会長に握手を求めて中へ入っていく御令嬢や御子息達。

私達を見付けた会長は遅い!!と言い放った。

その途端に視線が此方へ向かう。

「ルナリー様にルイス様だわ!!」

あはは。握手会突入。



「さあ、時間になりますから中へ。」

見かねたバートリー家の使用人が声を掛けてくれて漸く中へ入る事が出来た。



「会長、申し訳ない。」

「いやいや、待ち合わせは玄関前は今後は却下だな。」

目立つ場所は避けよう。



相変わらず広くて豪華な大理石の玄関ルームを抜けてパーティールームへ案内される。

パーティールームはレストランが開けるくらいの広さがあった。

立食パーティー形式で今日も食べる暇が無さそうな気がする。



庶民にはこれを食べない感覚が未だに解らない。勿体ないよなあ。



クライスは両親の隣で挨拶をしている様だ。御令嬢達が次々に挨拶に来ている。

「僕達も御両親には挨拶しておこうか。」

会長と共にクライス達の元へ。途中、色々な方々から声を掛けられるのでやっと辿り着けた。



「本日はお招きありがとうございます。」

「おめでとうございます。」

クライスの御両親は嬉しそうに

「まあ!ようこそ!いつもクライスがお世話になっております。」

と丁寧にお辞儀をされた。

「やっと来たねー。もう辛い。」

クライスがゲンナリと愚痴を言う。



「こんにちは。お招きありがとうございます。」

背後から王子とキャサリンが声を掛ける。

本日のメンバーは揃った。



「もう握手会は嫌だわ・・。」

キャサリン達も此処に来るまでに相当捕まったようだ。



「では、お父様、お母様。今日は会長と一緒におりますので。」

クライスは嬉しそうに此方へ。御両親は会長に息子が我儘を言ってすみませんと謝っていた。

シャッフルダンスの件は無事に両親にOKを貰えた様だ。



私達の婚約披露パーティーの時の様に御両親の挨拶からパーティーが始まった。

妹さんの結婚相手は同級生のビクター君と言う。好青年になりそうな感じ。今は可愛い感じの子だ。



ダンスも14歳ってまだ可愛らしい。2人とも綺麗な顔立ちだし今まで婚約していなかったのが不思議なくらいだ。

いや、クライスや会長にカインにジョージも婚約してないから普通なのかな。



「クライス様は誰と踊られるのかしら?」

「誰も御令嬢が御一緒じゃないわ!」

「もしかして?え?ケビン様?いやーん!素敵!」



御令嬢達、聞こえてますよー。その通りですよー。

クライスと会長は笑いを堪えて聞こえないフリをしている。

やっぱり素敵なのね。

エリザベス様程では無くても皆、こう言うの好きなんだなあ。



「さあ、行こうか会長。」

「ああ。レッツゴーだね。」

クライスが会長をエスコートして前へ出る。

続いて王子をエスコートするルイス

キャサリンをエスコートする私と続くと御令嬢達や御子息達の声援の様な歓喜の悲鳴の様な。

キャー!!!と言う声と共に拍手が起こった。



「ノネット・クライムの皆様だわ!」

「クライス様とケビン様!お似合いですわ!」

「あら!ジェファーソン様とルイス様の方がお似合いよー!」

「キャサリン様とルナリー様、可愛い!!」



好き放題言ってる声が周囲から聞こえる。



「何と言うかウケるよな。」

「アイドルって大変なのね。」

キャサリンと踊りながら呟く。お陰様で男性のパートもすっかり覚えてしまった。



「ねぇ。クライス見てよ。」

キャサリンがクライスと会長の方へ視線を向ける。

「う。。何かめっちゃ嬉しそう。」



「どんだけ御令嬢嫌いなのかしら。困った奴だわー。」

「会長が本気で好きになったらどうするんだろうな?」

2人で顔を見合わせる。



「私は会長を応援するかなあ。」

キャサリンが真剣な顔で言う。

「まあ、そうなるか。」

そうなったらそうしよう。うん。



ダンスは無事に終了し主役の妹さんと婚約者よりも大きい拍手を貰ってしまった。



幸せそうな御令嬢達。そしてもっと幸せそうなクライス。



「お疲れー!任務完了だよな?」

6人で部屋の隅へ移動。



「ありがとうー!本当に助かったー!」

クライスは本当に嬉しそうだ。

勿論、会長も。



今日は隅でこっそり食事出来そう。

「美味いな。」

「うん。クライスの家の料理人も凄いなあ。」

ルイスもモグモグ。



「マッケンジー夫妻食べ過ぎだぞ。」

会長に笑いながら突っ込まれる。お腹空いてるしー。



パーティーは無事に終了。

クライスにお茶でも飲んで行きなよ!と客間に案内された。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

親切なミザリー

みるみる
恋愛
第一王子アポロの婚約者ミザリーは、「親切なミザリー」としてまわりから慕われていました。 ところが、子爵家令嬢のアリスと偶然出会ってしまったアポロはアリスを好きになってしまい、ミザリーを蔑ろにするようになりました。アポロだけでなく、アポロのまわりの友人達もアリスを慕うようになりました。 ミザリーはアリスに嫉妬し、様々な嫌がらせをアリスにする様になりました。 こうしてミザリーは、いつしか親切なミザリーから悪女ミザリーへと変貌したのでした。 ‥ですが、ミザリーの突然の死後、何故か再びミザリーの評価は上がり、「親切なミザリー」として人々に慕われるようになり、ミザリーが死後海に投げ落とされたという崖の上には沢山の花が、毎日絶やされる事なく人々により捧げられ続けるのでした。 ※不定期更新です。

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」 結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は…… 短いお話です。 新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。 4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?

秋月一花
恋愛
 本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。  ……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。  彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?  もう我慢の限界というものです。 「離婚してください」 「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」  白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?  あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。 ※カクヨム様にも投稿しています。

処理中です...