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冷静に考えてみる
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静かな室内は物音一つしない。今までの凛花の周りには、道路を走る車の音や家族の話し声、テレビの音など何かしら音が溢れていた。昨日目を閉じるまではそうだったはずなのに今はどうだろう……。
時間的にはもう深夜。しかし静か過ぎる部屋のベッドに入って目を閉じてみても、なかなか眠れそうになかった。
──一日。そっか、私ここに来てまだ一日しか経ってない?
グランディ伯爵夫妻に起こされてこの世界で目が覚めてからダニエルと出会い騎士団の本部へ連れて行かれ、そして何故だかダニエルと婚約をする約束を交わしてこの侯爵家に連れてこられた。
余りにも駆け足すぎる展開に凛花は何か引っかかるものを感じていた。
「そっか…。今はきっと本編に入る前のプロローグ部分なんだ。だから軽く流されるんだわ。だとしたらこの後は…」
本編に入るとこの後はどうなるのだろう?…ヒロインが登場してダニエルと恋に落ちて凛花は婚約を破棄される?
──でもカタリーナ殿下もいるし、ちょっとダニエルの周りに女の子集まりすぎじゃない?
完全に目が醒めてしまった凛花は広いベッドの上で手足を大きく広げてみた。
──ダニエルが主人公?となると私の立場は?異世界から来た何の能力もない女…。
「明日から、私どうなるんだろう?ダニエルは仕事だよね?一人で情報を集めるにしてもテレビもネットもないし。新聞があったとしても字が読めないんじゃダメじゃん?」
この世界の人々の情報源は何だろうか?口から口へ伝わる噂話?それとも何か情報を伝達するための独自のメディアが発達しているのだろうか?
「駄目だ。こんな答えの出ないこと考えてたらいつまでも眠れない。」
凛花はベッドからこっそり抜け出すと、部屋の扉の方へ向かおうとして思い留まった。深夜に部屋から出るのを誰かに見られりしたら面倒なことになりそうだ。
仕方なく背後の窓の外に目を向けてみる。丁度月が出ているのかバルコニーが明るく照らされている。
「ちょっと外の風に当たる位ならいいよね…?」
誰かが聞いている訳でもないのに言い訳のような言葉を口にしながらそっと窓を開く。バルコニーからは侯爵邸の庭が見下ろせ、低木と噴水の向こうには何か花壇のようなものも見えた。
手摺に両手を置くと目を閉じて胸いっぱいに夜の空気を吸い込んでみる。
「何もにおいがしない…。」
排気ガスの匂いも、洗濯物の匂いも、隣接する飲食店の料理の匂いもしない。
目を閉じたまま、もう一度深呼吸をしようとすると近くから小さく笑う声が聞こえた。驚いた凛花は慌てて目を開け、声のした方を振り返った。
「ダニエル?」
「あぁ、驚かせたかな?」
ダニエルは隣の部屋のバルコニーにある椅子に座っていた。
「びっくりした、本当に。こんな時間に何してるの?」
「何となく眠れなくてね。リンカこそ何を?」
凛花はダニエルから目を逸らすと何となく月を見上げながら答えた。
「私も眠れなくて。本当は外に出たかったんだけど、不味いかと思ってバルコニーにしたの。」
もう一度目を閉じて、改めて深呼吸をした。
「さっき、においがしないと言ったのか?」
ダニエルが昼よりも随分抑えた声で面白そうに聞いてくる。静かな夜なのでそれでも十分凛花の耳にまで届く。
「そう、匂いがしない。それに静かすぎて…怖いくらい。」
「もう遅い時間だから静かなのは当然だろう?」
「…そう?」
──この街は広いだろうからひょっとして繁華街の騒ぎもここまでは聞こえてこないのかな…?第一この御屋敷の敷地自体も広いんだろうしなぁ。
「リンカ。明日の朝目が覚めた時、君はまだこの邸にいると思うか?」
「え?」
凛花は再び背後のダニエルを振り返った。いつの間に椅子から立ち上がったのかダニエルは凛花の方に近寄って来ていた。昼間に見た騎士団の制服ではなく、シャツとパンツのラフな姿が月明かりに照らされている。
「眠りについたらまた自分でも分からないうちに元の場所に戻る事もあると思わないか?」
「それは……」
正直そんな事考えてもみなかった。凛花はついさっきまで、明日この世界で自分がどうやって過ごすのか、そればかりをグルグルと考えていたではないか。
「考えてもみなかった。そうね、可能性はあるのかもしれない…。」
ダニエルの髪が風に揺れた。シャツのはだけた胸元が目に入り凛花は慌てて目を逸らした。
「これからは毎日夜になるとリンカが消えたりしないかと見張らないといけないのか……。」
「もしかしてそのつもりでここにいたの?」
ダニエルがバルコニー越しにこちらを見るのがわかった。凛花はどういう顔をしたらいいのか分からずに自分の手元を見つめることにした。
「そういう訳ではないが…。明日の朝になってみたら全てのことが夢だった──というのは確かに少し怖いな。」
「私と出会ったことも全部夢で、起きたらあなたはこの邸ではなく騎士団の部屋にいるのね?」
──そして私はあの部屋でいつも通りの朝を迎える…。
「そうなった方が、リンカは幸せか?」
「……そうね、まだやりたい事もあるし、調べたい事も沢山あるから。ダニエルだってその方がいいでしょ?私がいると仕事が増えちゃうもんね。」
「……確かに仕事は増えるな。」
ダニエルは微かに笑った。凛花もそれを見て僅かに口元を緩めた。
「こんな風に夜中に話す相手が居なくなるのは寂しいが……。」
「ダニエルだったら直ぐに別の人が現れるわ。」
「どうして?」
「どうしてって、だって今までだってそういう話はいっぱいあったんでしょう?皆が放って置く訳無いじゃない?」
「…放って置いて貰いたい俺の気持ちはどうなる?」
「それ矛盾してない?さっき夜中に話す相手が欲しいって自分でも言ったじゃない?」
「そうだった。じゃあこうしよう?リンカが明日の朝も消えずにここに居ればいい。それで全部解決だ。」
「……」
「そんなに困った顔をするな、さぁ、そろそろ部屋に戻るぞ?」
ダニエルは手摺から身体を離すと凛花に部屋に入るよう促した。
時間的にはもう深夜。しかし静か過ぎる部屋のベッドに入って目を閉じてみても、なかなか眠れそうになかった。
──一日。そっか、私ここに来てまだ一日しか経ってない?
グランディ伯爵夫妻に起こされてこの世界で目が覚めてからダニエルと出会い騎士団の本部へ連れて行かれ、そして何故だかダニエルと婚約をする約束を交わしてこの侯爵家に連れてこられた。
余りにも駆け足すぎる展開に凛花は何か引っかかるものを感じていた。
「そっか…。今はきっと本編に入る前のプロローグ部分なんだ。だから軽く流されるんだわ。だとしたらこの後は…」
本編に入るとこの後はどうなるのだろう?…ヒロインが登場してダニエルと恋に落ちて凛花は婚約を破棄される?
──でもカタリーナ殿下もいるし、ちょっとダニエルの周りに女の子集まりすぎじゃない?
完全に目が醒めてしまった凛花は広いベッドの上で手足を大きく広げてみた。
──ダニエルが主人公?となると私の立場は?異世界から来た何の能力もない女…。
「明日から、私どうなるんだろう?ダニエルは仕事だよね?一人で情報を集めるにしてもテレビもネットもないし。新聞があったとしても字が読めないんじゃダメじゃん?」
この世界の人々の情報源は何だろうか?口から口へ伝わる噂話?それとも何か情報を伝達するための独自のメディアが発達しているのだろうか?
「駄目だ。こんな答えの出ないこと考えてたらいつまでも眠れない。」
凛花はベッドからこっそり抜け出すと、部屋の扉の方へ向かおうとして思い留まった。深夜に部屋から出るのを誰かに見られりしたら面倒なことになりそうだ。
仕方なく背後の窓の外に目を向けてみる。丁度月が出ているのかバルコニーが明るく照らされている。
「ちょっと外の風に当たる位ならいいよね…?」
誰かが聞いている訳でもないのに言い訳のような言葉を口にしながらそっと窓を開く。バルコニーからは侯爵邸の庭が見下ろせ、低木と噴水の向こうには何か花壇のようなものも見えた。
手摺に両手を置くと目を閉じて胸いっぱいに夜の空気を吸い込んでみる。
「何もにおいがしない…。」
排気ガスの匂いも、洗濯物の匂いも、隣接する飲食店の料理の匂いもしない。
目を閉じたまま、もう一度深呼吸をしようとすると近くから小さく笑う声が聞こえた。驚いた凛花は慌てて目を開け、声のした方を振り返った。
「ダニエル?」
「あぁ、驚かせたかな?」
ダニエルは隣の部屋のバルコニーにある椅子に座っていた。
「びっくりした、本当に。こんな時間に何してるの?」
「何となく眠れなくてね。リンカこそ何を?」
凛花はダニエルから目を逸らすと何となく月を見上げながら答えた。
「私も眠れなくて。本当は外に出たかったんだけど、不味いかと思ってバルコニーにしたの。」
もう一度目を閉じて、改めて深呼吸をした。
「さっき、においがしないと言ったのか?」
ダニエルが昼よりも随分抑えた声で面白そうに聞いてくる。静かな夜なのでそれでも十分凛花の耳にまで届く。
「そう、匂いがしない。それに静かすぎて…怖いくらい。」
「もう遅い時間だから静かなのは当然だろう?」
「…そう?」
──この街は広いだろうからひょっとして繁華街の騒ぎもここまでは聞こえてこないのかな…?第一この御屋敷の敷地自体も広いんだろうしなぁ。
「リンカ。明日の朝目が覚めた時、君はまだこの邸にいると思うか?」
「え?」
凛花は再び背後のダニエルを振り返った。いつの間に椅子から立ち上がったのかダニエルは凛花の方に近寄って来ていた。昼間に見た騎士団の制服ではなく、シャツとパンツのラフな姿が月明かりに照らされている。
「眠りについたらまた自分でも分からないうちに元の場所に戻る事もあると思わないか?」
「それは……」
正直そんな事考えてもみなかった。凛花はついさっきまで、明日この世界で自分がどうやって過ごすのか、そればかりをグルグルと考えていたではないか。
「考えてもみなかった。そうね、可能性はあるのかもしれない…。」
ダニエルの髪が風に揺れた。シャツのはだけた胸元が目に入り凛花は慌てて目を逸らした。
「これからは毎日夜になるとリンカが消えたりしないかと見張らないといけないのか……。」
「もしかしてそのつもりでここにいたの?」
ダニエルがバルコニー越しにこちらを見るのがわかった。凛花はどういう顔をしたらいいのか分からずに自分の手元を見つめることにした。
「そういう訳ではないが…。明日の朝になってみたら全てのことが夢だった──というのは確かに少し怖いな。」
「私と出会ったことも全部夢で、起きたらあなたはこの邸ではなく騎士団の部屋にいるのね?」
──そして私はあの部屋でいつも通りの朝を迎える…。
「そうなった方が、リンカは幸せか?」
「……そうね、まだやりたい事もあるし、調べたい事も沢山あるから。ダニエルだってその方がいいでしょ?私がいると仕事が増えちゃうもんね。」
「……確かに仕事は増えるな。」
ダニエルは微かに笑った。凛花もそれを見て僅かに口元を緩めた。
「こんな風に夜中に話す相手が居なくなるのは寂しいが……。」
「ダニエルだったら直ぐに別の人が現れるわ。」
「どうして?」
「どうしてって、だって今までだってそういう話はいっぱいあったんでしょう?皆が放って置く訳無いじゃない?」
「…放って置いて貰いたい俺の気持ちはどうなる?」
「それ矛盾してない?さっき夜中に話す相手が欲しいって自分でも言ったじゃない?」
「そうだった。じゃあこうしよう?リンカが明日の朝も消えずにここに居ればいい。それで全部解決だ。」
「……」
「そんなに困った顔をするな、さぁ、そろそろ部屋に戻るぞ?」
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