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一章【なんとか平和に暮らしたい】
【九話目 究明、密会】
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【九話目 究明、密会】
エリシアとサテン姉様と街へ行ってから四日経った。
あれからサテン姉様の様子は変わらずいつも通りで、エリシアは相変わらず元気が少しない。
私は平和に生きるため、知る事にした。
先ず解決すべきものを整理しようと思う。
1.エリシアについて。
エリシアはアナの話によると、姉が不治の病で亡くなり、代わりに領主の座を継ぐことになった。
でも変に鋭いサナが言っていたことが気になる。
アナは私にはエリシアの話をしたけど、サナには聞かないでと言った。
もしかしたらこの話には裏があるかもしれない。
まだ分からないことばかりだけど、この頃更に気分を落ち込ませてるエリシアの事を放っては置けない。
一度本人に突撃して聞いてみるのが最善か。
2.サテン姉様について。
サテン姉様には二面性がある。
何時もの聖母のような面と殺気を漏らす恐ろしい面。
九年間一緒に居ても、知らない事だらけだ。
種族も年齢も何もかも…
私が五歳の時に孤児院を卒業した人がサテン姉様は魔法が使えるとか噂していた様な…
この噂が本当ならサテン姉様は人間では無さそうだ。
そして気になるのは街に行った時の周りの反応だ。
サテン姉様が通った後、周りの人達が陰で何かを話していた。
一つ確かに聞こえたのが’’アルビノなんて、まるでかの魔女のようだ’’
この世界ではアルビノが一般常識的に疎まれているらしい。
そして魔女も疎まれているように思える。
こんなにこの世界について分からないことがあるのなら、いっその事今は勉強に専念した方が良いのかもしれない…
何より私一人で抱えきれるのだろうか。
エリシアの事情をサテン姉様が知っている可能性は充分にあるし、聞いてみるとか…
なんて、サテン姉様の事も信用しきれてないのに何を考えているんだか。
でも協力を要請するなら___
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「エリシア、一寸話さない?」
赤茶色の毛を三つ編みにした、アナという名の少女が茶髪で使用人の服をしたエリシアと言う少女に話し掛ける。
「ええ。私の家の事情について…だよね」
「そうよ。お姉様が亡くなって辛いでしょうけど、貴方は死なずに領主を継ぐことができる。何よりじゃない」
「アナ、いくら何でも其れは不謹慎よ。コヒー姉さんは素敵な思想を持った素晴らしい方だったわ」
「ごめんなさい…二十歳になれば私も孤児院を卒業して自立できるから、その時は今よりもエリシアの役に立つわ」
「それはとっても嬉しいけど…そう言えばサテン姉様や他の人に私が居なくなることバレてないかな…?」
「…大丈夫よ。でも、サテン姉様には気付かれてるかもね」
「この前街に行った時に素敵な服を貰ったの。あれはもしかしたらもう直ぐ居なくなるからって事なのかな」
「有り得るわね。もしかしてエリシア…サテン姉様の事で何か気掛かりがあるの?」
「アナになら話してもいいかな_」
二人が夢中で話す中、しのぶ影は一つではなかった。
エリシアとサテン姉様と街へ行ってから四日経った。
あれからサテン姉様の様子は変わらずいつも通りで、エリシアは相変わらず元気が少しない。
私は平和に生きるため、知る事にした。
先ず解決すべきものを整理しようと思う。
1.エリシアについて。
エリシアはアナの話によると、姉が不治の病で亡くなり、代わりに領主の座を継ぐことになった。
でも変に鋭いサナが言っていたことが気になる。
アナは私にはエリシアの話をしたけど、サナには聞かないでと言った。
もしかしたらこの話には裏があるかもしれない。
まだ分からないことばかりだけど、この頃更に気分を落ち込ませてるエリシアの事を放っては置けない。
一度本人に突撃して聞いてみるのが最善か。
2.サテン姉様について。
サテン姉様には二面性がある。
何時もの聖母のような面と殺気を漏らす恐ろしい面。
九年間一緒に居ても、知らない事だらけだ。
種族も年齢も何もかも…
私が五歳の時に孤児院を卒業した人がサテン姉様は魔法が使えるとか噂していた様な…
この噂が本当ならサテン姉様は人間では無さそうだ。
そして気になるのは街に行った時の周りの反応だ。
サテン姉様が通った後、周りの人達が陰で何かを話していた。
一つ確かに聞こえたのが’’アルビノなんて、まるでかの魔女のようだ’’
この世界ではアルビノが一般常識的に疎まれているらしい。
そして魔女も疎まれているように思える。
こんなにこの世界について分からないことがあるのなら、いっその事今は勉強に専念した方が良いのかもしれない…
何より私一人で抱えきれるのだろうか。
エリシアの事情をサテン姉様が知っている可能性は充分にあるし、聞いてみるとか…
なんて、サテン姉様の事も信用しきれてないのに何を考えているんだか。
でも協力を要請するなら___
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「エリシア、一寸話さない?」
赤茶色の毛を三つ編みにした、アナという名の少女が茶髪で使用人の服をしたエリシアと言う少女に話し掛ける。
「ええ。私の家の事情について…だよね」
「そうよ。お姉様が亡くなって辛いでしょうけど、貴方は死なずに領主を継ぐことができる。何よりじゃない」
「アナ、いくら何でも其れは不謹慎よ。コヒー姉さんは素敵な思想を持った素晴らしい方だったわ」
「ごめんなさい…二十歳になれば私も孤児院を卒業して自立できるから、その時は今よりもエリシアの役に立つわ」
「それはとっても嬉しいけど…そう言えばサテン姉様や他の人に私が居なくなることバレてないかな…?」
「…大丈夫よ。でも、サテン姉様には気付かれてるかもね」
「この前街に行った時に素敵な服を貰ったの。あれはもしかしたらもう直ぐ居なくなるからって事なのかな」
「有り得るわね。もしかしてエリシア…サテン姉様の事で何か気掛かりがあるの?」
「アナになら話してもいいかな_」
二人が夢中で話す中、しのぶ影は一つではなかった。
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