少女は淑女で最強不死者

きーぱー

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閑話

閑話① 教会の子供達と風音

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時間設定は、風音がブライトに頼んでおいた『屋敷』が出来た後です。
『屋敷』が出来上がると働いてくれた職人・人夫に、柏餅を振舞う風音。
しかし、柏餅は余ってしまいます。それなら教会があるので寄付したらと、助言を
受けると馬車に積み子供達に食べさせます。それ以来、風音は足繁く通うようになります。
==============================================

 今日も、朝から風音が出かけて行く。
 ここ最近、暇な時は鼻歌交じりで街の方へ出かけて行くのだ。

 俺は、アルマと一緒に街へ買い物。頼んでおいた靴屋にシューズを引き取りに行く。同じシューズが欲しいと言い出したので、サイズを知らせるため靴屋に連れて行く途中アルマが指差す。

 「ねえ 風音様だよね? 」
 「えっ!?… 何してんだろ風音」

 風音は木の影に隠れ、ある方向を向きジタバタしている。
 耳を澄ますと声がする。

 「あっ! そっちに行っては駄目じゃ! ああ… 」

 風音の視線の先には、教会。その一角にある広場で、子供達が缶蹴りをしていた。教会の子供達は、鬼役の子が探しに行った隙に缶を蹴り捕まった仲間を解放する。

 「ああ… 探しに行くと蹴られるのに」

 風音は、おでこに自身の手のひらを当て首を横に振る。

 俺達は、そっと近づくと風音に声をかけた。

 「風音! 」
 「うおっ!? なんじゃ… 託也とアルマでないか デートか? 」
 「違うよ 買い物 それより風音は何してるの? 」

 アルマが、顔を赤くしてクネクネしている…

 「わしか… わしは わしはパトロール うん そうじゃ! 街のパトロール中じゃ! 」

 悩んだ挙句たった今、思いついた街のパトロールと言い切った。

 「で、街はパトロールはどんな按配ですか? 風音巡査」
 「うむ 今日もメイドスは平和じゃ! 安心せい」
 「… 」

 ちょっと、冷ややかな目で風音を見る。

 「な… なんじゃ? 」
 「風音も一緒に遊びたいんでしょ? 」
 「な!? 何を言うのじゃ!? そんな事はないぞ!… 」

 うーん… 遊びたいんだな。

 「風音が教えたんでしょ? 缶蹴り」
 「う… うむ」
 「ちゃんとベテランさんが教えてあげないと駄目なんじゃない? 」
 「そっ そうかのう? 」
 「そりゃ、そうだよ 年季が違うところを見せてやらないと」
 「そうじゃの!! 託也の言う通りじゃ! わかった 小童共に年季の違いを見せつけてやらんとのう! 」

 風音は、そう言うと教会の広場に入り俺達が聞いた事ないような声で

 「缶蹴り いーれて! 」

 子供達と、一緒に庭を駆け回る笑顔の風音がいた…
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