巫女に妖術をかけられて

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六話

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40分後、坂川は意識を取り戻すとぼんやりとした視界の中で周りをキョロキョロと見回し始めた。その時、「おはよう、お目覚めの御加減はいかがかな?」という声が寝ぼけた坂川の脳内に響く。10数秒後、坂川は響いてきた声の主を理解し、一気に脳が活性化する。そして、「テメェ~!どこにいるんだ!」と言って立ち上がろうとしたが体が硬直した様に動かず手足にも力が入らない。できるのはせいぜい体をピクピクと小刻みに揺らす事ぐらいだ。声の主「うるさいわねぇ~黙らせとこうっと、」少女はそう言い両手で片手剣をした。すると、満(何でだ?何故、体が動かない!…ってあれっ、喋れなくなったぞ、どうしてなんだ!)坂川が不可解な現象の数々に困惑していると少女が「さて話を始めるとしようかな。」と言い坂川の手前に置いてあった椅子から立ち上がった。満(クッソ、どうしたらいいんだ、どうしたら…)少女「安心していいよ、私は命まで取ったりしないから、あっ、あと君の考える事は全部私も聞ける様になっているからね。」坂川の心の中で不安や怖さが増幅する中、少女はそれを直接聞いたかの様にいゃ実際に聞いているのだ。満(なんだと!?そんな…テメェは僕をどうしたいんだ、何がしたいんだ、)坂川が震えながら口を動かそうとするがもごもごとするだけで喋れない。しかし坂川の心を聞き取れる少女は「だから命まで取らないと言ってるのに…まぁいいや、んで本題に入るけど…」少女は思考停止している坂川に現在に至るまでの経緯をペラペラ喋り始めた。

20分後、暫くすると「まぁ詰まる所理由は気まぐれだけじゃなくて君には妖術因子に適合する資質があったから儀式を受けさせたんだよねぇ~決め手は適当な時に素質のある君が現れた事に限るけど…お~い、聞いてるんですか?」思考停止している坂川に少女が儀式を受けさせた経緯をペラペラ喋っていると坂川は6秒くらい経って反応する。満(…こっちは今脳が考えるのを拒否しています、できればテメェをぶん殴って現状をチャラにしたいくらいです。)少女「酷い!乙女の顔を殴りたいだなんて君の少女趣味が理解できません。」少女はそう言って自分の顔をプイッと横に向ける。坂川は全く反省の態度が無い少女に怒りの感情が募る一方だが本当に彼女を殴った所で何も解決しないし、今はそんな事をする時ではないと思い直し心の中で返答をした。満(話を戻しますけどテメェは僕を別当とかいう自分の従者にして連れていきたいとそういう事ですね?)坂川は思考停止している間に途切れ途切れに聞いていた話を要約して発言した。少女「大体は君の理解で合ってるかなぁ~、さてさて君の返答は如何程に?」少女は言い終わるとグイッと自分の顔を坂川の体へ近づけてきた。その行為に対して坂川は内心動揺しながら、(なりません、僕は自分を危険な目に遭わせた相手についていくなんて出来ませんよ、)少女「酷い言い草だね、私がいつ、どこでどんな時に君を危険な目に遭わせのか具体的な答弁を求めます。」このヒミコの発言に坂川の心は怒りで沸騰する。満「ふざけるのも大概にしてくださいよ!テメェが僕をあんな場所に送り込んだせいで僕は今も変な目に遭ってるわけじゃないですか!何より僕を危険な目に遭わせた時点でテメェは立派な犯罪者なんだぞ、」少女「なるほど、なるほど、君の言い分は理解できた、それで君はこれからどうしたいのかなぁ?」満(…僕はやっと頭が回り始めた所なんでね、ゆっくり考えますよ、なんだかだんだんとリアルな状況を飲み込める様になって来ましたからね)少女「分かったわ、それじゃ君にしばらく時間をあげるからゆっくりしていってちょうだい、」少女はそう言うと右指を鳴らした。すると坂川の体の硬直と口が自由になる。坂川は自分の体が動かせる様になった事を確認した後、一息置いてこう言った。満「その前に頼みがあります。」少女「なんだい?」ヒミコは坂川の近くから自らが座っていた椅子に戻る途中でそう言うと振り返ろうとした。満「一発テメェを殴らせろ!」坂川が椅子から立ちあがろうとした直後、少女は左手を坂川に向けて指先から青白い光を発射する。満「うぐっ、うぎあぁ~!」坂川が悲鳴らしき声を上げた後、再び体の自由が戻る前と同じ状態に変化する。少女「体の制御が戻ったからといって君の心にかけた術まで解除した訳では無いんだよ、しっかり学習しないとね。」少女はそう言い今度こそ椅子に座って足を組むと「今の状態でしばらく考えてなさい、時間になったらまたここに来ますから。」と言い少女の体が青白く光るや否や一瞬でその場から居なくなってしまった。その結果、あとは体が硬直して動けない坂川だけが残された。

22分後、坂川が一通り考えて結論を出し少女が来るのを待っていると一瞬で現れた。少女「やーやぁ、遅れてごめんにゃあ~、私はつい時間を忘れちゃう事があるからねぇ~うっかりうっかりぃ~さてさて君の選択を発表してください。お願いします!」坂川は少女の発言と椅子に座って胡座をかく姿に少しイラつきながら心の中で話し始めた。満(まず僕を一度ここから異世界との出入り口みたいな所に連れていってください、さっきチラッと言ってましたよね、確か異界の門が出られるがどうとか…)坂川は少女がペラペラ喋っている間に聞いていた話の中から異世界との出入り口の事を問う。少女「異界の門ねぇ~アレはなかなか開かないもんだよ、まあ五年に一回の割合で開くわよ、でも開いた時にどの世界に繋がっているかは正直開いた時になってみないと分からないわ。」少女がそう言うと坂川は動揺し体の力を一度抜いて楽な状態になった上で深呼吸を行い落ち着く。満(一縷の望みかも知れないと分かってはいたけれど実際は相当堪えるものだな…あぁそうだ、それでも僕を一回でも異界の門って所へ連れて行ってください、お願いします!)坂川は心の中で少女に強く訴えかける様に言った。少女「ダメとは言わないわよ、ただあまりお勧めはしないね、君が入ろうとしても私の予想が間違わなければ門はたぶん受け付けてくれないだろうからね。」少女がそう言うと坂川は目を閉じた後しばし沈黙して目を開けると心の中で発言した。
満(今の状況で現状に詳しいのはテメェだ、その予想の根拠を聞かせて欲しい。)坂川はそう言い少女に真剣な眼差しを向けて話を聞こうとした。それに呼応するかのように少女はまるで二重人格を疑う程に声のトーンを変えて喋り出した。
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