強制無人島生活

２日目

2-4 彼女の事情

彼女の名前は沢田さわだ 紫苑しおんと言うらしい。
クラスは三年三組とのことだ。
ちなみに俺は三年一組である。

「取り敢えず、服はまだ乾きそうにないから俺のジャージーで我慢してくれ」

「解りました」

うちの高校は男子女子関係なく緑色のジャージーだ。
上の方は問題ない。
下の方は大きいみたいだが、紐で縛ればずれ落ちてくることはないようだ。

「……あぁ、旦那様の温もりと匂いを感じます」

「未使用だが？」

旦那様と言う点は突っ込まない。
こちらは紫苑と呼ぶ予定だ。

「じゃあ、食事を摂りながら事情を聞かせてくれるか？もちろん話せる範囲でいい」

「えぇ、全部お話します」

どうして紫苑が単身でこの島に漂着したのか……
彼女はその理由を教えてくれた。
どうやら救命いかだに乗り合わせた三人の男に襲われそうになったらしい。
なんとか海に逃げ出したが途中で気を失ってしまい、気がついて今に至ると言うことのようだ。

「事情は解った。怪我とかメンタル面とか大丈夫か？」

「えぇ、大丈夫です。純血も死守できましたし」

「純血もいいが命の方も同じくらい大切にしろよ？」

女の子とってはどちらも大切なのだろう。

「旦那様が初めてをいただいてくれたら命を最優先できますが……」

「悪いがこちらは会って間もない異性とそう言う行為をするのは嫌なんだ」

「むぅ……ガードが堅い。まあ、徐々に攻略しましょう」

簡単に攻略されるつもりはない。
だが、紫苑のような美少女に攻められると危ない思った。