強制無人島生活

プロローグ

0-1 プロローグ

修学旅行中、俺こと高松たかまつ 真まことは事故に遭遇した。

【係員の指示に従って甲板まで移動してください】

館内放送が聞こえてくる。
どうやら乗っていたクルーズ船に何かトラブルが発生したらしい。
何が起きたかは解らない。
だが、これが避難訓練じゃないことは解った。

「おまえら、ちゃんと指示に従って行動するんだぞ！」

廊下から男性教師の声と複数人の足音が聞こえてきた。
既に避難誘導は始まっているようだ。

「俺も準備しないと……」

船内放送の雰囲気からすぐに沈むことはなさそうだ。
俺はまず各部屋に常備されているライフジャケットを装着。
学生鞄に食べ物や飲み物などを素早く詰め込んでから廊下に出た。

「順番にお並びください！」

甲板では救命いかだライフラフトによる脱出が行われていた。
定員は四名。
緊急事態なので男女関係なしみたいだ。

「さあ、次は君だ」

俺の番になったのでいかだに乗り込む。
すると、すぐに扉が閉められた。
俺が定員の最後だったらしい。

「よし、降ろせ！」

合図の後にクレームが動く。
そして、いかだが海へと放流された。

（救助されるにはそれなりに時間が掛かるだろうな……）

できることはない。
なので眠ることにした。