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第18話 出会い
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私ですか?
私はBAR『ヨリミチ』のマスターですよ。
私が泣きボクロと知り合ったのはこの半年ほど前……
そう……私は今回の事件が起こる前から彼女のことを知っていた。
彼女……泣きボクロが初めて店に来た時……
体に電気が走ったっていうんですか?
肘のトコ叩かれた時にくるあのビリっと感が全身にキタ感じ……
彼女を見た瞬間まさにそれでしたよ。そう! ピーンっときたってヤツです。
性格も良くてですね……
私のようなオッサンにもそりゃあもう、気さくに話かけてくれたもんです。
私はね……年甲斐もなく彼女に恋をしてしまったようなんです……
でもね……彼女がここに来るのは決まって男と一緒……ええ当時彼女には彼氏がいましてね。いつも一緒だったんですよ……。
邪魔ですねぇ。
邪魔ですよぉ……
私と彼女……泣きボクロの仲を邪魔をする悪魔ですよ、アイツは……
私はね……ありとあらゆる妨害工作で彼女と悪魔の仲を引き裂こうとしたんです。
彼の飲む水割りを濃い目に作り酔わせたり……
あの悪魔がトイレに行くたびに水の元栓を締めて流れなくしてやったり……
スキを見てライターの火力調整をきかなくさせて髪を焦がしてやったり……
まあ、妨害工作というよりはただの悪戯ですかね……こんなもので男と女が別れるもんですか。
それでも小心者の私にはこれが精一杯でした。
やがて私があきらめかけた時……
彼女、泣きボクロが一人で飲みに来たのです。
チャンスだと!!
ここしかないと思いました。だからね……私こう言ってやったんですよ。
「彼とはもう別れたんですか? まあ……アチラも、もう新しい相手を見つけたようですしね……アナタも次の恋を見つけなさい」
ってね……さも男が違う女とここに来てたかのような話をしたんですよ。
そのせいかどうかは分かりませんが……以来、悪魔はこなくなり彼女はこの店に一人で来るようになったんです。
いやぁ……楽しかったですねぇ。
一人で来る彼女の相手はマスターである私しかいないんですから。
夢のような時間でしたよ、彼女といる時は。
でもね……私気付いちゃったんですよ。
しょせん、私と彼女は『店員と客』の間柄でしかないことに……
私はBAR『ヨリミチ』のマスターですよ。
私が泣きボクロと知り合ったのはこの半年ほど前……
そう……私は今回の事件が起こる前から彼女のことを知っていた。
彼女……泣きボクロが初めて店に来た時……
体に電気が走ったっていうんですか?
肘のトコ叩かれた時にくるあのビリっと感が全身にキタ感じ……
彼女を見た瞬間まさにそれでしたよ。そう! ピーンっときたってヤツです。
性格も良くてですね……
私のようなオッサンにもそりゃあもう、気さくに話かけてくれたもんです。
私はね……年甲斐もなく彼女に恋をしてしまったようなんです……
でもね……彼女がここに来るのは決まって男と一緒……ええ当時彼女には彼氏がいましてね。いつも一緒だったんですよ……。
邪魔ですねぇ。
邪魔ですよぉ……
私と彼女……泣きボクロの仲を邪魔をする悪魔ですよ、アイツは……
私はね……ありとあらゆる妨害工作で彼女と悪魔の仲を引き裂こうとしたんです。
彼の飲む水割りを濃い目に作り酔わせたり……
あの悪魔がトイレに行くたびに水の元栓を締めて流れなくしてやったり……
スキを見てライターの火力調整をきかなくさせて髪を焦がしてやったり……
まあ、妨害工作というよりはただの悪戯ですかね……こんなもので男と女が別れるもんですか。
それでも小心者の私にはこれが精一杯でした。
やがて私があきらめかけた時……
彼女、泣きボクロが一人で飲みに来たのです。
チャンスだと!!
ここしかないと思いました。だからね……私こう言ってやったんですよ。
「彼とはもう別れたんですか? まあ……アチラも、もう新しい相手を見つけたようですしね……アナタも次の恋を見つけなさい」
ってね……さも男が違う女とここに来てたかのような話をしたんですよ。
そのせいかどうかは分かりませんが……以来、悪魔はこなくなり彼女はこの店に一人で来るようになったんです。
いやぁ……楽しかったですねぇ。
一人で来る彼女の相手はマスターである私しかいないんですから。
夢のような時間でしたよ、彼女といる時は。
でもね……私気付いちゃったんですよ。
しょせん、私と彼女は『店員と客』の間柄でしかないことに……
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2021.08.13
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