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第35章 奇襲される
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料理人たちが、ノウムに街に戻りたいと訴えている時、部屋の外から気配が感じられていた。
ドン、ドン、ドンと規則正しい音が、振動が床を揺らす。
「何か、何か来る!」
真琴が顔を上げる。
響介も絢音もそれを感じて、近づく何かに構えていた。
部屋の前で、音が振動が止まった。
一同、固唾をのみ扉を見つめる。
その時がついに来た。
勢いよく扉が開いたというより、破壊されたと言う方が正しい表現だ。
そこには、真琴たちが浮浪者と呼んでいた大男が複数、立っていた。
浮浪者、銀の塔での名前は”バルバルス”と呼ばれる。
真琴たちは、量産されていた部屋を思い出していた。
あの部屋からやってきたのか?
ウビークエが、すかさず、翻訳機のスイッチを入れていた。
「どうした、バルバルス!」ノウムが声を上げる。
バルバルスが、ピーヒョロオーと言うファックスの音のようなものを発した。
「パイロを探している?」
ノウムが、翻訳する。パウロが、咄嗟にノウムの後ろ隠れる。
バルバルスが、ノウムを片手で振り払う。
ノウムが壁まで飛ばされる。
ノウムは、素早く立ち上がり、バルバルスに立ち向かう。
「私を誰だと思っている?お前たち、何をしているのかわかっているのか?」
ノウムが、バルバルスを睨みつける。また、ファックス音。
「銀の創造主の命令だとぉ」
なぜ、私の排除命令が出ているのだ。
私は、人間の事を学習し研究しろと言ったのは、あなた、銀の創造主ではないか?
今さら、辞めろだと。
ノウムは、バルバルスと真琴たちの間に大きく両手を広げ、立ちはだかる。
”……ここから、出さない”パウロの翻訳機の画面に表示された。
「ここから出さないと言ってる!」
ウビークエが、真琴たちに大声で伝えて、翻訳機のカラスのアイコンをタップした。
ノウムにかまわずバルバルスが、部屋の中へと押し進む。
「後ろに下がってろ!」と真琴がウベークエたちに叫んだ。
ノウムと真琴たちは、五体のバルバルスに立ち向かった。
「注意しろ!このバルバルスは、新型だ!パワーアップしている」
と、ノウムが叫んだ時、真琴が壁に叩きつけられていた。
「早く言ってよ」真琴が、ホコリを払いながら立ち上がった。
「新型なんて、関係ないよっと」真琴が、バルバルスに向かっていく。
真琴、響介、絢音は一体ずつ、ノウムは、二体相手にしている。
ノウムは、細い体で頼りなく見えるが、動きが早い。
ノウムのパンチやキックが、次々とバルバルスにヒットし、厚い装甲を凹ませていく。
バルバルスの大振りの攻撃は、ノウムに避けられ、文字通り手が出なかった。
銀の創造主は、バルバルスの他にもう一つ、この部屋に潜り込ませていた。
それは、虫型の小型ドローンだ。
ノウムは、ドローンに気づいていない。
ドローンは、ハエの様な大きさで飛び回っている。
そのドローンが、ノウムの背中に張り付いた途端、瞬時停電を起こしたように、ノウムの動きが止まった。
そこに、バルバルス二体による集中攻撃を受けた。
二体のバルバルスが、無抵抗のノウムの腕を掴んで、引きちぎろうとしていた。
再起動したノウムが、両腕を捉えているバルバルスを見て、目を閉じると閃光を発した。
配線がショートして焼けた匂いが漂う。
バルバルスは、間接から煙を上げて、ゆっくりと膝をつき、横にどぉっと倒れこんだ。
バルバルスは、皮膚も剥がれてしまい、金属の骨格が表れている。
ノウムも無事には済まなかった。腕が取れてしまっていた。
その隙をついて、ウビークエとオピフがノウムに駆け寄った。
そして、パウロも後を追った。
「なんてことだ……ノウムさん、分かるかい?」
ウビークエとオピフが、ノウムを抱きかかえる。
「……電源が急激に減少している……後数秒で私は止まってしまう。
嗚呼、最後にイチゴケーキを食べてみたかった……」
もう、ノウムは見えていないようだった。
「ノウムさん!あなたのメモリをくれ!どこにあるんだ!」
オピフが叫んだ。すると、ノウムの頭がパカッと開いた。
「俺にまかせろ!」とオピフが慣れた手つきで、メモリを取り出した。
「お前には出来るだろ」
オピフは、メモリをパイロに差し出した。
「ああ、出来るさ」
誰にもこれを絶対離さないとパイロは、両手でしっかりと握った。
真琴たちとバルバルスの戦いは続いていた。
”でかいヤツと戦う時は、倒して戦う”は、前回の戦いで成功していた。
先ずは、倒すことだ。
真琴にバルバルスのパンチが襲い掛かる。
早い。
真琴は、目を見開きパンチを避ける。
瞬きなんて出来ない。
瞬きしたら、五発くらいパンチを食らってしまいそうだ。
真琴は、バルバルスにパンチを避けながら、一発、蹴りを繰り出したが、カンという音だけで壊れはしなかった。
「気をつけろ!強くなってる」真琴は、叫びながら戦う。
「関節だ!関節を狙え!」後ろから、オピフの声。
真琴の蹴りは、タイミングよくバルバルスの足にヒットし、倒すことに成功していた。
真琴は、バルバルスの懐に入り、身を密着させ、パンチを封じて頭部に肘鉄を食らわした。
動きが止まった所にオピフが細いドライバーで、バスバルスの止めを刺した。
「硬いー」真琴は、痺れた手を振りながら立ち上がり、オピフとハイタッチをして微笑んだ。
響介が、バルバルスのパンチをよけ、距離をつめる。
手前でジャンプし、両膝でバルバルスの顎に蹴り上げ、両拳を脳天へ振り下ろす。
響介の攻撃で、バルバルスの銀色の頭蓋骨が現れたが、損傷は無い。
同時に、絢音がバルバルスの足元にスライデングし、膝裏に回し蹴りを見舞った。
「えっ」絢音が呟く。
バルバルスは、倒れなかった。
絢音が蹴った足はそのままビクともしていない。
絢音は、この状況を理解しようとしていた。
硬い。
私の蹴りに耐えた。前は、蹴りにより吹き飛んだというのに、なんともないなのんて。
相手が強化された?
それとも、私の力が……
「絢音、離れろ!」
響介が、叫ぶ。
その時、既にバルバスのパンチが絢音に向けて振り下ろされていた。
絢音がパンチを両手を十字にし受けたが、吹っ飛ばされ壁に背中からぶつかった。
何てことなのと、頭を振りながら立ち上がった絢音は、自分の手を見た。
確かに、私は両手で受け止めたはずなのに。
絢音は、目の前に両手を上げた。その瞬間、頭の中が真っ白になった。
絢音の両手は、透けていた。
時間切れ?
絢音の頭の中が真っ白になる。
前にも、こんなことがあった。
手が透ける感じ。生まれ変わるための過程なのか?
絢音は響介を探した。
「響介!」
響介は、バルバルスのパンチを受け、絢音のすぐ横まで飛ばされてきた。
「絢音、やばいな」
響介は、バルバルスから目を離さずに言った。
絢音は頷く。
「真琴だけでも、逃がさないと……」
「わかってる」
バルバルス二体が、絢音と響介の前に立ちはだかる。
大きな拳を振り上げる。
あの硬い拳をまともに受けてはいけないと咄嗟に手を前に出した。
出したつもりだった。
「あっ」
響介が思わず声を上げた。二人の手は消えていた。
ドン、ドン、ドンと規則正しい音が、振動が床を揺らす。
「何か、何か来る!」
真琴が顔を上げる。
響介も絢音もそれを感じて、近づく何かに構えていた。
部屋の前で、音が振動が止まった。
一同、固唾をのみ扉を見つめる。
その時がついに来た。
勢いよく扉が開いたというより、破壊されたと言う方が正しい表現だ。
そこには、真琴たちが浮浪者と呼んでいた大男が複数、立っていた。
浮浪者、銀の塔での名前は”バルバルス”と呼ばれる。
真琴たちは、量産されていた部屋を思い出していた。
あの部屋からやってきたのか?
ウビークエが、すかさず、翻訳機のスイッチを入れていた。
「どうした、バルバルス!」ノウムが声を上げる。
バルバルスが、ピーヒョロオーと言うファックスの音のようなものを発した。
「パイロを探している?」
ノウムが、翻訳する。パウロが、咄嗟にノウムの後ろ隠れる。
バルバルスが、ノウムを片手で振り払う。
ノウムが壁まで飛ばされる。
ノウムは、素早く立ち上がり、バルバルスに立ち向かう。
「私を誰だと思っている?お前たち、何をしているのかわかっているのか?」
ノウムが、バルバルスを睨みつける。また、ファックス音。
「銀の創造主の命令だとぉ」
なぜ、私の排除命令が出ているのだ。
私は、人間の事を学習し研究しろと言ったのは、あなた、銀の創造主ではないか?
今さら、辞めろだと。
ノウムは、バルバルスと真琴たちの間に大きく両手を広げ、立ちはだかる。
”……ここから、出さない”パウロの翻訳機の画面に表示された。
「ここから出さないと言ってる!」
ウビークエが、真琴たちに大声で伝えて、翻訳機のカラスのアイコンをタップした。
ノウムにかまわずバルバルスが、部屋の中へと押し進む。
「後ろに下がってろ!」と真琴がウベークエたちに叫んだ。
ノウムと真琴たちは、五体のバルバルスに立ち向かった。
「注意しろ!このバルバルスは、新型だ!パワーアップしている」
と、ノウムが叫んだ時、真琴が壁に叩きつけられていた。
「早く言ってよ」真琴が、ホコリを払いながら立ち上がった。
「新型なんて、関係ないよっと」真琴が、バルバルスに向かっていく。
真琴、響介、絢音は一体ずつ、ノウムは、二体相手にしている。
ノウムは、細い体で頼りなく見えるが、動きが早い。
ノウムのパンチやキックが、次々とバルバルスにヒットし、厚い装甲を凹ませていく。
バルバルスの大振りの攻撃は、ノウムに避けられ、文字通り手が出なかった。
銀の創造主は、バルバルスの他にもう一つ、この部屋に潜り込ませていた。
それは、虫型の小型ドローンだ。
ノウムは、ドローンに気づいていない。
ドローンは、ハエの様な大きさで飛び回っている。
そのドローンが、ノウムの背中に張り付いた途端、瞬時停電を起こしたように、ノウムの動きが止まった。
そこに、バルバルス二体による集中攻撃を受けた。
二体のバルバルスが、無抵抗のノウムの腕を掴んで、引きちぎろうとしていた。
再起動したノウムが、両腕を捉えているバルバルスを見て、目を閉じると閃光を発した。
配線がショートして焼けた匂いが漂う。
バルバルスは、間接から煙を上げて、ゆっくりと膝をつき、横にどぉっと倒れこんだ。
バルバルスは、皮膚も剥がれてしまい、金属の骨格が表れている。
ノウムも無事には済まなかった。腕が取れてしまっていた。
その隙をついて、ウビークエとオピフがノウムに駆け寄った。
そして、パウロも後を追った。
「なんてことだ……ノウムさん、分かるかい?」
ウビークエとオピフが、ノウムを抱きかかえる。
「……電源が急激に減少している……後数秒で私は止まってしまう。
嗚呼、最後にイチゴケーキを食べてみたかった……」
もう、ノウムは見えていないようだった。
「ノウムさん!あなたのメモリをくれ!どこにあるんだ!」
オピフが叫んだ。すると、ノウムの頭がパカッと開いた。
「俺にまかせろ!」とオピフが慣れた手つきで、メモリを取り出した。
「お前には出来るだろ」
オピフは、メモリをパイロに差し出した。
「ああ、出来るさ」
誰にもこれを絶対離さないとパイロは、両手でしっかりと握った。
真琴たちとバルバルスの戦いは続いていた。
”でかいヤツと戦う時は、倒して戦う”は、前回の戦いで成功していた。
先ずは、倒すことだ。
真琴にバルバルスのパンチが襲い掛かる。
早い。
真琴は、目を見開きパンチを避ける。
瞬きなんて出来ない。
瞬きしたら、五発くらいパンチを食らってしまいそうだ。
真琴は、バルバルスにパンチを避けながら、一発、蹴りを繰り出したが、カンという音だけで壊れはしなかった。
「気をつけろ!強くなってる」真琴は、叫びながら戦う。
「関節だ!関節を狙え!」後ろから、オピフの声。
真琴の蹴りは、タイミングよくバルバルスの足にヒットし、倒すことに成功していた。
真琴は、バルバルスの懐に入り、身を密着させ、パンチを封じて頭部に肘鉄を食らわした。
動きが止まった所にオピフが細いドライバーで、バスバルスの止めを刺した。
「硬いー」真琴は、痺れた手を振りながら立ち上がり、オピフとハイタッチをして微笑んだ。
響介が、バルバルスのパンチをよけ、距離をつめる。
手前でジャンプし、両膝でバルバルスの顎に蹴り上げ、両拳を脳天へ振り下ろす。
響介の攻撃で、バルバルスの銀色の頭蓋骨が現れたが、損傷は無い。
同時に、絢音がバルバルスの足元にスライデングし、膝裏に回し蹴りを見舞った。
「えっ」絢音が呟く。
バルバルスは、倒れなかった。
絢音が蹴った足はそのままビクともしていない。
絢音は、この状況を理解しようとしていた。
硬い。
私の蹴りに耐えた。前は、蹴りにより吹き飛んだというのに、なんともないなのんて。
相手が強化された?
それとも、私の力が……
「絢音、離れろ!」
響介が、叫ぶ。
その時、既にバルバスのパンチが絢音に向けて振り下ろされていた。
絢音がパンチを両手を十字にし受けたが、吹っ飛ばされ壁に背中からぶつかった。
何てことなのと、頭を振りながら立ち上がった絢音は、自分の手を見た。
確かに、私は両手で受け止めたはずなのに。
絢音は、目の前に両手を上げた。その瞬間、頭の中が真っ白になった。
絢音の両手は、透けていた。
時間切れ?
絢音の頭の中が真っ白になる。
前にも、こんなことがあった。
手が透ける感じ。生まれ変わるための過程なのか?
絢音は響介を探した。
「響介!」
響介は、バルバルスのパンチを受け、絢音のすぐ横まで飛ばされてきた。
「絢音、やばいな」
響介は、バルバルスから目を離さずに言った。
絢音は頷く。
「真琴だけでも、逃がさないと……」
「わかってる」
バルバルス二体が、絢音と響介の前に立ちはだかる。
大きな拳を振り上げる。
あの硬い拳をまともに受けてはいけないと咄嗟に手を前に出した。
出したつもりだった。
「あっ」
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