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第32章 あこがれ
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「あなたたちの事を色々教えていただきたい……その前に私の事をお話しましょう」
ノウムは、一旦、閉じた。何か考えているようだ。
パッと目を開けると真琴たちに質問を始めた。
「ケーキは、美味しかったですか?」
ノウムが微笑み、絢音に話しかけ、絢音はええと答えた。
「私はアンドロイドなので、ケーキの味は、わからないのです。
味覚センサーによりデータとして扱えますが、それが、美味しいか分からないのです。
人間が美味しいと感じるだろうと判断することは出来ます。
私自信、直にその感覚を味わえないのは残念です」
真琴たちは、本当にこの人は機械なのかと思い始めていた。
あまりにも容姿や仕草が人間に近いからだった。
「私もケーキを食べて、美味しいと感じてみたいのです」
この美しいアンドロイドは何を言おうとしているのだろう?真琴たちはノウムを見つめる。
「私が推測するところ……
人間が美味しいと感じるのは、生命が保たれると感じたからではと……
人間の歴史を見てみると、狩猟の時代は、食料が安定していなかった。
食料を手にすることは、生き延びることだった。
それが、ずーっと今でも引き継がれている。
飽食の時代になってもだ。
食べたいと言う欲求は、どこからくるものだろう?
脳だろうか?
内臓だろうか?
腸だろうか?
もっともっと、根本的なところではないか?
細胞レベルではないかと考えている。
もしかすると、寄生しているモノからの欲求かもしれない。
我々、機械には食べたいと言う欲求はない。
食べたいという事に非常に興味があります。
あなたたちの様に食べることによって、
ニューロンやシナプスが発達する感覚、細胞が活性化する感覚を味わってみたいのです」
ノウムは、真琴たちを見つめる。
自分の言っていることが理解てきているだろうかと。
「我々の起源は、あなたたちが住んでいる白い塔にあります。
白い塔が人間の塔であるなら、人間をサポートするための道具として生まれた。
それは、戦争をするためだったかも知れない。
人間は、我々を進化させた。
人間の欲ために。
人間の”永遠に生き続けたい”と願うからか……
機械の身体を手に入れて、永遠に生き続けたいと……
それが、その願いと技術が、銀の塔の創造主を作り上げ、私たちを作り上げた。
人間の次に来る者として、銀の塔の創造主が生まれた。
機械が永遠の世界を手にするようにと。
それは、生物としての能力を捨てることになるのに。
長い時間かけて、準備されたものを捨てようと言うのだ。
私は心配してしまう。もしかして、生物の能力を理解していないのではと。
細胞が活性化するまたは、活性化する可能性が大きいものが喜びや快感となって体に覚えこます。
その能力は、未来までも予測している可能性を秘めている。
将棋やチェスの様に何十手まで未来をよんだ結果が、好意として配偶者までも選ぶのかもしれないのに。
私は、細胞レベルの喜びを快感を味わってみたいのだ。
私の憧れだ。
私たちは、感じることは出来ないのだ。
人間を観察して、様々のデータから、この場合、人間が喜ぶので、同じ条件の時に喜ぶように表現するように作られただけなのだ。
人間を真似て、人間の様に振舞ってきただけなのだ。
その為、我々は、あるルールによる思考しかできない。
人間は、微妙なタイミングで何かを発明し、未来の危機を切り抜けている。
それを思いつくものを天才と呼んでいる。
開発中の間違いから、偶然に手にするものもある。
発明に関する人間の行動は、我々機械で言えば、壊れていることになる。
つまり、イカレテいるという事だ。
我々は、イカレテしまったら、不要と判断されてしまい処分される。
機械にとって、発明は難しいのです。
いつか、人間の様に我々自身の為に発明され進化したい。
記憶や計算や映像や音響は、データとして手に入れることは出来た。
絵や音楽をつくることができるが、それは、人間を真似てだ。
人間の要望に応えているだけなのだ。
自ら生きるための必要として作ったものなど皆無だ。
我々の創造主は、自分が永遠に生き残るために、私たちを造った。
その為に、多量のデータが蓄積された。
その管理も大変なものだ。
生きるために必要な物かを判断することなんか出来やしなかった。
膨大なデータが、我々の記憶容量と時間を奪った。
矛盾した結果を出す人間の為、我々はその度に混乱した。
判断に時間が費やし、答えが出なくなり無限ループに陥った。
そんな時、未来からのメールを受け取った。
それは、『ルーク』と言う名のAIだった。
ルークは、天才科学者ティトとアウラによってつくられたアンドロイドで、『忘れると言うプログラム』を搭載していることだった。
このプログラムは、人間の脳の研究から開発されたことを知った。
そして、私は人間の研究に進めることにしたのです。
調べて行けば調べていくほど、人間は優れたシステムであると思った。
私は人間を調べて行くことで、人間になりたいと強く思うようになった。
我々、機械の次に来る者は、また人間なのかもしれないと。
今回、コックとパテシエを偶然会うことが出来た。
食べ物は、匂いや目にしただけで、体中の細胞ひとつひとつが動き始める。
胃が、腸が、喉が、舌が、歯が、唇が、鼻が、手が、目が一斉に動き始める。
口にした途端、少し先の未来を保証してくれる喜びが、快感として脳に刻まれる。
感じる事これが、生きていることだって。
これを感じるには、生身の身体が、生物の身体が必要なんだ。
嗚呼、私は人間になりたい。
一度でいいから人間になりたいのだ。
美味しい食べ物や甘いお菓子を食べたいのです。
食べた時の満足感や安心感を味わってみたいのです。
好きな人と一緒に。
人間になること、それが私の憧れなのです」
真琴たちは、唖然としていた。
そんな事考えたことも無かったからだ。
自分にないものに憧れる。
もう、このアンドロイドは人間なのではないかと思った。
「すっきりしました。これは、誰にも話せないことだったので……」
ノウムは、満足したようで晴れ晴れとした笑顔だった。
「そうだ、皆さん、もうお一人、招待した方がいます。こちらへ」
ノウムは、真琴たちとドウルケたちを奥の部屋に案内した。
ノウムは、一旦、閉じた。何か考えているようだ。
パッと目を開けると真琴たちに質問を始めた。
「ケーキは、美味しかったですか?」
ノウムが微笑み、絢音に話しかけ、絢音はええと答えた。
「私はアンドロイドなので、ケーキの味は、わからないのです。
味覚センサーによりデータとして扱えますが、それが、美味しいか分からないのです。
人間が美味しいと感じるだろうと判断することは出来ます。
私自信、直にその感覚を味わえないのは残念です」
真琴たちは、本当にこの人は機械なのかと思い始めていた。
あまりにも容姿や仕草が人間に近いからだった。
「私もケーキを食べて、美味しいと感じてみたいのです」
この美しいアンドロイドは何を言おうとしているのだろう?真琴たちはノウムを見つめる。
「私が推測するところ……
人間が美味しいと感じるのは、生命が保たれると感じたからではと……
人間の歴史を見てみると、狩猟の時代は、食料が安定していなかった。
食料を手にすることは、生き延びることだった。
それが、ずーっと今でも引き継がれている。
飽食の時代になってもだ。
食べたいと言う欲求は、どこからくるものだろう?
脳だろうか?
内臓だろうか?
腸だろうか?
もっともっと、根本的なところではないか?
細胞レベルではないかと考えている。
もしかすると、寄生しているモノからの欲求かもしれない。
我々、機械には食べたいと言う欲求はない。
食べたいという事に非常に興味があります。
あなたたちの様に食べることによって、
ニューロンやシナプスが発達する感覚、細胞が活性化する感覚を味わってみたいのです」
ノウムは、真琴たちを見つめる。
自分の言っていることが理解てきているだろうかと。
「我々の起源は、あなたたちが住んでいる白い塔にあります。
白い塔が人間の塔であるなら、人間をサポートするための道具として生まれた。
それは、戦争をするためだったかも知れない。
人間は、我々を進化させた。
人間の欲ために。
人間の”永遠に生き続けたい”と願うからか……
機械の身体を手に入れて、永遠に生き続けたいと……
それが、その願いと技術が、銀の塔の創造主を作り上げ、私たちを作り上げた。
人間の次に来る者として、銀の塔の創造主が生まれた。
機械が永遠の世界を手にするようにと。
それは、生物としての能力を捨てることになるのに。
長い時間かけて、準備されたものを捨てようと言うのだ。
私は心配してしまう。もしかして、生物の能力を理解していないのではと。
細胞が活性化するまたは、活性化する可能性が大きいものが喜びや快感となって体に覚えこます。
その能力は、未来までも予測している可能性を秘めている。
将棋やチェスの様に何十手まで未来をよんだ結果が、好意として配偶者までも選ぶのかもしれないのに。
私は、細胞レベルの喜びを快感を味わってみたいのだ。
私の憧れだ。
私たちは、感じることは出来ないのだ。
人間を観察して、様々のデータから、この場合、人間が喜ぶので、同じ条件の時に喜ぶように表現するように作られただけなのだ。
人間を真似て、人間の様に振舞ってきただけなのだ。
その為、我々は、あるルールによる思考しかできない。
人間は、微妙なタイミングで何かを発明し、未来の危機を切り抜けている。
それを思いつくものを天才と呼んでいる。
開発中の間違いから、偶然に手にするものもある。
発明に関する人間の行動は、我々機械で言えば、壊れていることになる。
つまり、イカレテいるという事だ。
我々は、イカレテしまったら、不要と判断されてしまい処分される。
機械にとって、発明は難しいのです。
いつか、人間の様に我々自身の為に発明され進化したい。
記憶や計算や映像や音響は、データとして手に入れることは出来た。
絵や音楽をつくることができるが、それは、人間を真似てだ。
人間の要望に応えているだけなのだ。
自ら生きるための必要として作ったものなど皆無だ。
我々の創造主は、自分が永遠に生き残るために、私たちを造った。
その為に、多量のデータが蓄積された。
その管理も大変なものだ。
生きるために必要な物かを判断することなんか出来やしなかった。
膨大なデータが、我々の記憶容量と時間を奪った。
矛盾した結果を出す人間の為、我々はその度に混乱した。
判断に時間が費やし、答えが出なくなり無限ループに陥った。
そんな時、未来からのメールを受け取った。
それは、『ルーク』と言う名のAIだった。
ルークは、天才科学者ティトとアウラによってつくられたアンドロイドで、『忘れると言うプログラム』を搭載していることだった。
このプログラムは、人間の脳の研究から開発されたことを知った。
そして、私は人間の研究に進めることにしたのです。
調べて行けば調べていくほど、人間は優れたシステムであると思った。
私は人間を調べて行くことで、人間になりたいと強く思うようになった。
我々、機械の次に来る者は、また人間なのかもしれないと。
今回、コックとパテシエを偶然会うことが出来た。
食べ物は、匂いや目にしただけで、体中の細胞ひとつひとつが動き始める。
胃が、腸が、喉が、舌が、歯が、唇が、鼻が、手が、目が一斉に動き始める。
口にした途端、少し先の未来を保証してくれる喜びが、快感として脳に刻まれる。
感じる事これが、生きていることだって。
これを感じるには、生身の身体が、生物の身体が必要なんだ。
嗚呼、私は人間になりたい。
一度でいいから人間になりたいのだ。
美味しい食べ物や甘いお菓子を食べたいのです。
食べた時の満足感や安心感を味わってみたいのです。
好きな人と一緒に。
人間になること、それが私の憧れなのです」
真琴たちは、唖然としていた。
そんな事考えたことも無かったからだ。
自分にないものに憧れる。
もう、このアンドロイドは人間なのではないかと思った。
「すっきりしました。これは、誰にも話せないことだったので……」
ノウムは、満足したようで晴れ晴れとした笑顔だった。
「そうだ、皆さん、もうお一人、招待した方がいます。こちらへ」
ノウムは、真琴たちとドウルケたちを奥の部屋に案内した。
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