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第30章 誕生日ケーキ
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パイロたちのテーブルに真琴たちが向かった。
駆け寄った時に、ノウムに止められた真琴たちを見ていた。
パウロたちは、話したかった。
この塔に来てから、人間に会ってないからだ。
今頃、オムネ城では、何が起こっているのか?
お客様は、怒っていないのか?
お店は大丈夫なのか?と。
やっと、ノウムと真琴たちの話が終ったようだ。
テーブル前にやって来た。
テーブルを挟んで、真琴たちとパイロたちが顔を合わす。
お互いに顔を見合わせ、笑顔を交わす。お互いに心配は無いらしい。
ノウムは、その様子を見ていた。
そして、席に着くように促した。
席は、床が盛り上がり、人数分、用意された。
みんな、席に着くとノウムが言った。
「このテーブルでお茶をしたいのだが、用意をお願いしたい」
コクウスとドウルケが、「わかりました」と頭をさげ、準備に向かった。
二人が持ってきたのは、紅茶とケーキだった。
「十一種類のケーキを用意しました。お好きなモノをどうぞ」
ドウルケの笑顔から自信が伺える。
瞳孔が開くのが自分でもわかる。
十一種類のチョコレートケーキ、なんと魅力的なんだろう。
どれにしようか迷ってしまう。
ウベークエは、身体を揺らして、ケーキを口に運んでいる。
それを見て、負けないぞと真琴たちはケーキを手に取った。
ノウムは、真琴たちの食べる様子を見て、やはり、話どころではなかったと思った。
暫く、真琴たちを眺める。
自然と頬が緩んでくる。
これが、”楽しい”とか”喜ぶ”ということなのかと考えていた。
そして、ドウルケと話すことにした。
「ドウルケさん、あなたの腕前は噂通りらしい。みんな、あなたのケーキに夢中だ」
「喜んで食べる顔を見ることが、私の楽しみなのです。
オクルスさんに頂いた色々な食べ物のレシピは大変参考になりました。
とても刺激的な色々なレシピを拝見しました」
ドウルケは、微笑みながらノウムに答える。
「人間は、ケーキが大好きなようですね」
「そうです、大好きです。
大人も子供もケーキを見たり、食べると笑顔になります。
そうそう、イベントなどのお祝い事には、間違いなく食べます。
うれしい時や悲しい時にも食べるのです。
そうすれば、元気が笑顔が手に入るのです。
私たちパテシエは、その笑顔を見るためにケーキを作るのです。
うれしい時は、幸せな気持ちを分け合うために。
悲しい時は、涙を流し明るい未来に歩き始める力を得るために」
ドウルケは、お店でケーキをお客に手渡しする様子が目に浮かんでいた。
お店で、笑いながら食べる姿も目に浮かぶ。
「そういうものなのか。
私にも、そんな時はあると思うか?」
ドウルケは、ノウムを見て言った。
「ありますよ……誕生日とか……」
ノウムは、眉間に皺をよせ、困った顔になった。
「誕生日……私が作られた日か……
私にもイベントがあるんだな。
確かに、私はここに存在している。
この世に生まれた来たのだ。
今まで、考えてみたこともなかった」
ノウムは、寂しそうにケーキを見つめた。
ドウルケが、そんなノウムの顔を見て言った。
「今、作りたいケーキがあるのです。
イチゴ……イチゴケーキです。
最高のイチゴ農家を見つけたのです」
と、目を輝かせながらドウルケが言う。
「……是非、食べてみたいな」ドウルケを見て、ノウムが呟く。
「食べてください……
味はこのドウルケ様が保証します。
あなたの為に誕生日ケーキをつくります。
これまでにない……経験したこともない……
あなただけの誕生日ケーキを」
と、ドウルケが胸を張った。
「誕生ケーキ……それは楽しみだ。お店に取りに行くよ」
ノウムは、微笑んだ。
駆け寄った時に、ノウムに止められた真琴たちを見ていた。
パウロたちは、話したかった。
この塔に来てから、人間に会ってないからだ。
今頃、オムネ城では、何が起こっているのか?
お客様は、怒っていないのか?
お店は大丈夫なのか?と。
やっと、ノウムと真琴たちの話が終ったようだ。
テーブル前にやって来た。
テーブルを挟んで、真琴たちとパイロたちが顔を合わす。
お互いに顔を見合わせ、笑顔を交わす。お互いに心配は無いらしい。
ノウムは、その様子を見ていた。
そして、席に着くように促した。
席は、床が盛り上がり、人数分、用意された。
みんな、席に着くとノウムが言った。
「このテーブルでお茶をしたいのだが、用意をお願いしたい」
コクウスとドウルケが、「わかりました」と頭をさげ、準備に向かった。
二人が持ってきたのは、紅茶とケーキだった。
「十一種類のケーキを用意しました。お好きなモノをどうぞ」
ドウルケの笑顔から自信が伺える。
瞳孔が開くのが自分でもわかる。
十一種類のチョコレートケーキ、なんと魅力的なんだろう。
どれにしようか迷ってしまう。
ウベークエは、身体を揺らして、ケーキを口に運んでいる。
それを見て、負けないぞと真琴たちはケーキを手に取った。
ノウムは、真琴たちの食べる様子を見て、やはり、話どころではなかったと思った。
暫く、真琴たちを眺める。
自然と頬が緩んでくる。
これが、”楽しい”とか”喜ぶ”ということなのかと考えていた。
そして、ドウルケと話すことにした。
「ドウルケさん、あなたの腕前は噂通りらしい。みんな、あなたのケーキに夢中だ」
「喜んで食べる顔を見ることが、私の楽しみなのです。
オクルスさんに頂いた色々な食べ物のレシピは大変参考になりました。
とても刺激的な色々なレシピを拝見しました」
ドウルケは、微笑みながらノウムに答える。
「人間は、ケーキが大好きなようですね」
「そうです、大好きです。
大人も子供もケーキを見たり、食べると笑顔になります。
そうそう、イベントなどのお祝い事には、間違いなく食べます。
うれしい時や悲しい時にも食べるのです。
そうすれば、元気が笑顔が手に入るのです。
私たちパテシエは、その笑顔を見るためにケーキを作るのです。
うれしい時は、幸せな気持ちを分け合うために。
悲しい時は、涙を流し明るい未来に歩き始める力を得るために」
ドウルケは、お店でケーキをお客に手渡しする様子が目に浮かんでいた。
お店で、笑いながら食べる姿も目に浮かぶ。
「そういうものなのか。
私にも、そんな時はあると思うか?」
ドウルケは、ノウムを見て言った。
「ありますよ……誕生日とか……」
ノウムは、眉間に皺をよせ、困った顔になった。
「誕生日……私が作られた日か……
私にもイベントがあるんだな。
確かに、私はここに存在している。
この世に生まれた来たのだ。
今まで、考えてみたこともなかった」
ノウムは、寂しそうにケーキを見つめた。
ドウルケが、そんなノウムの顔を見て言った。
「今、作りたいケーキがあるのです。
イチゴ……イチゴケーキです。
最高のイチゴ農家を見つけたのです」
と、目を輝かせながらドウルケが言う。
「……是非、食べてみたいな」ドウルケを見て、ノウムが呟く。
「食べてください……
味はこのドウルケ様が保証します。
あなたの為に誕生日ケーキをつくります。
これまでにない……経験したこともない……
あなただけの誕生日ケーキを」
と、ドウルケが胸を張った。
「誕生ケーキ……それは楽しみだ。お店に取りに行くよ」
ノウムは、微笑んだ。
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