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第17章 パイロが知ってる
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次の日、絢音と響介は、真琴を元の世界に戻す方法を探しに出かけた。
真琴はすでに出かけたらしかった。
二人が、最初に会ったのはコロニクスだった。
「どう、楽しんでる?ここ最高だろ」
以前、会った時とは別で攻撃ではなかった。
質問してみても、「そんなの知らねぇ」と答えが返ってきた。
次の会ったのは、ウルペースだった。
相変わらず妖艶な雰囲気を作り出していた。
絢音が、心配そうに響介の顔を伺う。
「ピアノ、素敵だったわ」と言うウルペースの言葉。
響介は、耐えきらずに照れ笑いをする。
ウルペースは、睨んでいる絢音に気付いて、話を逸らした。
「ごめんなさい。私はよく知らないの。
グベルナに訊いてみたら。メトセラと庭園にいるわ」
と、扉の前に二人を案内し、ブツブツと何か唱えると扉が開いた。
ウルペースのどうぞと手で合図に従い、庭園に出た。
いい天気だ。
庭園からさらに再生の塔エスピラールが真上へと伸びている。
響介は、エスピラールの根元に駆け寄り、塔を撫ぜた。
後から、絢音が続いた。
「爺さん、この上が出口だって言ってなかった?」
響介がエスピラールを見上げながら、独り言のように言った。
「そうよ。でも、それだけ。
どうやって行くだとか、上に上がってそれから何をしていいものやら」
その時、グベルナとメトセラが、二人を見つけてやってきていた。
「元気かな?」
最初に声をかけたのは、メトセラだった。
響介と絢音は、軽く頭を下げ挨拶をした。
「教えてほしいことがあるのです。真琴を元の世界に戻す方法を知りませんか?」
響介が問いかけた。
グベルナが、響介と絢音を見回した。
「そうか、君たちの時間がないらしいな。たぶん、この上だ」
グベルナが、エスピラールの壁をペタペタと叩いた。
「だが・・・・・・」
「だが?」
「もう、ずーっと前のことで、忘れてしまった。直近で携わった者は・・・・・・」
「……パイロじゃないですか?」と、メトセラ。
「そう、そうだ。パイロだ。本好きだから、図書館に居るはずだ」
「パイロと言うのは?」
「図書館のアルクが教えてくれるよ。これ食てよ」
と言って、籠に入って真っ赤なベリーを差し出した。
受け取った絢音がすっぱいと顔をゆがめる。
グベルナとメトセラが、目を合わせて笑った。
「メトセラが、育て方を教えてくれたんだ。さすが、樹の王だな」
絢音と響介は、「それは良かったですね」
と笑顔をかえすとオムネ城の図書館へ向かった。
グベルナとメトセラが二人を見送った。
絢音と響介は、情報を集めにオムネ城に向かった。
真琴を元の世界へ戻す方法を聞き出す為に。
図書館に着くと、真琴を見つけた。
真琴は、「よっ」と右手を上げた。
真琴は、元世界へ戻る方法を探してしていた。
もう亡くなっていると言われた二人には、相談できない。
自分だけ、元の世界に戻るなんて言えなかった。
言えば、この二人は快く応援してくれるのは知っている。
だが、それではあまりのも心苦しくなるから。
絢音は、真琴に庭園で訊いた話をした。
すまないと頭を下げる真琴がいた。
真琴たちは、図書館長アルクを探した。
絢音が先に、奥で難しい顔をしているアルクを見つけた。
真琴たちが近づいていくと、それに気づいたアルクが、老眼鏡を外して手を上げた。
「どうも、この歳になると字が見えなくてな。
医者に見せても、年のせいだと言われるだけだ」
アルクはそう言うと、背伸びをし腰をトントンと叩いた。
真琴たちは、”パイロ”を知らないかと尋ねた。
「パイロ?そういえば、最近、見ないな。何か用事が?」
アルクにこの世界に来た経緯を話した。
「そうだな……。ヤツなら、知っているな。だけど・・・・・・」
「だけど?」
「行方不明なんだ。何処へ行ったかさっぱりだ。
パイロが予約した本を取りに来るように伝えたかったのだが」
図書館長のアルクは、本の整理をしながら話を続けた。
「最後に見たのは、オクルスと一緒だったと聞いた」
「オクルスって、銀の塔の弁当箱みたいな」
アルクは思わず手を止め、絢音の顔を見た。
「銀の塔に居るのかもしれない」
アルクは腰に手をあて、伸びをした。
「パイロって、どんな人ですか?」
「猫のような犬のような恰好をしている。小さく赤子のようにも見える。
なぜか、おしゃぶりをしている。お気に入りらしい……」
次々とパイロの容姿について話した。
「こんなですか?」真琴が、話を聞きながら似顔絵を描いていた。
「そうそう、うまいもんだな。アハハ、これは傑作だ!」
アルクが感心して、笑いながら似顔絵を持ち上げた。
「それでは、これを手掛かりに探してきます」
「逢ったら、本が届いてるって伝えてくれ。
あ、それと・・・・・・。
今度、私の似顔絵も書いてください」
真琴たちは、笑顔で答えて図書室を出た。
真琴はすでに出かけたらしかった。
二人が、最初に会ったのはコロニクスだった。
「どう、楽しんでる?ここ最高だろ」
以前、会った時とは別で攻撃ではなかった。
質問してみても、「そんなの知らねぇ」と答えが返ってきた。
次の会ったのは、ウルペースだった。
相変わらず妖艶な雰囲気を作り出していた。
絢音が、心配そうに響介の顔を伺う。
「ピアノ、素敵だったわ」と言うウルペースの言葉。
響介は、耐えきらずに照れ笑いをする。
ウルペースは、睨んでいる絢音に気付いて、話を逸らした。
「ごめんなさい。私はよく知らないの。
グベルナに訊いてみたら。メトセラと庭園にいるわ」
と、扉の前に二人を案内し、ブツブツと何か唱えると扉が開いた。
ウルペースのどうぞと手で合図に従い、庭園に出た。
いい天気だ。
庭園からさらに再生の塔エスピラールが真上へと伸びている。
響介は、エスピラールの根元に駆け寄り、塔を撫ぜた。
後から、絢音が続いた。
「爺さん、この上が出口だって言ってなかった?」
響介がエスピラールを見上げながら、独り言のように言った。
「そうよ。でも、それだけ。
どうやって行くだとか、上に上がってそれから何をしていいものやら」
その時、グベルナとメトセラが、二人を見つけてやってきていた。
「元気かな?」
最初に声をかけたのは、メトセラだった。
響介と絢音は、軽く頭を下げ挨拶をした。
「教えてほしいことがあるのです。真琴を元の世界に戻す方法を知りませんか?」
響介が問いかけた。
グベルナが、響介と絢音を見回した。
「そうか、君たちの時間がないらしいな。たぶん、この上だ」
グベルナが、エスピラールの壁をペタペタと叩いた。
「だが・・・・・・」
「だが?」
「もう、ずーっと前のことで、忘れてしまった。直近で携わった者は・・・・・・」
「……パイロじゃないですか?」と、メトセラ。
「そう、そうだ。パイロだ。本好きだから、図書館に居るはずだ」
「パイロと言うのは?」
「図書館のアルクが教えてくれるよ。これ食てよ」
と言って、籠に入って真っ赤なベリーを差し出した。
受け取った絢音がすっぱいと顔をゆがめる。
グベルナとメトセラが、目を合わせて笑った。
「メトセラが、育て方を教えてくれたんだ。さすが、樹の王だな」
絢音と響介は、「それは良かったですね」
と笑顔をかえすとオムネ城の図書館へ向かった。
グベルナとメトセラが二人を見送った。
絢音と響介は、情報を集めにオムネ城に向かった。
真琴を元の世界へ戻す方法を聞き出す為に。
図書館に着くと、真琴を見つけた。
真琴は、「よっ」と右手を上げた。
真琴は、元世界へ戻る方法を探してしていた。
もう亡くなっていると言われた二人には、相談できない。
自分だけ、元の世界に戻るなんて言えなかった。
言えば、この二人は快く応援してくれるのは知っている。
だが、それではあまりのも心苦しくなるから。
絢音は、真琴に庭園で訊いた話をした。
すまないと頭を下げる真琴がいた。
真琴たちは、図書館長アルクを探した。
絢音が先に、奥で難しい顔をしているアルクを見つけた。
真琴たちが近づいていくと、それに気づいたアルクが、老眼鏡を外して手を上げた。
「どうも、この歳になると字が見えなくてな。
医者に見せても、年のせいだと言われるだけだ」
アルクはそう言うと、背伸びをし腰をトントンと叩いた。
真琴たちは、”パイロ”を知らないかと尋ねた。
「パイロ?そういえば、最近、見ないな。何か用事が?」
アルクにこの世界に来た経緯を話した。
「そうだな……。ヤツなら、知っているな。だけど・・・・・・」
「だけど?」
「行方不明なんだ。何処へ行ったかさっぱりだ。
パイロが予約した本を取りに来るように伝えたかったのだが」
図書館長のアルクは、本の整理をしながら話を続けた。
「最後に見たのは、オクルスと一緒だったと聞いた」
「オクルスって、銀の塔の弁当箱みたいな」
アルクは思わず手を止め、絢音の顔を見た。
「銀の塔に居るのかもしれない」
アルクは腰に手をあて、伸びをした。
「パイロって、どんな人ですか?」
「猫のような犬のような恰好をしている。小さく赤子のようにも見える。
なぜか、おしゃぶりをしている。お気に入りらしい……」
次々とパイロの容姿について話した。
「こんなですか?」真琴が、話を聞きながら似顔絵を描いていた。
「そうそう、うまいもんだな。アハハ、これは傑作だ!」
アルクが感心して、笑いながら似顔絵を持ち上げた。
「それでは、これを手掛かりに探してきます」
「逢ったら、本が届いてるって伝えてくれ。
あ、それと・・・・・・。
今度、私の似顔絵も書いてください」
真琴たちは、笑顔で答えて図書室を出た。
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