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二匹目!+一羽目
25・モフモフわんことアジサイと
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そんなこんなで、レッドボアキングが倒されたのでミドルポーション+を放出した。
少しはアーサーさんの呪われた仲間にも提供されるといいんだけど。
『隠密』を解いたタロ君の影がオルトロスモードになってライトを邪魔してくれたので、ミドルポーション+三千瓶とレッドボアキングのコアの入れ替えは問題なく行われたのだった。……ソフィアさんが結界を解いたボス部屋に入って来なくて良かったあ。
──それはさておき、
【レッドボアキングのモンスターコア】
【攻撃:*】
【防御:*】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:*】
【集中:*】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:*】
【炎属性:D】
【大地属性:*】
【風属性:*】
【水属性:*】
下級モンスターの変異種だから、魔法属性以外はマッドゴーレムキングのコアと変わらない感じかな。
(マスター)
「なぁに?……あれ、アジサイ」
(エントランスから戻って参りました!)
今回は以前のようなスライムの移住はおこなわれなかった。
希望スライムはいたのだけれど、ソフィアさんが怖かったから時間の余裕を作れなかったのだ。ミドルポーション+の放出も全部タロ君の『騒霊』で一気に実行した。
エントランスでソフィアさんを引きつけた殊勲者の影はボス部屋に戻って来てすぐに、タロ君の前足でいつものようにコアになりました。
「ああ、そう。エントランスは楽しかった?」
(楽しかったです! 毎日45リットルのゴミ袋いっぱいのプラスチックゴミをいただいてました)
「……え」
そういえば動画でもカップラーメンの器も食べてたっけ。
「だ、大丈夫?」
(はい。この世界に魔法はありませんが魔力はあります。科学の粋を集めて作られたプラスチックは含まれている魔力が安定しているので、とっても美味しかったです!)
「そ、そう……」
発展した科学は魔法と区別がつかないって、なんかで読んだことがある。
錬金術が金の製造を目的にしているのは金が腐りにくい物質、ある意味不変の存在だからだ。
そういう観点から考えれば、分解しにくいプラスチックは安定した不変の存在と言えるかもしれない。だからこそプラスチックゴミ問題が発生しているわけなんだけど。
「……ん? プラスチックゴミが美味しかったのに、どうしてボス部屋に戻ってきたの?」
(プラスチックゴミは美味しかったですが、マスターの苺に勝るものはありません)
「あれはこっちのスライムに実が生ったお祝いだし、実際に食べなくても感覚は共有できるんでしょ?」
(それはそうですけど、実際に食べたときの美味しさは格別ですよー)
「マスター苺作るのか?」
(((苺? 苺ですかっ?)))
アジサイばかりか、タロ君やほかのスライム達まではしゃぎ出す。
……うーん、苺かあ。
ステータスボードは普通本人しか見えないのだが、ダンジョンマスターであるわたしは自分のダンジョンのモンスター達とそのコア、そして作成したアイテムコアのものは見える。……あの日、実が生ったお祝いにとスライム達に再びダンジョンで苺を作ってやった日、見ちゃったんだよね。
【ダンジョン苺】
【攻撃:*】
【防御:*】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:*】
【集中:*】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:D】
【炎属性:*】
【大地属性:D】
【風属性:*】
【水属性:*】
【特徴:ダンジョンでマスターの魔力を注いで作られた苺】
【 一個食べるとHPMPが全体の十パーセント回復する】
【付与効果:一定時間状態異常耐性が少量上昇する】
とんだチートアイテムですよ!
ポーションの三分の一の回復量とはいえ、ポーションでは治療できない状態異常の予防効果があるんだよ?
というか、ポーションはMPまで回復できなーい! この世界の人間は魔法使えないからMP消費することもないけど。
おまけにその日ダンジョン外でも作ってみたら、大きさが違うだけで同じ効果でした。
大家さん、葉山家のみなさん、変なもの食べさせてごめんなさい。苺のステータスボードが見えるなんて気づかなかったんです。
た、体調異常を引き起こすものじゃないから許してください。あ、鷹秋さんも。
タロ君は「さすがマスターなのだ」と言ってくれたけど、わたしはダンジョン苺を封印することを心に決めたのだった。
「マスター、この前作った陶器の腕輪はまだ一回使えるはずなのだ」
「う……」
タロ君の黄金の瞳は期待に満ちている。
……人間に食べさせるんじゃなかったら、べつにいいか。タロ君苺大好きだもんね。
しかし、その前に、
「アジサイ、あなたのステータス見ていい?」
(もちろんですとも!)
プラスチックゴミを食べたことで、なにか異常が起きてなければいいんだけど──
【アジサイ/0歳/無性/スライム/代表スライム】
【HP:10】
【MP:50】
【状態:健康】
【攻撃:G】
【防御:G】
【魔法攻撃:G】
【魔法防御:G】
【集中:G】
【敏捷:G】
【魅力:G】
【精神:G】
【光属性:G】
【闇属性:*】
【炎属性:*】
【大地属性:*】
【風属性:*】
【水属性:*】
【魔法スキル:発光】
【特殊スキル:分裂(MPを消費)・発芽(MPを消費)】
スライムだからこんなものなのかな?
ダンジョンで自然発生するスライムは、ダンジョンマザーツリーにも謎の存在らしく説明書にもほとんど記載がない。
タロ君みたいにレベル表示がないってことは、普通のモンスターのように進化したり変異したりするのかな? スライムって表示の隣にかなり伸びたレベルアップバーがあるんだけど。
「スライムの生態は異世界でもよくわかっていないのだ。前言ったように、どこかの大賢者の実験で小さな実が生ったくらいなのだ」
タロ君に聞いてみると、そんな答えが返ってきた。
まあアジサイが進化なり変異なりしたとしても、ボス部屋から出さなければ問題ないだろう。普通のモンスターと違って消費DPもないし。
そう思いつつ苺を作ってみんなで食べた。アジサイのレベルアップバーは少し伸びたが、幸いなことに進化も変異化もしなかった。
少しはアーサーさんの呪われた仲間にも提供されるといいんだけど。
『隠密』を解いたタロ君の影がオルトロスモードになってライトを邪魔してくれたので、ミドルポーション+三千瓶とレッドボアキングのコアの入れ替えは問題なく行われたのだった。……ソフィアさんが結界を解いたボス部屋に入って来なくて良かったあ。
──それはさておき、
【レッドボアキングのモンスターコア】
【攻撃:*】
【防御:*】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:*】
【集中:*】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:*】
【炎属性:D】
【大地属性:*】
【風属性:*】
【水属性:*】
下級モンスターの変異種だから、魔法属性以外はマッドゴーレムキングのコアと変わらない感じかな。
(マスター)
「なぁに?……あれ、アジサイ」
(エントランスから戻って参りました!)
今回は以前のようなスライムの移住はおこなわれなかった。
希望スライムはいたのだけれど、ソフィアさんが怖かったから時間の余裕を作れなかったのだ。ミドルポーション+の放出も全部タロ君の『騒霊』で一気に実行した。
エントランスでソフィアさんを引きつけた殊勲者の影はボス部屋に戻って来てすぐに、タロ君の前足でいつものようにコアになりました。
「ああ、そう。エントランスは楽しかった?」
(楽しかったです! 毎日45リットルのゴミ袋いっぱいのプラスチックゴミをいただいてました)
「……え」
そういえば動画でもカップラーメンの器も食べてたっけ。
「だ、大丈夫?」
(はい。この世界に魔法はありませんが魔力はあります。科学の粋を集めて作られたプラスチックは含まれている魔力が安定しているので、とっても美味しかったです!)
「そ、そう……」
発展した科学は魔法と区別がつかないって、なんかで読んだことがある。
錬金術が金の製造を目的にしているのは金が腐りにくい物質、ある意味不変の存在だからだ。
そういう観点から考えれば、分解しにくいプラスチックは安定した不変の存在と言えるかもしれない。だからこそプラスチックゴミ問題が発生しているわけなんだけど。
「……ん? プラスチックゴミが美味しかったのに、どうしてボス部屋に戻ってきたの?」
(プラスチックゴミは美味しかったですが、マスターの苺に勝るものはありません)
「あれはこっちのスライムに実が生ったお祝いだし、実際に食べなくても感覚は共有できるんでしょ?」
(それはそうですけど、実際に食べたときの美味しさは格別ですよー)
「マスター苺作るのか?」
(((苺? 苺ですかっ?)))
アジサイばかりか、タロ君やほかのスライム達まではしゃぎ出す。
……うーん、苺かあ。
ステータスボードは普通本人しか見えないのだが、ダンジョンマスターであるわたしは自分のダンジョンのモンスター達とそのコア、そして作成したアイテムコアのものは見える。……あの日、実が生ったお祝いにとスライム達に再びダンジョンで苺を作ってやった日、見ちゃったんだよね。
【ダンジョン苺】
【攻撃:*】
【防御:*】
【魔法攻撃:*】
【魔法防御:*】
【集中:*】
【敏捷:*】
【魅力:*】
【精神:*】
【光属性:*】
【闇属性:D】
【炎属性:*】
【大地属性:D】
【風属性:*】
【水属性:*】
【特徴:ダンジョンでマスターの魔力を注いで作られた苺】
【 一個食べるとHPMPが全体の十パーセント回復する】
【付与効果:一定時間状態異常耐性が少量上昇する】
とんだチートアイテムですよ!
ポーションの三分の一の回復量とはいえ、ポーションでは治療できない状態異常の予防効果があるんだよ?
というか、ポーションはMPまで回復できなーい! この世界の人間は魔法使えないからMP消費することもないけど。
おまけにその日ダンジョン外でも作ってみたら、大きさが違うだけで同じ効果でした。
大家さん、葉山家のみなさん、変なもの食べさせてごめんなさい。苺のステータスボードが見えるなんて気づかなかったんです。
た、体調異常を引き起こすものじゃないから許してください。あ、鷹秋さんも。
タロ君は「さすがマスターなのだ」と言ってくれたけど、わたしはダンジョン苺を封印することを心に決めたのだった。
「マスター、この前作った陶器の腕輪はまだ一回使えるはずなのだ」
「う……」
タロ君の黄金の瞳は期待に満ちている。
……人間に食べさせるんじゃなかったら、べつにいいか。タロ君苺大好きだもんね。
しかし、その前に、
「アジサイ、あなたのステータス見ていい?」
(もちろんですとも!)
プラスチックゴミを食べたことで、なにか異常が起きてなければいいんだけど──
【アジサイ/0歳/無性/スライム/代表スライム】
【HP:10】
【MP:50】
【状態:健康】
【攻撃:G】
【防御:G】
【魔法攻撃:G】
【魔法防御:G】
【集中:G】
【敏捷:G】
【魅力:G】
【精神:G】
【光属性:G】
【闇属性:*】
【炎属性:*】
【大地属性:*】
【風属性:*】
【水属性:*】
【魔法スキル:発光】
【特殊スキル:分裂(MPを消費)・発芽(MPを消費)】
スライムだからこんなものなのかな?
ダンジョンで自然発生するスライムは、ダンジョンマザーツリーにも謎の存在らしく説明書にもほとんど記載がない。
タロ君みたいにレベル表示がないってことは、普通のモンスターのように進化したり変異したりするのかな? スライムって表示の隣にかなり伸びたレベルアップバーがあるんだけど。
「スライムの生態は異世界でもよくわかっていないのだ。前言ったように、どこかの大賢者の実験で小さな実が生ったくらいなのだ」
タロ君に聞いてみると、そんな答えが返ってきた。
まあアジサイが進化なり変異なりしたとしても、ボス部屋から出さなければ問題ないだろう。普通のモンスターと違って消費DPもないし。
そう思いつつ苺を作ってみんなで食べた。アジサイのレベルアップバーは少し伸びたが、幸いなことに進化も変異化もしなかった。
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