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一匹目!
※ダンジョンわんこ日記 三日目
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今朝は、昨日の残りのシチューで作ったグラタンを食べた。
玉ネギも入れてもらったぞ。
マスターは犬の飼い方の本を見ながら、うーんうーん大丈夫かな、と唸っていたが、吾は犬型だけど普通の犬じゃなくてモンスターだから大丈夫なのだ。
そういえば、サクラは実家だし、吾が来るまでこのアパートには犬も犬型モンスターもいなかったのに、どうして飼い方の本があるのだ?
マスターは「心の安らぎ」とか言う。
今はもう吾がいるから大丈夫だぞ。マスターの膝に乗って、飼い方の本は鼻でナイナイしてやった。
朝ごはんが終わったので、マスターはステータスボードでDPの確認を始める。
確認が終わったらお散歩かな?
吾はマスターの膝を降りて、リードを置いてある場所へ移動した。マスターがお散歩だよ、と言ったらすぐにリードを持って行くのだ。
やがてマスターはステータスボードを消したのだが、お散歩だよ、とは言われなかった。
お散歩だよ、と言われたら急いで取りに行くことにして、リードは置いたままマスターに近寄る。
「DPの確認終わった? お散歩に行くのか?」
「暑そうだから日が落ちて涼しくなってからね」
「そうかー」
「キリンのぬいぐるみで遊ぶ?」
「んー。昨日も遊んだしー」
ぬいぐるみ遊びも楽しいけれど、夢中になると壊しそうで怖いのだ。
壊してもいいよ、とマスターは言ってくれたが、マスターにもらったものだから、吾が壊したくないのだ。
それから、ちょっとダンジョンのモンスターの話をした。もしかしてDPが足りないのかと不安になる。
「そんなことないよ。それよりタロ君、ジャーキー食べてみる?」
「食べるのだ!」
マスターが吾のために厳選して購入してくれた国産ジャーキーは美味しかった。
最初マスターは細長いジャーキーを千切ってくれようとしていたけれど、吾はこれくらい自分で噛み千切れるのだ。
「がうー……がふっ!」
唸りながら食べ進んでいると、マスターに動画を撮ってもいいかと聞かれた。
この前も撮って慣れたから、もうカチコチに固まったりはしないのだ。
自然な動きで美味しくジャーキーを食べ終えた吾をマスターが撫でてくれる。
マスターと一緒に撮ったばかりの動画を確認していたら、玄関の外にだれか来た。
春人と冬人と……男。
ダンジョンで嗅いだ事のある匂いだが紹介はされていないので知らない人間だ。マスターも知らない相手だろう。
郵便受けから手紙を投入されたのでマスターのために走って取りに行く。
マスターは新聞を契約していないから、ここで活躍しなくては!
春人達の手紙はお食事会への招待状だった。『えーごのおにく』ってなんだろう?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その日の夕方、アパートの前の駐車場でBBQをしたぞ。
『えーごのおにく』は『A5のお肉』のことだった。
ダンジョンで匂いを嗅いだ知らない男が吾に大きな塊をくれた。
まあまあ美味しかったけど、産まれた日にマスターにもらったポトフのベーコンが一番なのだ。昨日のシチューの鳥肉も美味しかったぞ。
塊を噛み千切って食べる吾の姿は好評だった。
マスターが撮った動画も春人や冬人、大家、お隣の一族に大好評だった。くふふ。
そういえば大家は、マスターより小さいのにマスターより肉を食べてたな。
肉を持ってきた男は、春人と冬人の叔父の鷹秋だった。
お隣のファーザーの弟だな。
冬人も春人の弟だ。冬人は春人より小さいが、鷹秋はお隣のファーザーより大きかった。
BBQの後は、部屋に戻って吾の動画をネット公開した。
マスターのスマホで、乙女という人間に聞きながら作業をしたぞ。
吾の動画が世界に……ちなみに個人情報がわかるようなものは映ってないから大丈夫なのだ。
お風呂に入っても肉の匂いは消えなかった。
夢の中でも肉を食べてた気がするのだ。
もちろん夢の中で肉を食べているときもマスターと一緒だったぞ。
玉ネギも入れてもらったぞ。
マスターは犬の飼い方の本を見ながら、うーんうーん大丈夫かな、と唸っていたが、吾は犬型だけど普通の犬じゃなくてモンスターだから大丈夫なのだ。
そういえば、サクラは実家だし、吾が来るまでこのアパートには犬も犬型モンスターもいなかったのに、どうして飼い方の本があるのだ?
マスターは「心の安らぎ」とか言う。
今はもう吾がいるから大丈夫だぞ。マスターの膝に乗って、飼い方の本は鼻でナイナイしてやった。
朝ごはんが終わったので、マスターはステータスボードでDPの確認を始める。
確認が終わったらお散歩かな?
吾はマスターの膝を降りて、リードを置いてある場所へ移動した。マスターがお散歩だよ、と言ったらすぐにリードを持って行くのだ。
やがてマスターはステータスボードを消したのだが、お散歩だよ、とは言われなかった。
お散歩だよ、と言われたら急いで取りに行くことにして、リードは置いたままマスターに近寄る。
「DPの確認終わった? お散歩に行くのか?」
「暑そうだから日が落ちて涼しくなってからね」
「そうかー」
「キリンのぬいぐるみで遊ぶ?」
「んー。昨日も遊んだしー」
ぬいぐるみ遊びも楽しいけれど、夢中になると壊しそうで怖いのだ。
壊してもいいよ、とマスターは言ってくれたが、マスターにもらったものだから、吾が壊したくないのだ。
それから、ちょっとダンジョンのモンスターの話をした。もしかしてDPが足りないのかと不安になる。
「そんなことないよ。それよりタロ君、ジャーキー食べてみる?」
「食べるのだ!」
マスターが吾のために厳選して購入してくれた国産ジャーキーは美味しかった。
最初マスターは細長いジャーキーを千切ってくれようとしていたけれど、吾はこれくらい自分で噛み千切れるのだ。
「がうー……がふっ!」
唸りながら食べ進んでいると、マスターに動画を撮ってもいいかと聞かれた。
この前も撮って慣れたから、もうカチコチに固まったりはしないのだ。
自然な動きで美味しくジャーキーを食べ終えた吾をマスターが撫でてくれる。
マスターと一緒に撮ったばかりの動画を確認していたら、玄関の外にだれか来た。
春人と冬人と……男。
ダンジョンで嗅いだ事のある匂いだが紹介はされていないので知らない人間だ。マスターも知らない相手だろう。
郵便受けから手紙を投入されたのでマスターのために走って取りに行く。
マスターは新聞を契約していないから、ここで活躍しなくては!
春人達の手紙はお食事会への招待状だった。『えーごのおにく』ってなんだろう?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その日の夕方、アパートの前の駐車場でBBQをしたぞ。
『えーごのおにく』は『A5のお肉』のことだった。
ダンジョンで匂いを嗅いだ知らない男が吾に大きな塊をくれた。
まあまあ美味しかったけど、産まれた日にマスターにもらったポトフのベーコンが一番なのだ。昨日のシチューの鳥肉も美味しかったぞ。
塊を噛み千切って食べる吾の姿は好評だった。
マスターが撮った動画も春人や冬人、大家、お隣の一族に大好評だった。くふふ。
そういえば大家は、マスターより小さいのにマスターより肉を食べてたな。
肉を持ってきた男は、春人と冬人の叔父の鷹秋だった。
お隣のファーザーの弟だな。
冬人も春人の弟だ。冬人は春人より小さいが、鷹秋はお隣のファーザーより大きかった。
BBQの後は、部屋に戻って吾の動画をネット公開した。
マスターのスマホで、乙女という人間に聞きながら作業をしたぞ。
吾の動画が世界に……ちなみに個人情報がわかるようなものは映ってないから大丈夫なのだ。
お風呂に入っても肉の匂いは消えなかった。
夢の中でも肉を食べてた気がするのだ。
もちろん夢の中で肉を食べているときもマスターと一緒だったぞ。
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