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25・たとえ毒茸だとしても
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あれから、意識を取り戻したユーノは状況を説明されてソティリオス様に謝罪しました。私が口添えするまでもなく、実害を受けたわけでもないからと、ソティリオス様は彼女を許したのでした。
ユーノの体力が回復するまで、ふたりには離宮の客間で暮らしてもらうことになりました。
元よりその予定だったのです。竜王ニコラオス陛下にも許可をいただいています。
談話室で治療したのは、ユーノの病状と心配するルキウスのやつれた顔を見ていられなかったからでした。
そして数日が過ぎ去り、ユーノはあっという間に体力を回復しました。
彼女にあの病をもたらした竜人族の血が、彼女に回復する強さをももたらしたのです。
むしろ彼女を看病していたルキウスの疲労のほうが色濃く残っているようです。
パルミエリ辺境伯である従姉のミネルヴァ様は、私の恩人です。
八年間の投獄生活のときも折に触れて差し入れをくださっていましたし、牢を出てカサヴェテス竜王国へ嫁ぐことになった私を支えてくださったのもミネルヴァ様です。
嫁いだ婚礼の夜会で私がした、一年間の白い結婚の末に離縁する、なんて勝手な宣言を国王である異母弟とともにリナルディ王国の貴族達に認めさせてくださったのも彼女です。ユーノの病気を治したことで、少しは恩返しが出来たでしょうか。
「ルキウス殿、ディリティリオ茸が用意出来ましたよ」
恩返しと言えば、私が一番お世話になっているのはソティリオス様です。
この国を離れる前に、彼にもなにかお礼が出来れば良いのですけれど。
思いながら、私はソティリオス様がご実家のガヴラス大公領から取り寄せてくださったという、籠いっぱいのディリティリオ茸に目を向けました。
今は朝食の後、談話室でお茶を飲みながら会話をしていたのです。
茸は大公家からの使いがソティリオス様に運んできました。
「まあ、たくさん。肉厚で美味しそうですね。今夜はこれで具だくさんのスープを作りましょうか」
前と違って今は基本的に本宮殿の厨房で作られた食事を食べていますが、牢の中で元冒険者の母に教わったので料理は出来ます。
そう思って言った言葉に、ソティリオス様とルキウスが目を丸くしました。
私は首を傾げます。
「ディリティリオ茸は美味しいですよね? 牢に入れられる前、冬になると王宮で食べていました。ルキウスも好物なのでしょう?」
「へーえ、ディリティリオ茸って美味しいんですか?」
「ユーノは食べたことがないのかしら?」
「はい。私はディリティリオ茸の煮汁は魔道具の核になるミスリル銀に塗ったことしかありません。刻んだ術式の劣化を防ぐ保護液になるんですよ」
「そんな使い道もあるのですか」
ユーノの言葉に少し違和感を覚えます。
ディリティリオ茸は高級食材だと聞いていたのです。
でも食材としてはひとりふたりのお腹を満たすことしか出来なくても、水に溶かして利用すれば何台もの魔道具に利用出来るのかもしれませんね。感心している私を優しく見つめて、ソティリオス様が説明してくださいます。
「季節で違うんですよ。夏のディリティリオ茸は毒性が強く大量に見つかりますが、冬のディリティリオ茸は毒がなく美味で少ししか見つからないのです」
「そうでしたの。私、少しも存じませんでしたわ」
「俺も保護液のことはルキウス殿に聞いて初めて知りました。これまでは大公領で採れる夏のディリティリオ茸は厄介者だったんです。毒性が強いといっても竜人族の命を奪うほどではないのですが、毒のせいで味が悪く食材としては使えませんでした」
「お妃様! ディリティリオ茸の煮汁を保護液にするというのは、魔導学園の在学中にルキウスが見つけ出した方法なんです。彼の発想で魔道具の性能が一気に上昇したんですよ」
「それは素晴らしいことですね」
嬉しそうにユーノも教えてくれます。
ルキウスが優秀な魔道具職人だということは、ミネルヴァ様がくださったふたりについての手紙にも記してありました。
「ええ、まあ……劣化を防ぐというか、ユーノが刻印した術式を発動させてもミスリル銀が溶けないように出来ないかなーって思っての悪あがきのひとつだったんだけどね……」
なぜかルキウスは複雑そうな表情を浮かべ、口の中だけでなにやら呟いています。
しばらく一緒に過ごして気づきましたが、彼はとても照れ屋なようです。ユーノの称賛が気恥ずかしかったのでしょう。
それでいて魔道具のことになると饒舌になり──そんな彼をユーノはうっとりと見つめているのでした。
最近の私はふたりと、ソティリオス様やオレステス様を交えて食卓を囲んでいます。
ディリティリオ茸のことも食事の席でぽろりと出てきた話だったと覚えています。
「ルキウス、ユーノ。パルミエリ辺境伯領へ戻ったら、そのディリティリオ茸でミネルヴァ様のお役に立ってあげてくださいね」
「「はい、お妃様」」
「ソティリオス様、ルキウスのためにディリティリオ茸を用意していただいてありがとうございました」
「妃殿下に喜んでいただけたなら幸いです」
ルキウス達は近日中にリナルディ王国への帰路に就きます。
どうしても秋になる前にカサヴェテス竜王国を出たいのだそうです。
そうでしょうね。ただでさえ魔物蔓延る竜王国の大地は、秋になると夏に生まれた魔物が集まって大暴走を引き起こします。他国でも起こりますが、規模と頻度が違うのです。
前のときは連発する大暴走で疲れ切った竜王陛下が巨竜姿で暴走なさって──ディリティリオ茸の毒が使い方によっては役に立つように、私のこの記憶も陛下のお役に立てれば良いのですけれど。
ユーノの体力が回復するまで、ふたりには離宮の客間で暮らしてもらうことになりました。
元よりその予定だったのです。竜王ニコラオス陛下にも許可をいただいています。
談話室で治療したのは、ユーノの病状と心配するルキウスのやつれた顔を見ていられなかったからでした。
そして数日が過ぎ去り、ユーノはあっという間に体力を回復しました。
彼女にあの病をもたらした竜人族の血が、彼女に回復する強さをももたらしたのです。
むしろ彼女を看病していたルキウスの疲労のほうが色濃く残っているようです。
パルミエリ辺境伯である従姉のミネルヴァ様は、私の恩人です。
八年間の投獄生活のときも折に触れて差し入れをくださっていましたし、牢を出てカサヴェテス竜王国へ嫁ぐことになった私を支えてくださったのもミネルヴァ様です。
嫁いだ婚礼の夜会で私がした、一年間の白い結婚の末に離縁する、なんて勝手な宣言を国王である異母弟とともにリナルディ王国の貴族達に認めさせてくださったのも彼女です。ユーノの病気を治したことで、少しは恩返しが出来たでしょうか。
「ルキウス殿、ディリティリオ茸が用意出来ましたよ」
恩返しと言えば、私が一番お世話になっているのはソティリオス様です。
この国を離れる前に、彼にもなにかお礼が出来れば良いのですけれど。
思いながら、私はソティリオス様がご実家のガヴラス大公領から取り寄せてくださったという、籠いっぱいのディリティリオ茸に目を向けました。
今は朝食の後、談話室でお茶を飲みながら会話をしていたのです。
茸は大公家からの使いがソティリオス様に運んできました。
「まあ、たくさん。肉厚で美味しそうですね。今夜はこれで具だくさんのスープを作りましょうか」
前と違って今は基本的に本宮殿の厨房で作られた食事を食べていますが、牢の中で元冒険者の母に教わったので料理は出来ます。
そう思って言った言葉に、ソティリオス様とルキウスが目を丸くしました。
私は首を傾げます。
「ディリティリオ茸は美味しいですよね? 牢に入れられる前、冬になると王宮で食べていました。ルキウスも好物なのでしょう?」
「へーえ、ディリティリオ茸って美味しいんですか?」
「ユーノは食べたことがないのかしら?」
「はい。私はディリティリオ茸の煮汁は魔道具の核になるミスリル銀に塗ったことしかありません。刻んだ術式の劣化を防ぐ保護液になるんですよ」
「そんな使い道もあるのですか」
ユーノの言葉に少し違和感を覚えます。
ディリティリオ茸は高級食材だと聞いていたのです。
でも食材としてはひとりふたりのお腹を満たすことしか出来なくても、水に溶かして利用すれば何台もの魔道具に利用出来るのかもしれませんね。感心している私を優しく見つめて、ソティリオス様が説明してくださいます。
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嬉しそうにユーノも教えてくれます。
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「ええ、まあ……劣化を防ぐというか、ユーノが刻印した術式を発動させてもミスリル銀が溶けないように出来ないかなーって思っての悪あがきのひとつだったんだけどね……」
なぜかルキウスは複雑そうな表情を浮かべ、口の中だけでなにやら呟いています。
しばらく一緒に過ごして気づきましたが、彼はとても照れ屋なようです。ユーノの称賛が気恥ずかしかったのでしょう。
それでいて魔道具のことになると饒舌になり──そんな彼をユーノはうっとりと見つめているのでした。
最近の私はふたりと、ソティリオス様やオレステス様を交えて食卓を囲んでいます。
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「ルキウス、ユーノ。パルミエリ辺境伯領へ戻ったら、そのディリティリオ茸でミネルヴァ様のお役に立ってあげてくださいね」
「「はい、お妃様」」
「ソティリオス様、ルキウスのためにディリティリオ茸を用意していただいてありがとうございました」
「妃殿下に喜んでいただけたなら幸いです」
ルキウス達は近日中にリナルディ王国への帰路に就きます。
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そうでしょうね。ただでさえ魔物蔓延る竜王国の大地は、秋になると夏に生まれた魔物が集まって大暴走を引き起こします。他国でも起こりますが、規模と頻度が違うのです。
前のときは連発する大暴走で疲れ切った竜王陛下が巨竜姿で暴走なさって──ディリティリオ茸の毒が使い方によっては役に立つように、私のこの記憶も陛下のお役に立てれば良いのですけれど。
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