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魔王の災難

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「う~んここ何処?なんか凄く嫌な夢を見てた気がする」

「穂花大丈夫か?」

 優斗が穂花を支えて起こしてやる。
爆発の後遺症はなさそうだ。

「ん?何が……私こんな所で寝ていたの」

「あっ!」

 優斗が驚きの声を上げてた穂花に被せていたタオルがずり落ちたのだ。

「なに?」

 穂花は自分の胸元を見た。
胸の所だけ丸く綺麗に穴が開いて全てを曝け出して居た。

「ぎゃぁーーーー!!この変態!!」

バキッ!

 優斗の顎に穂花の渾身のフックが炸裂!脳を揺らされた優斗は白目を剥き仰向けに倒れ込んだ。

 穂花は優斗に馬乗りになり制裁を加える右、左、と容赦のない拳が優斗の顔面を殴り続ける。

 鼻は潰れ歯が折れ両頬が真っ赤に腫れあがった。穂花は殴れば記憶が飛ぶと信じていたのだ。

「穂花もう優斗を許してやれよとっくに気を失っているから……」

「あん?」

「いえ何でもありません」

穂花こぇー!と健吾と正憲は思った。



「結局あの男に見逃されたのか?
目的は何なんだ」

「ただボコリに来ただけとか……
そうだありがとな穂花回復させて貰って全快したよ玉も無事復帰した」

「あ、俺もありがとう」

正憲と健吾が頭を下げて礼を言った。

「え、なんの事私知らないよ」

「へ?」

 その後気絶しているヘルペスを回収してこの場を離れる隣国まで逃げ切ればコチラの勝ちだ。




「あ~オモロかった。魔王ちゃんヒマリが帰って来いって言ってマ~ス」

 魔王ちゃんの所に行くと団長が白目を剥いていた。何でも団長犬が苦手で追いかけ回された挙げ句木に登ったそうだ。

 一抱えもある木にしがみ付き登ったが枝が上の方にありそこまで登れなかった。少し登って少しズリ落ちる見ていて楽しかったと魔王ちゃん。

 手も足も出ない団長の上から人の拳ほどの蜘蛛を沢山召喚して木の上から団長に向かわせたら団長阿鼻叫喚に陥り叫び捲っていたと……

 全身蜘蛛に取り憑かれあらゆる服の隙間から潜り込んで齧られたそうだ。
そして地面に落下気絶となった様だ。
哀れな男だ。


「あれ?城ってどっち?……そんな時はコレがありマ~ス!」

 グレ子は空間からスマホを取り出しこう叫んだ。

「ヘイ!ロロ!城の場所を教えて!」

「え~アプリに転移スポット一覧が載っているでしょう自分で見てよ」

「……」

 グレ子は魔王ちゃんと手を繋ぎ城へ転移した。



 王城前に転移すると多くの人達が集まっていた。騒つく人々それぞれが城の上を指差している。

「なっ!」

「何じゃ!!アレは!!」

 グレ子は唖然としジベルリアルは驚愕していた。

「帝国軍の宇宙戦艦なぜこんな異界の地に現れるなんて私を追ってきた?
まさか私にそんな価値はないわ
あの糞王子の差金……あり得ないあの能無しボンクラが……」

「ま、魔王が降りて来た!」

 魔王はアンタやん!って突っ込みも入らない程にマシャリーグラドグラトマドアノーラジェンファンの心は揺れていた。

「あ、お帰り行くよ」

「あっ!瑞穂!アレは帝国軍の宇宙戦艦逃げないと不味いよ!」

「あれ、あれはうちの船だよロロが作ったんだよ」

「へっ?」





「えっ?何コレ?何?凄い凄いグレ子さんここ凄いよ!」

 興奮気味でグレ子の背中に隠れながらキョロキョロしている魔王ちゃんしっかりとグレ子のローブの端を掴んだ手を離さない。

「うっひょー!バインバインの綺麗なお姉さんがいっぱいいるー!」

「ジベ子こっちへ直ぐに貴方の呪いを解きますよ。元のバインバインのお姉さんに戻すからね」

「瑞穂!魔王ちゃんをお願いしてマ~ス」

「へ?ワシをバインバインに……」

 急にキョドリ出した魔王ちゃん顔面から滝の様な汗が流れ落ちてくる。

「体と魂をこねくり回すからメチャクチャ痛いけど元の身体に戻るから我慢できるよね其処のソファに横になって」

 ワチャワチャと動く瑞穂の両手の光が増していく。そして歪んだ笑顔でジベルリアルに近づいていく瑞穂。
ジベルリアルも恐怖で顔が歪んでいた。

「わ、わ、悪かったのじゃー!少し見栄を張っただけじゃー!
許してくれー!
御免なさい!御免なさい!御免なさい!」

 必死になって土下座をし許しをこう魔王ジベルリアル。

「ぷっ!冗談よ呪いも掛けられていないし歳も十二歳よね」

「な!なぜそれを……」

 見れば分かるわと片手をヒラヒラさせる瑞穂はニヤついている。

「あ!この子ね十二歳の魔王ちゃんって」

 美海、唯、プーリアの三人が興味ぶかげに寄って来た。

「こんにちは私美海よろしくね」

「唯だよ」

「プーリア」

「ワシは魔王ジベルリアル アーバンサイドじゃ良しなにじゃ」

「のじゃロリだわ!てっきり廃れたと思っていたけど現実にいたのね!
凄い凄い凄い!
あ、私知っているよ魔王ちゃんのツノ作り物でカチューシャになっているんでしょう?ほら」

ポキ!

「えっ?」

「あ~あ美海魔王ちゃんのツノ折った」

「ハハハ、ツノのカチューシャはアニメの中の話デ~スよ美海。
私ファンデ~ス」

「だ、大丈夫よ私瞬間接着剤持ってるから」

 慌てて亜空間から接着剤を取り出しツノを付けるが焦っていた為とんでもない向きで付けてしまった。
皆の視線が痛くなって来た美海。

 あっ?まだ大丈夫よと付け直そうとツノを又へし折ろうとする美海。

「痛い痛い痛い!もう辞めてくれ!」

「言い忘れて居ましたわその子ヒマリの妹デ~ス」

「えっ?」

「大丈夫ですよ魔王ちゃんその子ヒマリみたく残虐でも鬼畜でもありませ~んから安心して下サ~イ」

「ひぇ~申し訳ございません!!」

お姉ちゃん魔王ちゃんに何したの?










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