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遊覧船

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「お兄ちゃん大丈夫かな?」

「うん、駄目だろうね」

「えーそんなぁ、ヒマリ心配だよ」

「瑞穂そんなに心配なら見てみるか?」

「亜希子!」

「ドローンを飛ばして配信しているのだよ勿論レオナの許可は取っている」

「あのレオナがよく許可したわね」

「フェラチオのアイドル活動を少し減らしてやったんだ快諾だよ……他は増やすけどね」

「鬼!鬼畜!」

「鬼畜はヒマリだろう」

「ムキーー!」

「てかフェラの正式名フェラチオだったのね良く名付けたわね」

「インパクトが有るだろうあの三人だぞ」

「確かに……」

「あそこにお姉ちゃんと瑞穂姉ちゃんが居るよ」

「美海ちゃん見たら駄目!絡まれるよ!」

「裕子、私達をどう見てんだよ」

「チンピラ?」

「「な訳あるかーー!!」」

「ああ、大っきな声出すから見つかったわコッチに向かって来るよ」

 ヒマリとヒマリ、瑞穂と瑞穂が対面して数秒見つめ合った。

「お姉ちゃん達何しているの」

美海は裕子に疑問を聞いた。

「情報交換よいつでもお気軽に出来るけど
普段は繋がりを切っているのよ。
その方がサプライズがあるでしょう」

「ああ、お姉ちゃん達最近頭可笑しいからサプライズも凄いんでしょうね」

「そだね……」

 美海も進化したんだと妹の頭を撫ぜる
悪役令嬢のヒマリ。

 すげ~ドリルヘアー目付き悪いから良く似合ってるよお姉ちゃん!

 空気の読める美海は決して口に出さないのだ。

「それでは時間に成りましたので遊覧飛行に出発しますので乗船して下さい」

 赤い忍び装束のササラ三歳が乗客に案内をする小太刀を背中に斜め掛け姿がとても可愛いのだ前方にあるイミテーションの操縦席にササラ、マイ、リリスが仲良く三人が座る。

「う~!いつ見てもあの子たち可愛いわ!私絶対に三子を産むわ!」

「あ~!頑張れやヒマリ」

興味なくポテチの袋を開ける瑞穂。

 それぞれの家の親達は異界のヒマリや瑞穂を見て目を見開いている。
そしてコソコソと自分の娘に耳ウチしているのだ。

 勿論水島家と相川家の世帯主はいない只今愛し合っている最中なのだから。

 それは異界側のトトリ達も同じでかなこに聞いている、時たまコッチを向いて驚いているがかなこは何を話しているんだろう?

「タコ坊主発進!」

 マイの宣言で動き出す潜水艦改静かに海に沈んで行くと船外に照明が灯された。

「おお!此処の海は綺麗だ良く見える」

「魚も豊富だし海洋生物も沢山いるよ」

「船長!イルカの群れが接近してきます」

「ドルフィン達かまた追い回してやる我らが最速である事を思い知らせてやる!
行くぞ!」

 黄色い忍び装束のマイの指示が飛ぶと
赤装束のササラと黒装束のリリスが了解する。イルカ達の後ろに回り込むと物凄いスピードで追いかけ始める。

「そろそろだな、マジハンであいつらに思い知らせろ!」

「了解!」

ピー!ピーーー!!ピー!

 イルカ達が悶え苦しみ出したのだマジハンがイルカ達の弱い所やお尻をいじくり回しているのだ。

 行かされたイルカはまた一頭と脱落していった。

 最後のイルカが捕まりマジハンの餌食になった。ボスらしきイルカの尾の付け根辺りから白い液見たいのが噴出され
力尽きて浮かび上がっていった。

「フアハハハまた我々の勝利だ」

「艦長私達は無敗の戦士ですね」

 満面の笑みでササラが言うがアンタら忍者でしょうとヒマリが突っ込んだ。

「飽きたから上空へ行く!」

「急速上昇!」

「了解!」

 すると艦橋に軽快な管楽器のBGMが流れ始めた。

 亜希子と裕子の父親が騒ぎ出したのだ
ついでに他の観光客の皆さんも特に日本贔屓な外国の方達が……

ザッパーーーン!!

うおーー!!

 空中に飛び出した潜水艦、南国の熱い日差しに水飛沫がキラキラ輝いている
テンションマックスの連中が肩を組み合い大合唱をする。

「さらば~……宇宙よ~……旅立つ~……」

 遊覧船は一気に一万メートル上空のさらに上を飛行している。

「すげ~!空が碧くなっている」

ビー!ビーー!ビーー!

えっ?館内に緊張が走る。

「所属不明の戦闘機二機が近づいてきます!映像を出します!」

 サポートは全てロロがやっているのだ
だから安心なのだ。

「あっ、レッドファイヤーのおじさん達だ。また遊んでくれるのね」

相手の戦闘機から無線が入る。

「嬢ちゃん達今日こそは俺達が勝つ!
ガァハハハ!」

「勝てるといいねおじさん。並んであげるおじさん達が先で良いよ」

「ふん、ボリスフルスロットルだ!」

「おうよレンドル!行くぜ!」

 キーーン!エンジンが唸るアフターバーナーが燃える

「おー流石に戦闘機だはえーな」

「んだなぁ」

「マイちゃん行きますわよ!」

「ウキーー!!」

「マ、マイちゃん」

「糞羽虫が潰してやる」

「ママイちゃんが壊れたーー!!!」

ドゴッン!!!

 物凄い衝撃の後の超加速!あっという間に戦闘機を追い越してそのまま宇宙空間に飛び出した。

「ウヒョイ!宇宙だべさ!」

「星が綺麗ね」

「マイちゃん宇宙ステーション見つけたわ挨拶に寄りますわよ」

「ラジャ!」



「キャプテン!真正面から何が突っ込んで来ます!」

「何だと全員回避行動を取れ!」

「了解!」

「キャプテンいつもの遊覧潜水艦です!」

「悪魔っ子か!」

「いえ!今は忍者っ子です!」

 キャプテンボブはジト目で報告したアンディを見た。

アンディは目を逸らした。 

「後二十秒で接触!」

「潜水艦コース変更!相変わらず物理法則を無視の動きです!」

はぁ~キャプテンボブは溜息をついた。

「全乗組員に告ぐ遊覧船が接近している
笑顔で手を振ってあげるのだ」

「来たぞ!」

 遊覧船は宇宙ステーションとの間一メートルに固定指名並走している。

「何だ!この操縦技術あの忍者っ子がやってんのか!」

「キャプテンアレを見て下さい」

「ん?あっ!ママ!」

 遊覧船の窓からキャプテンボブの母親が手を振っていたのだ。

その時地上からの無線が入った。

「諸君驚いてくれたかな我々宇宙機構からのささやかなサプライズだ君達の活躍に感謝している。そこで細やかだが君達の家族を遊覧船に招待したのだ。
恥ずかしながら宇宙開発携わっている我々が外部に頼むのは苦渋の選択だったが街中のバスに乗るような手軽さで宇宙空間まで行けるのは彼女達の国しか無いのは分かっていた。が今回は一人一泊一千万円で格安で実現するのだ思わず応募してしまったのだ悔しいが仕方がないだろう」

「ですよね長官分かります。でも
ありがとうございます!」

「「「イエッサー!」」」

全員が敬礼をした。



「あのおじさんのお母様ですの?」

 ササラはボブの母親の膝の上に座り一緒に手を振っている。



「あっ!父ちゃんと母ちゃんだ!」

 彼は難しい軌道計算を難なく熟す天才クルーだ田舎の出身だ。

アニア!頑張れ家族の誇りよ!

 スケッチブックにマジックで大きく書いてか掛けている。

「あっ?ママ……アニアの瞳から涙が溢れ出るママ私やり遂げるわ!」

母親に向かって一生懸命手を振るアニア
は一年ぶりの再会だ。

「パパ、ママ、僕モット頑張るよ!」

「お母様にこんな宇宙空間で会えるなんて神様にお礼しなくちゃ!」

 最後にキャプテンボブの母親モンゴベリーの掲げたスケッチブックをみて宇宙ステーションの乗組員全員が唖然とした。

これから月にいってくる!

「「「なんですとーーー!!!」」」






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