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勇者再び

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「ぷぷぷ、ヒマリさんオデコ全開でカワイイですわ。写メよ写メを撮っておくわ!」

 ポケットからスマホを取り出して連写で撮影するトトリ。連写いらねーよな。

「だな、二度と見られないかもな、こんなヒマリはタミネのようだ」

「タミネの方がもっと色気がありますよ」

 メメスの言葉に目を見開く瑞穂
ひのきクラブに入るとここ迄変貌するのか少し恐怖を覚えた。

「しかしヒマリお前顔が怖いぞ少し微笑んでみろ」

 すると少しずつ口角が上がり始めた
ヒマリを停止させた。

「ひぇー!不気味です瑞穂さん」

「よけい恐ろしさが増しています!
一人でトイレに行けません!
もう一人で寝れません!」

 ラーチよお姉ちゃんキャラが崩壊しているぞ。


 ガチャン!食器が割れる音がして怒鳴り合う声が聞こえてきた。

「離して下さい!何をするんですか!」

「未来の王であり勇者である俺様に反抗的な態度をとるなど万死にまさる事!
俺様直々に拷問をして処刑してやろうぞ」

隣の男性が立ち上がり彼女を庇う。

「お前直ぐに彼女から手を離せ!頭が可笑しいのか!」

「無礼な!汚い手で俺様に触れるな!」

ゴッ!

 勇者は止めに入った男性を殴り飛ばしたのだ。

 殴られた男性は床を転がり滑り気を失ったのだ。

「きゃーー!」

女性の悲鳴が上がった。

何事だ!警備の騎士達が動き出す。

 この騎士は駆逐艦の水兵達であり雰囲気を出す為に強化プラスチック製の鎧を身に纏いアサルトライフルに銃剣を装着していて左肩にストラップを介して肩に掛けている勿論右腰にはホルダーに入った拳銃もある。

ただ、いち早く動いた者がいた。

 自分より頭一つ背の高い男の金髪の髪を後ろから鷲掴みにした女性。

「ぐっ!貴様!俺様に何をする不敬で斬り捨てるぞ!」

「山猿よ人間の言葉は理解出来ないか?
出来ないから騒いでるんだろ」

「なっ!お前はあの時の!」

 もう遅かった何を言っても遅かった。
気がついたら俺様の足が天井に向いていた髪を掴んだまま持ち上げられたのだ
片手でなんという馬鹿力だ勇者である俺様でも出来ない!

「あっ?」

ビッターン!

「グェッ!」

ビッターン!

「ゴッゲ!」

ビッターン!

「グッヒッ!」

 俺様は此奴に床に何回も叩き付けられたのだ。

 ガッハ!手足はおろか内臓までいっている全身に恐ろしい迄の激痛が走り続けている。

 メメスは近くに立っている三人の女を見つけたあの時一緒にいた勇者パーティのメンバーだ。

「おい、並べ」

「は、はい」

「約束だグーパンで殴る」

「ま、待って下さい!我々は……」

「いくぞ歯を食いしばれ!」

ドゴッ!

「ギャッ!」

ドゴッ!

「グェッ!」

ドゴッ!

「ガッ!」

 鼻を潰され前歯を折られた衝撃で口が大きく切れていた。

 彼女達がすっ飛ば無かったのは他のテーブルの飛び込んで大惨事にしない為だ
彼女達の直ぐ後ろに結界を張ったのだ
その代わりにダメージが半端なく伝わった事だ。

「はあ、勇者と王子はクズしか居ないとかはラノベの世界だけだと思っていたが現実でもそうなんだ嫌な世界だな」

 大丈夫ですか?メメスは殴られた男性を介抱するヒールを掛け血や汚れを魔法でキレイにした。

「後は我々がやりますので」

「介入が遅くないですか?」

「申し訳ございません!瑞穂殿に止められました」

 へ?振り返ると皆んなニヤついて小さく手を振っている。

「ヒマリさんキモい!」

 溜息をつきながらメメスは凶悪なトーキックで床に転がっていた四人を蹴り飛ばした。

 勢い良く入り口に飛んで行く勇者パーティ面々、するとスゥーとドアが開き次々とドアが開いて行き最後には多目的ホール前の広場に転がり落ちた。

「キャー!人が飛んで来たわ!」

「うわーなんだよ!血だらけじゃ無いか」

「助けなきゃ!」

「おい!チョット待てコイツら勇者パーティだぞ!」

「何だって!本当か!」

「ああ、間違いない」

「俺、勇者様に会えてとても嬉しいです」

ドガッ!ドガッ!ドゴッ!

「ウガッ!」

勇者の顔面を踏み付け蹴り飛ばす男。

「お前だよなまだ十二歳の妹を連れ去りレイプしたのは」

「ガッ」

 男はブーツの踵で勇者の口を力の限り踏み付けた前歯が全て折られ踵を捻じ込まれて口の中を何回もグリグリされていて苦痛を与えている。

「おーい皆んな勇者パーティがボロボロになっているぞ!早く来ないと死んでしまうぞ!」

「何か都合よく街燈の下に角材が積んであったから持って来た」

「おお、悪いな一本分けてくれ」

「此処に置いておくわ」

バン!バン!バン!バン!バン!バン!
ドガ!ドガ!ドガ!ドガ!ドガ!ドガ!

男達によって角材で滅多打ちに合う勇者

「あ!止めろ!俺様は王子グゲッ!」

「あ?クズが俺の彼女に難癖つけて好き勝手にしやがって精神がやられて部屋から出れなくなった。だからお前に苦痛を与えてやるんだよ!」

 一人の男は勇者の折れた足を持ち上げ片足で押さえて足の裏をしっかりと掴み左右にグイグイと捻り続けると手応えが無くなり足がプランプランとなっていた。また次の足を持ち上げる。

 声にならない悲鳴をあげる勇者
だが、まだまだ終わらないのだ。

「お前達勇者のパーティメンバーだよなよく覚えている妻と公園を散歩中にお前らに襲われたんだよなお前らは俺を押さえ付け俺の妻は勇者に犯された。
そのショックで折角授かった子供が流れてしまったんだよ!」

「申し訳ございません我々はガッハ!」

 男に脇を力いっぱい蹴られた。骨が折られたようで激痛に声が出て来ない。

「俺はこの女達に復讐する恨みのある者は手を貸してくれ!大勢の女性の前ではやりずらい場所を変える本当は勇者を殺したいけどあんなに集まったら俺の入る余地も無い悔しいけどアイツらにまかす」

「おう、俺も行くぜコイツらにははらわたが煮えくり返っているからな!」

「俺もだ、最高に痛めつけてやる」

「ゆ許してくださいお願いします。
何でもしますのでお願いです」

「はあ、何を言っているお前たちも何回もその言葉を聞いているだろう
それでどうした?
あと何人も行方不明になっているのだが
答えたら命だけは考えてもいいぞ」

「それは……」

「分かったもういい」

「辞めてください!離して下さい!」

 男達に囲まれて髪の毛を鷲掴みにされ
人通りの少ない道に消えて行った。


「おうコイツが勇者か?盗賊の頭の間違いではないかのか」

「ゲンさん!またお酒を……」

 ゲンと言う名の男が勇者の前に立ち尽くすと徐ろに語りだした。

「なあ、お前が犯した俺の嫁は新婚二日目だった仕事から帰ったら嫁は首を括っていた遺書を残してなそれを持つて衛兵の所に行ったが取り合ってもくれなかった後から聞いたが勇者が領主に金を払っていたそうだ問題行動の領主は全て処理されていた筈なのに何もしない領主は残されていたんだよ」

 潰れたトマトのような顔で辛うじて見えるような片目でコチラを見た。

「まだ生きているのか?
何故生きている?お前が生きている所為で何人もの人が苦しんでいる
お前が生きているだけで
人々が苦しんでいるんだぞ!」

「わるかつた……たからちりようしろ」

「何も分かっていないなお前は生きていては駄目な人間なんだよ」

 ゲンさんは酒瓶の蓋を開け勇者にふりかけるアルコールの濃度が高い酒だ。

「なちをしる」

「こうするのさ火種!」

 ゲンさんの指先から小さな火が飛んだ
火種が勇者に燃え移り出した。

「悪い角材貸してくれ」

「おう!」

「糞勇者!お前が生きていた所為で
リィが死んだんだ!」

 ゲンさんが勇者を滅多打ちにする
涙を流しながらこんな事をしても愛するリィが帰ってくる事は無いのを承知だ
けど何かしないと心が壊れそうだった。

「あ、あぁ、ぁぁ」

 炎が広がり声も聞こえて来なくなった角材を勇者に向かって放り込む皆んなも持っている角材を放り込んだ。
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