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人質のヒルナ

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「それじゃ私達はコッチだからまた明日ね」

「ぶぁいぶぁい!明日ね~!」

 瑞穂達とラーチ達が交差点でお互い手を振りながら別れた。

「おい!誰か一人でもいいから拉致って来い人質がいればアイツらも逆らえないだろう。行け!」

ラーチ達の後をつけるクズ男の二人。

「セコ、学園の女学生なんて久しぶりだよな想像するだけで出そうになるぜ」

 見るだけで分かる浮浪者のような男達だった。

「ああ、あのケツ堪らん後ろからぶち込んでひーひー泣かせたいぜケチブ
お、一人別れたぞいくぞ!」

 大通りから外れて住宅街に入る手前で男二人に声を掛けられた。

「お嬢様一人?僕達と遊ばない退屈させないよ」

「お嬢様美人だね俺と結婚しようぜ
絶対幸せにするからよ!へへへ」

 薄気味悪くニヤつく顔で決して真面と思えない男達、着いて行けば一生後悔する即時に判断して隙を見て走り出した。

「おっと!」

 一人の男は素早く私の前に立ち塞がったもう一人の男は私の腕を掴み肩を組みその手で私の口を塞いだ。

「ウグッ!」

「お嬢ちゃん顔まで傷もんになったら娼館でも雇って貰えないぞ!
俺なら気にしないでお前を抱けるけどな」

 ドスのようなナイフでヒルナの顔をペタペタ押し付けるセコついでにヒルナの身体を弄る。

「ふー我慢出来ないぜ!路地に引き込みやっちまうか?」

「馬鹿兄貴達に殺されるぞ!」

 冗談だよ!冗談!ヒルナは大粒の涙を流しながら嗚咽を洩らす。

自分の人生が終わった事を理解した。



「お嬢さん達俺達と遊ぼうよ!」

 瑞穂の目がヒマリ並みに厳しくなって睨みつけている。

 ひぇー瑞穂さん怒っている!
流石に気づくよねヒルナさんの事は絶対名前まで覚えていないはず
全くヒマリさんと同じだ。

「アンタ達その子を何だったけ兎に角離しな痛い目に遭いたくなければ!」

 やっぱり名前覚えて無いじゃん!
かなこは一人無言で突っ込んだ。

「メメスだっかお前コッチ来い!
出ないと分かるよなこの女に左頬にカッコイイ十字の刀傷が残るんだぜ」

 えっカッコイイわメチャ強い剣士だよね!明治の剣客だよね談話室の漫画全巻読破した私は全て論破できるわ!

 意味不明の自信にかなこの身体が微かに光出す。

「分かりました。その代わりヒルナさんを解放して下さい!」

「メメス!ありがとう今迄貴方を下に見ていた自分が情けないわ!
でも結構よ貴族の末端であっても私は貴族!民を守るのが貴族の勤め私はメメスを命にかえて守る!」

「ヒルナさん!」

 メメスは感動の余り大粒の涙を流しながら決意する。

「糞は皆殺しだー!!」

「メメスそれはダメよ!」

「貴様達どこから現れた!」

 ヒマリと雌犬ロゴが胸に大きく入った白のTシャツブルーのスリムジーンズを履き動き易いサンダルそしてオーリ定番の白いローブを羽織ったドリルヘアー

「悪役令嬢のトトリ様だ!」

「誰が悪役令嬢や!!」

 ビシッと突っ込みを入れる律儀なトトリだった。

「私は猛烈に感動している皆で行こうじゃないか!」

「トトリは話が分かるね」

 キラッキラッ眼を輝かせているヒマリ
イベントの匂いを嗅ぎ分けたのだろう
瑞穂達もすぐに気がついた。

「分かったわ案内して」

 渋々納得する瑞穂だか内心ではワクワクしているイベント来たーー!!だ

 ゴミクズ達は理解出来ないまま女達を連れて行く。

「兄貴、なんかおかしくないか?何の抵抗も無く着いて来るんだぞ。学園の女学生ならこの様な事態の対処方法など教えている筈だろ」

この男の言う事は正しい学園では対処方法などしっかりと教え込んでいるのだ。

「それな、取り合えずあの方の命令だ従うしか無いだろう俺だって可笑しいと思っているさ」

「トトリ凄く垢抜けたねカッコイイよ」

 
瑞穂が褒める感性が自分と同じと感じたのだ。

「そうですか?」

「トトリはねさっき迄カボチャパンツをはいていたのよ」

「な、何でここで言うのかしら……」

「まあ、ヒマリだから仕方が無いよ」

「えー!酷いよ瑞穂!」

「うっせーよ!」

「ひゃー瑞穂女の子の日だー!」

「ムキー!!」

「あっ!始まった」

「ほっとけばいいと思います!」

「流石委員長!



大きな屋敷の前迄来た一行。

「ここは!」

「知っているのトトリ」

「実は私の婚約者の家ですゴブリ伯爵家であります」

「へー伯爵家ね楽しそうじゃない!」

「えっ?」

「いいから良いか行きましょう」

 一行は屋敷に入らず横の小屋から地下室に向かった。


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