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呪いの指輪

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 僕、鷲岡信弥はある商社のある部署の係長だ。アラフィフの僕は所謂万年係長と言ったところか。
 
 先日五年前に寿退社した立花夕実が名前を変えてこの職場に帰ってきた更に魅力的になってこの時の僕は歓喜に震えたのだ。

 彼女が新入社員で入った時の教育係が僕だったのだ。僕は親身になって彼女に色々と教え込んだ。

 対して必要も無い泊まりがけの研修などもよくやっていた。今考えると新人の女子社員と男の上司が二人きりで泊まり掛けの研修よく行かせたなと思う。

 上層部のジジィどももこの手を使って愉しんでいたのが良く分かる。腐っていやがる。

 夕実には初めての研修で躾けてやった
な~に簡単な事だ名ばかりの研修でずーと緊張していたのだその後は居酒屋で緊張がほぐれた時に色んな物を飲ましてやって、そして僕の部屋に連れ込むのだ。
朝迄教え込んだら僕に対し従順になっただからセフレにしてあげたのさ。

 それが五年前迄の話だ。

 そして僕は確信したのだ。

 デカチンシンドロームは実在する。
ある一定以上の快楽を与えてやれば身体が覚えてしまう。欲する身体を未熟な精神力では抑えきれないのだ。寝取られる女なんて所詮はそんなもんなんだ。




 鷹下夕実の夫である僕良平は巷で評判の占いの館に来ていた。

 「呪いの指輪が欲しいんです!」

 「ウチには呪いの指輪など置いて居ません!」

 ハッキリ言う巫女装束の占い師。

 「でも、ネット検索上位独占で数万件も書き込まれていますよ!」

 自分のスマホをヒマリに見せつけてくる良平。

 「ロロ削除」

 え?聞き取れなかった良平はスマホの画面を見て唖然とした呪いの指輪関連が一つも無いのだ一瞬でゼロになった?

 「では誓いの指輪ですね。アンリ誓いの指輪の素晴らしさをこの方にお伝えして下さい」

 「はい、まずは都内に住む25歳ミーちゃんさん女性の方からのお手紙です」

 「私は今まで何をやっても上手く行きませんでした。進学の時も就職の時も駄目で家族との関係も破綻していました。
まして恋愛など異性からは見向きもされていませんでしたから、コレからの人生を考えるとさっさと終わらせた方がいいと思う様になりました。

 その時この誓いの指輪の事を知ったのです私は最後の最後に指輪に全てを賭ける決心をしました。キャシングをして指輪を購入しました勿論の事愛するペアリングです。それから私の人生は百八十度かわりました。毎回スクラッチでは十万以上当たりジャンボ宝くじでは一年間に三本の一等とその前後賞も当たりました。流石に三回目には銀行側と揉めましたがしっかりと賞金は頂いています。

 仕事の事も超有名企業からのヘッドハンティングでいきなり課長職からの勤務になりました全てはこの誓いの指輪のお陰です。

 私は部下の超イケメン好青年にペアリングを渡して恋人同士になりました。
流石、感度五倍。彼とのエッチは朝まで何回もイカされ続け彼も早漏気味ですが全く衰えないのです。私は幸せです。

 この様な素晴らしい誓いの指輪を授けて頂き誠に有難う御座います。
これからも指輪に負けない様に幸せになっていきます」

 「うっ、うっ、なんとも素敵な指輪の体験でしょう涙が止まりませんわ」

 アンリがハンカチで涙を拭う。

 ウッソ、クセェー!

 皆んながそう思った。詐欺広告か!


 「それでは浮気防止の為ね他に何かある?」

 「それでは指輪を外せるのは僕だけにして下さい」

 「分かったわ指輪は通常の機能だけで指輪を外すのは貴方だけね感度五倍も要らないのね」

 「はい、それでお願いします僕のも入れて二個です」

 「入金確認後すぐに渡せるわ。デザインなんかどうします?」

 「えっ?デザイン……」

 コレから選んで下さいとヒマリからタブレットを渡されるが何でこんなにあんだよー!

 叫びたい気持ちの良平だった。

 「入金確認しました」

 テーブルの下からリングケース二つを取り出して良平に渡す。

 「ふう、デザインを決めるのが一番大変だったよ」

 「うふふ、そうでしょう全てJKの手作りよあの子達は作りながら新しい物を取り込んでいく感性の生き物よ」

 アンタもだろう、とは口に出せない良平だった。

 「お買い上げありがとうございます。
またのご来店お待ちしております」

 「あ、どうもありがとう」

 「上手く行くといいですね」

 そのめっちゃ美しい笑顔を見て良平は全て見透かされていると思った。


 「ふう、あの広告文書いたの誰?」

 「あれですか?吉奈ですよ土下座スタイルバック二本突きのところは全てカットしましたけどね」

 「吉奈か、土下座スタイルバック二本突きにハマっているもんね。いやハメられているのか?がっははは!」

 姉貴最近オヤジ化してねぇか?

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