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クーデター

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 「おはよ!」

 「ヒマリおはようございます」

 シエルとタニラは自分で用意した席に座っていた制服では無く普段着だ。

 今日はなんか教室が騒めいている。

 「なんかあった?」

 「転校生が来るんだって」

 「へー」

 「本当アンタって興味ないよね」

 呆れた眼でヒマリを見る瑞穂達。

 担任の先生が教壇の前に立ち連絡事項を伝え周りを見た。そしてニヤっと口角を上げる。

 「女子喜べイケメンが来たぞ!」

 「きゃーー!待ってましたー!!」

 教室中が歓喜に揺れるだが女子限定にかぎる。

 「いいぞ入ってくれ」

 「はい!失礼します!」

 ほう、高身長で浅黒く爽やか系か
イケメンの部類に入るのか?

 「お、あの子親睦会でヒマリにボコられた奴だよ」

 裕子が教えてくれた。

 「えっ、そうなん?」

 「アンタ顔も踏んづけていたっしょ」

 「えっ、そうだったけ?」

 呆れる亜希子はやっぱりヒマリはヒマリだと感じていた。

 「皆さん初めまして◯◯付属高校からやって来た高城誉と言います。なぜ転校したのかは、水島ヒマリさんとの勝負に勝ち結婚を前提にお付き合いするためです。」

えっ!えーーー?!

全員が驚愕の顔だ一部除く。


 「あ~ゴメンネ、親睦会でボロクソに踏み付けた高城踏まれ君だよね何となく覚えているかも……」

 「踏まれでは無くホマレですよ水島さん」

 ぐぬぬと額に青スジを立てている高城!全世界中に余計な事をして無様な姿を晒して超有名人になってしまった。

 このままでは俺の輝かしい未来が消えてしまう。そこで俺は閃いたのだ天才的
閃きだ水島との勝負に勝ち俺の女にして仕舞えばいいのだ見た目もいいしな。

 それにキレイなエルフのお姉さんや
ケモ耳のお姉さんとお友達になれるのだ。願ったりかなったりなのだ。
グェフフフ

 「高城、後ろの空いている席に座ってくれ」

 教師が催促してHRが終わる。

 「踏まれ君、もしかして私に勝てばお付き合いが出来るってアンタが言いふらしたの?」

 「踏まれじゃなくホマレです!言いふらしては居ない!」

 「でも、あっちこっちで宣言したんでしょう?」

 「それは……」

 「おまえかー!!」

 急にキレ出すヒマリは本当に怖い。

 「お前が元凶か?だからサイクリング部や写真部が勝負を吹っ掛けてきたのか!」

 「痛い、痛い、痛い、ごめんなさい!
俺の負けでいいです!踏まないで下さい!」

 「ああっ!」

 ヒマリの圧が強くなる。

 「ひぇ!すみません!すみません!
僕の完敗ですもう絡みませんから
許して下さい!」

 静かに一限目の授業が始まった。

 その日一日中高城の目に光はなかった。

 「ヒマリ姉ちゃん誰か誘ってダンジョンに行ってくるわ」

 「あらそう、授業中退屈だもねそれに変な絡みもなくなるしね」

 じゃ私も行くわとタニラも手を挙げる。

 「私、剣一本でダンジョンを制覇してみたかったんだ。マキナもやろうよ!」

 「うん!面白そうだ!」

 マキナもやる気だ。場所などはロロに決めて貰えは一石二鳥間違いなし!



 ローベル王国、王女ケイト
 
 エルフ王国グラナシア、女王ミランド

 ダークエルフ王国カベルネ、女王カラドナ

 魔王国、現魔王リベルナ

 各国国家元首とロロを連れて国会本会議場に向かう洋一。各社マスコミやテレビクルーも引き連れている。

 質疑の真っ最中でテレビ中継もされている。そのど真ん中に突然洋一達が現れたから騒ぎは相当なもんだろう。

 「イヤーこんにちは僕達です」

 「なっ!ここは国の大事を決める神聖な場だ失礼極まり無いぞ!」

 「まあまあ、税金で使った金の明細を十年後に公開する議論で遊んでいるのに経費に年間数千億も掛けるなんて馬鹿の集まりですか?」

 「クソ異世界人が無礼だぞ!」

 「我々の権力でお前たちを潰してやるからな!覚えておけ!」

 「小汚ねぇ亜人が此処からでていけ!」

 ブチ切れた与野党のモブ議員から野次の集中砲火を浴びるが屁にも感じない。

 「皆さん見てますか~!まず害虫を駆除しますのでチャンネルはそのままで!」

 「ロロ両手を縛り上げ吊そうアウトの奴だけね」

 「分かったわお兄さん罪を断罪して股間を焼くのね」

 楽しそうに答えるロロにうんうんと頷くお姉様達も楽しそうで良かった。

 お待たせしました。とテレビカメラに手を振る洋一満面の笑顔だ。

 「今吊るされているのがこの国の法律で確実に有罪に出来る者達です」

 カメラがターンして全体を映し出す。

 「酷いですね半分以上ですね多すぎるので後からSNSで晒しますのでお楽しみにして下さいね」

 「警備は何をしている!!」

 「奴らを取り押さえろ!!」

 「国家反逆だ!!」

 「銃火器の使用を許可する!!」

 「ああ、警備の方はお疲れな様でお休みになられていますよ」

 カメラ目線を外さない洋一だ。



 「ヒマリ!洋一さん達、国会ジャックしているよ」

 亜希子達がニヤニヤしながら教えてくれた。教室中がスマホを取り出して経過を気にしている。授業どころでは無い
国家の一大事なのだから。

 「とうとう始まったのねクーデター」

 ボソリと一人ごちるヒマリ。

 彼女も楽しそうだ。



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