152 / 349
オーリ王国建国作業
しおりを挟む チャットが切れた途端、シュンの気持ちも切り替わった。
いつもはチップやアヤネに進行を任せ、自分は陰ながらそれを支えることを選択している。先頭に立って人を引っ張るよりも、そういう役割が好きだからだ。
なので、回避盾をメインに役割を請け負っているが、中衛職の支援プレイヤーという意識の方が合っているのかもしれない。
しかし、今はひとりぼっちである。
支援するべき相手がいない以上、ひとりで解決していかなければならない。
「チャットがつながってたら、『誰が一番早く出られるか競争な!』って、絶対チップが言い出してるよな。今回だったら、ユキチちゃんの方が先かな?」
近くにいないパーティメンバー達の顔を思い出し、クスリと笑みを浮かべる。
シュンが最初に行ったことは、ザッと部屋全体を見回すこと。そして、すぐに行動に移る。
「ま、最初は、これ見よがしに置いてあるコレからだろうね」
自分が立っていた正面には部屋の出口が、そして、背後には机が置かれていた。
机の上には小さな宝箱が置かれ、ダイヤル式のカギがかけられており、宝箱の近くには大きめの封筒も置かれている。
シュンは封筒を手に取ると、中を確認する。
「えーと? クロスワードパズルと指令書が3枚、宝箱の開け方1枚か。良かった。さすがにこっちの世界の文字だったら、ハルマ君がいないと無理だったかも。これならボクでもいける」
取り出した書類を確認すると、やるべきことが記されていた。
ヒントを手がかりに部屋の中に散らばる数字を見つけ出し、ダイヤル式のカギを開けること。そして、宝箱の中にある、この部屋から出るためのカギを入手することまでが第1関門であるらしい。
クロスワードパズルに目を通す。どうやら、一般知識3割、Greenhorn-onlineの知識7割といった感じだ。
続いて、3枚の指令書にも目を通す。こちらは、知識よりも直感型の謎解き問題のようである。
「うーん。こういう直感型は、チップとかアヤネの方が得意なんだよなあ」
それでも、彼は学年トップクラスの成績の持ち主であり、発想力も柔軟性を持っている。テキパキと謎を解き進め、25分ほどで3つの数字を見つけることに成功していた。
「ふー。こんなところに隠してあったのか……。これで、赤、青、黄色のボールに書かれた数字が見つかった」
最初の封筒に入っていた1枚と一緒に、3つのボールを机の上に置く。
「順番は指定されてない、か。ま、3つだけだから、組み合わせは総当たりでもすぐに見つかるだろうけど……」
シュンはダイヤル式のカギを回し、青、黄、赤の順に数字をそろえると、両手で左右に引っ張ってみる。
「ん、やっぱり! この色合いからして、信号の3色だと思ったんだよね」
するりと手応えなく外れたカギは、役目を終えたのか宙に溶けて消えてしまった。そのことにさほど驚くこともなく、シュンは宝箱の中からカギを取り出すことに成功していた。
取り出したカギを持って、即座に部屋の扉に向かう。
カギ穴に差し込みカチリと回すと、第1関門突破となった。
いつもはチップやアヤネに進行を任せ、自分は陰ながらそれを支えることを選択している。先頭に立って人を引っ張るよりも、そういう役割が好きだからだ。
なので、回避盾をメインに役割を請け負っているが、中衛職の支援プレイヤーという意識の方が合っているのかもしれない。
しかし、今はひとりぼっちである。
支援するべき相手がいない以上、ひとりで解決していかなければならない。
「チャットがつながってたら、『誰が一番早く出られるか競争な!』って、絶対チップが言い出してるよな。今回だったら、ユキチちゃんの方が先かな?」
近くにいないパーティメンバー達の顔を思い出し、クスリと笑みを浮かべる。
シュンが最初に行ったことは、ザッと部屋全体を見回すこと。そして、すぐに行動に移る。
「ま、最初は、これ見よがしに置いてあるコレからだろうね」
自分が立っていた正面には部屋の出口が、そして、背後には机が置かれていた。
机の上には小さな宝箱が置かれ、ダイヤル式のカギがかけられており、宝箱の近くには大きめの封筒も置かれている。
シュンは封筒を手に取ると、中を確認する。
「えーと? クロスワードパズルと指令書が3枚、宝箱の開け方1枚か。良かった。さすがにこっちの世界の文字だったら、ハルマ君がいないと無理だったかも。これならボクでもいける」
取り出した書類を確認すると、やるべきことが記されていた。
ヒントを手がかりに部屋の中に散らばる数字を見つけ出し、ダイヤル式のカギを開けること。そして、宝箱の中にある、この部屋から出るためのカギを入手することまでが第1関門であるらしい。
クロスワードパズルに目を通す。どうやら、一般知識3割、Greenhorn-onlineの知識7割といった感じだ。
続いて、3枚の指令書にも目を通す。こちらは、知識よりも直感型の謎解き問題のようである。
「うーん。こういう直感型は、チップとかアヤネの方が得意なんだよなあ」
それでも、彼は学年トップクラスの成績の持ち主であり、発想力も柔軟性を持っている。テキパキと謎を解き進め、25分ほどで3つの数字を見つけることに成功していた。
「ふー。こんなところに隠してあったのか……。これで、赤、青、黄色のボールに書かれた数字が見つかった」
最初の封筒に入っていた1枚と一緒に、3つのボールを机の上に置く。
「順番は指定されてない、か。ま、3つだけだから、組み合わせは総当たりでもすぐに見つかるだろうけど……」
シュンはダイヤル式のカギを回し、青、黄、赤の順に数字をそろえると、両手で左右に引っ張ってみる。
「ん、やっぱり! この色合いからして、信号の3色だと思ったんだよね」
するりと手応えなく外れたカギは、役目を終えたのか宙に溶けて消えてしまった。そのことにさほど驚くこともなく、シュンは宝箱の中からカギを取り出すことに成功していた。
取り出したカギを持って、即座に部屋の扉に向かう。
カギ穴に差し込みカチリと回すと、第1関門突破となった。
10
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる