上 下
104 / 349

異界の資源

しおりを挟む
 かなえは小山を衛星軌道上に飛ばしたそうだ。桜と確認を取って人工衛星をモニターし敵国の無届け軍事衛星が丁度僕らの真上に来るタイミングでかなえが転移させた。

 軌道上に放置された小山が軍事衛星とすぐに衝突した。チンピラが鉄砲玉として役目を全うした瞬間だった。

 衛星は大破し軌道をはずれ降下をはじめた。数時間後には大気圏で燃え尽きるだろうアレが初めて人の役に立った最初で最後の日だ。

 僕とかなえは腕を組みながら歩いた。
かなえは無口で俯いていた。

 「後悔している?」

 僕が尋ねる。

 「いいえ全く何も後悔してないわ。ただなんであんなのと一緒になったのかと考えいたの。あっ、思い出した友達に強引に合コンに誘われて気づいたら私泥酔して……本当私ってチョロいわね」

 「そだね」

 「そこは違うよ、でしょう」

 「結果、僕はかなえと出逢えて良かったと思うよ、チョロくてありがとう」

 「酷いなぁ洋一君は」

 「でも人をやったのは始めでしょう気分は大丈夫なの?」

 「実はヒマリちゃん達と偶に盗賊狩りに出掛けていたから苦にはならないわ。だからどうしようも無いクズを見ると首を飛ばしたくなるのよ。
でも凄いわねJKって」

 いつの間にか繁華街まで来ていた。
急にかなえが少し休みましょうと僕を
誘う。

 「えっ!ここラブホだよね!」

 「休憩するには丁度イイのよ」

 「僕なんか一回も入った事ないよ!
かなえはよく使うの?」

 「まさか!でも……それは企業秘密であってマル秘で外部の持出禁止よ」

 「うーんモヤモヤする」

 「ハッスルするんでしょう」

 僕は頑張った何回もイカせながらかなえのくちを割らせた。一回が泊まる所がなく女友達と入った事もう一回がクズに泥酔させられて気づいたら居た事、他にも色々とくちを割らせた。

 言い方が悪いが新品でなくても僕が気に入り大事にしているものを他人に穢されるのはマジでブチ切れる。
絶対殺ろす!

 僕とかなえは燃えに燃えた部屋に入るなりその場で、ベットの上で、シャワーを浴びながら、窓辺で、僕はかなえの記憶を上書きするように愛し合った、やりまくった勿論延長です。



 ダンジョン対策室本部

 「沖総理おはようございます」

 「ああ、おはよう」

 本部長の沖総理が席に着く。

 「では始めてください」

 「ドラゴンについてですハッキリ言って我々にはドラゴンに対抗する手立てが何一つも有りません。コレを見て下さい」

 首無しのドラゴンに戦車、ミサイル、ロケットランチャーなどで攻撃するもキズ一つもつかない。その後の総攻撃でも無傷だ。

 「あのドラゴンがそのまま首都圏に現れたら我々には見ているだけしか出来ません。ドラゴンは途中レーダーから消えていますがあの女の子が接触した時ですその地点を隈なく捜索した結果ドラゴンらしき遺留物が見つかりました。これです」

 自衛官二人が大きな台車に載せて来たのはなんとドラゴンの歯であった。牙は二メートルを越えていた。

 「ドラゴンの牙や鱗は非常に硬く工作機械を使用してもキズもつきません。更に軽いのです未知の新素材とも言えるでしょうそれと○市のダンジョンから溢れ出たモンスターも同様と考えべきと思われます」

 「馬鹿なあの小さな女の子がドラゴンを倒したのか?我らの武力は女の子以下なのか」

 「総理女の子が乗っていた乗り物を覚えておりますか?」

 「ウチのF15を遥かに凌ぐ速度で飛行していたな」

 「アレはですね丸太をくり抜いただけの物で1人かけ用のソファです」

 ガチャ!

 「アチっい!」

 沖総理の呑もうとしてた緑茶が手から滑り落ちズボンにかかる。

 「丸太だと!!」

 「昨日から全国で見られた未確認飛行物体の編隊は異世界人の物だと確認しました。歩くのが面倒だとか楽な姿勢で飛行したいとかお菓子やジュースも飲みたくて考案したようです」

 「コレ考えたの絶対女子高生だよな」

 「私もそう思いました」

 「この映像も見て下さい何も無い空間からドラゴンが出されてます。出したのは女性に抱かれている女の子だと思われます」

 「なに!あの巨大なドラゴンも持ち運びができるのか?流通革命が起こるぞ!」

 「でもどうやってドラゴンを倒したのだ。我々の武器ではキズ一つもつかないのに」

 「それは女の子の証言なのですが、
ドラゴンがブレスを吐こうとしたので下顎を蹴り上げ横っ面に回し蹴りを入れたら頭が飛び散ったと申しています」

 「アチっい!」

 同じ過ちを繰り返す沖総理だった。

 「全ての異世界人はこの力を持っていると言う訳だな」

 「はい、おそらく」

 「なら、友好だなご機嫌取りだ。そして色々と協力して貰おう!街を救って貰った感謝を込めて親睦会を開催しょう全員に参加して貰う。そうだ!イケメンを集めてこちらに引き込もうハニートラップだな、準備を始めよ!」

 「はい!」

 二人が部屋から駆け出した。

 「総理!ポーションはとんでもない代物でした。大学の医療機関に臨床試験を命じた所欠損した四肢は復元しませんが骨折、内臓損傷、腫瘍、火傷、全てに効果がありました。
爆発事故に巻き込まれた重症患者に使用した所三分後には自身で通常通り歩行しておりました。すぐに退院も仕事にも復帰できる状態でしたが、検査とデータ取りのため退院は一週間後にしてます」

 「なんとコレが出回れば我が国の医療費は半減するぞ!」

 「沖総理、異世界人からの魔石のサンプルですが使用方法によっては第二、第三次の産業革命が起こるでしょう。原子力に頼らないクリーンなエネルギーが自国で賄えるのですよ」

 総理は余り乗る気にはなれないようだ。環境や国民よりお金に目が行く政党のトップだ、だから当然政党ファーストだろう。

 上手く立ち回れば次回もこの座だなと
密かに細く笑む。

 沖総理だった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです

.
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...