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剣聖ガンド

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 「それでは始め!」

 審判の腕が下ろされタニラとリザードマンの試合が始まったのだ。

 リザードマンは右手にロングソードを持ち左手には小さ目の盾が装備されている。

 タニラは無手でここから見ればボケーとつ立っているだけに見えるが実際ボケーとしている。

 物凄い踏み込みで突進してくるリザードマンが目の前に迫って来てる。

 「貰った!俺の勝ちだ!」

 リザードマン自慢の上段からの斬り下ろしがタニラに命中したと誰もが確信した時。

 ドン!

 リザードマンがぶっ飛んだ。そのまま客席の壁にめり込み場外負けになった。

 ほぼ全ての者が見えなかっただろう
タニラがリザードマンを蹴り飛ばした所を所謂ヤクザキックだった。

 「勝者!タニラオーリキムラ!」

 「やったね一回戦突破しましたよ。」

 「トーゼンと言っちゃ当然だな。」

 「相手弱過ぎ無い?」

 そしてタニラの二回戦が始まる。
今度は人族の剣士だけどじいちゃんだ。
大丈夫か?

 異様に会場が盛り上がっている。

 ガンド!ガンド!ガンド!
剣聖ガンド!剣聖ガンド!剣聖ガンド!

 「ガンド?昨日エリスにぶっ飛ばされた奴じゃないよな?」

 「兄さん違うみたいだよ双子だって」

 「へー。双子で剣聖って凄いね。」

 「でも弱いんでしょ。」

 とごかの通販番組のように否定する
いつも辛辣なヒマリさん。

 「エリスちゃん言ってたよ皆んなに嵌められてネタやらされたって。」

 ハァ~この子たちに取ってはネタ扱いか。

 「さぁー!剣聖ガンドに対して白虎族のタニラどう戦うのか注目の一戦です!」

 「それでは始め!」

 「タニラとやら中々メンコイのう、ワシの女になれ!そしたらワシの性剣をたっぷりと味合わせてやるぞゲヘヘヘ。」

 あーあ眠い初めての武闘会でなんか緊張して兄さんのとこに行ったら、

   朝までミッドナイトトレインかまされて本当に朝までイキ地獄だったわ、まだでてくるわ兄さんの美肌乳液、今日も行こうかな。

 「ほれ行くぞい!」

 剣聖ガンドの姿がブレたドンと言う音と共にタニラに飛び込み切りかかる。

 「ガハハハワシは若い女子を痛めつけるのも大好物なんじゃ!」

 ボケーとしているタニラにありったけの斬撃を喰らわすガンド

 だが、ガンドも気付いた。

 ワシの剣が素通りじゃと!!

 「小娘よ卑怯な魔道具使いおって
勝負せい!」

 「えっ……あぁ試合中だった……」

 ドッガ!

 グェッー!

 ドゴッ!ガンドは客席の壁にめり込み動かなくなった。

 「場外!勝者タニラオーリキムラ!!」

 ウォーー!!

 「やっぱり弱いじゃん。」

 呆れるヒマリと亜希子。

 「レベル低いよねー。」

 瑞穂が呟く。

 亜希子が立ちあがり指示を飛ばす。

 「さあ!皆んなタニラ振られてズタボロ作戦いくよー!」

 「おー!頑張って決勝戦のオッズを上げようガッポガッポだぜ!誰かタニラの所へ行って準決苦戦しろと言って来て!」

 「「「「おー!」」」」

 手の空いてる者達が散らばりあちらこちらで呟いた

 タニラがこっ酷く男に振られ精神的にズタボロだと決勝に行っても負けるんじゃ無いかと、あっと言う間にコロシアム中に噂が広まった。

 「三回戦の相手は虎族?白虎の色違いっっ!痛い痛い痛い痛いサレス僕の玉ちゃん握り潰すのやめて!」

 「兄さん!白虎の方が断然格上です!」

 「分かってる分かってよ!そしてサレスが可愛い事も僕は知っているよ。」

 未だ僕の玉を握り潰そうとするサレスの顔を両手で押さえ大人のキスをする。勿論の事胸を揉みしだきクリクリしてあげる。

 えっ手が足り無いって?

 今の僕は手が四本だよ。

 「あっ兄さん……」

 「洋一様皆さんが居る前ですよ。」

 優しく僕の後ろ首を掴むカブちゃん

 一瞬で鳥肌が立ち冷や汗が流れ落ちる
張り裂けるほど鼓動が早くなる。

 ゴクリ、洋一の喉が鳴った。

 バリバリバリバリ!ズドォーーーン!

 「ウギャーーーー!!!」

 洋一の心の叫び声が辺りに響く。

 「きゃー!眩しい!」

 眼を開けると黒焦げアフロの洋一がダブピー白眼で倒れていた。
口から煙が立ち登っている。

 「あーあーあ、耳がキーンとするわ。」

 「凄まじいわね神罰、受けたく無いわ!」

 「兄さん濡れてしまったわ。せきにんとってね。」

 小声で洋一に囁やくサレス十六歳。

 次の瞬間サレスが洋一から洋一を引抜きどこかに消えた。

 


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