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ダンジョン攻略午後の部

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 シリー達からメールが来た。下にドンドン進めるならば班丸ごと分裂し十班に別れたならいっぺんに十階クリヤに成ると。

 「おお!目から鱗、目糞、鼻糞だね。」

 「言葉の使い方間違えているからね!」

 さすが桔梗の妹キリカ、突っ込みが
素晴らしい。

 「よーし頑張って五十行きましょう!」

 「今日でこのダンジョンも終わるわよ。」

 「行くわよ!」

 「「「おーー!!!」」」

 分裂五十。

 ブンッ

 「うわっ狭い二百も居たらそう成るね。」

 「とっと行けー!」

 「イヤお前が行け!」

 「何おー!」

 「やめなさい一人で喧嘩するの!端から行って揃ったら始めて下さい!」

 「「「「「はーい。」」」」」

 ドドドーン!!

 皆んなが頭のおかしい速度で下層に飛び込んで行く。まぁ自分なんだけど良くぶつからないよね。

 さっそくサーチ、範囲指定、ロック……

 亜空間収納!

 「魔石も宝箱も完了!隠し部屋無し次!」

 ドゴーン!衝撃波を置き去りにして飛び去る。フリ機の周りに糸状の雲がで出るから音の速度より速いのかな?

 「ベイパーコーンですか。音速を超えなくても発生するんですか。はい、ありがとうございます。」

 なぞのタブレットからの指摘にテンションが下がる唯さん。

 もう少し次の次!

 「到着、七十二階層だ。」

 サーチ、指定範囲、ロック……収納!

 「あっ、隠し部屋があるよ。」

 次は私だよと綾が挙手をする。

 「私が壁を壊すわ下がってね。」

 と唯、トトトト!ボコンッ!

 綾のフリ機は全体が黄色、レモン色だね。今推しの魔法少女の黄色の人の絵がシールの様についてある。吉乃はピンクの人だ。

 キリカの機は見た目地味だが材質と機能に拘りがある。コックピットは先日見た最新のロボットアニメそっくりだ。

 隠し部屋が中々広い期待ができるぞ!

 大きな魔法陣から浮かび上がるのは、
ミツ首のドラゴンだーっ!!

 「キャーー!!!」

 綾の悲鳴が木霊する。

 「キャーーー!!!ドラゴンよ!!
ドラゴンステーキだわ!!」

色気より食い気のお年頃だもね。

 瞬間三人の綾がドラゴンの頭の横に現れた。綾の手刀がブレると首の上のドラゴンの頭が一斉に転げ落ちる。

 が、落ちる間に首は消え体も消えた。

 「ニーナ姉ちゃんに報告しなきゃ!」

 <ドラゴン捕まえたよー。>

 <えっ、ニーナ姉ちゃんの収納に送り込むの、わかったやってみる。>

 うーん……出来たわ!便利だね。

 ちょっと呆れたけど神龍族ハンパねぇ!

 「次行こう!」

 「最下層百階に到着!」

 えっ、終わったって……分かっていたけどなんかくるね。ラスボスもドラゴンだって首が五つある奴、ニーナ姉ちゃんにもう送ったって……

 「攻略完了!」

 「帰ろう。」

 「うん。」



  「「「「 ただいま帰りました。」」」」

 「皆んなお疲れ様、シリー達も帰って来るわ。」

 ニーナ姉ちゃんが出迎えてくれる。
いいよな、家に帰ると出迎えてくれるなんて感無量の唯。

 「皆んな凄いね。昼食の後一時間で百階層ダンジョンクリアなんて冒険者の人達は何年も掛けて少しずつ進んでも半分も行けないのよ。」

 「へえそうなんだ。所でニーナ姉ちゃんドラゴンの頭だけって売れるの?」

 「頭だけでも大丈夫だよ。ドラゴンならなんでも売れるわよ。幾つあるの二つ?」

 「イヤ、三ツ首と五つ首のドラゴンだから八つだよ。」

 「えっ多頭ドラゴン?売った方がお小遣いいっぱい貰えるじゃない。(金額にもよるけど半分は貰える)もしかしてシリー達もかな?」

 「「「「ただいま戻りました。」」」」

 「シリー丁度いいわドラゴン狩ったでしょう頭が複数のドラゴンだった?」

 「えっ、はい三つ首と五つ首でした。」

 「だったら五つ首のドラゴンを王都の冒険者ギルドに売ろうよ。
そうと決まれば皆んな行くよ!」

 王都冒険者ギルド前に直に飛ぶ自重なんて気にしない。無駄だからね。

 ニーナは普段の仕事服のメイド服、髪は軽くシュシュで束ねている。唯やシリー達は女学院式戦闘服、武器携帯要らんけど。

 王都の冒険者ギルドは大きいかった。

 へー、とキョロキョロしながら中に入るニーナ一行。

 絶世の美女軍団の登場に猿どもが騒ぎ出す。

 「おい!見たかギル!すげーいい女だぜ!メイドの女一人ぐらいどうでも成るな!」

 席を立とうとする相棒ボブの腕を掴み制するギルバード。

 「おい、何すんだギル!」

 「辞めておけ、あの暗黒殺戮大魔王様の一味だ。お前も聞いてるだろうローベルの大粛清、貴族も盗賊も街のチンピラも纏めて処刑した頭のおかしな連中だ。」

 「一番始めにこの国の宰相を火炙りにしたんだぞ、お前知ってるか国内の混乱に紛れて隣国の王が攻め込んだが暗黒殺戮大魔王様が睨み付けただけで三万の兵士が死んだんだぞ。」

 「それも暗黒殺戮大魔王の正体はあの
第三王女ケイト殿下だぞ!」

 「なにーー!手汗魔法師の殿下か!!」

 ぷっ!

 女の子達が吹いた肩を震わせ笑いを必死になって耐えている。
今日一番のダメージだと唯は思った。

 「ようよう、待ちなよ、キレイな、ねーちゃんたち。」

 変なのが現れた。

 ニーナが一睨みし男が目が合うと急にその場に蹲った。

 「テメェ!モンキに何した!」

 仲間であろう猿二匹が騒ぎ出す!

 ニーナが睨みつけるとまた蹲った。

 肩で息をし辛そうだ。

 周りが騒ぎ出す。

 「目を合わせるな!!死ぬぞ!!」

 テーブルを倒し盾にて隠れ出した。

 「違うんだ!俺たちはヤられていない!イカされただけだ!!」

 「何だと???」

 「イカされたんだ!射精が止まらない……」

 「そんな馬鹿な話しがあるか!」

 話しを信じない男たちがニーナに寄っていく心なしか頬をあからめていた。

 「何かようですか?」

 「「「「「あっうっ!」」」」」

 男たちが体を震わせ蹲った。

 「変な臭いがする。」

 アヤメの妹吉乃が呟いた。


 
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