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犯罪奴隷

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 オーリ森の家も三日経ちみんなの生活も落ち着き勉強が本格的になる。シーナもニーナもナナさんも全員参加だ。

 僕たちは午後から元領主の館行く事に成っている。犯罪奴隷の引き渡しだ。

 それじゃあ午後からは皆で内と外のお掃除、手分けをすればすぐに終わるとその後は各自おへやの掃除です。かなえ先生と亜希子先生とで最終チェックをして貰います。

 僕とヒマリはいつもと同じです。ケイトだけドレスを着てる。皆が集まりケイトを囲む。

 姫様綺麗、貴族や王族なんて関わる事なんて我々にはない。増して王女様と生活するなんてあり得ないことだ。

 普段のケイトの生活を知っている子供達は王女様がこれでいいのかと皆が思い始めているが、それ程気さくなのだ。

 桔梗がケイトに近づき耳打する。

 「ヒマリお姉様ですね。」

 一瞬驚くがヒマリと桔梗目を合わせてニヤリ。二人で悪い顔で微笑みあう。

 「さすがですね。森の家一番の切れ者、今後が楽しみですわ。」

 即、身バレしたヒマリはドレスの裾を持ち上げて歩くのが面倒なので三十センチぐらい浮遊しながら移動する。これを見たケイトが親指を立てグッジョブと気に入ってくれたようだ。だが洋一を含む皆が不気味と感じていた。

 「じゃ、みんなよろしくね!」

 三人は転移で消えた。

 「さぁ皆さんみんなで一緒に頑張りましょう。」

 かなえ先生の一言で動きだす。
 
 ニーナさんも竹箒をもって軒下と外回り掃除をする。家の周りの森には結界が張ってあるので変なのは入って来ないはず、たまに蜘蛛の巣とか張っているので、どこから入るか分からない。

 家の裏手に扉があった。埃ポイが物置みたい。物置の中に沢山の箱が積まれていて。箱を開けると大きめのオレンジのよな玉が一箱三十個は入っていて、その箱が十箱ある。

 玉を一つ取り出しマジマジと見る……。

 「うーむ、巨大な魔力を感じる……。なーんちゃって、えへっ。」

 ふと顔を上げると目の前に大きな蜘蛛!ニーナの鼻先にピトと捕まった。

 「……ぎゃーーーーー!!!」

 パリン!ピッカー!!

 悲鳴を聞きつけ皆が集まる。

 「ニーナさん、ニーナさん大丈夫ですか?!」

 メイド服のニーナが気を失ってそこに横たわっていた。異臭を放って……
 
 板にニーナを乗せ風呂場に向かうそこにナナとシーナ待ち構えマッパに剥いて洗い出した。ダブルで漏らしてる。洋一達に後ろを突かれて緩んでしまったのか?と考えるナナさん。

 シーナが気づく

 「あれ?姉ちゃんの脇の傷消えてる!
よく見るとなんだか、身体が新しくなったような感じ?」

 シーナの感想にナナはどれどれとニーナの股を開き覗き込んだ。

 「アリャリャ、こりゃ膜があるわ?どうゆう事???」

 ざわつく年長組、膜云々より身体が綺麗に成るって!

 ドタバタとニーナが倒れていた現場に桔梗が駆け出す。

 年長組、切れ者桔梗が推測する。何かが割れいる。けど私は見た輝きを……これが割れた事によってニーナさんに変化が起きた?

 桔梗さん完璧です。

 これは、何処から?一つ開いてある箱を見つけた。中を覗いて口角を上げる桔梗悪い笑顔も素敵だ!

 「これね。七つ集めれば願いが叶いそうな気がするパワーを秘めている。……なーんちゃって……。えへっ。」

 ただ割れば良いだけ。呪文なんて要らない。蜘蛛が死んでいるからニーナさんは悲鳴を上げただけ……。

 ソリャッ!玉を地面に叩きつける。
ドゴッ割れない……。
鉄の棒を持ちゴリャァー!
殴りつける……。傷一つつかない。

 うーむ、私とニーナさんの違い……!
あの指輪だわ。真相に辿り着く桔梗ニチャと悪い笑顔も素敵だ!洋一なら我慢出来無いだろう。

 ニーナさんが寝ている部屋に向かい事の真相を皆に伝える桔梗。

 多分、大なり小なり漏らす程の身体の負担がある筈。何人かづつに分けて一気やった方が効率よく出来る。回復後、交代する。

 話しが纏まった。



 封印の宝玉が大量に見つかったなんて知らない洋一たち領主の館で新たな指導者候補達と挨拶を交わし情報を共有する。

 騎士団は街の外れ迄進行しているそうだ。百人規模の騎士団、収監用の馬車も多数用意してある。

 領主邸でまったりお茶していると
騎士団長以下三人の部下を連れて挨拶にやって来た。

 「これはこれは殿下お久しぶりで御座います。この様な辺境の地てお会いしますなんて奇跡と言えましょう。

 「うむでは騎士団を見させて貰おう。」

 「なっ!殿下、我々は遊びに来た訳じゃありません。犯罪奴隷を引き取りにわざわざ来たのですよ。」

 「蛆虫如き、黙って我の申しに従えばいいのじゃ。」

 「何を申し挙げられます?姫さま……」

 首を垂れる団長の顔は悪意に満ちていた。

 「皆の者姫さまの御乱心じゃ!このままでは王国に混乱を招き入れる。国の未来のために姫さまを討ち取るのじゃ!」

 丁度いい、ここで小娘を殺し山にでも埋めれば、こんな辺境の地誰にも見つからない無いわ。

 しかし誰も動けなかった。当たり前であろう。目の前の殿下は足も動かさず空中を移動する。

 メチャクチャ不気味なのだ。片手に鉄扇を持ち腰の前に両手を重ねているだけなのに。

 大将軍の命令に従い五人だけが剣を抜き向って来る。だが、動きが遅い遅過ぎる訓練してんのかよー!

 殿下が消えた!ドゴッ!!

 大将軍の顔面を鷲掴みしそのまま地面に叩き付けただけだ。騎士団は唖然とし殿下が何をしたか見えていないのだ。

 大将軍の顔に足を乗せ騎士団に微笑む。

 「今日は蛆虫の駆除に来ただけですから。」

 ベチョ、頭を踏み抜く王女殿下
笑顔だ。

 仕返しだ……学校で沢山の二つ名を得ている。その仕返しだ。姿形は薄く見つからないが水島ヒマリと言う名の恐怖、人外パワーに寄る数々の伝説、一部では異界の魔王では無いかと囁かれていた。これは正解だ!

 「マリィこの方達を見て仕訳して下さい。ヨイ穴をお願いね。」

 ぐぬぬぬ、唸るケイトだがゴーグルとフェイスマスクをしているため表情が分からない。



 「穴行きは全部で三十人、処理が二十四人か処理も私がするから、試したい事があるの。」

 残った者から指導出来る者を集める。
七人が来た。

 偽殿下ヒマリがあなた団長、あなた副団長あなた参謀、残り四人で団員を指導して下さい。

 「殿下、畏れながら申し上げます。平民の出の自分では荷が重過ぎます。」

 「あら、妾の見る目が無いって事かしら?貴方は貴族平民で区別して仕事の従事しているのかしら?」

 「いえ!決してその様な事はございません。」

 「あらゆる困難に立ち向かうのに、身分を引き合いに出すなど愚の骨頂です。」

 騎士団は実力主義、それで貴方達を選抜しました。騎士には腕だけでは無く、頭も必要です。そして心の強さが騎士団を強くするのです。期待してますよ。

 「はっ!御心のままに忠誠を誓います!」

 七人が跪つき頭をたれる。
 
 おおー、なんという事でしょう!
気持ちいいー!ヒマリが歓喜に震えてる。

 それを見ていた洋一とケイト……誰?この人?小首を傾げていた。



 「わたくしローベル王国第三王女ケイトファンローベルの名において、犯罪者の処理を行います。」

 「その様な身勝手許されるものか!」

 「あの方に逆らって生きて行ける筈が無い地獄で殺してやる。」

 完全無視でヒマリの手の平から火が飛ぶ。

 小さい黒い炎がゆっくりと飛んで行く。
黒い炎は一秒が一日分の長さに感じる設定だ。悔い改めよ蛆虫どもよ。

 「ウギャー!助けてください!死にたく無い!」

 「お前たちはその声を無視して欲望のままに女子供を殺し続けた……。」

 血が出るほど拳を握り締める。満ち足りない。

 
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