上 下
21 / 340

僕は簡単には切れません。

しおりを挟む
 まずはシーナを見て鑑定を使う、おぉ呪われてますねー。

 「シーナは呪われているよ!誰がやったか判るよねニーナ!」

 コクンと頷く、始めは分からなかったがあの男だ。盗賊が何故ギルマスなのか、或いはギルマスが何故盗賊に成ったのか知らないが私たちは、始めから騙されていたんだ。

 涙が次から次へと流れ出てくる。悔しくて悔しくて……盗賊の手先に落ちぶれ犯罪に手を染めてきた。沢山の人達に迷惑をかけている。

 「アンタどーすんの?このままじゃ処刑だよ。」

 「私は処刑されてもいい!ただアイツらに復讐してやりたい……」

 「姉ちゃん……」

 「ニーナ……」

 「そっか、決心したか……洋一さんオーリの家に皆んな連れて行きましょう?」

 「そだね」

 シーナもばぁちゃんも一瞬で周りが変わり転移に驚いていた。空いている部屋のベットにシーナを寝かせる。

 金髪で十五、六歳かな?十六歳です。今鑑定さんが教えて下さいました。

 えー!私の一個下?姉妹揃って美人って何よ!痩せてるくせしてなんで胸がデカいのよ!呪いなの!呪いなのね!

 「ヒマリさんも美人で大きいですよ。」

 変態紳士の洋一が答える。ヒマリの強い思いが頭の中でガンガン響くうるせー!
 
 「それでは、解呪を始める。」

 両手を軽く上げ、名外科医の手術開始のように振舞う洋一、形から入る男だ。

 颯爽とシーナの胸を触ろうとする。洋一の手がむんずと掴まれた。

 くっ!動かない……指を伸ばしても後チョットで触れられない……

 ヒマリが静かに首を横に振る。冷や汗が止まらない。ガクブルだ……。ガクブルなのだ。

 最近ちょっとした欲望が治まらないのです。賢者なのに賢者タイムが無いのです……。

 あっ、そうだった。この間進化したっけ!なんかの王って付いてたし、この所為か……。

 嫌だな、ハーレム王とか性獣王とか言われるの僕は賢者だっちゅーの!

 「それでは解呪を行う。そーれ!掛けた奴に飛んでいけー!……無事に成功しました。」

 ふぅーと息を吐く洋一さんやり終えた感がハンパない。

 シーナ始め皆んながキツメのジト目を向ける。

 「あぁ、急にお腹が痛くなった!トイレ行って来まーす。」

 そそくさと部屋から逃げ出して行った。

 
 全員が食堂に集まる。夕食の時間ですよ。食堂は結構広い。

 三十人は座れるほど大きい家の外観と中の大きさが全然違うんですけどオーリさん何してた?

 「前にヒマリさんが無駄に割った卵を使ってオムライス行きまーす!!」

 おー!ぱちぱちと一人盛り上がるヒマリさん。他の三人は知らんもねー!では。

 じゅー、じゅー、ちゃっ、ちゃっ、中華鍋を振るう。じゅー、じゅー、ちゃっ、ちゃっ、はい出来上がりでーす!

 おー!盛り上がるヒマリさん。

「オムライス召し上がれ!」

 ふわふわの卵上にケチャップでハートを撃ち抜く矢を描いた。

 それを察したヒマリがポッ、ニーナがポッ、シーナがポッ、ばぁちゃんもポッ。なんで??

 「これ美味しいねー。」

 「本当だねー。」

 「こんなの始めてー。」

 「洋一さん料理上手ですねー。」

 シーナ、ばぁちゃん、ニーナ、ヒマリさんの感想でした。ふふふっこれで胃袋は掴んだ!後少しでハーレム王に僕は◯◯!



 「と言う訳であなた達はこの家に暫く住んで貰います。ハウスキーパーみたいな?中の物は好きに使って下さい。台所やお風呂などの使い方はそこのマリィ……面倒だヒマリィさんが教えてくれます。」

 「なんで私よ!あっちとこっちの名前混ぜないでよ!」

 「教えたくないの?」

 「教えたくない!じゃなくて言い方がムカつくのよ!」

 「それじゃ下調べに行って来まーす。ポン!」

 「あ、逃げた。」



 僕はギルドにやって来た。今は夕方、依頼を終えて帰ってくる奴も多い。

 「はーい!皆んな元気?あれからどう?」

 僕が入るとビックとする。反応は二つ、クズ狩りして貰ってのびのびしてる奴等、

 びびってるけど僕を尊敬な眼差しで喜び讃える奴等、拝み出した集団、教祖などならんぞ!

 さっき並んでた可愛いケモ耳のおねーさんの所の列に並ぶ漸く僕の番だ。

 「次の方ー。どうぞ。あっヨイさん!」

 「どーも、お騒がせてすみません。ギルマス帰って来ました?」

 「はい!先程戻られました。」

 「そう、ありがとう。上の階に居るんだね。」

 「そうです。」

 ケモ耳のおねーさんの期待に満ちたキラキラな瞳を受けギルマスの所へ向かう。

 コンコンコン

 「ギルマス在室ですか?」

 コンコンコン

 「いらっしゃいますか?」

 コンコンコン

 「居るんだろう!糞蛆虫が出てこいやー!」

 洋一さんぶち切れて、ドアを蹴り飛ばす。
中に入ると小柄な男が机の下に隠れていた。

 「でなんで盗賊なんかがギルマスやってんだよ。……あぁ、ここの糞領主の仕業か?」

 「あと、なんでニーナを嵌めた。」

 盗賊の頭がなんでびびってのよ。あぁコイツも領主の手駒か?

 「手下がいい女がいるって報告して来たんだ。業務のついでに見に行ったのよ。そしたら本当にいた。

 マジでいい女だ、すぐに閃いたさ、妹を使って言うこと聞かせる。チョロかったなすぐ俺の女にしたさ。」 

 「そうか、もういいよ」

 洋一は手を出してギルマスの手を掴み引き起こす。グチャリと握り潰した。

 「ウギャー!!」

 ギルマスは涙と鼻水が混じり合いながら呻き声を上げる。

 更に僕はその手の上を握り潰す更にその上を握り潰す徐々に肩まで握り潰す。

 うるさく暴れるので片足で胸を踏み押さえる。少し力を入れるとポキポキポキと鳴っていた。

 気にせずもう片方の手を繋いで握る
グチャリ潰れる。

 ギルマスは声にならない声を上げた。僕の手のひら分の上を握り潰す。また上を握り潰す。更にその上を握り潰す。

 肩まで潰したので両腕ごとむしり取った。ギルマスが悲鳴をあげる。まだこんな声が出るんだ。

 まだまだ足りない。僕は簡単には殺しません。次は足だよグチャリ潰れる。また潰す。また潰す。両脚が無くなちゃいました。

 まだ真ん中に足があった。汚いので足で踏みつける。ぶちぶち潰れ弾ける音が二回した。グチャリ全部を踏み潰した。うーん今日はここまでかな?

 頭の髪を掴み取り下に降りる。ぶらぶらギルマスを揺らしながら降りてくる。ギルマスは血だらけで手足がなく白目を剥いて気を失っていた。

 「盗賊の頭、取ったぞー!」

 洋一が勝鬨を上げる。周りの者は少し遅れておー!とか拍手とかで労ってくれた。

 まぁ皆んな分かっていてもバックに領主がいるから声を上げる事が出来なかったみたいだ。

 ケモ耳のおねーさんは、はっきり引き攣っている。かわいい。

 「明日、領主の所に引き渡してくるよ。じゃーね!」

 僕は森の家に転移した。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

処理中です...