上 下
18 / 340

盗賊の後片づけ。

しおりを挟む
 ケイト達はこの先にある街クルズに暫く滞在するそうだ。僕達は盗賊達を片付ける為ここに残った。

 後で街で合流しあの事について話し合わなければならない。

 「良し、行こうか?」

 「楽しみですね。盗賊のアジト、全部私達のものー!どんだけ貯め込んでいるのやら。にひひ。」

 ヒマリは盗賊達を拘束したついでにアジトの場所を教えて貰っていた。勿論平和的にである。

 ちなみに盗賊達は亜空間収納に納まった。あー、便利な事。?、?らは

 「森は木が邪魔だから上を飛んで行きましょうよ。」

 「そだね。」

 私達は森を飛び越え切り立った崖に
 降り立つ。洞窟タイプのアジトか?木の陰から様子見、見張りが一人暇そうにしている。

 「100人くらい捕まえたからアジトの規模は大きい筈、お宝もたんまりあるはずだ!期待が高鳴るぜ!」

   ヒマリも大きく頷く。   

 「10人か、奥に八人が固まっている。行こうか?」

 「は~い。」

 二人は平然とアジトに歩いて行く。当然見張りに気付かれるが全く気にしない。

 「誰だてめぇ!生きて帰れると思うなよ。」

 見張りが剣を向けるが。

 「拘束!」

 ギュッ!捕縛する。ギュッ!ギュッ!捕縛しながら奥へ進む。お、偉そうな奴が出て来たぞ。

 「ほほーっ、ここ迄くるなんて大した奴らだ。褒めてやるよ。

 だがこれまでだ!スリーエース団
 No.3の俺様に当たってしまったからな!男は殺す、変な仮面の女はツラ拝んでから決める。

 高値で売れるかもな馬鹿貴族の性癖は笑えんからな。へへへ、殺してやるよ。」

 洋一はスッと右手を前に出す。突然No.3の首が洋一の手に収まる。

 「ぐっ!何だこれは?ぐっ!へへ俺を殺してみろ!あのお方がテメェを地獄の底まで追い詰めるからな!お前の家族、女、知人皆んな殺されるん……キュッ!」

 拘束!

 更に奥に進む大きな檻の前に二人の盗賊がいたが即拘束した。骨が折れるくらいのきつい拘束だ。

 檻の中に八人が固まって抱き合っていた。種族はバラバラだった。人族の女の子が二人、エルフの姉妹が1組、猫獣人の女の子が三人、龍人の女の子が一人。

 胸糞が悪くなる、盗賊共皆んな焼き殺そうか?……。僕が処理していいものなのか?こっちの司法に任せた方がいいのか?……。

 ヒマリを残して皆んなを連れて外に出る。改めて確認するが怪我など無いようだ。

 お宝を回収したヒマリがニヤ付きながら戻ってきた。大漁か?

 盗賊はもういない、外でテーブルと人数分のアウトドア用品のチェアーを出す。

 と?りあえず、チーズバーガーを出しペットボトル入りのオレンジジュースを渡す。ヒマリがバーガーの食べ方とペットボトルの飲み方を教えてあげてた。

 「これ!美味しい!」

 美味しい頂きました!

 「これ!!甘くて美味しい!」

 甘くて美味しい頂きました!

 初めて食べるバーガーにジュース、子供達が口々に美味しい、美味しいと満面の笑顔だ。やっぱり子供には笑顔が一番!

 子供達を見てホッコリしているヒマリは、あらあら、まあまあとお母さんの様に子供達の口を拭いたり、服に付いたケチャップを拭いたり世話をしている。

 僕はこの子達を売り飛ばす連中が許せない!絶対後悔させてやる!

 お宝は全てヒマリさんが管理しています。いっぱいあったそうです。

 超ご機嫌です。当然アジトは使えなくしてますよ。

 子供達の移動どうしようか?街迄歩いて行かせられないし……そうだ、乗り物か!

 手頃な丸太を収納から出し遊園地のコースターのような座席を作る。

 風魔法で小さな竜巻きを起こしドリルみたいに削っていく簡単、楽ちん、便利!二人掛け席を五つ作り片側に扉をつけ手すりやドリンクホルダーまで作った。

 「さぁさぁ、これに乗って頂戴、街迄向かうわよ!」

 ヒマリお母さんが小さい子の脇を持ち上げ席に座らせる。出発進行!おー!子供達のノリが良くて一安心する。

 皆んな良い子だ。トラウマ必死の苦悩の中でまだ心を保っている。

 僕よりよっぽど強い子達だ。僕は魔法で丸太を浮かして前進!

 ゆっくり飛んで行きましょう。

 「うわー!すごい!高い、高い!」

 「あっ!あのお山、上の方が無い!」

 「街道からあのお山まで一直線に道があるよ!」「」

 「さっきまで無かったんだよ。あのお山も真っ直ぐな道も変なおねーさんが一人でやったんだよー。」

 「「「「へー?」」」」

 心の友の評価を下げようとするヒマリさんキャッキャッウフフでズッ友だよ!と言っていたのに……

 余計なプチ情報を交えながら森を飛び越える。子供達はワイのワイの楽しそうだ。落ちるなよー。おー遠くに街が見えて来たぞー。

 街の周囲が壁に囲われているが結構な広さがある建物も沢山建ち並んで想像通りの異世界の街だった。

 門から離れたところに着陸し子供達を降ろし流星号(丸太)を収納する。

 「はーい!皆んな並んでー!」

 完全に先生だ子供達も素直に言う事をきくし、一列に並んで点呼してから出発する。

 洋一が前、最後尾がヒマリを務める。一時間程で門に着いたゆっくり歩いたからね。

 おぉ結構並んでるね。色んな人がいる、商人が大所帯を引き連れているし、家族連れや冒険者みたいな人達もいる。

 ケモ耳の人もいるぞ!エロフさんもいるよねー!ワクワクが止まらない!

 !急に悪寒が!ゆっくり振り向くとヒマリさんがこっちを見ていた?ゴーグルとフェイスマスクでこっちを見ていたのか分からないが僕の勘が危険を察知しているので間違いない!調子こいたらヤラレる……。

 三十分くらいで順番が来た。

 「次、早くしろ!」

 偉そうにオヤジが宣う。

 「はい、お願いします。」

 低姿勢の僕、金持ち喧嘩せずのスタイルです。

 「身分証は?」

 「ありません。東の外れから旅して来ました。この国は始めです。それと盗賊を捕らえきてます。攫われてた子供達も連れて来てます。」

 「盗賊だと?何人だ?」

 「盗賊は百人ぐらい、子供達はら八人ですね。」

 「百人だと!何処にいる!」

 偉そうなオヤジは馬鹿にした様に僕を睨む。何処に百人居るんだってね。

 「アイテムボックスですよ。」

 バレても良いか、人間如き僕達には何も出来ない。僕らはチートオブチート
 だからね。

 「なに!」

 オヤジちょっと焦り出す。

 「何処に出します?」

 「いや、ちょっと待て!」

 衛兵オヤジは詰所に駆けて行った。

 ふー、緊張した、後ろを振り向きヒマリ達に手を振る。ヒマリも手を振替してくれた。

 漸くさっきの衛兵オヤジがやって来た。

 「ここじゃ手狭だからな、騎士団に案内する。付いて来い!」


 「分かりました。分からんけど……。」

 通行料とか取らないんか?後から請求しても払わないからな!

 皆んなとゾロゾロ歩いて向かう。馬車くらい出せや!子供がいるんだぞ!

 

 「ここが騎士団本部だ!」

 へー、としか言いよう無い。運動場は広い当たり前か、デスクワークではないからな。

 騎士達が僕達を取り囲む、まぁこれから盗賊を出すからね。

 「出しますよー。縛り付けてますので大丈夫ですよー。行きまーす!」

 ゴロゴロ!!僕とヒマリが一気に盗賊を吐き出すゴミ箱をひっくり返すように。

 「「「「「えっ、えー!」」」」」

 屈強な騎士達がかわいい声を上げビビっている。その声に隣りにいたヒマリは身震いをしながらキモっと言った。

 「これだけの規模、賞金首もいるんじゃねすか?調べてくれませんか?三日後にまた来ますからね。」

 偉そうな人が、ああ分かったと了承してくれる。

 「子供達は家に帰れるんですか?この子等には罪はないでしょう!あんた等何も出来ないなら僕が連れて行きますけど」

 「それは心配ない。我々が責任を持って対処する。」
 
 僕が少し挑発するよう言う。


 「お任せしますよ。」

 ここで子供達とお別れだ。ヒマリ達は
 抱き合いながら泣いてる。お前が号泣してどうする?

 「じゃあねー!皆んな元気でねー!」

 ヒマリと子供達はまだ手を振り合っている。もう見えんぞ?

 「まず、飯を食べてから冒険者ギルドで冒険者登録しょう。」

 「おー!冒険の始まりだー!」

 さすが、JKだ切り替えが早すぎる。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

処理中です...