上 下
1 / 340

ヒマリ拉致られる。

しおりを挟む
 「ギャッハハハハ!! 雌なんてデカチンで捏ねてやれば速落ちよ!チョロ過ぎるだろう!」

 金髪のツーブロック、オールバックにサングラス、アニキ分の貴弘が自論を広げる。

 「さすがアニキよくご存知でー!」

 赤い短髪、鼻ピーのヤスが貴弘を持ち上げる。更に調子に乗って貴弘の口が止まらない。

 「女だってヤリたくて仕方が無いんだよ!全てがビッチて事よ。」

 絶好調の貴弘は更に続ける。

 「だからヤラレそうになっても、抵抗しないし、暴れない。旦那や彼氏の寝ている横で平気で事を始める。起こそうとしないし、大声も上げない。助けなんて求めていないからな!旦那の上司や彼氏のダチからつまらぬ事で脅かされ股を開く。ヤリたくてしょうがないのさ、被害者ぶるけどケーサツに行かない告訴もしない、誰にも相談しない。まだまだし足りないからな!なんせ、雌なんて皆んなの肉便器だからなぁー!ギャハハハ!」

 「おぉ、アニキの推論に感服しました。ヤリたく成った時に好きにやれば、良いんですよね!」
 
 感激のあまり、涙ぐむヤスであった。

 「アニキそれってエロ漫画のヒロイン設定そのものじゃないですかー?どんだけ読んでるっすかエロ漫画!」

 ヤレヤレと上から目線の金髪ロン毛で麻呂眉毛のヒロが溜息をつく。

 たまり場している地下の営業準備中のライブハウスに半グレ三人と不良の高校生が下品に笑い声を上げていた。たまにライブハウスの手伝いをしながら、怪し気な売買したり女の子をナンパして金を持っているオヤジ共に斡旋したりしている。

 「ところで、徹よ」

 アニキ風の男、貴広が高校生の安部徹に確認を取る。

 「水島ヒマリってお前が速攻で振られた女だよなぁ、そいつを拉致ればいいんだな五十万で」

 徹は黙って頷いた。

 「学校の同級生を拉致ってヤルなんて金持ちのボンボンはやる事が違うなぁ」

 「僕の誘いを断るなんて身の程知らずの女!僕のデカチンで分からせ調教してやるんだ!!」

 「おいおい、イキリ過ぎてヘマこくなよ!俺らもブタ箱に入れられるからな!」

 「分かってますよ。その為に親父を騙くらかして五十万出させたんですから」

 貴弘は銜えていたタバコを灰皿に押し消して席を立つ。

 「行くぞ!料金分は働かないとな、徹!女の行動は分かってんだな!」

 バッチリですぜっと徹は自信あり気に二ヤ付き4人は黒いワンボックスカーに乗り込んだ。



 水島ヒマリは地元の進学校に通う高校2年生、学校でも街でも噂の美少女だ。そんな彼女はよく告白やらナンパ等受ける。
 
 勿論彼女は速攻で断るし目も合わせない。常に防犯ブザーを5個持ち歩いてありとあらゆる手段を使い難を逃れてる。
 
 中学生の頃から頻繁に告白されるが一度も誰とも付き合わなかった。いつも、ごめんなさいと頭は下げたが何で私が毎回毎回謝るのよ!言わざるえない空気に苛立ちを憶える。
 
 「どうしていつも私が謝らなきゃ、いけないのよ!」

 下心満載の薄ら笑い気持ち悪い。何所のエースとか何所の部活の長とか何所の家の坊ちゃんとか兎に角鬱陶しい、私は誰とも付き合わないんだから!

 「私にはパパが要るんだもん♡」

 両手でほほを挟み身体をくねらせぐっへへと笑う。少し危ない子心配だ。

 パパはパパでパパ活では無い。ヒマリの実父でヒマリは完全なるファザコンである。でこの歳になるまで拗らせまくってる。

 「ヒマリは大きく成ったらパパのお嫁さんになるー!」

 「おおー!そうかヒマリ早く大きくなるんだぞ!パパは待ってるからな!約束だぞ!」

 「あなた、何馬鹿な事言っているのですか?小学校4、5年生で拒絶されるのですから、今から覚悟を決めた方が良くてよ。」

 「そんなーぁ」

 頑張ってお父さん!

 
 ヒマリの黒髪は背中の中程で揃えられている。勿論ケアもバッチリでサラサラだ、身長は165センチ、スタイルも素晴らしい、所謂出る所は出て引っ込む所は引っ込む、Dカップらしい。街で噂の美少女!も頷ける。何故か生粋の日本人なのに北欧のハーフかクォーターかの雰囲気があって美少女のベクトルが他の人達の斜め上に行っていた。

 登校時のスタイルは紺のブレザーの制服にチェックのスカート黒のソックス黒のローファ襟元に赤いリボンを身に纏まさに絵に描いた優等生、スタイルも抜群、限りなく需要がありそうだ。

 しかしながら日々の男達からの鬱陶しさから表情が抜けて来てる、近頃では冷徹クールビューティーと噂されているが本人は然程気にしていない。と言うか気付いてさらいない。
 
 ヒマリには両親と小6の妹がいる。一家は近郊の2階建て1軒家で暮らしていて場所は少し田舎っぽいけど私は気に入っている。

 父親は商事会社で部長、私の結婚相手は自分より弱い奴は認めないと豪語している。パパは強いのかな?

 母親は専業主婦、妹美海《みう》の小学校でPTA役員をやっている。やっと今年で最後だと安堵してる。何故か最近お腹周りを気に過ぎる気がするけど、ダイエットは無理でしょう。食べ過ぎだよ。

 妹美海は近頃生意気に成ったけど私にとって可愛くて仕方が無い、この事は美海には言わないけどね。

 美海もパパが大好きだけどね。パパは絶対私の物、美海には絶対わたさないから!




 
 少し前に、水島ヒマリは隣のクラスの安部徹から告白されたが瞬殺で断った。
彼に対して良い話は聞かないし、悪い人達と付き合いもあるって噂話も聞くそれ以前に趣味ではなかった。

 私を見る目が歪んでいて、観られる度鳥肌が立つ気持ち悪さがあった。最近監視されてる様な付けられているような嫌な感じがずっとしていた。

 誰かに相談したほうが良いよね。

 学校の帰り道、クラスメイトの亜希子と別れ公園の脇道を通る。家迄は後四、五分位の距離の処で黒いワンボックスカーが止まっていた。周りの家は奥ばっていて人影も見つからない。

 「何かヤバイね、此れは不味い、わたしピーンチ!ヤバイヤバイあぁぁ心臓ドキドキしてきた。」

 走って逃げるゾ!!

 あのワンボックスカーさえ抜ければと、精一杯の全速力で走る。良し!抜けれるぞ!その時車の影から練らりと二人のヤンキーさんが現れた。

 「やぁ!ヒマリちゃんどこに行くのかな俺らとお出掛けしょうぜ。」

 名前知られている!マズイ! 後退りし後ろに振り向きざまにダッシュ!

 「ヒマリちぁん悪いな此処は通れないよ」

 また男二人が現れた。一人は見覚えがある少し前に振ってやった安部徹だった。

 「安倍君此れ犯罪だよ!人生を棒に振るよ!」

 ヒマリは安部徹を睨みつけた。

 「何を言いてるのかな僕たちは友達じゃないか?」

 安部徹は二ヤ付きながらヒマリを絡みつくじっとりとした眼で観ていた。

 「それに訴える人がいなければ事案にはならない優等生の君なら分るでしょう。例えば動画を撮られたりしたらあっという間に世間に広がちゃうし困るのは君でしょう?」

 直近の未来の自分に待ち受けるものにヒマリの体は震え出した。怖くて、怖くて身体がいう事を効かない。恐怖で目の前が歪んで見える。家に帰りたい……

 「さぁ行こうぜヒマリちゃん」

 車に乗せろ、貴弘の一言でヒマリは押さえつけられ抱えられ連れ込まれた。

 「イヤ!離して!誰か助けムッグッッ」

 ヒマリは口を押えられ3人にワンボックスカー押し込められバタンと乱暴にドアが閉められ車は急発進した。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...