元OLの異世界逆ハーライフ

砂城

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第三章 ルーセット編

意外とイケた

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 翌日は、エイデルン商会まで行く必要もなく、朝はゆっくり目に起きた。
 今までずっと、毎日出歩いていたライアはちょっと退屈そうだったけど、馬の毛並みを整えるために持っていたブラシ(小ぶりな奴)でマッサージがてら毛梳きをしてやったら、ごろごろと喉を鳴らして喜んで、それで満足してくれたようだ。その後はおとなしく床に寝転んで、本日のお目付役のリ・オと、何やら精霊にしかわからない言葉で話をしていたみたいだね。
 で、その後は、やはり今日は出かける予定のないロウ達と、四人でひたすらまったりと過ごす。
 こういうのも久しぶり――というか、ターザさんが加入してからは初めてじゃないだろうか?

「サボっているようで、いささか気が咎めるが……それを抜きにすれば、なかなかいい」

 お師匠様のところにいれば、何かしら仕事があっただろうからね。

「トゥザさんのお小言は飛んでこないから、大丈夫だよ。ゆっくりしてね」
「ああ、そうさせてもらおう」

 ソファーにどっかりと座ったガルドさんの隣に腰を下ろした私の言葉に、素直に頷いてくれる様子からしても、その言葉に嘘はないと思う。因みに、さっきまではやはり椅子に座ったロウの膝の上にいました。この後は、ターザさんの方に移動することになるのかな?
 どうも、昨夜の私のため息がよほどいい仕事をしたらしく、今日はいつにもましてみんなが優しい気がしますよ。
『ため息を吐くと、その度に良い事が逃げちゃうんだよ』って、小さいころにおばあちゃんから言われて、なるべくやらないようにしていたんだけど、今回は逆の方に働いたみたいだ。まぁ、だからと言って、乱用する気もないけどね。

「ねぇ、ガルドさん」
「なんだ?」
「昨日の本、もっかい見せて?」

 片手で私の髪を弄んでいたガルドさんに、そう言ってみる。すると、びっくりした顔をされたよ。

「本……って、アレか?」
「うん。夕べはほら……いろいろあって、ちゃんと読めなかったからね」

 真昼間っから夜の教則本を要求するのは少々気恥ずかしかったが、この三人なら気にしないだろうと思う。

「なんて言うのかな……私はこっちの事、今でもあまりよく理解してないことがあるでしょ? 他の事ならともかく、その……こういう事って、なかなか人には聞けないし。詳しく書いてある本があるなら、ちょっとしっかり目を通しておこうかなって」

 ロウ達に聞くにしても、それはあくまでも男性目線だ。だからと言って、同性で訊けるような相手はといえば、これが見事に心当たりがないのだ――改めてそのことを意識して、凹む。いや、いるにはいるが、その相手は遠いハイディンだ。会いに行くわけにもいかないし、手紙を出すにしても時間がかかる上に、何と書けばいいのか途方に暮れるよ。
 となれば、やはり頼りの綱は『大勢に読まれている』書籍ということになる。別に、出刃が目的な興味があるから、ってことじゃないよ。全く無い事もないけど、それが主目的だったら一人でこっそり読む。

「私の常識がこっちの常識じゃないってのは、この事だけに限った話じゃないんだけど……お互いの認識の齟齬で、三人にいろいろ不自由させちゃってるなら改善したいじゃない?」

『こっちの普通の女の人』だったら我慢せずに済むのに……なんてことは、ロウもガルドさんも絶対口にしないけど、『不自由』してた事は今回の事で分かっちゃったし。

「……レイちゃん、つくづく真面目だな」

 真面目で勤勉が売りの元日本人ですからね。

「レイ、お前……そこまで覚悟してくれていたのか」

 一夫一婦制で育った私が、二人目(以降)の旦那さんを迎えた段階で、分かってたんじゃないの、ロウ?

「レイ殿、俺は……感激だ」

 ターザさんこそ、同じ獣族じゃなくて人族、しかも妙な曰く付きの私を選んでくれたじゃないの。

「……そう言う訳で、その……こういうのって一人の時だと、なんかアレじゃない? でも、今ならみんないるから、却って冷静に中身が読めるかなー、って」
「そう言う事なら――何なら、実践しつつ読んでくか?」
「それは却下。今、欲しいのは純粋に知識なんで」

 昨夜ちらりと見ただけだけど、この冊子は、ベッドの中のテクだけを書いてるわけじゃない。
旦那さまへの心配りとか、こちらの『妻』の心得みたいなのもちょろっとだけど書いてあったしね。

 改めてガルドさんが取り出してきた冊子を、ソファーでガルドさんとロウに挟まれた状態で開いてみる。ターザさんは私の後ろに回り、肩越しにのぞき込むような格好で中身に目を落としていて――夕方近くまで時に赤面し、時に驚きに絶叫しつつの読書の時間となりました。

 そうやってのんびりまったり過ごしていたら、いつの間にか夜になっていた。
 やっぱりね。事前の準備時間は、最低でもこのくらいは必要だったと思うんですよ。主に精神的な意味合いでね。

「それについちゃぁ、俺――いや、俺らも反省した。亭主としての心配りってやつが足りてなかった」

 私と出会うまでは、それはそれは自由にあれこれと遊んでいたというガルドさんが、代表して反省の弁を述べる。
 まったりとした時間の間に本人からの自白と、ロウの証言からしてわかったことだが、お相手を務めた女性は、流石に三桁にはとどかないものの、余裕で両手両足の指の数を超えていたというから凄い。ただ、ガルドさんの名誉のためにも断っておくが、そのすべてがお互いに一夜限りと割り切っていた相手、あるいは金銭がらみの関係だったということだ。前者はそもそも結婚の意思のない相手であり、後者は花街のお姉さまとかってことだね。その共通点はと言えば、どっちも性的にはある程度(では済まない相手もいるが)の経験を積んでた、ってことだ。
 厳密には違うかもしれないが――所謂『素人○貞』状態だったわけですね。

「レイちゃん、そりゃ……ちと、手加減してくれよ……」
「純粋で経験のない女の子には手を出さなかった――つまりは、責任が負えないってわかってたから、自重したってことでしょ。褒めてるんだからいいじゃない」

 過去の女性遍歴を聞かされて、ちょっとだけ――ホントにちょっとだけだよ――嫉妬しちゃったから、少し意地悪な口調になるが、これくらいは大目に見てほしい。

「褒められてる気がしねぇんだが、俺の気のせいか?」
「お前への、最大級の褒め言葉だと、俺も思うぞ」

 そう言うロウだって、ガルドさんほどではいないらしいが、そこそこそう言う経験はあるようだ。つか、無い方が気持ち悪い。尚、釣られて(?)白状したところに寄ると、ロウの初体験というのはまだ放浪者になって間もない頃、たまたま宿泊した宿屋の女やもめの主だったらしい。曰く、寝ていたらいきなりドアが開いて――閂は掛けていたが、どうやってか開けたらしい――薄物を羽織った女将が入って来て、有無を言わさず乗っかられたのだとか……。その話を聞いて『AVに有りそうなシチュエーションだな』と思ったのは内緒です。
 女性であれば深刻なトラウマものだけど(男性だってそうなる可能性大だが)、幸いロウはそうはならず、無事(?)に初物をいただかれた上にあれこれと教え込んでもらったのだとか。余談ではあるがその宿は裏ではかなりの評判だったようである。見かけの良い若い男が一人で泊まった場合、高確率で食われる、と。それはさておき、初体験がそう言うものであった上に、それ以後もどうしても溜まってどうしようもなくなった時は花街で解消していたというから、状況的にはガルドさんと似たようなものだ。
 つまり、私の旦那さん方は、素人○貞二人と本物の童○一人だったということだ。ついでに言えば、三名共育った環境がちと変わっているので、所謂『一般的な夫婦』というものについての知識不足や誤解なども有り――ま、その辺は私も同じだから気にしない。これから、手探りでもいいからいい方向に育って行けばいいだけの話なんだから。

 ってことで、ちょいと話が横道にそれたが、いよいよ昨夜のリベンジです。




 毎度のことながらまずはお風呂を使わせてもらった後、三名が待つ寝室へと戻って来る。
 私の覚悟を示すため(?)にも、今日は敢えて服を着ずに、大きな布を体に巻き付けただけの状態だ。
 ――まぁ、こう繰り返すのも何度目かになるのだが、今日はとりあえず最初のチャレンジで、本格的に後ろを使用(爆死)できるかどうかってのは、この後の進捗具合にかかってはいるんだけどね。

「……お手柔らかにお願いします」
「わぁってるって。今夜こそ、お前らも暴走すんじゃねぇぞ」
「ああ、肝に銘じた」
「昨夜の轍は踏まないと約束する」

 三人の頼もしい言葉に一安心しつつ、ベッドの上に上がると、すぐに男性陣も追いかけてくる。
あっという間に体を覆う布を取り払われて――三人掛かりで、私をトロットロにすべく、唇や指が私の肌を這い回り始めた。

「あ、やぁ……気持ち、い……んっ」

 本日は焦らしは一切なしだ。交互に与えられる口づけから始まり、感じやすい耳朶や項を唇が這い回り、胸は勿論、触れられるとビクンってしてしまうわき腹や、擽りに極端に弱いおへそを指で刺激される。一番感じる下にも勿論、誰かが――恐らくはガルドさんだと思われるが――専属で張り付いていて、指と唇で思い切り感じさせてくれていた。

「あ、あっ……も、イっちゃ……っ」

 余りの気持ちよさに、全身がビクビクと痙攣する。

「ああ、どんどんイってくれ」
「あ、んっ……んぁ……んんんっつ!」

 早速、一度目の波がやって来る。素直にそれに身を任せ、絶頂に体をこわばらせた後、脱力してシーツの上に沈み込むと、ロウの指が優しく髪を梳いてくれる。額に汗で張り付いた髪を取り払い、頬から顎にかけて指先で辿られた後、ニャンコにするみたいに顎の下を優しく擽られて、その感触と伝わってくる想いにうっとりした微笑みが浮かぶ。

「レイ殿……今日はいつにもまして綺麗だ」

 ほう、と小さな感嘆のため息を吐くターザさんの声が聞こえて、恥ずかしいのと嬉しいのでつい、その頭をぎゅぅっと胸に抱きしめてしまった。

「っ……我慢が効かくなりそうだ。レイ殿……」
「こら、ターザ。調子に乗るんじゃねぇぞ?」
「……心得ている」

 事前の打ち合わせによって、今回の主目的はとにかく私を気持ちよくすること、と申し合わせてある。三人が気持ちよくなるのは後回し。で、もしそれが可能になったとしても、昨日一番我慢をしたガルドさんに最初の権利が与えられる。
 そこまできっちり決めなくても、と思わないこともなかったが、誰とは言わんがすぐに暴走しがちなのがいるから、やはりこれで正解だったんだろう。

「念のためだ。もう一度、イっておけ」

 字面だけを見れば、そっけなくていっそ事務的ともとれるロウのセリフだが、そうじゃない事を私が理解しているから問題ない。もう一度、丁寧な愛撫が施され――項に吸い付かれながら、片方の胸をロウの手が包み込み、もう片方にはターザさんが顔を埋め、足の中心をガルドさんの指で強く刺激されながら――またしても思いっきり達したら、いよいよ、準備は整った。

「痛かったり、本気で嫌だと思ったら、すぐに言ってくれよ?」
「うん」

 仰向けだった姿勢をうつ伏せにされ、軽く足を開かされ、腰の下にクッションをあてがわれる。裸でお尻を突き出す格好になり、しかもそれを三名にまじまじとみられるというのは、やはりかなり恥ずかしい。トロットロにされた後であり、すぐ下になる部分は真っ赤に熟して、熱い液体を溢れさせているのだからなおさらだ。羞恥と緊張で、どうしても体に力が入りがちになるのだけど、それを敏感に察したロウやターザさんが、宥めるように髪や背中を優しくなでてくれる。その柔らかな感触に合わせて、ゆっくりと息を吐き、出来るだけ余分な力を抜くように努力する。

「んじゃ、始めるとすっか。ちぃっと冷てぇかもしれねぇが……」

 ガルドさんの言葉に続いて、とろりとした液体がソコに滴るのが感じられた。一瞬、びくりと体がこわばって、慌ててリラックスを心がける。

「触るぜ? まだ、中にゃいれねぇから、安心してくれよな」
「うん……」

 私に余計な不安を与えないように、一々断りを入れてからガルドさんがそこへと触れてくる。両手でお尻の肉を広げるようにしながら、小さなすぼまりを中心に、指で円を描くように先ほどの液体を塗り拡げていく。

「ん……」

 この液体は潤滑剤だ。できるだけ抵抗を少なくするために、まずはこうやって馴染ませていく。ぬるん、つるん……とガルドさんの指が周囲をマッサージするように動き、その度にくすぐったい感覚が湧き上がる。わずかに身じろぎをすると、すっかり濡れそぼっていた部分が、くちゅんと粘ついた水音を立てる。

「こっちはもうちっと後で、な?」
「それは、わかってるからっ!」

 からかうような口調に、真っ赤になって言い返すのとほぼ同時、そちらへの注意がそれが隙をついて、ガルドさんの指がすぼまりの中へと侵入してきた。

「あっ!」
「……痛いか?」
「ううん、大丈夫だよ」

 ちょっと驚いたものの、不意をつかれた形になったのは却ってよかったんだと思う。余計な力が入っていなかったので、自分でも驚くほど抵抗がなかった。ただ、挿れられたのはまだほんのちょっと――第一関節位までだが、やはり違和感は半端ない。異物を押し出そうとする動きを我慢するのは、かなりの努力が必要だった。

「吐き気とかはねぇか? 後、どうしても気持ちが悪いとか……?」
「い、いまのとこは大丈夫……」

 ただ、なんというか――力を入れるのが怖い感じはする。そこだけじゃなくて、体全体に、だ。
なもので、岡に上げられたマグロよろしく、ぐったりとしていることしかできない。鼻呼吸よりも口を開いてそっちで息をした方が力が抜きやすいのでそうしているのだが、自分の呼吸音が常よりも大きく聞こえて、そちらでもなんだかドキドキしてしまう。

「なら、もちっと動かすぜ?」
「うん……」

 できるだけそちらの違和感から意識を逸らすようにしているのだが、これで動かされたらどうなるんだろう……? やっぱり止めて、と危うく言いそうになり、寸でのところで思いとどまった。

「ああ……う、ぁ……」

 再び、とろりとした液体がそこへと注がれる。今度は主に、ガルドさんの指を濡らすようにして、その液体を十分に纏わせた指がさらに奥へと侵入してきた。

「お……ぁ、う……あぁ……」

 ゆっくりと――本当にゆっくりと、指がそこを往復し始める。抜かれるとホッとするのだが、またそれが入り込んできた時は、異物感に眉間にしわが寄る。だが、幸いなことにその指は余計は動きは一切せずに、ただ真っ直ぐに奥まで入り込んでは、引き抜く事だけを繰り返してくれる。痛みは、今のところはない。が、何度も繰り返されるうちに違和感がさらに大きくなり、じっとりと背中に汗が浮かぶのが分かった。

「ああ、あ……ガ、ガルドさ……っ」
「もちっと我慢してくれ――こっちも触ってやっから」
「う、ぁ……あっ!」

 我慢のし過ぎで、体が震えだす。その様子を見て、ガルドさんが宥めるように囁いた後、すぐ下にある小さな突起をもう片方の指で触れてきた。

「ああっ……ひ、ぁ……は……」

 しっかりと感じさせられた後だから、そこはすでにぷっくりと膨れて、その存在を声高に主張している。それを優しくなぞられ、下の方まで垂れてきていた潤滑剤とその他の液体の混じったものを塗り込めるようにして刺激される。他で何をどうされていようと、それが気持ちいいことには変わりない。その快感により、新たな液体があふれ出すのと同時に、ガルドさんの指を締め付けていた力がぬける。そのタイミングで、ナカにあったガルドさんの指が角度を付けて動いた。

「んぁっ?」

 かすかな力で腸壁を刺激され、それが初めて違和感と異物感以外の感覚を私にもたらした。

「……お?」

 私の微かな変化も見逃すまいと、注意深く観察していたガルドさんにもそれが分かったようだった。

「ガルド」
「ああ、こりゃ、見込みアリかもな」

 うつ伏せになっているから詳しい状況はわからないのだが、恐らくはロウもガルドさんと同様に、私を注視していたのだろう。ターザさんがいると思われる方からも、ゴクリと喉が鳴る音が聞こえた気がする。

「こら、ターザ。がっつくんじゃねぇ――今日はとにかく、慣らすのが目的なんだからな」
「わ、わかっている」

 ガルドさんやロウほどは場数を踏んでいないターザさんにとって、触るだけ、見ているだけというのは結構つらいものがあるのだろうが、流石に今は勘弁してください。

 突起を弄られながら、ゆるゆるとした挿入を繰り返される。先程、私が反応を示した部分を細心の注意を払いつつ、指の腹でなぞるようにされると、その度に――とはいかないが、変な感覚がそこから沸き上がる。快感ではないが、かといって痛みや不快感でもない不思議な感覚だ。

「あ……う、ぁ……っ! あっ……ガ、ルドさ……っ」
「辛ぇか?」
「ちょっと、限界……かも」

 しかし、今はまだ、違和感と異物感の方が絶対的に大きい。指一本とは言え、腸壁に感じる圧迫感もかなりのものだ。出来るだけがんばって耐えてきたのだけど、その気力もそろそろ限界だった。

「すまねぇ、初っ端から無理させちまった」

 そう言いながら、やはりゆっくりとした速度で指が抜かれていく。完全に抜き取られた後、もう触れてこないことに心底安堵した。
 ほぅ……と、大きく息を吐き、今度こそ完全に脱力してシーツの上に沈み込む。

「がんばったな、レイ」
「ああ、よく辛抱してくれたぜ」
「レイ殿、お疲れでした」

 そんな私に、三人が口々に労ってくれる。優しく髪を梳いたり、汗ばんだ項や背中に軽く唇を落としたり、こわばってしまっていた足をマッサージするように撫でさすったりしてくれる。手のひらや指から伝わってくる温もりに、体だけじゃなくて精神的にも癒されていく。

「お疲れだったな、レイちゃん。もういいから、ゆっくり寝てくれ」

 そう言われて――私は反射的に体を起こして、ガルドさんを振り返っていた。

「ガルドさん」
「ん? なんだ?」
「いいよ?」
「……レイちゃん?」
「だから、その……シて、いいよ?」

 あの最中、口にも態度にも出さなかったけど、時々、固ーいものが足に触ってたんだから知ってるよ。昨日は貧乏くじを引かされた上に、今日は一番刺激の強い役目だったというのに、それでも知らん顔で我慢してくれてたその精神力の強さを尊敬する。
 ロウもターザさんも勿論大好きだし、三人に対する思いに優劣はないのだけど、今、抱かれるとしたらその相手はガルドさんしかいないと思う。

「えっとね、その……触られたせいか、後ろが……なんか、むずむずしてて。このままじゃ寝付けそうになくて、だから……」
「……それが気にならねぇようにしてほしい、ってか?」
「うん」

 だからと言って、我慢してくれたご褒美なんて、上から目線なことは言いたくない。それに、今言ったことも本当の事だし。ムズムズというか、妙に熱を持った感じになっていて、このまま大人しく寝るのなんて無理だ。
 だから――ね?

「死ぬほど気持ちよくして、ぐっすり寝かせてやりゃいいんだな?」
「是非、お願いします」

 真面目な口調で言ったら、小さく笑われた。

「ホントに、マジで――レイちゃんはいい女だぜ」
「お前には過ぎた相手だ、ということか」
「バカたれ。俺がいい男だから、レイちゃんみてぇないい女が出てきてくれたんだろうが」

 ロウの軽口に応じるガルドさんだが、私の言葉の裏側にあるものも全部わかってるんだと思う。けどその事にもやっぱり知らんぷりをして、乗っかって来てくれるガルドさんは、すごくいい男だよ。

「トロットロのへとへとにして、夢も見ずに寝かせてやるぜ」 

 あー、明日は出かける予定だから、へとへとはちょっと勘弁かも……?
 反射的にそんなことが頭に浮かんだのだけど、覆いかぶさって来た逞しい体の質量と熱――それから気合十分の口づけに、すぐにどこかへ行ってしまう。そして、ガルドさんの宣言通りに、とろっとろのヘロヘロになるまで可愛がられて、意識がぶっ飛んで。気が付いたら朝でございました。


 それからの数日間、昼間は例の講義の準備や、エイデルン商会の牧場に預けたシロ達に会いに行ったりして過ごし、夜は更なる開発(?)の為に頑張って――私が後ろで、明確な快感を覚えるようになったのは五日目の事だった。

「ん……く、ぅ……んんっ」

 指を入れられるのには慣れてきたので、三日目からはビー玉よりちょっと大き目のものが連なったア○ルビーズが使われていた。担当するのは、相変わらずガルドさんだ。
 何でできているのかは不明だが、触るとわずかに弾力性のあるソレが七つほど、間隔をあけて細い鎖で連げられている。それにたっぷりと潤滑剤をまとわせて、指でほぐした後で一個ずつ入れていく。初日は三つでギブアップしていたんだけど、今は七つ全部を何とか飲み込めるまでになっていた。
 指で届く範囲よりももっと奥まで詰め込まれて、圧迫感がハンパない。口呼吸しながら、懸命の努力で体の緊張を抜くのは、これを始めた日と同じだ。

「いいか? 抜くぜ?」
「うん……」

 ガルドさんの言葉に小さく頷いて、もたらされる感覚を待ち受ける。
 最後の玉から長く伸びた鎖が引かれ、まずは一つ目。つぷん、という濡れた音と一緒に、私の中から引き出された。
 ……ニワトリが卵を産む時って、こういう感覚なのだろうか? とか、妙なことがチラリと頭をよぎるが、ぎりぎりのところに有った圧迫感が消え、ほっと息をつく。けど、これで終わりじゃない。次にあるのは少し奥まった位置にあるから、そこから出口までの腸壁を擦られる感覚に、背筋がぞわっとしてしまう。三つ目、四つ目と同じような感触が続き、五つ目になった時。
 ほんの少し、抜かれる速度があがったような気がして、それが最初の日、『違う感覚』を覚えた辺りを通過した時だった。

「ああっ!」

 はっきりとした快感が、私の背筋を駆け抜けた。
 突起を弄られるのや、受け入れるための本来の場所を抉られる時とは違う、けど、間違いなく気持ちがいい。初めての事に狼狽えるが、ガルドさんはそれに構わず、残り二つも同じようにして抜き去っていく。

「ああっ、あああんっ!」

 連続して同じ部分を刺激され、その度に高い嬌声を上げてしまう。最後の一個が抜き去られ時に感じたのは、今までのような異物感からの解放された安堵ではなく、もう一度、あの感覚を味わいたいという、はしたない欲求だった。

「気持ちよかったみてぇだな、レイちゃん」
「……今のが、そう、なの?」

 わずかに息を切らせて問いかけると、ガルドさんがニヤリと笑った。

「確証がねぇなら、もっかいやってみるか?」

 そして、私の返事が戻る前に、もう一度、ビーズを入れ始めてしまう。今度はさらに奥まで届く様に、最後の一個を指で押し込むようにされたかと思うと、間髪を入れずに抜かれ始める。
 つぷん、つぷんと、一つずつビーズが外に引き出されるたびに、快感が強くなる。七つ目が出てきたところで、更にもう一度。同じようにされた後、今までで一番早い速度で引き抜かれ、腸壁を擦られる感触と、圧迫からの解放感が連続して私を襲う。

「あ、ぅ……は……う、あああっ!」

 痺れるような快感が、尾てい骨の辺りから沸き上がる。絶え間なく与えられるその感覚に、私はその日、初めて――ア○ルで、達してしまった。

「……あ、は……ぅ……」

 こぽりと前から、熱い液体があふれ出す。些か乱暴に扱われた後ろが、じんじんと疼いているが、それすら気持ちがいいなんて、ありえるんだろうか? あのアダルトサイトに書いてあった『慣れたら癖になる』って言うのは、もしかしてこういう感覚を指していたのだろうか?

「イけたみてぇだな」
「ああ」
「レイ殿……」

 前で感じる快感とは似ているようで全く違うその感覚は、あまりに深すぎて体中の力が抜けちゃった気がする――表情筋まで脱力してるみたいで、自分がどんな顔をしているか、ちょっと想像したくない。

「ヤべぇ……レイちゃん、その顔、エロ過ぎんぜ」

 ……ものすごい、エッチな顔になっていようだ。うん、何となくそんな気はしてたんだけどね。

「……すまん、レイ。限界だ……」
「レイ殿、申し訳ないが……っ」

 そして、それを見た辛抱できない組の二人が、前後して挑みかかって来る。
 ちょっと、二人共、少しはガルドさんを見習いなさ――あ、なんか、今日はそのガルドさんも我慢メーターが振り切っちゃってるみたいだわ。

「ちょ……待っ……んうっ! んっ……うふぅっ!」

 うつ伏せの姿勢のまま、背後からズブズブと太くて硬いものが侵入してくる。最初に丁寧に蕩かされていたから、痛みとかは全くなく、私も素直にそれを受け入れてしまう。それに少し遅れて、上のお口もふさがれちゃって――いつもよりも三割増し位でナカされて、その後はいつも通りのコースで……気が付いたら夜が明けておりました。
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