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ネコバスの中のしりとり(現実世界パート)
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お子様方の無邪気な大合唱の中、俺はなす術もなく、シャント・コウ…山藤耕哉が目を覚ますのをじっと待っているより他はなかった。
やがて、シャント…山藤は目を覚ますと、ふらふらと立ち上がった。
さすがに崖の高さを見上げて、自分が生きていることが不思議になったのだろう、あちこちきょろきょろ見回した。
やがて、すぐそばに落ちていたグェイブに気付いて拾いに行こうとしたのか、足を一歩踏み出すと、その場に倒れた。
どうやら、どこか打ったか、足を挫いたかしたらしい。
あの高さから落ちて、これで済んだのはテヒブから託されたグェイブのおかげである。
こいつの傍らには、命を奪いかねなかった、先の尖った大岩があるのだ。
崖に一瞬だけ刺さったグェイブが落下の軌道をずらさなかったら、シャント…山藤がここに激突していたことだろう。下手をすると、岩が身体を貫通して、見るも無残な死体が「モズのはやにえ」と化していたかもしれない。
それを思えば、多少の打ち身や捻挫は堪えて然るべきものだが、こいつにそんな根性があるわけはなかった。
うんうん唸りながら、グェイブに向かって這って行く。虫かゴミを吸い込んだのか、唾を吐いた。
おかしなことには、こいつが向かっているのは、逃げもしないでシャント…山藤を待っているかのようなグェイブのほうではなかった。
谷川のところどころで白く瀬を噛む、激流のほうへとシャント…山藤は這っていく。
「何やってんだお前!」
思わず叫んだところで、周りの空気が変わった。
もう慣れ切って、ほとんどホワイトノイズと化していたお子様たちの声がぴたりと止んだのだ。
泣き出しそうな子をなだめながら、幼稚園の若い先生が済まなそうに頭を下げた。
「ごめんなさいね、うるさくして」
「あ、いえ、そんな……」
お姉さんの声は、人の不幸を大笑いして見送った沙羅なんかよりも遥かに落ち着いてしっとりしていた。俺は恐縮して、幼稚園バスのシートに収まるくらい身体をすくめた。
シャント…山藤は、流されることもなくグェイブを杖に歩き出す。再び車内に響きわたる「天使の歌声」の中、俺はそれを見守った。
足元が悪いのか、危なっかしくよろけながらも、どうにか前には進んでいる。その先には、丈の高い草むらがある。画面を広げて俯瞰してみると、その先には村へと戻る道があった。
何のつもりでここに来たかは分からないが、こいつの向かうべきは村の反対側だ。今頃はもう、リューナがとっくに僭王の使いにテヒブの死を告げてしまった頃だ。
これで使いが帰れば、あとは吸血鬼ヴォクス男爵をどうするかという問題になる。恐らくリューナは村長の家に連れ戻されるだろう。吸血鬼との戦い方を知らない村人は、彼女を元の部屋に戻すぐらいしかできないだろう。
だが、その先はどう扱われるか。
もう、リューナに利用価値はない。むしろ、村人にとっては邪魔だ。テヒブが助けに来れば、また僭王の耳に入るかもしれない。仮にテヒブが本当に死んでいたとしても、ヴォクス男爵が襲ってくる。村人に、撃退できるわけがない。
そこまで考えた時、俺の背中に悪寒が走った。甲高い叫び声が聞こえる。
「ばいばーい!」
幼稚園児が何人か、バスを降りていった。窓からは、吹雪の中で黄色い帽子の幼子を連れ帰るお母さん方の姿が見える。
だが、俺が感じた寒気は別に、幼稚園バスのドアが開いて雪や冷たい風が吹きこんできたからではない。
……リューナが殺される?
考えてみれば、それが一番手っ取り早い解決策なのだ。
ただし、リスクはある。
……でも、テヒブが生きていたら黙っていないだろう。
……それに、生贄を奪われたヴォクスが報復に出るかもしれない。
しかし、あの臆病な村人や、狡猾な村長のことだ。その辺に思い当たるのは期待できた。
さらに抑止力になるのは、シャント…山藤が持っているグェイブだ。早く村へ戻ってもらわないと困る。
だが、なかなか山道に出てこない。
イラついた俺は、草むらのあたりをクローズアップしてみた。
「はあああ?」
虻に襲われて這いずり回るシャントに思わず叫んだところで、再び歌声が止まった。
……しまった。
微かな声が俺に詫びた。
「うるさいの、分かってるんです。でも」
別に、お子様たちを怒鳴りつけたいわけではない。幼稚園バスは、吹き付ける吹雪のせいでなかなか進まないのである。その中で幼児を泣いたり喚いたりさせないために、うら若い先生方は努力の限りを尽くしているのだった。
俺は、声がしたほうを恐る恐る見やった。
さっきの優しい眼差しとはうって変わって、心に痛い非難の視線が向けられていた。
「いやあの、そういうつもりじゃないんです、お続けください」
「いえ、お気持ちは分かります」
冷ややかな声と共に、先生はお子様たちに呼びかけた。
「じゃあ、今度はしりとりをしましょう」
はーい、という素直な声が上がる。先生は、満面の笑顔で誘いかけてきた。
「ご一緒なさいますか?」
「……お構いなく」
笑顔が眩しいだけに、俺は強烈な皮肉を感じて、シートの上にすくみ込んだ。
俺を絶叫させたスマホの中の事態は、全く解決していない。むしろ、悪化していた。
……そっちじゃない、そっちは!
口に出そうが出すまいが、俺の声はシャント……山藤には聞こえない。ネトゲ廃人は、あえなく谷川の激流に呑まれた。
……上がってこい、山藤!
白い水しぶきが上がる岩場が、水面から突き出していた。ぶつかる前に、そこにしがみつけば助かる。
……やった!
シャント・コウの姿が、水の中から現れた。だが、岩に這い上がるというより、叩きつけられたといったほうが正しい。
……何で?
それでも、岩にしがみついていることに違いはない。少なくとも、溺れないで済む。
ほっとしたところで、子供がしりとりを楽しむのが聞こえてきた。
「このは(木の葉)!」」
「ハッカ!」
「かりんとう!」
それを聞くともなしに聞きながら、俺はシャント…山藤がどうやって岸にたどりつくのか、固唾を呑んで見守っていた。
この激流を渡るのは、たぶんこいつには不可能だ。それに、こんなところにそうそうしがみついていられるものでもない。
……どうすんだよ、山藤!
こうなると、グェイブは邪魔だ。だからといって、リューナのことを考えれば捨てられても困る。
そんな俺の心配も、雪の中のネコバスでは問題にならない。
「さあ、ウのつくものは何かな?」
お姉さん先生は、止まってしまったしりとりの先を促した。俺の後ろの園児も、大真面目にうんうん唸っている。
俺も弱っていた。手も足も出ない。
確かに、山藤がシャントとして苦労するのは、俺の立場としては願ってもないことだ。だが、それは乗り越えられないと意味がない。
キリスト教の教えに「神はあなたが負えない物を背負わせてはいません」というのがあるらしい。俺は神じゃないが、こいつの守護天使といえばそういう立場だ。同じことが言えなくもない。
見ている間に、シャントの身体は岩からずり落ちる。
……危ない!
グェイブを岩に引っかけてでも堪えなければいけないところだ。だがシャントは、あろうことか、それを水の中に突っ込んだ。
……何考えてんだ山藤!
グェイブを捨てた方が安全だと思ったのだろうか。いや、こいつにそこまで考える甲斐性はない。
とにかく、やっていることは無謀この上なかった。
……やめろ!
叫びそうになったが、やるだけムダだし迷惑でもあった。その声をぐっと呑み込んで、激流の上をただ見つめるしかない。
その俺の耳に、先生の声が空しく響く。
「さあ、ウのつくもの……」
荒れ狂う水面に、むっくりと浮かび上がるものがあった。
真っ青な馬の首が、のけぞって跳ね上がる。
「馬?」
あり得ない光景に思わず叫ぶと、バスの中の視線が一斉に集中した。
「は~い、お兄ちゃん凄いね~!」
お姉さん先生の拍手に、園児たちが揃って手を叩いた。
やがて、シャント…山藤は目を覚ますと、ふらふらと立ち上がった。
さすがに崖の高さを見上げて、自分が生きていることが不思議になったのだろう、あちこちきょろきょろ見回した。
やがて、すぐそばに落ちていたグェイブに気付いて拾いに行こうとしたのか、足を一歩踏み出すと、その場に倒れた。
どうやら、どこか打ったか、足を挫いたかしたらしい。
あの高さから落ちて、これで済んだのはテヒブから託されたグェイブのおかげである。
こいつの傍らには、命を奪いかねなかった、先の尖った大岩があるのだ。
崖に一瞬だけ刺さったグェイブが落下の軌道をずらさなかったら、シャント…山藤がここに激突していたことだろう。下手をすると、岩が身体を貫通して、見るも無残な死体が「モズのはやにえ」と化していたかもしれない。
それを思えば、多少の打ち身や捻挫は堪えて然るべきものだが、こいつにそんな根性があるわけはなかった。
うんうん唸りながら、グェイブに向かって這って行く。虫かゴミを吸い込んだのか、唾を吐いた。
おかしなことには、こいつが向かっているのは、逃げもしないでシャント…山藤を待っているかのようなグェイブのほうではなかった。
谷川のところどころで白く瀬を噛む、激流のほうへとシャント…山藤は這っていく。
「何やってんだお前!」
思わず叫んだところで、周りの空気が変わった。
もう慣れ切って、ほとんどホワイトノイズと化していたお子様たちの声がぴたりと止んだのだ。
泣き出しそうな子をなだめながら、幼稚園の若い先生が済まなそうに頭を下げた。
「ごめんなさいね、うるさくして」
「あ、いえ、そんな……」
お姉さんの声は、人の不幸を大笑いして見送った沙羅なんかよりも遥かに落ち着いてしっとりしていた。俺は恐縮して、幼稚園バスのシートに収まるくらい身体をすくめた。
シャント…山藤は、流されることもなくグェイブを杖に歩き出す。再び車内に響きわたる「天使の歌声」の中、俺はそれを見守った。
足元が悪いのか、危なっかしくよろけながらも、どうにか前には進んでいる。その先には、丈の高い草むらがある。画面を広げて俯瞰してみると、その先には村へと戻る道があった。
何のつもりでここに来たかは分からないが、こいつの向かうべきは村の反対側だ。今頃はもう、リューナがとっくに僭王の使いにテヒブの死を告げてしまった頃だ。
これで使いが帰れば、あとは吸血鬼ヴォクス男爵をどうするかという問題になる。恐らくリューナは村長の家に連れ戻されるだろう。吸血鬼との戦い方を知らない村人は、彼女を元の部屋に戻すぐらいしかできないだろう。
だが、その先はどう扱われるか。
もう、リューナに利用価値はない。むしろ、村人にとっては邪魔だ。テヒブが助けに来れば、また僭王の耳に入るかもしれない。仮にテヒブが本当に死んでいたとしても、ヴォクス男爵が襲ってくる。村人に、撃退できるわけがない。
そこまで考えた時、俺の背中に悪寒が走った。甲高い叫び声が聞こえる。
「ばいばーい!」
幼稚園児が何人か、バスを降りていった。窓からは、吹雪の中で黄色い帽子の幼子を連れ帰るお母さん方の姿が見える。
だが、俺が感じた寒気は別に、幼稚園バスのドアが開いて雪や冷たい風が吹きこんできたからではない。
……リューナが殺される?
考えてみれば、それが一番手っ取り早い解決策なのだ。
ただし、リスクはある。
……でも、テヒブが生きていたら黙っていないだろう。
……それに、生贄を奪われたヴォクスが報復に出るかもしれない。
しかし、あの臆病な村人や、狡猾な村長のことだ。その辺に思い当たるのは期待できた。
さらに抑止力になるのは、シャント…山藤が持っているグェイブだ。早く村へ戻ってもらわないと困る。
だが、なかなか山道に出てこない。
イラついた俺は、草むらのあたりをクローズアップしてみた。
「はあああ?」
虻に襲われて這いずり回るシャントに思わず叫んだところで、再び歌声が止まった。
……しまった。
微かな声が俺に詫びた。
「うるさいの、分かってるんです。でも」
別に、お子様たちを怒鳴りつけたいわけではない。幼稚園バスは、吹き付ける吹雪のせいでなかなか進まないのである。その中で幼児を泣いたり喚いたりさせないために、うら若い先生方は努力の限りを尽くしているのだった。
俺は、声がしたほうを恐る恐る見やった。
さっきの優しい眼差しとはうって変わって、心に痛い非難の視線が向けられていた。
「いやあの、そういうつもりじゃないんです、お続けください」
「いえ、お気持ちは分かります」
冷ややかな声と共に、先生はお子様たちに呼びかけた。
「じゃあ、今度はしりとりをしましょう」
はーい、という素直な声が上がる。先生は、満面の笑顔で誘いかけてきた。
「ご一緒なさいますか?」
「……お構いなく」
笑顔が眩しいだけに、俺は強烈な皮肉を感じて、シートの上にすくみ込んだ。
俺を絶叫させたスマホの中の事態は、全く解決していない。むしろ、悪化していた。
……そっちじゃない、そっちは!
口に出そうが出すまいが、俺の声はシャント……山藤には聞こえない。ネトゲ廃人は、あえなく谷川の激流に呑まれた。
……上がってこい、山藤!
白い水しぶきが上がる岩場が、水面から突き出していた。ぶつかる前に、そこにしがみつけば助かる。
……やった!
シャント・コウの姿が、水の中から現れた。だが、岩に這い上がるというより、叩きつけられたといったほうが正しい。
……何で?
それでも、岩にしがみついていることに違いはない。少なくとも、溺れないで済む。
ほっとしたところで、子供がしりとりを楽しむのが聞こえてきた。
「このは(木の葉)!」」
「ハッカ!」
「かりんとう!」
それを聞くともなしに聞きながら、俺はシャント…山藤がどうやって岸にたどりつくのか、固唾を呑んで見守っていた。
この激流を渡るのは、たぶんこいつには不可能だ。それに、こんなところにそうそうしがみついていられるものでもない。
……どうすんだよ、山藤!
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お姉さん先生は、止まってしまったしりとりの先を促した。俺の後ろの園児も、大真面目にうんうん唸っている。
俺も弱っていた。手も足も出ない。
確かに、山藤がシャントとして苦労するのは、俺の立場としては願ってもないことだ。だが、それは乗り越えられないと意味がない。
キリスト教の教えに「神はあなたが負えない物を背負わせてはいません」というのがあるらしい。俺は神じゃないが、こいつの守護天使といえばそういう立場だ。同じことが言えなくもない。
見ている間に、シャントの身体は岩からずり落ちる。
……危ない!
グェイブを岩に引っかけてでも堪えなければいけないところだ。だがシャントは、あろうことか、それを水の中に突っ込んだ。
……何考えてんだ山藤!
グェイブを捨てた方が安全だと思ったのだろうか。いや、こいつにそこまで考える甲斐性はない。
とにかく、やっていることは無謀この上なかった。
……やめろ!
叫びそうになったが、やるだけムダだし迷惑でもあった。その声をぐっと呑み込んで、激流の上をただ見つめるしかない。
その俺の耳に、先生の声が空しく響く。
「さあ、ウのつくもの……」
荒れ狂う水面に、むっくりと浮かび上がるものがあった。
真っ青な馬の首が、のけぞって跳ね上がる。
「馬?」
あり得ない光景に思わず叫ぶと、バスの中の視線が一斉に集中した。
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