22 / 31
夜闇の中に、ふたりの影が重なる
しおりを挟む
ものすごく悲しかったけど、全てはミオノの狂言だったと考えれば、辻褄が合う。
もっとも、それを仕組んだ本人が、しかも幡多ミオノが、それを素直に認めるわけがない。
「ひどい言いがかりね。見損なったわ」
そう言いながら、相変わらず、人を小馬鹿にするような顔で僕を見つめてくる。
もちろん、これは挑発だった。
今までの事件を仕組んだのは自分だと明かしておいて、それを暴いてみせろと言っているのだ。
もちろん、僕は受けて立つ。
ミオノのことなら、そのくらいの気持ちは立ち居振る舞いから軽く読み取れるようになっていた。
まるで、魔法使いたちが読心術を使うときのように。
人の顔色ばかりうかがって生きてきたうえに、事件とは無関係の人たちの痛くもない腹を探らされたおかげだ。
「まずミオノは、わざわざ自分たちへの偏見と暴力を煽ったんだ。マギッターじゃないSNSを使って。そして、ヒノエたちの怒りを搔きたてて、時空を操る禁呪を復活させたんだ……『狭間潜み』を」
もう5月だというのに冷たい夜闇の中で、魔法少女はやっと肩の荷が下りたという顔で答えた。
「すごい悪者ね、私……さすが魔女。同じ魔法使いを犠牲にするなんて」
最初にマギッターで出会った、魔法使いのオバサンやお婆さん、サラリーマン風のおっさんや小生意気な男の子の姿が目に浮かぶ。
みんな、ミオノが大好きだったのだ。
「だから、誰からも疑われなかった。仲間たちや政野さん、生徒会長からも……そして、僕からも。君が調べさせた長瀬雪乃も、藤野明も、小笠原健太郎も、みんな目くらましだったんだ」
一緒に過ごした毎日の裏側を暴き立てるのは、たまらなく悲しかった。
たとえ、それがミオノ自身からの挑戦だとしても。
ただ利用されただけだなんて、思いたくはなかった。
でも、ミオノはとどめの一言で、全てを認めた。
「本当に便利だったよ、シトミ君は」
僕はミオノにとって、それだけの相手でしかなかったのだ。
すると、あの出会いは何だったのだろうか。
「最初に会ったときから?」
ミオノは、面倒臭そうに声を荒らげる。
「聞かないでよ、分かり切ったことは」
それでも食い下がったのは、未練がましいというのか、往生際が悪いというのか。
「そんなことまでしてやらなくちゃいけないこと? 禁呪の復活は」
毅然とした声が、凛と張り詰めた夜の空気を震わせる。
「そうよ。立ち上がるべきなの。私たちは」
そこまで言われても、やっぱり諦めきれなかった。
「信じてる。本当は、そんなことしたくなかったんだって」
深いため息と共に、答えが返ってきた。
「私は最初から、あなたたちが嫌いだった」
それは魔法使いとして、そうでない人々との決別を告げる言葉だった。
僕は卑屈なくらいになりふり構わず、泣き落としにかかった。
「守ってくれたじゃないか、さっきだって」
「シトミを守ったんじゃないわ。あそこでヤンキーどもに怪我でもされたら、警察沙汰になって面倒だからよ」
そんな言葉で突き放されても、僕は挫けなかった。
口は悪いし偉そうだし、人の好き嫌いで態度の裏表はコロコロ変えるけど、本当のミオノは決して、そんな女の子じゃない。
それは理屈じゃなくて、僕が心の奥底で感じ取ってきたことだった。
でも、それをミオノに伝えることはできなかった。
「違う、違う、違うよ、そんなこと言うなよ……」
こんなことしか言えないのがもどかしい。
だいたい、そんな気持ちは簡単に言葉にできるものではないのだ。
それでも、僕は自分の気持ちを伝えるべきだった。
どんなにカッコ悪くても、たとえ嫌われても。
もたもたしているうちに、僕は最後のチャンスを失った。
何も言えないままミオノを見つめる僕の前に、天から降ってきたとも地から湧いたともつかない影が、突如として現れたのだ。
「遅いぞ、ミオノ」
愛想のない声には、聞き覚えがあった。
背はひょろりと高い。校門の灯を背にしているので顔はよく見えないけど、その目はたぶん、冷たい。
ミオノは、心底困り果てたという声で、その男に訴える。
「ごめん、ヒノエ。しつこくて……こいつが」
もちろん、こいつ呼ばわりされたのは僕だ。
本当にさっきと同一人物かと思うほどの、変わり身の早さだった。
ミオノを背中にかばったまま、そいつは僕を見下ろしながら告げた。
「普通のやつらがちょっかい出すんじゃねえよ、魔法使いにさ」
それは確かに悪態以外の何物でもなかったのだが、僕の耳にヒノエの声はこの上なく晴れやかに聞こえた。
なんだか、ずっと押し込められていた牢獄を破って出てきた囚人が、これまで虐待を加えてきた看守に浴びせる嘲笑のようにも聞こえた。
僕はといえば、どこまでも沈んでいく気持ちを感じないではいられなかった。
でも、それはヒノエの勢いに呑まれてしまったからとか、そういう意味ではない。
「こんなことしたって、ますます嫌われるだけだよ」
それが、たまらなく、悲しかったのだ。
禁呪のために仲間を危険にさらしたミオノが。
いや、新たな魔法の力を得て、有頂天になっているヒノエまでもが。
さらに、この魔法高校の男子は、興奮の色を増した甲高い笑い声で僕を罵り倒す。
「……ってことは、俺たちが嫌いだってことじゃないか、お前も」
ヒノエの理屈からすれば、そういうことになるのだろう。
僕は「普通の奴ら」のひとりなのだから。
でも、その言い分をまるごと認めるわけにはいかなかった。
「そういうんじゃない」
もっとマシな反論がありそうなものだが、心の中から溢れ出しそうな思いを口にしようとすれば、喉につっかえて、代わりに鼻水と涙になって流れだしそうだった。
仕方がないから、僕は口を固く結んで息を止めて詰め寄るしかなかった。
ヒノエは後ずさる。
「お前らはいつだってそうだ、俺たちには何もされないのをいいことに言いたい放題、やりたい放題、それを責められると、そうやって何も言わずに……」
そう言っている間にも、僕は身体の中を駆け巡る感情を形にできそうな言葉を探しては吐きながら、少しずつ、しかし前へ前へと歩みを進めた。
「違う、もうちょっとなんだ、もうちょっと話せば……」
ヒノエはというと、ミオノのほうへと退いていく。さっきまでよく動いていた舌は次第にもつれはじめ、とうとうこんな情けないことしか口にできなくなっていた。
「近寄るな、俺にもミオノにも」
もしかすると、それが魔法の呪文だったのかもしれない。
その言葉には、僕の心の奥底に働きかける何かがあったのだろう。
足がもつれたのか、何かにつまずいたのか、僕は前に思いきりつんのめって倒れていた。
地面に叩きつけられた腹や胸や脚の痛みにこらえながら、僕はようやくのことで顔を上げた。
「聞いてくれよ……僕の話を」
そこにいたのは、ヒノエじゃなかった。
校門の灯を背にしてもなお、暗闇の中にそれと分かる冷たい目が僕を見下ろしているのが分かる。
ミオノだ。
何か声をかけてくれないかと期待したが、その言葉が向けられたのは僕じゃなかった。
傍らに立つヒノエに寄り添うと、その耳元に囁きかける。
「教えて……禁呪を」
いつもは人……というより僕ばかりを突き放すようなことばかり言っているのに、今夜のミオノの声には、甘い響きがあった。
抑揚のない声が、低く囁き返す。
「危険な呪文なんだ。声に出すだけで、周りにどんなことを引き起こすか分からない」
「構わないわ。だって、ここはもともと、私たちの場所じゃないもの」
つまり、魔法使いの学校でなければ消えてなくなってもいいということだ。ミオノの口からそんな言葉が出たのには、僕も胸を締め付けられる思いがした。
それじゃあ、とヒノエの声が答える。
だが、ミオノはみなまで言わせようとはしなかった。
「抱き締めて、このまま」
そのひと言を最後に、ふたりの魔法使いが影が重ねた。
聞こえる言葉は何ひとつなく、ひとつになったその姿もまた消えていた。
もっとも、それを仕組んだ本人が、しかも幡多ミオノが、それを素直に認めるわけがない。
「ひどい言いがかりね。見損なったわ」
そう言いながら、相変わらず、人を小馬鹿にするような顔で僕を見つめてくる。
もちろん、これは挑発だった。
今までの事件を仕組んだのは自分だと明かしておいて、それを暴いてみせろと言っているのだ。
もちろん、僕は受けて立つ。
ミオノのことなら、そのくらいの気持ちは立ち居振る舞いから軽く読み取れるようになっていた。
まるで、魔法使いたちが読心術を使うときのように。
人の顔色ばかりうかがって生きてきたうえに、事件とは無関係の人たちの痛くもない腹を探らされたおかげだ。
「まずミオノは、わざわざ自分たちへの偏見と暴力を煽ったんだ。マギッターじゃないSNSを使って。そして、ヒノエたちの怒りを搔きたてて、時空を操る禁呪を復活させたんだ……『狭間潜み』を」
もう5月だというのに冷たい夜闇の中で、魔法少女はやっと肩の荷が下りたという顔で答えた。
「すごい悪者ね、私……さすが魔女。同じ魔法使いを犠牲にするなんて」
最初にマギッターで出会った、魔法使いのオバサンやお婆さん、サラリーマン風のおっさんや小生意気な男の子の姿が目に浮かぶ。
みんな、ミオノが大好きだったのだ。
「だから、誰からも疑われなかった。仲間たちや政野さん、生徒会長からも……そして、僕からも。君が調べさせた長瀬雪乃も、藤野明も、小笠原健太郎も、みんな目くらましだったんだ」
一緒に過ごした毎日の裏側を暴き立てるのは、たまらなく悲しかった。
たとえ、それがミオノ自身からの挑戦だとしても。
ただ利用されただけだなんて、思いたくはなかった。
でも、ミオノはとどめの一言で、全てを認めた。
「本当に便利だったよ、シトミ君は」
僕はミオノにとって、それだけの相手でしかなかったのだ。
すると、あの出会いは何だったのだろうか。
「最初に会ったときから?」
ミオノは、面倒臭そうに声を荒らげる。
「聞かないでよ、分かり切ったことは」
それでも食い下がったのは、未練がましいというのか、往生際が悪いというのか。
「そんなことまでしてやらなくちゃいけないこと? 禁呪の復活は」
毅然とした声が、凛と張り詰めた夜の空気を震わせる。
「そうよ。立ち上がるべきなの。私たちは」
そこまで言われても、やっぱり諦めきれなかった。
「信じてる。本当は、そんなことしたくなかったんだって」
深いため息と共に、答えが返ってきた。
「私は最初から、あなたたちが嫌いだった」
それは魔法使いとして、そうでない人々との決別を告げる言葉だった。
僕は卑屈なくらいになりふり構わず、泣き落としにかかった。
「守ってくれたじゃないか、さっきだって」
「シトミを守ったんじゃないわ。あそこでヤンキーどもに怪我でもされたら、警察沙汰になって面倒だからよ」
そんな言葉で突き放されても、僕は挫けなかった。
口は悪いし偉そうだし、人の好き嫌いで態度の裏表はコロコロ変えるけど、本当のミオノは決して、そんな女の子じゃない。
それは理屈じゃなくて、僕が心の奥底で感じ取ってきたことだった。
でも、それをミオノに伝えることはできなかった。
「違う、違う、違うよ、そんなこと言うなよ……」
こんなことしか言えないのがもどかしい。
だいたい、そんな気持ちは簡単に言葉にできるものではないのだ。
それでも、僕は自分の気持ちを伝えるべきだった。
どんなにカッコ悪くても、たとえ嫌われても。
もたもたしているうちに、僕は最後のチャンスを失った。
何も言えないままミオノを見つめる僕の前に、天から降ってきたとも地から湧いたともつかない影が、突如として現れたのだ。
「遅いぞ、ミオノ」
愛想のない声には、聞き覚えがあった。
背はひょろりと高い。校門の灯を背にしているので顔はよく見えないけど、その目はたぶん、冷たい。
ミオノは、心底困り果てたという声で、その男に訴える。
「ごめん、ヒノエ。しつこくて……こいつが」
もちろん、こいつ呼ばわりされたのは僕だ。
本当にさっきと同一人物かと思うほどの、変わり身の早さだった。
ミオノを背中にかばったまま、そいつは僕を見下ろしながら告げた。
「普通のやつらがちょっかい出すんじゃねえよ、魔法使いにさ」
それは確かに悪態以外の何物でもなかったのだが、僕の耳にヒノエの声はこの上なく晴れやかに聞こえた。
なんだか、ずっと押し込められていた牢獄を破って出てきた囚人が、これまで虐待を加えてきた看守に浴びせる嘲笑のようにも聞こえた。
僕はといえば、どこまでも沈んでいく気持ちを感じないではいられなかった。
でも、それはヒノエの勢いに呑まれてしまったからとか、そういう意味ではない。
「こんなことしたって、ますます嫌われるだけだよ」
それが、たまらなく、悲しかったのだ。
禁呪のために仲間を危険にさらしたミオノが。
いや、新たな魔法の力を得て、有頂天になっているヒノエまでもが。
さらに、この魔法高校の男子は、興奮の色を増した甲高い笑い声で僕を罵り倒す。
「……ってことは、俺たちが嫌いだってことじゃないか、お前も」
ヒノエの理屈からすれば、そういうことになるのだろう。
僕は「普通の奴ら」のひとりなのだから。
でも、その言い分をまるごと認めるわけにはいかなかった。
「そういうんじゃない」
もっとマシな反論がありそうなものだが、心の中から溢れ出しそうな思いを口にしようとすれば、喉につっかえて、代わりに鼻水と涙になって流れだしそうだった。
仕方がないから、僕は口を固く結んで息を止めて詰め寄るしかなかった。
ヒノエは後ずさる。
「お前らはいつだってそうだ、俺たちには何もされないのをいいことに言いたい放題、やりたい放題、それを責められると、そうやって何も言わずに……」
そう言っている間にも、僕は身体の中を駆け巡る感情を形にできそうな言葉を探しては吐きながら、少しずつ、しかし前へ前へと歩みを進めた。
「違う、もうちょっとなんだ、もうちょっと話せば……」
ヒノエはというと、ミオノのほうへと退いていく。さっきまでよく動いていた舌は次第にもつれはじめ、とうとうこんな情けないことしか口にできなくなっていた。
「近寄るな、俺にもミオノにも」
もしかすると、それが魔法の呪文だったのかもしれない。
その言葉には、僕の心の奥底に働きかける何かがあったのだろう。
足がもつれたのか、何かにつまずいたのか、僕は前に思いきりつんのめって倒れていた。
地面に叩きつけられた腹や胸や脚の痛みにこらえながら、僕はようやくのことで顔を上げた。
「聞いてくれよ……僕の話を」
そこにいたのは、ヒノエじゃなかった。
校門の灯を背にしてもなお、暗闇の中にそれと分かる冷たい目が僕を見下ろしているのが分かる。
ミオノだ。
何か声をかけてくれないかと期待したが、その言葉が向けられたのは僕じゃなかった。
傍らに立つヒノエに寄り添うと、その耳元に囁きかける。
「教えて……禁呪を」
いつもは人……というより僕ばかりを突き放すようなことばかり言っているのに、今夜のミオノの声には、甘い響きがあった。
抑揚のない声が、低く囁き返す。
「危険な呪文なんだ。声に出すだけで、周りにどんなことを引き起こすか分からない」
「構わないわ。だって、ここはもともと、私たちの場所じゃないもの」
つまり、魔法使いの学校でなければ消えてなくなってもいいということだ。ミオノの口からそんな言葉が出たのには、僕も胸を締め付けられる思いがした。
それじゃあ、とヒノエの声が答える。
だが、ミオノはみなまで言わせようとはしなかった。
「抱き締めて、このまま」
そのひと言を最後に、ふたりの魔法使いが影が重ねた。
聞こえる言葉は何ひとつなく、ひとつになったその姿もまた消えていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百々五十六の小問集合
百々 五十六
ライト文芸
不定期に短編を上げるよ
ランキング頑張りたい!!!
作品内で、章分けが必要ないような作品は全て、ここに入れていきます。
毎日投稿頑張るのでぜひぜひ、いいね、しおり、お気に入り登録、よろしくお願いします。
ノイジーガール ~ちょっとそこの地下アイドルさん適性間違っていませんか?~
草野猫彦
ライト文芸
恵まれた環境に生まれた青年、渡辺俊は音大に通いながら、作曲や作詞を行い演奏までしつつも、ある水準を超えられない自分に苛立っていた。そんな彼は友人のバンドのヘルプに頼まれたライブスタジオで、対バンした地下アイドルグループの中に、インスピレーションを感じる声を持つアイドルを発見する。
欠点だらけの天才と、天才とまでは言えない技術者の二人が出会った時、一つの音楽の物語が始まった。
それは生き急ぐ若者たちの物語でもあった。
パソニフィ・コンフュージョン
沼蛙 ぽッチ & デブニ
ライト文芸
沼蛙 ぽッチ作。
◇擬人化女子高生、謎と混乱と青春の日々◇
(アルファ内限定コラボ☆創作仲間の青春B介さんにより一般漫画投稿されています。)
"擬人化"という現象で動物たちが人と変わらない姿に変わる世界。
独り気ままに高校生活を送る主人公は、何の動物の擬人化なのか"謎"の女子高生。
主人公の正体を暴きたいクラスメート、
ネコの擬人化ミトさんに、熱烈なファンの林さん。
彼女らに関わる事がきっかけで、教職員や先輩に保護者など、様々な人たちと交流が広がっていく。
彼らの想いや想像が交差し、劇変した主人公の日常生活。
そんな彼女が直面する、青春と混乱の物語の結末とは─
【完結】ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~
青依香伽
恋愛
ルイーズは婚約者を幼少の頃から家族のように大切に思っていた
そこに男女の情はなかったが、将来的には伴侶になるのだからとルイーズなりに尽くしてきた
しかし彼にとってルイーズの献身は余計なお世話でしかなかったのだろう
婚約者の裏切りにより人生の転換期を迎えるルイーズ
婚約者との別れを選択したルイーズは完璧な侍女になることができるのか
この物語は様々な人たちとの出会いによって、成長していく女の子のお話
*更新は不定期です
きんだーがーでん
紫水晶羅
ライト文芸
同じ短大の保育科に通う、政宗、聖、楓、美乃里の四人は、入学当初からの気の合う仲間だ。
老舗酒蔵の跡取り息子でありながら、家を飛び出した政宗。複雑な家庭環境の下で育った聖。親の期待を一身に背負っている楓。両親の離婚の危機に怯える美乃里。
それぞれが問題を抱えながらも、お互い胸の内を明かすことができないまま、気がつくと二年生になっていた。
将来の選択を前に、少しずつ明らかになってくるそれぞれの想い。
揺れ動く心……。
そんな中、美乃里の不倫が発覚し、そこから四人の関係が大きく変わり始めていく。
保育士を目指す男女四人の、歪な恋と友情の物語。
【短編集】或るシンガーソングライターの憂鬱/或るシングルマザーの憂鬱
ふうこジャスミン
ライト文芸
●【連載中】「或るシンガーソングライターの憂鬱」
闇堕ちした元シンガーソングライターの、変人たちに囲まれた平凡な日常
●【完結】「或るシングルマザーの憂鬱」シングルマザーの小北紗季は、職場の変人メガネ男と恋愛関係に発展するか!?
後宮の下賜姫様
四宮 あか
ライト文芸
薬屋では、国試という国を挙げての祭りにちっともうまみがない。
商魂たくましい母方の血を強く譲り受けたリンメイは、得意の饅頭を使い金を稼ぐことを思いついた。
試験に悩み胃が痛む若者には胃腸にいい薬を練りこんだものを。
クマがひどい若者には、よく眠れる薬草を練りこんだものを。
饅頭を売るだけではなく、薬屋としてもちゃんとやれることはやったから、流石に文句のつけようもないでしょう。
これで、薬屋の跡取りは私で決まったな!と思ったときに。
リンメイのもとに、後宮に上がるようにお達しがきたからさぁ大変。好きな男を市井において、一年どうか待っていてとリンメイは後宮に入った。
今日から毎日20時更新します。
予約ミスで29話とんでおりましたすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる