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<<005 イケメンは正義ですね
しおりを挟む「おはようございま~す」
校門を通り過ぎると生徒会が元気よく挨拶をしている。
「今日も早いなオタク君」
俺は中学生の時からボッチだった癖に皆勤賞だ、休みたい日も風邪の日も学校に行った。
理由は……分かりきってる。
そこら辺に生えてる木みたいにずっと立ってればいいのに、と思いながら生徒会長に挨拶を返す。
「鈴木会長様、おはようございます」
俺は礼儀正しくお辞儀をして、そのまま学校の中へと……。
「あの件はどうなった?」
「中学の時から言ってるだろ、俺にはもう関係ない」
コイツが中学生の時に俺をいじめていた主犯格のイケメンだ。
高校1年生で生徒会長とは同級生としては鼻が高い。
突っかかることがなかったらな。
この学校は1年生の中でも優等生の奴が半年間は生徒会長 (仮)をするそうだ。
どうでもいいけどな。
「フミカさんには僕みたいな者が相応しい」
「あ~そうですか」
「約束は忘れるなよ」
ポンポンと俺の肩を叩き定位置に戻って行ったイケメン。
学校に入ると後ろに見える校門からフミカがチラッと見えた。
イケメン君と楽しそうに話をしている。
俺はそれを無視するように教室まで直行する。
机に座った俺は誰もいない教室でふて寝する。
「俺は最低のクズだ」
フミカから喋りかけた時にしか喋らないとイケメンと約束した。
何故か? イジメが嫌だったからだ、ただそれだけの事で。
毎日、毎日、朝から放課後までイジメを受けつづける。
常人の俺には無理だった、先生に頼る? 俺が悪いと決めつけられた。
そりゃそうだよな、だって優等生が悪いと主張するボッチの俺。
完全に道化だろ。
そんな俺に……。
『りょうくん』
コイツは……。
「りょうくん」
「おう! フミカか!」
イケメン君との話が終わって教室に来たフミカに俺は笑顔で応える。
俺は昔の俺を演じる。
「えっ?」
「どうした? そんな顔して」
フミカは幽霊でも見たように後ろに3歩ぐらい後退する。
「悪いな、今日も逃げたりして」
「いや、いいんだよ! 私の方も追いかけたから」
フミカは顔を下に向けて近づこうとしない。
さすが嫌われ王の意見だ! これならいける!
「どうした? 病気か? あれだけ走ってたんだ、汗とか拭かないと風邪引くだろ」
俺は鞄からタオルを取り出してフミカの頬に触れる。
「汗? 近づかないでりょうくん!」
俺は初めてフミカに拒絶された。
フミカは顔を隠したまま、鞄を持って教室から出ていく。
それを見送った後に残った虚無感は少し湿ったタオルで、より一層増していく。
これでいいんだと、自分に言い聞かせながら、タオルを鞄にしまう。
俺は再度ふて寝して、フミカが返ってきたのはホームルームが始まる直前だった。
何時もは笑いかけてくるフミカが1回もコチラを見ずに席に着いたのを見て、ズキッと心が傷んだ。
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