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21章
21章⑥
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熱を放出したばかりで過敏になっている体に触れると、びくっと震えた。
「うん……智弥、きて……」
それでも涙をたたえたままにっこり微笑むと、光希は智弥を迎えるように、まっすぐに腕を伸ばしてきた。
――ああもう。たまんねえ。
汗でぬめる指でゴムを素早く装着し、光希のほっそりした脚を深く折り曲げてそのひくついた蕾へと腰を沈める。
「あ……!」
敏感な部分を熱い肉壁に包まれる。智弥を逃がすまいと絡みつくように締め付けられ、まだ動いてもいないのに絶頂を迎えそうになる。
「……っ、くそっ」
一度呼吸を整えてから、律動を開始する。中を抉るように腰を動かしながら、光希の奥へと身体を埋め込んでいく。
「あ、あ、あぁ……」
激しく揺さぶるたびに、熱に浮かされた声をあげ、さらに智弥を情欲の渦へと巻きこんでいく。
先ほどのしこりに智弥の先端が当たった。とたんにびくりと光希の中心が頭をもたげる。
「あっ、やあ、ああんっ」
無意識なのか、光希が足を智弥の腰に回してきた。より深く繋がり、さらに快感が増す。
「あ……っ、光希……ヤバい……っ」
さらに激しく腰を揺らす。智弥の腹の下で光希の中心が反り返り、また蜜を溢れさせる。
智弥を締め付ける力が増していく。
「光希……っ」
――好きだ。好きだ。どうしようもなく。
自分がこんなに誰かを好きになれるなんて知らなかった。
もう、一人で乗り越えさせない。ずっと、こいつのそばに。
「あ……智弥……智弥……っ」
苦しいような、それでいて快感に酔っているような恍惚とした表情に、爪先から首筋まで震えが走った。
ぞわぞわと抗いがたい快感の波が押し寄せてきて、智弥は獣のような唸り声をあげて、光希の奥へと熱を吐き出した。続けて光希もまた快感を解き放つ。
身体を繋げたまま、お互い、荒い呼吸で見つめ合う。と、光希が眉を寄せて、ボロボロと涙を零した。
「おいっ……」
激しすぎたかと後悔の念がよぎり、その頬に手をあてたとき、光希が掠れた声で言った。
「好き……」
「光希……」
「俺、智弥が好き……もう離れたくない……」
涙はとめどなくあふれてくる。
「うん……俺も、あんたを離したくない」
涙を拭うように頬に唇を当てる。キスを繰り返し、噛みしめて赤くなった唇を舐めた。せがむようにうなじに腕を回され、深く口づけを交わした。
***
「……甘かった?」
「ん?」
狭いベッドの中、額同士をくっつけたまま光希が尋ねてくるのを、意味を掴めず曖昧に応える。
「涙って、悲しいときと嬉しいときで味が違うんだって。……って、分かんないよね、そんなの」
ごめんごめん、と照れくさそうに笑って、枕に顔を埋める。
涙の味なんて考えたことねえ。
「甘かった……ような気がする」
ふふ、と片目だけこちらに向けて瞳を細める。
「――ありがと」
と、子どもにするように頭を撫でられたので、その手をとって引き寄せてまたキスをした。
「うん……智弥、きて……」
それでも涙をたたえたままにっこり微笑むと、光希は智弥を迎えるように、まっすぐに腕を伸ばしてきた。
――ああもう。たまんねえ。
汗でぬめる指でゴムを素早く装着し、光希のほっそりした脚を深く折り曲げてそのひくついた蕾へと腰を沈める。
「あ……!」
敏感な部分を熱い肉壁に包まれる。智弥を逃がすまいと絡みつくように締め付けられ、まだ動いてもいないのに絶頂を迎えそうになる。
「……っ、くそっ」
一度呼吸を整えてから、律動を開始する。中を抉るように腰を動かしながら、光希の奥へと身体を埋め込んでいく。
「あ、あ、あぁ……」
激しく揺さぶるたびに、熱に浮かされた声をあげ、さらに智弥を情欲の渦へと巻きこんでいく。
先ほどのしこりに智弥の先端が当たった。とたんにびくりと光希の中心が頭をもたげる。
「あっ、やあ、ああんっ」
無意識なのか、光希が足を智弥の腰に回してきた。より深く繋がり、さらに快感が増す。
「あ……っ、光希……ヤバい……っ」
さらに激しく腰を揺らす。智弥の腹の下で光希の中心が反り返り、また蜜を溢れさせる。
智弥を締め付ける力が増していく。
「光希……っ」
――好きだ。好きだ。どうしようもなく。
自分がこんなに誰かを好きになれるなんて知らなかった。
もう、一人で乗り越えさせない。ずっと、こいつのそばに。
「あ……智弥……智弥……っ」
苦しいような、それでいて快感に酔っているような恍惚とした表情に、爪先から首筋まで震えが走った。
ぞわぞわと抗いがたい快感の波が押し寄せてきて、智弥は獣のような唸り声をあげて、光希の奥へと熱を吐き出した。続けて光希もまた快感を解き放つ。
身体を繋げたまま、お互い、荒い呼吸で見つめ合う。と、光希が眉を寄せて、ボロボロと涙を零した。
「おいっ……」
激しすぎたかと後悔の念がよぎり、その頬に手をあてたとき、光希が掠れた声で言った。
「好き……」
「光希……」
「俺、智弥が好き……もう離れたくない……」
涙はとめどなくあふれてくる。
「うん……俺も、あんたを離したくない」
涙を拭うように頬に唇を当てる。キスを繰り返し、噛みしめて赤くなった唇を舐めた。せがむようにうなじに腕を回され、深く口づけを交わした。
***
「……甘かった?」
「ん?」
狭いベッドの中、額同士をくっつけたまま光希が尋ねてくるのを、意味を掴めず曖昧に応える。
「涙って、悲しいときと嬉しいときで味が違うんだって。……って、分かんないよね、そんなの」
ごめんごめん、と照れくさそうに笑って、枕に顔を埋める。
涙の味なんて考えたことねえ。
「甘かった……ような気がする」
ふふ、と片目だけこちらに向けて瞳を細める。
「――ありがと」
と、子どもにするように頭を撫でられたので、その手をとって引き寄せてまたキスをした。
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