アマービレ・ブリオーソ・アモローソ amabile,brioso,amoroso.

椎葉ユズル

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21章

21章③

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 今さら何言ってんだ。

 呆れて大きくため息をつくと、光希のほっそりした身体を抱え上げ――すぐ後ろにあるベッドへと押し倒した。

 シーツに貼り付けた肢体は、ひとつの美しい絵画のようだった。そっと脇腹に触れると、筋肉がわずかに緊張した。

「と……智弥、ちょっと待って……」
「待たない」

 両腕で顔を挟んで覆いかぶさると、何か言いかけた唇に口づける。欲望の赴くままに、舌を差し入れて吸い上げた。なぶるように舌を動かして、光希の熱い舌を追いつめる。

 やがて、逃げてばかりだったそれが少しずつ差し出され、意志を持って智弥の舌先を舐めた。たまらず絡めとり、より深く繋がりたいという情動にまかせて、思いきり啜った。

 痺れる感覚の残った唇を離すと、呼吸が苦しかったのか、光希ははあっと大きく胸を上下させた。

「……あんたは余計な心配しすぎ」

 と、額を爪で軽く弾いた。ついでに先程のキスで上気した頬をするりと撫でる。

「なにすんだよ……」

 光希は指先で弾かれた箇所を擦った。抗議するように睨み上げてくる表情ですら可愛いと思ってしまう。

 年上の、男なのにな。

 自分でも可笑しくて、笑いがこみあげてきた。

 智弥は起き上がると汗で張り付いたTシャツを乱暴に脱ぎ捨てた。さらにジーンズの前を広げ、すでに兆しを見せている自らの昂りを光希の太腿に押し当てる。

「な? 大丈夫だろ」
「智弥……っ」

 羞恥に頬を染めて、その後すぐに安堵したように微笑む。その頬を撫で上げ、啄むように口づけを落とした。
「ん……」

「光希……好きだ」
「ん……俺も、好き……」

 折り重なるように肌を合わせ、お互いの熱を奪い合う。手のひらを胸に這わせ、突起にたどり着くと指でそっと摘まんだ。

「は……」
 くりくりと押しつぶすように触れると細い腰が快感を逃がすように揺らめいた。もう片方の尖りを口に含んで、少しだけ歯をたてた。

「あ、あぁ……んっ」
 智弥の下腹部に当たっている光希の中心が徐々に硬さを増していく。腰を動かして、布地の上から擦り上げる。その間にも胸の愛撫を止めることはない。先端を尖らせた舌で突いては吸い上げ、周辺をぞろりと舐めまわす。

「くっ、んん……」
 声を漏らすまいと自らの指をくわえているが、抑えきれない情欲が隙間から漏れ聞こえてくる。それが智弥の身体の奥を疼かせた。

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