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発覚と報告
しおりを挟むとりあえず、教室の前まで戻ってきたけど__中で誰か話しているみたいだ。
扉の近くに背中をつけて耳を壁に押し当て中の様子を探る。
廊下に人があまり残っていないので、少し大胆に行動してしまっているけど冷静になるとこの体勢やばいな~
さっさと中に入った方が、手っ取り早く決定打得られたりしないかな。
てっきり、先生と受験者2人で話していると思っていたけど3人?4人中にいるみたい。
体を壁から離して息を吐いたその瞬間後ろから声をかけられた。
「どうかした?」
教室の中に意識を向けていた為、ものすごくびっくりした。……さっきの体勢見られてないよね!?
振り返ると、試験前に教室を出ていった4人のうちの1人が立っていた。
「えっと、この教室で先生が相談に乗ってくれると聞いたので来てみたのですが…」
「ああ!君もなのか。さあさあ中に入って。」
「え?あ、はい」
よく分からないまま、その人に押されて教室に入ってしまった。
中には、顔面蒼白の男性とその周りを囲うように立つ2人の男性。教卓の前には、監督の先生がいて女性と話している。
「この教室では、試験に不安がある子たちへの救済を行っているんだよ。」
「そうなんですね」
救済?何をしているの?
「…具体的にはどのようなことを?」
「試験に受からないけど、どうしても学園に入学したいっていう子にお金を貸したり、告発しないであげたり…ね」
「なるほど、それはすごいですね。」
そんなのは救済なんかじゃない。弱みを握って意のままに操ろうとしているだけ。どうせ、利息も法外なんでしょう?ただの地獄への片道切符だ。
……こんなことを堂々とやるなんて、この人には罪悪感というものが無いのね。心底軽蔑するわ。
「それで、君は何に困っているのかい?」
やっぱりなんでもない、では帰れないよね…
「……試験に合格しているかどうかが知りたくて……」
「うーん、残念だけどそれはまだ分からないよ、採点は全ての地点で試験が終わってからだしね。心配なのかな?」
「はい……」
「君は、どうしたい?」
下卑た笑いで私を見つめる目の前の男。こんな汚い奴のせいで未来を摘み取られた人達がいるなんて許せない。
「まだ……決められません。私では、何も分からない。」
憤りを表に出さないように、拳を代わりに震わせて耐える。まだ、まだ。
「そう?じゃあ名前だけ教えて?頼りたくなったら、僕達のところに来てね。僕は、パトリックだ。」
……まったく反吐が出る。そのザマで「高貴なもの」という名前を貰っているのね。本当に滑稽だわ。
「ええ、またパトリックさん。私はセスです。」
ニッコリとパトリックさんに向かって微笑んだ。
「……ただいま戻りました。」
「あぁお疲れ様。どうだった?」
「酷い有り様でした。」
「そうだろうと思ったよ。さぁ、話を聞かせて?」
殿下はくすくすと笑いながら、さも面白そうに私の話を聞いていた。
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