星降る夜を貴方に

ごま

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入学資格認定試験

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さて、なんとしてでも学園に入学したいのだけど、どうやって入学するのかというのが問題。



1つ目、侯爵家の権力を使う

ありえない。3人に軽蔑されてしまう。

2つ目、お金を使って入る。

同上。

3つ目、エリザベスの侍女として入る。

あんまり現実的じゃないし、私も勉強したい。

4つ目、平民と一緒に入学資格認定試験を受ける。

難しいらしいけど、これが1番現実的。でも、これをお父様が許可してくれるかどうかはまた別。

5つ目、何らかの功績をたてて入る。

何をやればいいのか今の所は何も浮かばない。









私は、お父様に向けてプレゼンを行った。


・どうして、早期入学したいのか。

どうしても、親しくさせて頂いているエリザベス様と一緒になるべく長く勉強したい。


・合格出来るのか

今までよりも勉強の量を増やして、努力する。

・どうしても?

どうしても!!!!

・途中でやっぱり無理とか言わない?

言うわけない!!!!


・……本当に入学したいの?

もちろん!!お願いします!!!!





「……くれぐれも、貴族とはバレないようにね。平民の中には貴族をよく思っていない人も少なくないから。」



「ありがとうございます!!!!お父様大好き!!」




私の熱意に折れたお父様が許可を出してくれた。許可を貰えたことが嬉しくて、ニコニコしていると微妙な顔したお父様が大きなため息を吐いた。



試験は、11月に第一試験が行われる。時間がないので、今から勉強だ!!!!頑張るぞ!







「……ということで、無事に合格することができた暁にはお2人とご一緒に入学出来るんです!」



「ぶふっ……そんな一緒に入学したかったの?」

吹き出したルブラン殿下が笑いながら質問してくる。

「はい!」

もしかしたら、入れるかもしれないというだけで私のテンションはMAXである。


「……一緒に入学したいと思ってくれるのはとても嬉しいけれど、落ちたら許さないわよ?」


「もちろんです!」


「まぁアリアなら大丈夫……かな?」


「おまかせください!!」


「「……」」


「ま、せいぜい頑張んなね。アリア。」









「……お嬢様、先程私が申し上げたことはお忘れになりましたか?」



「忘れてません。」


「では、私共の気遣いなどご不要ということですね。今までありがとうございました。」



「わー!ごめんアリス、そういうわけじゃなくてちょーーっとキリが悪かっただけなの。ごめんなさい、いなくならないで~今から休むから~」



「次はないですよ。」


「ごめんなさい。」



目に見えて、勉強量を増やしたせいでみんなに心配されている。

休憩を取るようによく言われているんだけど、時間がないと思うと焦ってしまい、あともう少し、あそこまでやったら……と先延ばしてしまうのでアリスに怒られている。



「それと、もうすぐお茶会の準備を始めるお時間なので、覚えておいて下さい。」


「はぁーい。」


アリスの作ってくれたチョコレートケーキを食べながら、お茶会で3人に会えることを楽しみに思った。





「アリア。」


「なっなんでしょう?」


「あなた最近、まともに休んでないらしいわねぇ?」


「そっそっそんなことは」


「あら、私の情報が間違っているとでも?」

鋭く細められた目からは温度を感じられないほど冷えきった目線が送られ、いつもなら最高に優雅で可愛らしい首を傾げる動作も今は恐怖しか感じない。


「ごめんなさい。……間違っておりません。」


特大のため息が2人から聞こえ、1人はくすくすと笑った。


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